寝取られエロゲ世界にTS転生したら幼馴染が竿役間男だった件について   作:カラスバ

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どこまでも普通な君は

 なんでもあかりちゃんがいないらしい。

 脱走したのだそうだ。

 マジかよ、彼女ってそんなアグレッシブな女の子だっけ?

 少なくとも原作ではおしとやかで如何にも病弱って感じだった気がする。

 

 そして暇を持て余していた私は折角だからと彼女の捜索に参加。

 一体どこにいるんやーい。

 そんな風にきょろきょろと周囲を見渡し、病院の外に出る。

 とはいえ、当てがある訳ではない。

 それは他の看護婦さん達と同じで、だから足でしらみつぶしにしていかなくてはならないだろう。

 

 なんて言うか私、あかりちゃんの事をあまり知れてないんだなと思った。

 こんな事をするような女の子だとは思ってもみなかったし、どこに向かったのかも分からない。

 なんか自信なくすなー。

 結構、仲良くなったと思っていたんだけども、実は案外彼女は私に心を開いていなかったのかもしれない。

 とはいえ、今その事を後悔してもしょうがない。

 私は兎に角病院の外を見渡しながら歩き――そして結果的にその場所へと辿り着く事が出来た。

 

 

 

 黒男とあかりちゃんが、仲睦まじそうに握手をしている姿を。

 

 え、え?

 マジで? 

 二人、今まで全然仲良さそうじゃなかったのに、いつの間にそんなに仲良くなったの?

 なんか手を握り合ってそれでニコニコ笑い合ってるし、一体どうなってるの?

 全然知らなかったんだけど。

 私、びっくり。

 

 えー、嘘だぁ。

 そんな風に仲良くなる、エロゲ的に言うのならば好感度アップイベントがあったのならば私も観たかったなー。

 それにしても、凄いじゃん黒男。

 流石は未来のヤリチン竿役間男。

 やる時はやるって訳だ。

 あんなに微妙な関係だったのに手練手管で自分の虜にするなんて簡単に出来る事じゃない。

 そういう調子で頑張るんだ、黒男。

 これからも、そんな風にいろいろな女の子を自分の虜にして、好きにして、それで――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ずきっ。

 

 

「……?」

 

 なんか、違和感を覚えた。

 だけどそれはすぐに消えてなくなったので、多分気のせいだったのだろう。

 

 とにかく、今は黒男の事だ。

 彼はどうやら今、竿役間男として覚醒しているか、その兆しが出ているんだと思う。

 あのあかりちゃんの笑顔が良い証拠だ。

 あれは、私にすら見せなかった明るい笑顔。

 それを引き出せたのは単に彼の努力、尽力故だろう。

 素直に、私は拍手を送るとしよう。

 そんな事をやったら今、こうして隠れて見ているのがバレるのでしないけど。

 なので、ここは大人しくにやにや笑いながらこの場から退散するとしよう。

 

 頑張ったね、黒男。

 これからも頑張るんだ、黒男。

 

 そうやってこれからも頑張って女の子を堕としていって。

 

 それで――

 

 

 




ちょっと短めでしたが、今章はこれでおしまいです。



投稿が遅れて申し訳ありません!

リアルでちょっと持病が悪化してて、なかなか執筆に時間を割けませんでした。


次章『Snow Step』は出来るだけ早く投稿出来るように頑張りたいと思います。

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