不運な味噌屋は帰りたい   作:ガラクタ山のヌシ

12 / 26
久しぶりな投稿。


第12話

 

あの後、ちょっとちゃん研の人らに聞いて見ると、あのパツキンのチャンネーは結構な凄いお人であることが判明した。

まず、学園総帥である薙切仙左衛門の孫娘で、生まれついてのお嬢様。なにそれ羨ましい。

そして『神の舌』なるものを持った天才であり、それを活かした料理の腕も超一流。

その証拠に一年生ながら遠月じゅっけつ?とかいう、かな〜りスゴい人たちの一員に選ばれたらしい。

オイオイ…お嬢様って大抵メシマズなんじゃあねぇの?(偏見)

やっぱ天才ってのはいるもんなんですなあ。

なんだろ?こうまで色々自分と開きがあり過ぎると嫉妬の念すら追いつかないっていうか〜…。

よりいっそう凹むばかりって言うかぁ〜……。

粗相してないか記憶を辿るが、うん。まぁ特に問題はない…と思いたい。

また、彼女に試食してもらうためにわざわざ大枚をはたく料理人も珍しくなく、現に昔から今に至るまで、彼女のもとに新作を持って行く料理人は後をたたないとか。

大事なのは献上するような雲の上の存在じゃあ無くて、あくまでわざわざお店に足を運んでくれるお客さんが満足するかどうかだと思うんだけどなぁ…。

素人意見だよなぁ。

まぁ、箔をつけることの大事さはわからんでもないけども。

 

にしても毎日毎日試食かぁ…。

 

「太んないのかなぁ?」

 

不意に、思ったことが口をついて出てくる。

 

いやまぁ…いっぱいって言っても一口ずつだから、そこまでカロリーなんかも案外気になんないのかもだけど…。

そんなことを考えつつ、わたしは今ちゃんこに合う味噌の調合を黙々と行なっている。

テーマは海老だそうで、ちゃん研の会長…豪田林先輩からは伊勢海老に合う味噌を作ってくれとの依頼を受けた。

それ以外にも使おうと思っている具材なんかもわざわざプリントアウトして持って来てくれた。

いやまぁ、頼まれた以上はやるんだけどもさ。

こういうところで未来の顧客が増えたりするかも知れないし。

机で広げたのは本当にごく一部だったし…。

わたしとしてはサンプル程度の認識だったんだけども、えらく驚かれたなぁ〜…。

ゴ〜リ…ゴ〜リ…と、持ち込んだ自前のすり鉢で、ウチにあった鍋に合う味噌の基本レシピを思い出しつつ、アレンジも加えて見る。

めんどくさがらずに写メるなりしてくれば良かったよ…。

 

ペロッ…。

 

ん〜…もうちょいなんか…深みというか…。

ハァ〜…才能の無い自分が恨めしい…。

気がつけば、朝から始めた作業は夜になろうとしていた。

 

「も〜!!ずっと閉じこもってたから心配したんだよ〜〜!?」

 

ぷんすかしながらそう言ってくる田所ちゃんマジ天使。

 

もう毎日お味噌汁作って欲しい。




…忘れられてないよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。