「緊急報告ッ!監視網よりベムスター出現!エリアN-08です!」
「総員第一種戦闘配置!非戦闘員は隔離ブロックへ退避せよ!繰り返す!総員第一種戦闘配置、非戦闘員は隔離ブロックへと避難せよ!」
「クルセイダーズは全員フライトハンガーへ集合せよ!」
「キャバリアーズ全員集合ッ!」
一斉に動き出す隊員達と椅子から動きもしない重鎮達の対応の差はその温度差を如実に物語っているが、そんなことよりも今怪獣が現れたと言う事実が問題なのだ
雄介は当然変身不能であり、ほとんど全隊員が一つの建物に密集している状態からの戦闘配置には常のそれよりも余程に時間がかかる
クルセイダーやセイバーのスクランブルにもその前に発進準備位置に就くためにも、まず整備の中止と組み直しにも時間が掛かる
その費やす時間の分だけベムスターが心置きなく暴れられると言うわけだ。
さらに言えば運用されるマシン達、殊に予備機のないクルセイダーは運用限界が近く、重整備のタイミングもきていると言うのに無茶な突貫出撃を強いられてしまう事になる
仮に今回の出撃を乗り切ったとしても次回がいつあるかもわからない以上は時間を取りにくい簡易・野戦整備の繰り返しになってしまう
そんな事では兵器としての信頼性を維持できないと言わざるを得ない。
「怪獣出現位置は近い、油断するなよ!」
《了解!》
雄介の
「BURK JAPAN レボルシオン、椎名雄介、出撃します!」
ゲートが開くと同時に飛び出す雄介のレボルシオン、竜弥・丈治のセイバー、地上からはBURKシルバーアローと車輌科の新型四駆マシン、BURKスイーパー、デリカベースの改造車だ。
〈椎名君、今回は僕たちも陸上から援護に入ります、敵の種別はベムスター、
正面には決して入らないようにしてください、前回はウルトラマンが助けてくれましたが、直前の戦いでウルトラマンはかなり疲弊していました、いつもいつも助けにきてくれるとは考えない方がいい〉
「了解」
実質的に援護は期待できない状況、セイバー1機とストライダー(改造機)1と地上車輌2
キャバリアーズの戦闘車両もまだ出撃できていない
ウルトラマンにも変身できないというのはかなり厳しい制約と言わざるを得ない。
〈霧島隊員が基地から援護しますが、それも完璧ではないと考えてください、できる限り自衛と周辺の防衛を行い、陽動に徹することを勧めます〉
「了解」
加速したレボルシオンが現地に到着すると同時にバルカンを発射し、牽制射撃で気を引こうとするが、やはりいくら弱かろうと元は大怪獣ベムスター、そう簡単に傷になるようなダメージは入らない。
〈目標への攻撃を許可する、ただし、周辺被害に最大限配慮しろ〉
「了解、攻撃開始します!」
雄介の指先がトリガーを引き、砲門より放たれたビームがベムスターへと直撃する。
「ギュゥェエエエッ!」
横面を焦がしたビームには流石に危機を感じ取ったのか、鈍い動きで振り返るベムスター、だがストライダー系列の速度を活かした高機動機であるレボルシオンは既にそこにはいない
背面をとった上で再びのビーム照射、続いて頭上は周り混んで顔面へのバルカン斉射
機関砲の弾は小さく、ダメージとして致命的な一撃ではないが、顔面には流石に効いたらしく、大きくのけざる
そして愚鈍な怪獣が急旋回や仰け反りをすれば、当然姿勢を崩す
体重数千トンのベムスターが地面に倒れ込み、その質量×速度の2乗に等しいエネルギーを自身の体に受け止めた。
「よしっ!」
〈目標転倒ッ!プラズマネットを使え!〉
〈隊長、レボルシオンはネット装備してないですよ!〉
〈……なら無視でかまわん、周辺避難のための時間を稼ぐんだ〉
クルセイダーならば捕獲装備を標準装備しているのだが、速度のためにその他を犠牲にしているストライダーの改造機であるレボルシオンにそんな装備はない
ゆえに転倒中のベムスターの上をそのまま旋回して持続的に攻撃し、転がし続ける事で抑え込むのだ。
「ギュゥェェェッ!」
しかし、空を仰ぐ姿勢において、上とはすなわち射程、吸引アトラクタースパウトによる次元吸収の間合いである
たとえ些か離れ過ぎていたとしても
その機能のみに特化したタイラントの腹から生まれしベムスターに出来ないという訳はない。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)