寝取られエロゲ世界にTS転生したら幼馴染が竿役間男だった件について   作:カラスバ

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解答丸写しはいけません(戒め)。


ある意味ズルする事も醍醐味

 さて。

 誘蛾灯に集まる虫達の如く、あるいは美女をナンパしてくる頭お猿さんな男達の如く、夏休みの子供に必ずと言ってもつき纏ってくる面倒臭い存在がある。

 ていうか夏休みの宿題である。

 小学生の宿題なんてそんなの簡単じゃんかと思われがちだが、しかし大人が子供達に勉強する事を休みの間でも習慣付けさせるために与えるものなので、長期的に行わなければならないものが多い。

 

 山ほどある問題集、毎日書かなくてはならない日記、そして自由研究。

 

 ただ、どれ等も本気を出して取り掛かれば数日で終わるものでもある。

 そしてその事実こそが夏休みの子供達を狂わせるのだ。

『頑張ればすぐに終わる』『まだまだ大丈夫』『もうちょっと遊びたい』『ていうかやりたくない』

 そんな気持ちで夏休みの宿題を後回しにする。

 そして結局最終日まで残す事になり、泣きを見る事になるのが定番である。

 あるいはもう「あ、ダメだこりゃ」と諦めて手を付けない子もいるかもしれない。

 なんにせよ、夏休みの宿題と言うのは子供達にとって厄介な存在なのは間違いない。

 

 とはいえ我々も既に小学6年生、私はそれ以上に転生者だ。

 今更後回しにして後悔するような事はしない。

 そして7月中に終わらせるべく、私達は一丸となって夏休みの宿題を攻略する為、私の家に集まるのだった。

 

「……」

「……」

 

 ずず、ずー。

 無言で問題集を解いていく。

 時々氷がたっぷり入ったコーラをストローで啜る。

 攻略を開始してから、既に2時間が経過していた。

 現状、私は8割、黒男は6割終わったって感じだった。

 実際のところ問題集の問題は決して難しくないのだが、如何せん量が多い。

 そしてそこから自分で正誤確認をし、間違ったところは解き直さなくてはならない。

 ぶっちゃけ、面倒臭い。

 小学生の問題なんだから間違える筈がないと思われるだろうが、案外ケアレスミスというものはあるものなのだ。

 具体的に言うと20問に1回はある。

 

「……」

 

 しかし、どうも黒男の様子がおかしい。

 いや、問題は解いているのは間違いないのだが、落ち着きがない。

 なにやらチラチラこちらを見てきているような気がする。

 んー、なんでだ?

 どちらにせよ、集中していない事には変わりない。

 しかし私は後もう少しで終わるので気を緩めても良いが、彼はまだ問題集が残っている。

 なのでここで話しかけたりは出来ないだろう。

 

「……なぁ、歩夢」

 

 と、思っていたらむしろ黒男の方から話しかけてきた。

 

「ちょっと、暑くね?」

「我慢してくれー」

 

 どうして暑いのかと言うと、現在我が家では省エネ運動が行われており、その為若干エアコンの設定温度が高いのだ。

 具体的に言うと29度。

 暑過ぎる事はないけれども、いや、やっぱり熱気は感じるわ。

 

「どうする? お母さんに頼んで下げて貰う?」

 

 私はグラスを手に持って揺らす。

 カラン、と氷がぶつかって音を鳴らした。

 夏らしい涼しげな音を感じて何となく体温が下がった気がしたが、実際ただの気のせいである。

 熱中症には気を付けなければならないけど、だけど、29度で熱中症になるかどうかは正直分からない。

 我慢出来る暑さと我慢出来ない暑さ、その中間である。

 気持ち的にはもっとガンガン効かせた上で布団に包まって過ごしたいというのが本音だったけど、それは絶対に出来ないしね。

 だから仕方がないので無地の白いノースリーブシャツを着てショートパンツスタイルという涼しい格好をしているのだが、それでもやっぱり暑い。

 自然とだらだら汗が出てくる。

 定期的に首に掛けたタオルで拭ってはいるが、気持ち悪い事には変わりない。

 

さ、先に掛けておいて良かった……

「んー?」

「な、なんでもねー」

 

 何かぼそっと呟いた気がしたが、生憎と聞き取れなかった。

 そして変わらずチラチラとこちらを見てくる。

 ?

 どうしたんだろ、ホントに。

 私の顔に何か付いてる?

 汗が付いてるか。

 

「な、なあ歩夢?」

「なぁに?」

「歩夢ってやっぱり緑色が好きなのか?」

「……いきなり唐突だね。いやうん、緑は好きだよ? 色の中では一番好きかもしれない」

 

 私の私物は確かに緑色のものが多い。

 シャープペンシルなどといった文房具から始め、衣服なども緑色のものが多い。

 だけどこの質問に何の意味が?

 

「あ、もしかして私の誕生日プレゼントの事、考えてくれてる? 9月だし、後もう少しだもんね」

「そ、うだなー」

「ゲームソフトが欲しいな、私」

「そっかー」

「む、ん? なんかちょっと上の空じゃない?」

「な、なにがぁ?」

 

 私の問いに対し、黒男は挙動不審になる。

 それがいけなかった。

 机に彼の肘がぶつかり、ガラステーブルが前に出てくる。

 私目線で言うのなら、こちらに突き出てきた。

 ぶつかり、ぐらりと身体が揺れる。

 そして私は今、コーラの入ったグラスを持っていて、だから当然中に入っていたコーラの水面もちゃぷんと揺れて、跳ねた。

 

 びしゃっ。

 

 とはいえ、何とかなった。

 私の身体があったから床には零れなかったし、そして問題集がびしょ濡れになるという最悪な事態も起きなかった。

 ただ、コーラは半分ほどなくなってしまった。

 ちょっと、勿体ない事をしてしまったな。

 

「ま、不幸中の幸いかな――って、どしたの黒男?」

 

 なんか顔を真っ赤にしている黒男。

 え、どうしたの?

 私の事を見てるけど、()()()()()()()()()()()

 

「あ、歩夢?」

「なんかさっきから黒男、変だよ?」

「ま、また『一緒に水浴びしないか』?」

「……良いけどまた唐突だね。なんでさ?」

「とりあえず着替えを持って一緒に行こうか!」

「……?」

 

 首を傾げつつ私は着替えとタオルを持って風呂場へと向かう。

 そして服を脱いで裸になって彼と一緒に入ろうと思ったのだが、しかし何故か顔を逸らしている黒男は「ちょっと用事思い出したわー」とか言ってくる。

 

「歩夢、やっぱ先に一人で入ってよ」

「いや、ん? 水浴びしたいのは黒男じゃなかったっけ?」

「良いから良いから!」

「……?」

 

 なんか頭がこんがらがるな。

 ま、良いけどさ。

 私は一人で風呂場に入り、それからシャワーから噴き出た温水を浴びる。

 

 ……なんか身体、べとべとしてない?




突然ですが、雛木歩夢ちゃんの仮ビジュアルを公開します!


【挿絵表示】


2時間クオリティなのであまり期待しないでください。
あと、あくまで仮ビジュアルなので今後正式なビジュアルが公開された時、少し変化があるかもしれませんが、そこら辺はご容赦ください。
特におっぱい。
我ながら盛り過ぎたと思ってる……

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