GOD EATER 〜煌めく波と手向けの花〜 作:sha-yu
楽しんでいただけたらと思います。
「おはようございます」
予定時間より、少し早い朝のアナグラ。わっしはすでに仕事モードのヒバリさんに挨拶をする。
「おはようございます、ショウゴさん。早いですね」
「一応、成人してるから。時間は守らないと」
「今度、リンドウさんに言ってあげてください。いつも遅刻するんですよ?」
「ああ、なんとなくわかるかも……」
結構ちゃらんぽらんしてる感じするもんな。あれで隊長だからな。やっぱり実力か。
「サクヤさんも大変そうですよ?時間は守らないし、部屋は片付けないしって。家事は妻に任せるとか言ってるらしいですよ?」
「リンドウさんって結婚してたんだ」
「はい、第一部隊副隊長のサクヤさんと。ショウゴさんが来る前でしたから、知らないのも無理はないです」
結婚ね……まぁ、わっしには無縁の話だ……彼女いたことないし……なんか悲しくなって来た。
ええい、忘れろ!今は仕事だ、仕事。
「ヒバリしゃん、今日の仕事は……」
「なんで涙声なんですか……」
そう言いつつ、ヒバリさんは端末を操作する。
「今日は、アネットさん、フェデリコさんと新人研修となってます」
アネットとフェデリコか。初日以来、すれ違って挨拶程度はするけど、一緒に仕事はしたことないな。しかし……
「新人研修?」
「はい、3人には要塞跡地で、大量発生したオウガテイルの討伐を行ってもらいます。新兵として配属された人たち同士の連携を確認するという名目で、毎年やってます。ナズナさん、コウタさん、アリサさんもやったんですよ」
「そうなんだ。ちなみに、大量発生ってどのくらい?」
「ざっと、30ほどでしょうか?」
「30!?」
これは酷い……空いた口が塞がらない。
「要塞跡地は、定期的にオウガテイルが大量発生するんです。大丈夫です。一つ一つの個体は、あまり強くありません。しっかり連携すれば苦戦はしません」
「ああ……頑張ります……」
初恋ジュースでも飲んで、2人を待つことにしよう。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「ショウゴさん!」
3杯目の初恋ジュースを飲み終えたころ、わっしを元気な声が聞こえたので、そちらを向くとアネットが手を振って近づいてきた。後ろにはフェ……フェ……フェルナンデスがいた。
「フェデリコです」
「なぜわかった」
「顔見ればわかりますよ。リンドウさんとナズナさんも、すぐ名前忘れて今のショウゴさんみたいな顔してますから」
「わ、悪いな。しばらく会ってなかったからさ」
フェデリコ……フェデリコ……よし、覚えた。……多分
「そうですね。面と向かって顔を合わせるのは、あの時だけでしたからね」
「でも、ショウゴさんの話は聞いてましたよ!どんな人の神機も扱えて、ハンニバルと戦った時は身を呈してジーナさんを逃がしたって」
「はは、その結果大怪我したんだけどね」
「十分すごいですよ!私とフェデリコは、まだまだですから」
そう言われるとむず痒いものが……。本当に必死だっただけなんだけどな。
「僕、ショウゴさんと一緒に仕事できるの、楽しみにしていたんです。今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
同期のはずなのに、年の差という壁がある……早急に取り除かなければ……完全にわっしが先輩みたくなってる。
「二人とも、タメ口でいいから。ていうかタメ口にして」
「「はい!わかりました!」」
骨が折れそうだ。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ヘリに揺られて、要塞跡地へ。
おお、いるいる。オウガテイルばっかり、よくまぁこんなに現れたもんだ。
さて、今日のコンテナの中身は……ナズナ印の武器いっぱい。壊せない。
「ショウゴさん、あそこ見てください」
フェデリコがそう言うので、彼が指差すほうを見ると。
「げっ、コクーンメイデン……」
「厄介ですね」
「あんなの叩き潰しちゃえばいいんですよ」
アネットはどうやって叩き潰すつもりなのだろうか……。でも、コクーンメイデンは早めに片付けたい。よし、こうなったら。
「アネット、フェデリコ。オウガテイルをかき分けて道を作るから、その隙にコクーンメイデンを」
「え!?そんな危険ですよ!」
「そうです!ショウゴさんが怪我したら……」
「大丈夫」
ポンと2人の頭に手を置く。
「辛いことは年上に任せとけ」
年下に言いたい言葉ランキングがあったら、上位3位くらいには入る言葉だな。
「さ、アネット、フェデリコ。行くぞ!」
「「はい!」」
ショートブレード二本持って、オウガテイルの群れに突っ込んだ。
「うお!!」
振ればオウガテイルを切り裂く。密集度が半端ないのだ。
アネットとフェデリコは……コクーンメイデンのもとに向って行った。
ていうか……
「オウガテイル全部こっちにきてるんですけど!?」
オウガテイル大集合。これはあかんて……。
手近なやつから、ショートで切り裂く。こんなことなら、バスターでも持って来るんだった。
「ショウゴさん!今行きます!」
コクーンメイデンを半分に切断したフェデリコが、駆け寄ってくる。
「はぁ!!」
フェデリコのロングブレードが、オウガテイルを切り裂き絶命させる。
そしてすぐにアネットもコクーンメイデンを片付け、こっちに来た。
「ショウゴさんから離れろ!!」
ゴッパァンという音と共に、オウガテイルの顔が弾け飛んだ。え!?弾け飛んだ!?
「もういっちょ」
大きく振りかぶったアネットのハンマーは、容赦無くオウガテイルに叩きつけられた。
オウガテイルの頭が木っ端微塵に……って、いやいやおかしいだろ!
「アネット!お前なにしたんだ今!?」
「フルスイングしただけです!」
「おかしいだろおぉぉぉ……」
大量のオウガテイルがわっしに近づいてきた。
「ショウゴさん!」
「待っててください!今助けます!」
おぉ〜すげぇ、アネットが神機振るだけで3体くらい宙に舞うわ。フェデリコは、綺麗な太刀筋でオウガテイルの攻撃をいなしつつ切り裂いていく。
2人とも強いなぁ……。
「わっしも負けてらんないな!」
そっからは、血祭りだった。
主に、オウガテイルの……
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「ただいま……」
もはやヘリに積んであるコンテナを持ってくる気力もなく、姉ちゃんにコンテナを任せ、アネット、フェデリコと一緒にエントランスのソファに座り込んだ。
「疲れた……」
「ショウゴさん、お疲れ様です。大変でしたね、オウガテイル。ショウゴさんばっかり狙って。僕とアネットには、全然見向きもしないのに」
「オウガテイルの好きなものでも持ってたんですか?もうそうとしか思えないんですけど」
「何も持ってってないよ……」
やたらオウガテイルがわっしのことばっかり狙って来て、もう戦うのが嫌になった……。
その時、わっし達に近づいてくる足音が……
「あれ?ショウゴさんに、アネットさん、フェ……フェスタさんじゃないですか」
可愛い可愛いカノンさんだ。フェデリコの名前間違ってるけど。
「フェデリコです!」
「はわわ、ごめんなさい!」
「カノン、お疲れ。そっちも仕事帰り?」
「はい!今日も頑張って来ました!」
よしよしとカノンの頭を撫でる。ああ、癒されるな……。
「でも、今日はなんだか変だったんですよ」
「変?」
「はい。私、後ろにいたのに、アラガミが私のことばっかり狙って来て……」
ん?わっしと同じことが……
「逃げ回ってて、今日飲もうと思ってた初恋ジュース落として来ちゃいました。どんな味か気になってたんですけど……」
初恋、ジュース?
あれ?もしかして……
「しょ、ショウゴさん。確か私たちが来るまで……」
「初恋ジュース、飲んでましたよね……」
「うん……3本」
これ以降、出撃前初恋ジュース禁止令が発令され、サカキ博士はツバキさんにこってり絞られたらしい。
いつもより長いです。
新人2人が完全に空気だとご指摘いただいたので、今回書かせていただきました。
初恋ジュース、飲み過ぎ注意。
ジーナは出ません。ジーナ書きたい……