ウルトラマンザイン   作:魚介(改)貧弱卿

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エピソード30 空にて 2

「デュェアッ!」

「シャアッ!」

 

 クライムの意志による固有領域が勢いを増し、天魔神殿を削ぎ落としていく

血のような赤い残光を撒き散らしながら飛翔するシラリーの展開した暗黒星雲の領域が徐々に失われて薄れてゆく。

 

 衝突したシラリーとクライムの拳はシラリーが僅差で有利、しかし僅差程度の差など戦士にとっては、

己よりも力の強い怪獣などいくらでも倒して来た歴戦の勇者にとっては気に掛けるまでもないものだ。

 

「デュアッ!」「トヤァッ!」

 

 ゼファーのスラッガーが飛来し、骨片から産まれ出る怪鳥達を切り刻む、クライムの拳が唸り、正面からシラリーを殴り倒して吹き飛ばす

そして背後から発射されたビーム砲がシラリーの顔面を抉り飛ばした。

 

「よーやく反撃開始だぜ!エクスカリバー・リブラ!」

 

 黄道の第七宮、天秤宮(リブラ)を冠するエクスカリバー、宇宙戦艦 四神(スーシン)

フライトユニット朱雀、シールドユニット玄武、ブレイドユニット青龍 そしてカノンユニット白虎の4ユニットを組み合わせて完成する巨大な艦であり、同時にユニットを切り離してウルトラマン用の増設装備とすることもできる特殊兵装である(但しmade in China)

 

「やってやりますよ……火器管制システム、モードマニュアルで再起動完了、全兵装ロック解除、最高火力です!」

 

 轟音と共に何処かの機構から生まれる衝撃を味わいながらビームを照射し続ける

コントロールパネルは真っ赤になって異常を伝えてくるが、そんなことよりもできる限り攻撃し続けることが重要だ

燈は黒い長髪を無重力に漂わせながらありったけのマイクロミサイルを発射し、数機のコンパネの間を飛び回ってワイヤーアンカーや空間位相転移砲の発射ボタンを連打する

そのたびに甚大な異常が湧き上がってくるが、直ちに致命的な事態になり得るもの以外は完全に無視して火力を出し続ける。

 

 たった一撃のビーム照射でリミッターがイカれたのかオーバーロードを起こした白虎=カノンを即座に切り捨ててエネルギー込みの爆弾として扱い、そのままシラリーへ射出して爆発させる

破片手榴弾と同じ理論で加速した歪な低純度ペダニウム片が飛散し、シラリーの骨肉を擦り潰した。

 

「ギシュゥイアアアッ!」

「デュアッ!」「ジャァッ!」

 

 無論、悲鳴を上げるシラリーの隙を逃すことはなく、クライムはエクスカリバーで、ゼファーはスラッガーで、そして劉支部長は青龍ブレードで切り掛かった。

 

「エクスカリバーは伊達じゃねぇええっ!」

 

 艦船による直接攻撃として最も古い世代のそれ、衝角突撃により11機のエクスカリバーのうちたった二振り、物理刀剣に属する真なる聖剣が邪神を貫く。

天秤座は今までのエクスカリバーの集大成として山羊座の鍛造技術、乙女座と双子座の防御技術、蟹座のユニットブロックシステム、射手座の精密狙撃技術、水瓶座のエネルギーパック技術、様々な技術や構造が活かされている

ゆえにリブラは最も大きく、最も完成予定が遅かった、そしていまだに枢要部位となるコアユニットの打ち上げも済んでいなかったのだ。

 

「慣性制御システム異常発生!これ以上は速度が維持できませんッ!」

「構うなっ!耐えろぉぉ!」

 

 急加速に耐えられずに何処かがショートしたのか、突如としてアラートが鳴るコンソール

同時に慣性制御システムがダウンして凄まじい負荷が発生するが、フィジカルで耐えて突撃態勢を維持する、遠距離攻撃用のカノンユニットは先ほど謎の自爆()を遂げてしまったため今は青龍こそメインウェポンなのだ、ここで引けばあとはない。

 

「キュェシャァァァァッ!」

 

 赤い光条が放たれるが、玄武の盾が展開したエネルギーフィールドによって弾かれ

その陰から飛び出したゼファーの一撃がシラリーの首へと迫る。

 

「デェェアッ!」

 

 しかし、シラリーとて邪神、何もできずに無様に落とされるなどあり得ない

己の格に懸けての決死の反撃としてブレスを吐き、スラッガーを吹き飛ばした。

 

「ゴァァッ」

 

 赤暗い光線が渦を巻き、エネルギーフィールドの防御領域を外れたゼファーを打ち据える。

 

「デェイッ!」

 

 その瞬間、後ろに回ったクライムの必殺光線が死角から直撃し、腕が動かされたことで残っていた右腕までも己のブレスに巻き込まれて消し飛ぶ

両腕を失ったシラリーはウルトラマンを即死させる火力のメインウェポンを失い、隠し球たるブレスも使わされた直後ではもはや飛び回るだけの的に過ぎない

これで止めだ。

 

「使ってください!」

 

 燈の声と共に、四神の艦首右から青龍=ブレードがパージされて射出、それを掴み取ったのはゼファーだ

失ったスラッガーの代わりに青龍を握ったゼファーはその刀身に緑の光を注いで刃をさらに伸長させる

ザインやゼロといった念力を得意とする戦士が頻繁に使うスラッガーソードと同じ原理を用いたエンチャントである。

 

「デェェアッ!」「デュアッ!」

 

 二人のウルトラマンが握る二振りの聖剣が暗雲を切り開き、魔竜の首を狩り取った。

今後の作品展開の方針は?

  • ニュージェネ系統
  • 昭和兄弟系統
  • ンネェクサァス(ねっとり)
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