不運な味噌屋は帰りたい   作:ガラクタ山のヌシ

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第6話

「はぁ〜…予想してたより厳しいモンだなぁ〜…」

 

ぬかった。

正直割と手加減してもらえるモンだと思ってた。

だって曲がりなりにも試験は受かってるし。

何よりあの食べ方自体、手を抜くとかじゃあなく、個人的にすごく好きなのに…。

何故か怒られた。

おばあちゃんこわい。

 

「だ、大丈夫?寒くない?」

 

そう言って、様子を見に来てくれたのは田所恵ちゃん。

 

わたしが入寮腕試しで、今なお黒星を重ねている極星寮の生徒で、かなりの良識人。

 

「わたしゃあ、もぉ〜だめかもわからんね…」

 

寝袋にくるまりながら彼女に背を向けて、弱々しくそういうと…。

 

「え、ええぇえっ!?だ、大丈夫!?体調壊したりとか、お腹減ってたりとか!?」

 

このようにアワアワといい反応を返してくれる。

 

可愛いの〜。

 

「いやいや、冗談。心配してくれてありがとう」

 

ゴロン、と田所ちゃんの方を向いて、精一杯良い顔をしてみる。キリッ。

 

「も〜、またそんなこと言って…こんなこと繰り返してたらホントに困った時とか誰にも信じてもらえなくなっちゃうよ!?」

 

まじめだなぁ〜。

わたしとは大違いだ。

 

「にしても…」

「聞いてる!?」

「聞いてる聞いてる」

 

まさかアレがダメだったとは…。

 

「一発合格イケると思ったのに…」

「合格って……流石にもろきゅうじゃあ、合格はキツイと思うよ?」

 

ダメかぁ〜…。

 

もろきゅう美味しいんだぞ〜もろきゅう。

 

きゅうりを適当に切って、割り箸に刺して、味噌につけて食べる。

ザ・日本!!って食べ方がわたしはすごく好きなのに〜。

 

「でも、二度目はちゃんと工夫したもん!!」

「お味噌の隣にマヨネーズが加わっただけだよね?」

 

くぅっ…この贅沢者めら…。

 

基本的に一番美味い食べ方ってのは一番シンプルな食べ方なんだよ〜!!

 

……たぶんだけど。

 

しっかし…。

 

「う〜〜〜〜ん……」

 

ちょっと転がるかなぁ〜。

もしかしたらなんか出るかも!!

 

しらんけど。

 

ゴロ…ゴロ…。

 

ゴロゴロゴロゴロ…。

 

ゴ〜ロゴロゴロ…。

 

ゴロロ…。

 

「ど、どうしたの?」

 

あ、田所ちゃん、ちょっと引き気味な反応だ。

ショック。

 

「ん?いや、なぁんかいいアイデアでるかなぁって…」

 

くっそ〜…。なんやかんや今のところ四連続敗退…。

 

野宿生活をはじめようとしていたわたしを見るに見かねた田所ちゃんが頼み込んでくれたおかげで、この納屋を借りてはいるものの…夜の寒さを完全に凌いでくれるわけじゃあ無い…。

 

「なんとかしなければ…なんとか…」

 

流石に既に入寮してる生徒に助言を聞くのはダメみたいだし…。

 

「お味噌の一番活かせる料理〜…」

 

パッと思いつくのはお味噌汁…。

うどんや田楽、それと肉とか…いや、どっちかと言うと魚の方がいいなぁ〜…。

というか、今サバの味噌煮とか食べたいなぁ〜…。

 

ジュルリ…。

 

「大丈夫かなぁ〜?」

 

お腹すいたなぁ〜。

 

「かーさん。夕飯はサバの味噌煮がいい〜!!」

「えぇっ!?かーさんって私ぃ!?」

 

田所ちゃんは本当に可愛いなぁ〜。

 

なお、その後、ホントに作って来てくれた。

 

やさしい。

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