GOD EATER 〜煌めく波と手向けの花〜   作:sha-yu

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風邪をひいてしまいました。

少し熱がありますが、執筆に支障はないので、毎日更新して行きます。

ただ一つ、ジーナさんに看病してもらえないことだけが残念でならない。


逃走、その先に

さて、しばらく初恋ジュースは飲まなくてもいいくらい飲んで来たぞ。大好きでも、10本は辛い。うん、お腹たぽたぽ。走れないと思ったから、車借りて来たよ。15の時から乗り回してたから、運転に自信はあるけど……

 

 

《がぁぁぁ!!ぐぅわぁ!!》

 

 

怖いよー、後ろ怖いよー。ヴァジュラとかいるよー。コンゴウもいるよー。なんだってわっしばっかりこんな貧乏くじを……

 

 

バァン!

 

 

車の横の地面が割れた……今のはヴァジュラの雷球か。ダメだ、集中しないとすぐに追いつかれる。

 

ミラーでアラガミ達の動きを確認しながら、攻撃を蛇行してかわす。結構運転しづらいな、この車。でも速さは申し分ない。

 

 

「あ、見えた!要塞跡地!」

 

 

あとはあそこでアラガミ達を引きつけておけば……

 

ガクンと、車に大きな衝撃が走った。

 

気づいた時には遅く、車は跳ね上がり、横転した。当然のごとく、わっしは車から投げ出された。

 

 

「ぐぅっ!?」

 

 

地面に叩きつけられ、バキッという音がした。右腕の骨が逝った。まだ所定のポイントまで来ていない。このままじゃ作戦も失敗してしまう。早く立ち上がれ。早く!

 

 

「くっ……」

 

 

立って気づいたが、足も捻挫している。痛みでうまく走れない。そうだ、神機は!?

 

その瞬間、車にヴァジュラの雷球が直撃した。あれに神機を乗せていた。あの様子じゃ、神機も……。

 

 

「くそっ!」

 

 

まだアラガミは車に気を取られている。今のうちに、ポイントまで。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

《gina side》

 

「リンドウ、もっとスピードでないの!?」

 

「無茶言うなよサクヤ。これでもアクセル全開なんだよ」

 

 

運転しているリンドウを催促するサクヤ。

 

この大型装甲車がそこまでのスピードを出せる代物ではないのは、ここにいるみんながわかっている。

 

ショウゴ君……どうか無事でいて。

 

 

「ジーナさん」

 

 

ふと、ナズナが話しかけて来た。正直誰かと話す気にはなれなかった。

 

 

「なに?」

 

「ショウゴ君のこと心配なんですよね?」

 

「そんなの、ここにいるみんなが心配してるわ」

 

「いえ、ジーナさんは違うと思います。そうですよね」

 

 

なにを言いたいのかは、だいたいわかった。でも軽くあしらうような余裕は、私にはなかった。

 

 

「そうね……そうかもしれない」

 

「やっぱり。前に、3人でコンゴウ討伐に行った時に、なんとなく感づいてました」

 

 

あの時から?でも、あの時はまだ……

 

 

「ジーナさん見てて、ショウゴ君を見る目が、他の人と違うなって」

 

「よく見てるのね」

 

「だてに隊長やってませんから」

 

 

ナズナには、既に気づかれていたのね。なんだか恥ずかしい。

 

 

「要塞までついたら、ショウゴ君をお願いします」

 

「……了解」

 

 

年下にここまで気を使わせるなんて……私も訓練不足かしらね。

 

 

「お前ら、もう着くぞ。準備を……ありゃあ、やばいな」

 

 

運転していたリンドウの声に、少し焦りが混じる。窓の外を見ると、要塞跡地付近に黒煙が上がっている。

 

あれは、まさか……

 

 

「リンドウ!」

 

「わかってる!総員戦闘準備!奴らをぶちのめすぞ!」

 

 

ショウゴ君……

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

初恋ジュースの威力は凄まじいものだった。車の爆発でアラガミの目を引いても、すぐにわっしを標的にする。

 

捻挫した足を引きずりながら、あるものを見つける。

年代物の名刀だ。

はは、ナズナさんに渡したら飛び上がって喜ぶな。

 

でも今は、わっしの杖だ。

 

 

「もう少し……もう、少し」

 

 

アラガミを要塞跡地の所定の場所に集める。その所定の場所は、海に囲まれていて、逃げ場は入ってきた道一本だけという、不意打ちにもってこいの場所だ。

 

ようやく着いた、その場所で耐え切れず、わっしは大きな岩を背に、座り込んだ。

 

 

「あとは……他の人たちに任せる。けど、わっしも死ぬわけにはいかないからな……」

 

 

刀を抜いて、座ったままアラガミに向けた。

 

 

「悪足掻きはさせてもらう」

 

 

ヴァジュラが雷球を作り出している。

わかってたさ。こんな刀が役に立たないのは。

 

でも、諦めたくないんだ。

 

しかし、そんな思いはこの場では刀よりも役に立たなかった。

 

わっしの体は、雷球の爆発で吹き飛ばされ、最後に見たのはわっしの腕から離れるゴッドイーターの証の腕輪と、海だった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

《gina side》

 

要塞跡地には、ざっと100体。小型アラガミや大型アラガミが混在していた。

 

 

「各自、アラガミを殲滅しながら、ショウゴを探せ!行くぞ!」

 

 

第一から第三部隊までの全員がアラガミに突撃した。

私も引き金を引き、アラガミを貫く。

 

しかし、違和感を感じた。

 

一撃で、アラガミが倒れたからだ。

 

 

「こいつら、弱ってんのか?」

 

 

シュンがオウガテイルを切り裂きながら、カレルに聞いている。

 

 

「わからない。だが、楽でいいじゃないか」

 

 

カレルの言うとおり、相手を簡単に倒せるならそれでいい。早くショウゴ君を探さなければ。

 

おそらく、彼はアラガミを率いていたから一番奥。海沿いの場所にいるはず。

 

襲ってくるアラガミを撃ち貫き、道を開ける。

 

あそこだ、広くなっている場所がある。

 

 

「ショウゴ君!」

 

 

アラガミの群れを抜け、その場所につくが、彼の姿はない。どこに行ったの?アラガミから隠れる必要はない。もう私達が来たんだから。あなたを救助しに……

 

 

コツン

 

 

足元に何かが当たった。

大きな、私の腕にもついている、大きな腕輪。これって……もしかして……。

 

 

「ショウゴ……君?」

 

 

もうなにも考えられなかった。

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