少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE -   作:リカル

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新厄 開幕





あるるXシャウトモン! 異次元の出会い!

 

 

「はっ!、はっ!、はっ!、はぁ・・・!」

 

 

金色のポニーテールを激しく揺らしながら走るのは、彼女にとって見慣れた街並み

 

 

ソレとそっくりな【異世界】。

 

 

「みんな大丈夫!?」

「は、はい・・・!」

「ララフィン、美空ちゃん

あまり大きな声を出さないでッ」

「あいつらに見つかっちゃうってば」

 

 

まるで照明が落ちた映画のセットのように造り物じみた空間をどれだけ進んでも、自分達5人しか人影はなく

 

 

「くしゅんっ、くしゅんっ」

「くっそぉ!、どこいきやがったぁ!?」

「ヘンなモンあびせやがってぇ!」

「ハナがゼンゼンきかねぇえええ!」

「「「「へぷしゅんっっ!!」」」」

 

 

代わりに居るのは

 

灰色の毛並みで大きな耳を持つ、二足歩行の

 

         モンスター。

 

 

「!、もうこんなに近くまで・・・!?」

「どうするの静羽?」

「やっぱり戦うしかないよ!」

「で、でも、ララフィン先輩

あたし達、このままじゃ・・・・・・・・・」

 

 

着々と距離を詰めてくる追跡者達の気配を感じ取り、制服姿の少女達が不安をぶつけ合う。

 

「お!、ハナもどってきたぁ!」

「くんくん!、くんくん!」

「におう!、におうぞぉ!

 

 

ニンゲンのにおいだぁ!」

 

 

「もうにがさないかんなぁあああ!!」

 

 

「「「「「ッ!!」」」」」

 

 

その間に最初に遭遇した際ぶちまけた制汗スプレーの効果が切れて・・・

 

「み、みん」

 

 

「「「「「みっっっけたぁ!!!」」」」」

 

 

「うわぁー!?」

「「「「あるる/ちゃん!!」」」」

 

 

あっという間に囲まれてしまった。

 

「あなた達!、一体何なの!?

私達に用があるなら、こんな風に追い掛け回したりしな」

「うっせぇ!」

「いっ!?」

「つかさ!!」「つかさ先輩!!」

「だ、だい、じょ、ぶ・・・!」

「全然大丈夫じゃないよ!、つかさちゃん!」

 

詰め寄る少女にモンスターが乱暴に爪を振るえば

制服の袖が大きく引き裂かれる。

 

「おい!、あんまやりすぎんなぁ!」

「そうだぁ!、そうだぁ!

ニンゲンのキラめきとソウル!

うばうまえにきずなんてつけたらぁ!」

「おれらまでジャングルモジャモンさんにしかられるだろぉ!?」

「ご、ごめぇん」

「ッ!?、ーーーーーー・・・・・・・・・」

 

言い争う4体の様子から、その目的を悟った

リーダー格の少女。

 

 

「キラめきですって?

 

あなた達

 

一体どこに目をつけているのかしら?」

 

 

「「「「え??」」」」

 

 

彼女の顔に浮かぶのは シニカルな笑み。

 

 

「この中でキラめきを持っているのは私だけよ

そんなこともわからないのかしら?」

「え?、えぇ??、そうなのかぁ?」

「わ、わっかんねぇ!」

「で、でも!、なんかこいつつよそう!」

「なら、まずはこい」

 

 

「静羽、ソレ、どういう意味?」

「そのままの意味だけど・・・

あら、もしかして本当のこと言われて傷ついちゃった?

ごめんなさいね、フフッ♪」

「この!!!、言わせておけば!!!」

 

 

「「「「えええぇぇぇ!!??」」」」

「や、やめろよぉ!」

「おまえらナカマだろぉ!?」

「そんなことすんなよぉ!!」

 

あまりの物言いに袖を引き裂かれた少女が目を吊り上げ、胸ぐらを引っ掴めばモンスター達が慌てて止めに入った。

 

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

 

2人が命懸けの即興劇を繰り広げる最中

1人は周囲を見渡して退路を

1人は武器になりそうなモノを探し

1人は

 

 

【観客達】の反応を一挙一動細かく観察し

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うんっ

 

 

静羽ちゃん!、つかさちゃん!

 

 

一端ストップ!!」

 

 

「「え!?」」「「あるる!?」」

「「「「んんっっ!!?」」」」

 

 

仲間が造り上げた舞台を自ら壊す・・・!?。

 

 

「ねぇ!、あなた達!

今の2人の即興劇を観てどう思った?」

「そっきょお?」「げきぃ?」

「ってことはぁ・・・」

「「「「おれたちだまされたぁ!?」」」」

「「「ッ」」」

「くっ!、ララフィン=」

 

激怒するモンスター達を前に3人は身を竦め

1人は表情を固くしながらバールのようなものを構えた。

 

「違うよ!、騙したんじゃない!

2人は本気で演じたんだよ!

だから、あなた達も本気で心配した!

でしょ?」

「そ、それはぁ・・・」

「そう、だけどぉ・・・」

「な、なんなんだよこいつぅ・・・」

「ぐ、グイグイくるぅ・・・」

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

だというのに、構わず言葉を重ねる少女に4体も4人も呆気に取られ

 

「でもね、静羽ちゃんもつかさちゃんも

私も、美空も、ララフィンも

本当の本気の舞台は

 

 

キラめきはね!

もっっっと!!! すごいんだよ!!!

 

 

ソレを観ないで私達のキラめきを奪うなんて

そんなの、勿体ないって思わない?」

「もっと、すごい?」

「さっきのよりも?」

「う、うぅん・・・」

「ど、どうするぅ?」

「「「「どうしょう・・・・・・・・・」」」」

「「「「(・・・・・・・・・どうしょう)」」」」

 

全く同じ悩みを抱いた。

 

「それにね!、キラめきが欲しいのなら

あなた達が自分でキラめいてみるのはどうかな?」

「えぇ!?、き、キラめきってニンゲンしかもってないってぇ・・・」

「ジャングルモジャモンさんいってたよなぁ?」

「「なぁ?」」

「そんなことない!

舞台に立てばみんながキラめける!

あなた達モンスターだって!

ううん!

あなた達にしか見せられない舞台やキラめきが

 

 

あるよ、あるある!

あるある、あるよ!!」

 

 

「「「「お、おれたち、しか??」」」」

「ねぇねぇ静羽ちゃん

この子達にはどんなお物語が合うと思う?

やっぱり冒険物かな?、あ!、ラブロマンスもいいかも!

晶ちゃん達の美女と野獣みたいな!」

「・・・・・・・・・あるるちゃん

 

 

この子達にはどんな舞台が相応しいのか」

「どんな舞台をやりたいのか

 

 

まずはそれを知る為にも、この子達とちゃんとおはなししないとね」

「あ!、そっか!」

「お、おまえらまでなんだよぉ!」

「さ、さっき

おれおまえひっかいたんだぞぉ!?」

「も、もっとおこれよぉ!」

「なぁ!?」

「「「なぁ!?」」」

「子供達の相手をしてたら、こんなのしょっちゅうだもの

・・・・・・・・・まぁ、かなりビックリしたし

怖かったのは本当なんだけど

あなた達、よく見たら結構可愛い顔してるし♪」

「「「「か!?、カワイイっていうなぁ!

おれたちカッコイイんだぁあ!!」」」」

「それなら、ララフィンみたいに

格好よくて!、可愛い!、そんな配役はどう?」

「うんうん!

あなた達って身軽だし、足も早かったし!

一緒にアクションやったら絶対楽しいよ!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

(あんたってば   本当に   )」

 

 

すっかり毒気を抜かれモンスターや少女達を見つめ、その発端の少女の幼馴染みが苦笑いを浮かべる

 

 

「お前らナーニやってんだーーー??」

『!!?』

 

 

最中

侮蔑と嫌悪感に満ち溢れた声が響き渡った。

 

 

「ジャ、ジャングルモジャモン、さん・・・」

「こ、これはぁ」「そのぉ」「あのぉ」

「あーーー、言い訳とかいいから

 

 

ガジモンズ   強制デジクロス」

 

 

「「「「!?、うわぁああっ!?」」」」

 

 

『ソレ』・・・ジャングルモジャモンはモンスター達・・・ガジモンズを見下しながら、茶色い毛むくじゃらな手の中の機械を向ける。

 

「か」「からだ!」「すいこまれる!?」

「や、だ!、たすけ!・・・・・・ッ・・・」

「「「「「な!!?」」」」」

 

すると、ガジモンズの肉体【データ】が一瞬で崩れて取り込まれてしまった。

 

「ブフーーーッ、デジクロス完了っと」

「あ、あなたなにを?、さっきの子達、は」

「《パラライズブレス》」

「ッッ!!」

「あ!る、るッ?」

「「「ぅぁ・・・ぁ・・・・・・!」」」

 

鋭い爪とウサギのような耳を生やしたジャングルモジャモンの口から放たれる紫のガスは一瞬にして少女達を飲み込み、その身の自由を奪う。

 

「ったく、こうゆう便利な技持ってっから

連れてきてやったってのに・・・

ダークネスローダー仕込んでおいてよかったなーーー」

「ぁ?、ぁ!」

「「「「!!・・・ッ・・・!・・・!"!!」」」」

 

毛むくじゃらな腕が無遠慮に引っ掴むのは

 

 

金色のポニーテール。

 

 

「んっじゃ、ニンゲンのキラめきとソウル

 

 

イタダキマーーース」

 

 

「ーーー・・・ーーー・・・・・・!!?」

 

 

髪を掴まれ、宙吊りにされた自分の足元で

 

              大きく開かれる口

 

 

「(わたし、たべられちゃうの・・・?

 

 

やだな

 

 

まだ わたし 美空や

 

静羽ちゃん つかさちゃん ララフィン

 

 

みんなと やりたい 舞台が・・・!)

 

 

・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・るっ・・・よ・・・!」

 

 

「ん?、んんーーー??」

 

 

そんな、絶望的な光景を前に

 

まともに息すら出来ない体で

 

 

「あ、る・・・!、ある・・・!!」

 

 

声を上げれば

 

 

 

 

〔「  レ ダ

 

 

         マ エ ・・・・・・・・・」〕

 

 

 

 

「ぇ・・・ぁ!?」

「お前ナーニ言ってんだー?

って、いっけねーいっけねー

ニンゲンに興味持っちゃいけねーんだった」

「・・・ぅ・・・ぅぅ・・・・・・・・・・・・」

 

 

〔「苦しいのか!?

俺が今すぐそっち行ってやっから待ってろ!

 

 

だからもっと腹から声出せ!

 

 

諦めんな!」〕

 

 

『シャウト』が聞こえてきた。

 

 

「ッ、・・・・・・・・・ある!!」

「んん!?」

 

 

その力強くて熱い叫びに呼応するかのように

 

麻痺状態にも関わらず

 

一気に声のボリュームが上がる。

 

 

「あ!、るっ、よ・・・・・・・・・!、ぅ」

「こ、こいつーーーッ、まさか例の!?

だ、だったら」

 

 

手中に収めた少女が想定以上のキラめきを魅せつけてきたのでモンスターに迷いが生まれた

 

 

 

のと、同時に

   ‎

 

 

「YEEEEEEAAAAAAH!!!!!!」

世界に風穴が開く!!!!!!

 

 

 

「「「「「え・・・・・・・・・?」」」」」

「んんーーー!!??」

「ん?、うわああああああーーー?!!〕』

「ンッギャーーー!!!」

 

 

・・・・・・・・・ジャングルモジャモンの真上に。

 

 

「いってて!

お、おい!?、みんな無事か!?」

〔フンガ!〕

「ピックモンズ全員揃ってるかーい?」

『Yeeeeeah!!!』

「キュートモン!?、キュートモン!?

どこだ!!?、キュートモン!!」

 

 

「《スグナオール!!》」

「!、あ、あれ?、うごける?

・・・・・・・・・うん!!、動ける!!」

 

 

「きゅうううともおおおん!??!!

何でそんなッ、は?、ニンゲン?

いや!、それより!、お前の技を知らん奴に見せびらかすのはやめろっていつも言ってるだろうがぁ!?」

「ドルルモン、ごめんなさいキュ

でも、ぼく苦しんでるモンを放っとけンギュ~~~?!」

「助けてくれてありがとう!

君のお陰で私すっかり元通りだよー!」

「キュッ、げ、げんきになって、よかった

キュ~~~~~~・・・・・・・・・」

「ぁ!!!、ぅ!!!、う"う!!!」

「って!、美空ーーー!

お願い!、みんなにもさっきのやってあげて!」

「お、おい!、勝手なことを言ってないで

早くキュートモンを離せ!、ニンゲン!!」

〔フガ?、ニンゲン?、コレが、カ?〕

「ヘェ、こいつがニンゲンか初めて見たゼ」

『ニンゲン?、ニンゲン!』

「!、ーーーーーーッ」

「ん?、どうしたドルルモ」

「お!、ま!、らーーー!

俺の、上で!、いつまでゴチャゴチャしてん

 

 

ダーーー!!?」『わーーー!!?』

 

 

茶色い毛の上で繰り広げられる茶番に痺れを切らしたモンスターが暴れ出せば、少女も赤い仔竜もカブトムシロボも星軍団もピンクのウサギもドリルな狼もみんなみんな吹っ飛ばされる。

 

「あーーー!、ったく!

ナンナンだーーー?、お前らはよーーー?」

「ハッ!、俺のことを知らねぇのか?

だったら教え」

「《ジャングルボーン》」

「って!

聞けゴラァ!《ラウディロッカァー!》」

〔シャウトモン危ナイ!〕

「ピックモンズ!、助太刀に行くゼ!」

『Yeeeeeah!!!』

 

大振りな骨とスタンドマイクのぶつかり合いを皮切りに始まったのは人外同士の大乱闘。

 

「・・・・・・・・・プハッ!!、ハッ、ハッ!」

「ララフィン!」「ララフィン先輩!」

「動ける?」

「う、うん!、もう平気!

だから早く静羽を!」

「キュッ!《スグナオール!》」

「うっ、うう・・・・・・

あ、ある、るちゃん・・・あるるちゃん!!」

「わわ!?」

「よかった!!、無事で!!、本当にッ」

 

このすぐ側で、残りの4人も無事回復出来た。

 

「あなた、キュートモンだったかしら?

助けてくれてありがとう」

「キュ!、元気になって良かったキュ!」

「それから、あなたも」

「?」

「この子が私達を治すのを許してくれて

ありがとうございます、ドルルモンさん」

「・・・・・・・・・チッ、サンなんざいらねーよ

!、シャウトモンあいつまた!」

『!?』

 

 

「《ジャングルヘッド!》」

「うあああああ!!!」

 

 

一方、大乱闘の方はというとジャングルモジャモンの頭突きをモロにくらって

地面を転がるのは赤い仔竜・・・シャウトモン。

 

「ぐ!、へへっ!、やるじゃねーか!」

「お前も何度言えばわかる!?

一々見映えなんぞ気にして無駄な動きをすれば

そうなるに決まっているだろうが!?」

「チッ♪、チッ♪、チィ♪

お前こそわかっちゃいねぇな、ドルルモン

 

 

こんなイカしたステージに立ってんのによぉ

見映え気にしねぇでどうすんだ?」

 

 

「「「「「ッッ!!?」」」」」

 

 

「ステージ?、ステージだと!?

馬鹿なこと言ってないで真面目に戦え!」

「俺は真面目さ、マジで言ってんだよ

見ろ!、このワケわかんねぇ状況!!!

オーディエンスはニンゲン達で!!

とんでもねぇ強敵が立ちはだかるッ!!!

デジモンキングが主役張るには、これ以上無いってくらいお誂え向けじゃねえか・・・!」

 

握ったままのスタンドマイクを杖にして、自称・デジモンキングが声を張り上げ立ち上がる

 

 

ステージのド真ん中で誰よりキラめく為に。

 

 

「ワケわかんねぇのはお前だ!!!

ったく!、おいニンゲン共!

とっととここから・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

「キュッ!?」

「おっと!、そっから先

オーディエンスは立ち入り禁止だぜ?

まぁ、安心して俺のステージを観ときなよ」

「オーディエンス?

 

 

違うよ   私は、私達は!!」

 

 

『〔な!?〕』

 

 

その野望が彼女達のハートに灯をつけた!。

 

 

「煌めく弾丸 翼に込めて

 

荒野に目指すは 自由の舞台!」

 

 

足元から0と1の粒子を噴き上げさせ

 

身に纏う制服を分解

 

ウェスタン調の衣装へと再構築

 

 

「スポットライトがゴールドラッシュ

 

両手につかんで」

 

 

「!"!、ンギャギャギャギャ!!??」

 

 

「ヒュ♪ヒュ♪ BIG DREAM!!!」

 

 

2丁拳銃・ヘブンメイカーを連射し

 

ジャングルモジャモンの顔面に全弾命中!

 

 

「ナ?!、ナン!、うおーー!!?」

「ずっと近くにあるものだから

気づかず見えなくなっていただけ・・・!」

〔フガ!?、凄イ力ダ!〕

「私のッ舞台ッはぁあー!

 

 

この胸!!」「おふ!?」「この奥!!

 

 

『好き』で貫けッッ Fly!! High!!」

「おおーーーぁぁぁーーー?!?」

 

 

直後、示し会わせていたかのように毛むくじゃらな足をスピア・ワイルドパンチが掬い上げ

 

 

口上通りにしてみせる!

 

 

「小さな憧れ しゃにむに追って!

この手に掴んだ・・・!

 

 

大!!!   舞!!!   台!!!」

 

 

「あばっ!!」

 

 

「ヒュゥッ☆☆☆!!!

なんて奴だ!、いつの間にあんな高く!?」

『アメイジング☆!、アメイジング☆!』

 

 

その頭上から軽やかな身のこなしとは裏腹な大槌・ワンミリオンスによる重い一撃が

 

 

急所にクリーンヒット!

 

 

「吠えろ音響 轟け照明

私がHERO! 大・変・身!!」

「『Yeeeeeah!!!、イカしてるゼー☆!』」

「え?、えへへへ♪

君達!!、応援ありがとう!!」

「『ヒュー☆!ヒュー☆!』」

「ぅしにのるな!《ジャングルパンチ!》」

 

 

地べたを這いつくばる自分の上で格好いいポーズを決める不届き者を排除すべく振るった拳

 

 

「傷つく孤独に 羽折れ堕つるも

ネオンが誘う 絆のSTAGE」

 

 

は、大鎌ユニコーンメイデンが描く

 

 

美しい曲線により   真っ二つ!!

 

 

「こんな、モンッッすぐ再生・・・・・・・・・

し、ない?、だとーー?!」

「【今】も【うつつ】も一夜の夢なら

舞台に刻まん 羽ばたく証を」

「ーーーーーー!《ジャングルボーン!》」

「お、おい!」「危ないッキュ!」

 

 

大振りな刃をゆっくりクルクルと回す

隙だらけな背中に迫る

 

 

「舞台はどうやってつくるかって?

 

 

A!」

 

 

骨棍棒を片手のダストデビルでいなし

 

 

「B!!    C!!   からぁ!!

 

 

一緒に、学ぼう!」

 

 

もう片方の斧を毛むくじゃらな手首に投擲!

 

 

「ぐぅん!? !" ぅ"ぁ"っ?」

「CASTにSTAFF 仲間はFAMILY♪

手と手を繋いで みんなで開演!」

 

すっぽ抜けたジャングルボーンが脳天を直撃し、仰向けにブッ倒れるジャングルモジャモンの前で5人は手を取り合った。

 

「お、れの、レイドプログラムが機能不全?

まさ、か、まさかお前らは!

 

 

舞台少女ッッッ!!?」

 

 

「そう!、私達は舞台少女!!

 

 

大月あるる!!」「叶美空!!」

 

 

「野々宮ララフィン!!」

 

 

「胡蝶静羽・・・!」「恵比寿つかさ!!

 

 

新風巻き起こして!

 

 

すすめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・?!!」」」」」

 

 

「お、お前らどうした!?」

〔フガ!?、急ニ戻ッタゾ!?〕

 

 

「く、ククク!、ガハハハハハハーー!!!

そりゃーー、そーーだろーーよーー!

ここはなーー、この輝きを奪う空間はなーー

 

 

俺達『黒の逢魔』がーー

 

 

舞台少女を狩る為の場所なんだよーー!!」

 

 

『〔!?〕』

 

 

突如粒子化し、消失していく衣装と武器。

再び舞台少女がただの少女となっていく姿を見て、半死半生なままジャングルモジャモンは勝ち誇る。

 

「その邪魔モン共がデジタルワールドに繋がる穴を空けたせいで焦っちまったがなーー

ほれ見ろ、もうすっかり塞がっちまった」

「な!!、何!?

それじゃあ俺達はどうやって戻れば!!?」

「そんなモンの心配はいらねーーよ!!

こんだけコケにしてくれた礼だ

デジタマに還してゲームの駒にしてやっから

 

 

この俺に大人しく消されなーー!!」

 

 

「野郎ッ!、そうはいくかってんだ!

バリスタモン!!」〔任セロ!!〕

 

 

咆哮と共に大きく開かれた口目掛け、仔竜とカブトムシロボが踊り出る。

 

 

「行くぜラスサビ!!!《ソウル!!!

 

 

クラッ!!シャァアアアアアア"アアアアーーーーー"ーーーー!!!!!!"!"!"》」

 

 

己のスタンドマイクとバディのスピーカー

 

 

この2つによって極限にまで増幅された

 

 

喉を潰しかねない程のシャウトは

 

 

「!、やっぱり!」

「あるる?」

「あの子だ、シャウトモンだったんだ!

 

 

舞台を越えるぐらいにスッゴくおっきくて

 

 

アッツアツな『声』!!!」

 

 

舞台少女・大月あるるのハートを

 

 

                『侵略』

 

 

「ーー!?、バーー!!」

 

 

ジャングルモジャモンの体内に残っていた

 

 

ヘヴンメーカーのキラめく弾丸と共鳴し合い

 

 

レイドプログラムをクラッキング

 

 

「か!!ナーー!!??・・・ッ"」

 

 

「わ!」「え?」「何?」「ッ!?」「おお☆」

 

 

すると、毛むくじゃらな肉体【データ】から

レトロマイクに似た形状の機械が5つ飛び出し、舞台少女達の手元に収まった。

 

「だ、ー・・・ナイ・・・・・・・・・ん・・・」

「たまごに、なった?、しかも5個?」

「デジモンは削除されればデジタマに還る

そういう造りなんだよ」

「!、それならッ他の4つは!!」

「あの子達・・・なのね・・・・・・・・・」

「え?、ララフィン?、静羽ちゃん?」

「あるる、残念だけど

あなたが誘ったモンスターと舞台をやるのは

 

 

もう無理みたい」

 

 

「つ、つかさちゃ」

 

 

「まいったなー

 

出遅れた挙げ句に、出る幕無しとは」

 

 

『〔!〕』

 

幸運にも脅威を退けた少女とデジモン達の前に現れたのは

 

 

とんがり帽子の下からクマが酷い目元を晒し

 

 

ずんぐりとした体格をボロボロなローブで覆う

 

 

「だ、誰だお前!?」

「誰?、と訊かれれば

 

 

魔法使い、さ!」

 

 

気取った仕草で指を立てる自称・魔法使い。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、シークフェルト音楽学院。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふーーーっ」

 

 

高級感溢れる調度品に囲まれた生徒会室。

その部屋の主たる生徒会長は執務を終えるとおもむろにスマホを取り出し

 

「む?」

 

そんな自分の行動に疑問を抱いた。

 

「(今、私は何をしようとした?

いや、それ以前に・・・・・・・・・)

 

『コレ』はなんだ?」

 

訝しむ彼女の視線の先にあったのは画面いっぱいに表示される

 

 

タマゴ。

 

 

「あ、晶、お疲れ様ー」

「ミチルか、丁度良かった」

「え?、何?、何かトラブル?」

「トラブル、という程でもないのだが・・・

私のスマホに妙なモノが映っていて・・・」

「妙なモノって

 

 

ああ、晶のもまだタマゴなんだ」

 

 

「ッッ!!?」

「ミチルのもまだタマゴなんだよね」

「み、ちる?」

 

 

生徒会副会長の発言に生徒会長は愕然とし

 

 

「クラスメイトの中には、もう成熟期になってる子もいるし

ミチル達もま」

 

 

「蒼玉の君【フラウ・ザフィーア】!!!

鳳ミチル!!!」

 

 

「!!」

「私達の舞台に

『コレ』は本当に必要な物なのか?」

「!・・・・・・・・・ーーーーーーッ

ごめん、晶、私」

 

何者かに奪われていた彼女の意思を即座に奪還した。

 

「いや、謝る必要はない

私も違和感に気づけたのはついさっきだからな」

「『コレ』って例の?

でも、だとしたらいくらなんでも範囲が広すぎるよ」

「ああ、ミチルのクラスメイトまでも対象になる訳が」

「私のクラスだけじゃない・・・」

「何?」

「このゲームアプリ

 

 

シークフェルト全体に広まってるんだよ

 

 

それも、生徒だけじゃなくて職員にも」

 

 

「!?」

「しかも、誰もかれも尋常じゃない熱狂っぷりでね

かなりの額を課金してる生徒まで居るらしいんだけど・・・ソレをさっきまでの私は『普通』だと思ってた」

「明らかに異常だな」

「うん」

「他の3人を集めろ

 

 

気高き君【エーデル】の名に賭けて

 

 

ことの真相を暴き出す」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、はい、すみません、本当にすみません

・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、わかりましたッ

このシークフェルト音楽学院のキラめきを

 

 

必ず奪ってみせます

 

 

 

 

      私達のステージの為に」

 

 

 

 

 

 







『侵略』と開拓

果たして両者に違いはありますか?

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