寝取られエロゲ世界にTS転生したら幼馴染が竿役間男だった件について   作:カラスバ

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良いよね、本人が「?」を浮かべながらエロい事する奴。


催眠シチュは本人がその事に気付いていないのが至高

 毒島黒男。

 現在12歳の少年だ。

 今はわんぱく坊主って感じの見た目をしていて、イケメン。

 その上成績優秀。

 如何にもスポーツ得意ですって見た目をしてるのに学業も得意とかなにそれチートか?

 チート野郎なんだよなぁ。

 そのハイスペックさに関しては原作で思う存分発揮されておりましたとも。

 彼は別にその催眠能力と時間停止能力があったからセフレハーレムを築き上げられた訳ではないのだ。

 

 しかし、とはいえ気になる事はある。

 その催眠能力と時間停止能力は一体どこからやって来たのだろうか、とか。

 いやまあ、原作では女の子をメロメロにする触手生物とかお前絶対ファンタジー産でしょって奴が登場したりするので、そういうのはやっぱり突っ込んだら負けな気もするけど。

 せめて警戒はしておきたい。

 どうやら今はまだそういった能力に目覚めている様子はないけれども。

 いたって普通の、ちょっとエッチなところがある12歳の少年だ。

 

「よ、よお雛木」

「別に、歩夢で良いっていつも言ってるじゃん」

「あ、歩夢……それじゃあ、いつも通りにさ。あっちで『挨拶』しようぜ?」

 

 挨拶?

 ああ、そう言えば、()()()()()()()()()()()()

 面倒臭いですけど、だけど礼儀知らずにはなりたくありませんし。

 はぁ……

 

 ベンチから立ち上がり、彼と共に公園の端にあるトイレ、その陰になっているところに移動する。

 ここなら彼以外の視線はない。

 うん、挨拶するにはもってこいだ。

 

「じゃ、挨拶するね」

 

 そして私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お、おお……!」

 

 今日のパンツは私のお気に入りのカラーのシトラスグリーンだ。

 最近は気温が高くなっているので涼しげな薄い生地のパンツ。

 ……もしかしたら肌が透けたりしちゃったり?

 それは恥ずかしいな。

 パンツ見せる過程で肌を晒すとか、まさに痴女じゃないか。

 

「触って……いやいやなんでもないなんでもない! も、もう挨拶終わり!!」

「はぁ……?」

 

 なに慌てているんだろ。

 私はただ挨拶しただけなのに、変な奴。

 将来はヤリチン間男だし、頭の構造が変なのかもしれない。

 あるいはそうじゃないと催眠能力が目覚めないとか。

 恐いな、催眠に掛けられないように精神能力とか鍛えておこう。

 それで防げるかどうかわからないのがまた恐いけど。

 

「じゃ、じゃあさ。喉乾いたから『水飲ませてよ』」

「……黒男、貴方面倒臭がり過ぎじゃない?」

「い、良いじゃん!」

 

 彼に差し出されたペットボトルを渋々受け取った私は「はー」と溜息を吐きながらキャップを外し、それから中身を口に含んだ。

 スポーツドリングの少ししょっぱくて甘い味を感じながら口を窄め、黒男の顔、その唇に近づけていく。

 まったく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 常識とは言え、やる方は大変なのだ。

 いっその事、彼に直接飲んで貰った方が楽なのだけど、それは流石に非常識だろうし……

 

「や、やめっ!」

 

 しかし、彼は何故か口が触れるよりも前に待ったを掛け、それから私の手からペットボトルを奪い取った。

 

「やっぱなし! 『なかった事にする! それに対して違和感を覚えない!!』」

 

 ……ごくごくと顔を真っ赤にしながら勝手にペットボトルのスポーツドリンクを飲む黒男。

 相変わらず、挙動不審だ。

 時々私の前でそんな風になるのだが、一体どういう事だろう?

 私は首を傾げつつ口の中のスポーツドリンクをこくりと飲む。

 あれ、そういえば私、何でスポーツドリンクを口に入れてたんだっけ? 

 ……ま、良いか。

 

「それじゃあ、挨拶も終わった事だし今日も遊ぼう、黒男」

「あ、ああ。今日もモンブレだよな」

「後もう少しで大型アップデートが来るし、それまでにブレイカーランクを上げないと」

「……いつも思うけどさ。折角外に出てるんだからスポーツとかするのは」

「私に死ねと?」

 

 それこそ、私に催眠術を掛けない限りそんな事はしない。

 まあ、今のところ催眠術に目覚めた形跡はないのでそんな事は不可能なんだろうけど。

 

「へへっ」

「何にやにやしてんのさ」

「いや、今日も歩夢。可愛いなって」

「それ、他の女の子にも言ってるでしょうが」

 

 まったく、お調子者なんだから。

 

「歩夢は特別だよ」

 

 それもまた他の女の子にも言っているでしょ。

 私は「はー」と溜息を吐くのだった。

 

 ああ、暑い。

 もうすぐ季節は夏だ。

 既に私は半袖ミニスカと防御力の薄い格好をするようになっている。

 もう女の子になって12年なので、今更その事を男として恥ずかしいとは思わない。

 女としては、どうだろう。

 いや、別にどうも思わないな。

 黒男に見られている事も察しているが、それに関してもどうも思わない。

 そもそも異性として見ていないからだと思う。

 多分パンツとか見せたり、あるいはキスをしたりする事になったら拒否感を覚えたりするかもしれないけど。

 だけどそんな事は絶対にしないだろうしなー。

 将来的に彼がヤリチン間男に覚醒したとしても。

 そうなったら、私以外のカワイイ女の子に目が行くようになるだろうし、そうなったらいよいよもって私も暇になるだろう。

 ヤリチン間男の幼馴染として、そう言った未来に行き着くのは阻止すべきかどうかに関しては、今のところ保留。

 だって、現状ちょっとエロいだけのわんぱく坊主なのだし、私が出る幕はないだろう。

 何か、キッカケがあるのだろうか?

 ともあれ、私は私が何よりカワイイ。

 いざとなったら保身に走らせて貰うぜ。

 

 それはそうと、喉が渇いた。

 私は黒男の持っているスポーツドリンクを見、それから彼に「それ、飲ませてよ」と言う。

 

「なっ、それ間接キスだろうが!」

「貴方、そんなこと気にしているの?」

 

 どうやら恥ずかしいらしい。

 まったく子供だなー。

 こんな様子じゃ、女の子にエロい事をするのはまだまだ先かもしれない。


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