寝取られエロゲ世界にTS転生したら幼馴染が竿役間男だった件について   作:カラスバ

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それでもその日の事は、今でも鮮明に覚えている


初めての大切な記憶、靄が掛かる

 少しだけ、昔のお話を。

 

 毒島黒男、つまり彼と私が出会ったのはお互い4年生になった時だ。

 その頃、私は家の事情で現在住んでいる家の場所に引っ越す事となった。

 家の事情と言っても仕事の事情ではなくいわゆる夢のマイホームって奴である。

 今までアパート暮らしだった私は新しい広い家に胸を躍らせた。

 で、様子見に来た時にちょうど彼と出会った訳だ。

 

 その日も、暑い夏の日だった。

 

 なんて言うか、第一印象はカワイイ奴だなと思った。

 こう、名前と前世知識、そして直感で目の前の男の子が将来の竿役間男だと確信した筈なのに、目の前の男の子は人畜無害そうに感じた。

 女の子を相手するのに如何にも慣れてないって感じの雰囲気。

 むしろここからあんな鬼畜になれるのだろうかとこちらが心配になって来るほどだった。

 顔を真っ赤にして、その顔も私の方を見ず、どもりながらも偉そうに話す。

 本当にもう、年相応だった。

 

 その後すぐの事だった、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 私は友好な関係を築きたいと思っていたのですぐに彼の誘いに乗り、そして公園へと向かった。

 いつも通りの公園である。

 当然バッグの中には携帯ゲーム機を入れ、後はマンガとかカードゲームとかも入れた。 

 これだけあれば何かしら彼の琴線に触れるでしょ。

 公園について、それから私はバッグを地面の上に置く。

 重たくはなかったけど、暑いし蒸れるし、早く下ろしたくて仕方がなかった。

 

「ふー……ん?」

 

 なんか視線を感じる。

 バッグを下ろした体勢のまま、私は顔を上げる。

 なんか黒男が顔を更に赤くしていた。

 さながらトマトである。

 

「ん? 黒男、何見てんの?」

「あ、ば――その、『その体勢でいろ』」

「……だからなに?」

「な、なんでもねーよ! そ、それより今日は何するんだよ」

「何するって……公園に行こうって言ったのは黒男の方だったじゃない?」

「そ、そだったっけ?」

「そだったそだった」

「え、あー、っと。こういう時何すれば良いんだ……」

 

 うーんうーんと悩む黒男。

 しかし私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 産まれたばかりのバンビちゃんの如く足がぷるっぷるで、そして最終的に私は前に倒れる事となった。

 そうなれば当然目の前に黒男がいる訳で。 

 私は勢いのまま、黒男を押し倒す事となった。

 

 いや、それは押し倒すと言っても良いんだろうか?

 私は彼の腰辺りにぶつかった訳だから、押したというより体勢を崩させたって方が正しいかもしれない。

 なんにせよ彼もまた私と一緒に倒れ、そして私は「んぎゅ!」と声を漏らしてしまう。

 

「いったー」

 

 私は無意識にぐりぐりと頭を、額を彼の身体に擦り付けてしまった。

 何やら体と言う割に柔らかだったが、一体どこに私は頭を擦り付けてるんだ?

 思わず目を閉じながら身体を起こす。

 そして恐る恐る目を開けて、そして黒男の状態を目の当たりにする事になった。

 

 黒男は目を白黒させていた。

 一体何が起きたのか分かってないって感じだ。

 ただ、――その。

 びっくりしちゃったからなのかもしれない。

 下半身、ズボン。

 ……股間のところが、若干沁みになっていた。

 あー、その。

 これはー……

 

「な、ぁ……なっ」

 

 ぱくぱくと陸に上がった鯉のように口をパクパクさせる。

 しばらくそうした後、彼は叫ぶ。

 

「お、『おしっこだから!』」

 

 お漏らしなのは分かってるが?

 

「帰る!」

 

 お、おう。

 ズボン新調してきなー。

 

「これで勝ったと思うなよっ!」

 

 いや、別に私は何もしてないが?

 そうしておっかなびっくり立ち上がった彼は顔を真っ赤にして、あるいは真っ青にしてその場から立ち去っていく。

 一人残された私は、何が何だかって感じでその場に残されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――みたいなのが、私と黒男の最初だね」

「はぁ……」

 

 私の話を聞いたあかりちゃんはどういうこっちゃと言った感じの表情を浮かべた。

 

「お姉さまって、その」

「なに?」

「実はタラシだったりする?」

「あかりちゃんよく「タラシ」なんて言葉知ってるねー」

 

 私は感心しつつ、彼女の髪を櫛で梳かす。

 

「いやね、私。それでも学校では全然モテないってか友人自体が少なくて。それはあまりお見舞いに人が来ないところから、分かるでしょ?」

「酷い話だよね」

「ま、一人の方がゲームをずっと出来るから良いってのもあるけどね」

「うーん……?」

 

 良く分からないって雰囲気のあかりちゃん。

 

「私は、一人よりお姉さまと一緒にいる方が好きだよ?」

「ホントねー……あかりちゃんはカワイイ事を言ってくれるなー」

 

 身体が十全なら抱き着いていたと思う。

 代わりにもっと気持ち良く髪を梳いてやろう。

 えい、えい。

 

「でも、お姉さまは誰ともそんな感じだってのは、ちょっと分かった」

「んー……?」

 

 良く分からないけど、納得しているのならそれでいっか。

 

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