少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE -   作:リカル

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前日譚『麗将解散宣言』



「って、ワケで!
今日でアタシの部隊は解散ってことでヨロシク!」
「遂に耄碌したかババア」
「カッカッカッカァ♪、ひっどい言い草だねぇー!」

突然、何の前触れもなく
直属の上司であるレイド帝国四天王・麗将ロゼモンから一方的に解雇を告げられたドルルモン隊長は赤いサングラスの奥の目を極限まで吊り上げると、緑色をしたトゲ付き肩パッドをワザとらしく揺らして辛辣に返すのであった。

「せめて理由ぐらいは聞いてやるからとっとと話せ」
「理由は、そうだねぇー
勝たなきゃいけない相手がもうすぐ来るから、さ」
「だったら尚更俺達を使えばいい!!
その為にお前は俺達みたいなレイド帝国のはみ出しモンばっかりを集めたんだろうが!?」
「カカカ、あんたらじゃ足手纏いなんだよ



何せ相手はデジタルワールドの救世主

ニンゲン、なんだから」



「!?、ニンゲン、だと!!?」



(嘘だ

あんたの本当の相手は・・・)



「あんたらみたいな半端モンぶつけたって
救世主様達に経験値を与えるだけさね
ま、後は自分達で上手くケツを拭くこった」
「ぐ!」



(嘘だ

あんたは本当は俺達を・・・)



「・・・・・・・・・本気、なんだな?」
「あんたの上司は冗談でこんなことを言うモンかい?」
「チッ!、わかったよ!
俺だって好き好んで消えたいワケじゃない」
「そのワリにはこの麗将サマの電脳核を背後から狙ってきたじゃないかーい?
いやぁー、あん時は冷や汗が出たねぇー!」
「嘘つけぇ!!

《ロージィクレイドル》で一瞬で眠らせて!

《ローズベルベッド》でふん縛った挙げ句!

朝まで放置したのはどこのどいつだ!!?」



「アタシだよ!!」



「うるせえぞババア!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・精々ッ

ニンゲンなんかにやられないようにしろよな!



お前の生命を刈るのは、この俺なんだから」



(嘘、だ

俺は、本当は、あんたを・・・)



「カッカッカッカッカッ!
ほんっとにケモノ型は口だけは立派だね~
だったら、ひとつ賭けでもしようか」
「?、なんだこのデータ」
「宝の地図、さ
今のデジタルワールドで『ふたつと無い』モン
その隠し場所を記しておいたから



次、会った時ソイツをアタシに見せておくれ



そしたら、ちゃーんと相手をしてやるよ」



「!、その言葉!!、忘れるなよ麗将!!」
「ああ、あんたのことは忘れないよ隊長」



(ーーーーーーッ



嘘!、だった!!!



あんたは本当はもう俺と会う気なんてなかった!



だから、あいつを・・・・・・・・・・・・・・・・・・



キュートモン族最後の生き残りを俺に託したんだろうが!?)




「ドルルモンはどうやってあんな所に居た僕を見つられたっキュ?」
「それはな、たまたまだ」




(嘘だ)




「ドルルモンはどうして僕と一緒に居てくれるっキュ?」
「それはな、お前の家族を探す為だ」




(嘘、だ)




「ドルルモンはどうして僕の家族を探してくれるっキュ?」
「それはな、それは・・・
チッ!、見つけちまった以上はしょうがないだろうが!」
「キュ~~~!?
グリグリは角が当たるっキュ~~~!!」



(うそだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



嘘だ

嘘だ嘘だウソだ嘘だ嘘だ

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だうそだ嘘だ嘘だウソだ嘘だうそだ嘘だ嘘だウソだ嘘だ嘘だ嘘だうそだ嘘だ

うそ、ばっかりなんだ



だから、おれは





番長の試練! ケダモノ達のレヴュー、開錠!

 

 

☆デジタルワールド・ダークナイトモンの館跡地

 

「《ラウディ、ロッカァー!》」

「『《ウィッシュアポンアスター!!!》』」

「ララフィン=スタァインパクトォ!!!」

「《ランダムレーザぁああーーー!!!》」

「ケッ、どいつもこいつも鬱陶しい

 

 

 

なァッ!!」

 

 

 

「「「「!"!」」」」

 

バンチョーレオモンが自分へと群がる舞台少女とデジモン達を気迫だけで一掃すると、足に力を込めて大きく一歩を踏み込む。

 

「!?」

「「静羽/ちゃん!!」」

「オラァ!」

 

それだけで胡蝶静羽との距離は一瞬で縮まり

驚愕する彼女目掛けて傷だらけの刃を振るった。

 

「「ああ!!?」」

「つ、つかさ!?、あるるちゃん!!」

「ー~ー~ー~ッ、行っ!、て!、静羽ちゃん!!」

「ドルルモ、ンと、一緒に

ハァ、ハァ、戻ってくるまでは私達で繋いでおくから!」

「ここは任せて先に行け!!!

・・・・・・・・・くぅううううう!!!

この台詞ララフィンも言ってみたかったんだぁ☆!」

「『Yeeeeeah!』」

「オレサマがやらせると思ってんのかァ!?」

「思ってる、だけじゃ!

ねぇえええエエエエエエ"エエエエエーーーーーーーーーーーー!!!!!!"」

「ガァ?!、クソッ、タレぇ!

またソレかァ!?」

「ゴホ・・・ッ!、ゲホゲホ!!」

 

すると、フロンティアの仲間達が各々体を張って総代をフォロー。

 

「んあー?

シャウトモンさっきからおかしくねーか?」

「どうやら、あの『叫び』による反動はニンゲンのソウルと同様に回復薬では治らないようデシテ」

「『黒の逢魔』との戦いやボクの試練でも使い続けたんだ、限界がきていても不思議じゃないよ、うん」

「でも、自分から舞台に上がった以上ソレは言い訳にはならないわ」

「星見さんの言う通り

私達と競い合い、共に頂を目指すというのならば・・・」

「息切れしてる暇なんてない」

「ワオ☆、マヤクロジュンナチャン☆キッビシィ☆

だけど、群れの長にはそうゆうの必要なんだよね

ワー君とか彼女には難しいことなんだろうけど」

 

 

 

「ーーーーーーッ

 

(ほんとうに、わたしが

 

ドルルモンを舞台に誘えるの・・・・・・・・・?)」

 

 

 

かつてデジタルワールドを救った救世主達と鍛治神が見守る中、胡蝶静羽のハートは未だ定まっていない。

 

 

 

「《クラッシュブーム!!》」

「!、スパロウモン?!」

「黙ってたっていいじゃないか!!」

「え」

「何でもかんでも知ってるからって仲間なんかじゃないよ!!

『黒の逢魔』がそうじゃないか!?」

「・・・・・・・・・!」

「例え大切なことを知らなくたって

本当に知らせなきゃ、知らないといけない時が来るんだ

 

 

 

僕とおねえちゃんがそうだったように」

「あなたと、つかさが」

 

 

 

すると、少女の迷いを振り払うかのように

高速で飛翔するイエローウィングが恵まれた体躯を掻っ攫い、あっという間に空の上へと連れていく。

 

「だから ぅぁ!!」

「いかせるかってんだァ!!」

「「「「「『ぐ、・・・う・・・・・・!』」」」」」

 

空舞うスパロウモンの翼を飛ぶ斬撃で欠けさせたバンチョーレオモンの足元では、コテンパンにのされたフロンティアの面々が力無く呻いていた

 

「シャウト、モンン!」

「スパロウモンッ

 

 

 

デジクロス!!

 

 

 

シャウトモン+ジェットスパロウ!!!!」」」」

 

 

 

と、思いきや

 

早撃ちの要領で抜き放たれた2つのクロスローダーの輝きが静羽の頭上で交錯し、新たなデジクロス体『音速巡航形態』が出現。

 

「スターモン、ピックモンズ、チビックモンズ

 

 

デジクロス! スタァウィイイップ!!!」

 

 

 

『!!?』

 

 

 

「ど、どうなっているのデシテ!?」

「あいつらのデジクロスって確かシャウトモンが居ないとダメだったジャン!?」

「デジクロスまで進化したってことかよ?

野々宮!!」

「や、やっぱり、ララちゃんすごい・・・!」

 

更には、スターモンズがデジクロスしたことで星の鞭が生み出された。

コレには百獣番長はおろか観客達も驚きを隠せない。

 

「やあああーーー!!!」

「「ナノ~~~!」」

「つっかまえたZEEEEEE!☆!」

『御用だ!☆!、御用だ!☆!』

「ケッ、こんなモン、・・・・・・・・・!?」

「どんなもん!、だよ!」

「1人1人じゃ敵わなくても!

みんなの力をひとつにすれば究極体とだって!」

「チィイ!」

 

ララフィンが操るスターウィップはまるで新体操のリボンのように軽やか、かつ素早く軌道を描きながらバンチョーレオモンに巻き付く。

すると、力任せに振りほどかれるより早く

取手のチビックモンズの上にあるるとつかさが手を重ね

黄金がかったオレンジにピンクのラメが加わったキラめきとソウルを流すことで、この筋骨隆々なデジモンすらも容易には逃がさない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「へへへっ♪、良い顔してんなぁー!、シズハ!」

「え?」

「あのステージに今すぐにでも立ちたいって思ってんだろ?

 

 

 

初めて『迷宮』入りした時

 

ドルルモンの背中に跨がってた時とおんなじ

 

ウズウズキラッキラした顔だ」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

「あん時から、いやあいつと始めて会った時からお前のハートは決まってたんだろ?

なら、さ

 

 

 

腹から声だせ   諦めんな」

 

 

 

「ーーーーーー!」

 

 

 

「オラァアアアアアア!!!」

「『Nooooooo~~~!!?』」

「「「うっ!!?」」」

「あ!、おねえちゃん!!」

「「!!」」

「使い過ぎ、だったなァ」

 

しかし、やはり相手はかつてデジタルワールドを救いし英雄の1体。 

各々の試練を終えたばかりの舞台少女達では留め切れず、スターウィップは獰猛な闘気に弾かれた挙げ句

3つの上掛けが男魂により次々と斬り裂かれていった。

 

「《ミナ!!

ナオオオオオオオルゥウウウウウ!!!》」

「「「「『!』」」」」

「ケッ、あんだけボコったってのに

妙に動きが良かったのはァそういうカラクリかァ」

 

その瞬間、癒しの波動が3人とクロスオープンしたスターモンズを包み

衣装もダメージも全て回復させていく。

 

「スパロウモン!!」

「任せて!!、行っくよぉーシズハ!!」

「・・・・・・・・・

 

 

 

ーーーーーー!、うん!!!」

 

 

 

地上で仲間達が造る舞台に想いを馳せ

 

故にこの場を離れる決意を固め

 

 

 

「「《エア!!!

 

シュウッッッ!!!

 

タアアアアアア"アアアアーーーーー"ーーーー!!!!!!"!"!"》

》」」

 

「ー~ー~ー~ー~ー~ー~!!!!!!」

 

 

 

咆哮と共に撃ち出された圧縮空気に乗って

 

【蝶】が飛ぶ

 

 

 

        キミに会いに行く為に。

 

 

 

 

 

 

 

「( これでよかったんだろうが)」

 

 

 

ダークナイトモンの館から少し離れた崖の上

 

ドリルな尾を揺らしながら一匹狼は駆けていく。

 

 

 

「( 最初からわかってただろ?

 

俺みたいなモンが今更どの面下げて・・・)

 

 

 

!?、この匂いッ、まさか!!?」 

 

 

 

「ドルルモンッッッ!!!」

 

 

 

すると、風に乗ってすっかり嗅ぎなれた匂いと耳慣れた声が近づいてきた。

 

 

 

「ば?!、ヤロォ!」「・・・・・・・・・!」

 

 

 

自分目掛けて飛んでくる静羽を鬣で受け止めれば

スースーしていた背中に温もりが舞い戻る。

 

「何してやがる!?、危ないだろうが!!」

「ぁ」

「ど、どうした・・・?、どこか挫いたのか?」

「ううん、ちがう、違うの

 

 

 

あなたの背中に乗るのが久しぶりだから

 

嬉しくて」

 

 

 

「!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・久しぶりつっても

 

まだ、あれから大して経って無いだろうが」

 

「そうね、私達があなた達と出会ってから

 

まだ、ひとつきも経って無いわ

 

 

 

だから、こわかった」「怖かった?」

 

 

 

手首まで埋もれる程に毛量豊かなオレンジの毛並み。

ソレを掴む指先が震えているのを感じて

狼は思わず少女の言葉を聞き返した。

 

 

 

「付き合いの浅い私なんかがでしゃばって

 

あなたとキュートモンの間に入ったら

 

あなた達が私の前から消えてしまいそうで

 

すごく、こわかった」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「でも、だけど、それでも!

 

私は、あなたのパートナーになりたい!!

 

一緒にこのSTAGEを攻略したいの!!」

 

「!?」

 

「だから、改めて言わせて貰うわ

 

 

 

ドルルモン 私のパートナーになって」

 

 

 

「ーーーーーーッ

 

 

 

なんでそうなる?

 

 

 

お前は、俺が、何をしたデジモンなのか

 

知っただろうがぁ!!!」

 

「!!、・・・・・・・・・ええ

 

レイド帝国四天王・麗将ロゼモンの右腕

 

だけど、ロゼモンの目的は」

 

「救世主の舞台を整えてデジタルワールドを救うことだった?

 

ハッ!!、そんなん理由にならねぇーよ!!

 

俺は自分の力を思う存分振るいたかっただけだ

 

里の中だけで満足している同族共なんかとは違うってことを証明したかっただけだ

 

 

 

ただそれだけの理由であのババァに!!!

 

レイド帝国のケツに乗っかったんだよ!!!

 

俺は!!!

 

 

 

・・・・・・・・・だから、おれは

 

生まれ変わって微笑みの里で真っ直ぐに育った

 

あいつとは

 

 

 

シャウトモンとは!!!ちがうだろうがッ」「ちがっててなにがわるいのよ!!?」

「?!」

 

 

 

1人と1体が繰り広げる会話劇の最中

 

ケモノが吼えれば 少女も吠える。

 

 

 

「はぁっ!、はぁっ!

 

だって!、シャウトモンはシャウトモンで

 

あなたは、あなたじゃない・・・!

 

 

 

あなただからわたしは!!

 

パートナーになりたいの!!」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

フロンティアの総代という今の彼女の根幹を成す役。

 

ソレをかなぐり捨てて胡蝶静羽が叫んでいる

 

 

 

まるで、夢にうつつを抜かす子供のように。

 

 

 

 

 

「それはお前のエゴだろうが」

 

 

 

 

 

「!!

 

 

 

そうよ、わるい?」「ああ、悪い」

 

 

 

「ーーーーーーッ!!

 

 

 

(やっぱり ダメだった!!)」

 

 

 

しかし、ドルルモンの返答は

 

 

 

残酷に現実を突きつけるモノだった。

 

 

 

☆デジタルワールド・ダークナイトモンの館跡地

 

 

 

「ったく、わかりきってただろうがァ」

 

 

 

建物の残骸があちこちに散らばる大地には

 

大月あるるとシャウトモン

 

野々宮ララフィンとスターモンズ

 

恵比寿つかさとスパロウモン

 

が、ピクリとも動かない状態で転がっている。

 

 

 

「デジタルワールドでニンゲンやデジモンが動くにはソウルが必要だァ

いくらテメェが傷を治した所でそいつらのソウルがスッカラカンじゃア意味がねえ」

「キュウ・・・ッ」

 

 

 

「はあああ~~~」

「双葉ちゃん、我慢我慢」

「だって、あいつ殺陣ヘタクソ過ぎ!

歩幅滅茶苦茶!、酷い時は台詞言ってる間ずっーーーと足止まってたぞ!?

ああー!!、許されるなら今すぐ指導に入りてぇー!!」

「それはいくらなんでもダメだぞ相棒!!」

「あははは・・・」

「んで?、どうするよ?

そろそろツカサ達下がらせるか?」

「・・・・・・・・・そう、だな」

「なあ!、なあ!、ならウチがドルルモン殴ってきても良い?、いいよな!!?、なあ!!」

「J'ai dit assis!」

「もう少し待っていて下さい

胡蝶さんならば必ず最高の舞台をみせてくれる筈」

 

この光景を遠巻きに見つめていた聖翔勢も主演の登場を今か今かと待ちわびているのだが・・・

未だ兆しすら見られない。

 

 

 

「アア、そーいやー

 

なんでレイド帝国の連中が回復能力持ってかァ

 

なんでお前以外のキュートモン族が絶滅したのかァ

 

テメェは知」「今その話関係あるっキュ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうかよ」

 

 

 

「ワオ☆、カワイイ見た目で中身モッサモサ!

・・・・・・・・・オレより余程立派だな」

「うん、ボクも同じ意見だけど

それ『明けの遠吠え』の皆の前では言うなよ」

「あなたもよ」

 

 

 

「最も、テメェには関係無くても

 

あのウソツキ野郎はどうだかなァ」

 

「ドルルモンは嘘つきなんかじゃないっキュ」

 

「アアン?」

 

「ドルルモンは僕に嘘なんてついてないっキュ」

 

「ついてただろうがァ

 

ありもしねぇテメェの『家族』を探すとかいう」

 

 

 

「家族なら、居るっキュ」

 

 

 

「!!」

 

 

 

『え・・・・・・・・・?』

 

 

 

そんな舞台で独擅場を演じているのは

 

ウサギのような愛らしい姿をした妖精。

 

 

 

「何処だかよくわからない地下深くから僕を掘り出してくれた

 

それからずっと同じ景色を見て

 

同じ匂いを嗅いで

 

同じぐらいにお腹をすかせて

 

同じ雨に打たれて

 

同じ風を感じてきたっキュ

 

 

 

そんなドルルモンが僕の家族

 

 

 

だから」『!!?』「もう、これ以上」

 

 

 

キャストとオーディエンスの視線が集まる中

 

ピンク色の小さな手が掴むのは

 

 

 

己が体躯の倍以上の大きさはある瓦礫だ。

 

 

 

「僕の家族をバカにすんなぁーーー!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

キュートモンが放った投石はGAKU-RANに直撃

 

つまり、バンチョーレオモンへのダメージは

 

0。

 

 

 

「オレサマに手ぇ出した以上

 

覚悟、決まってんだろうなァ?」

 

「勿論っキュ」

 

「ケッ、そうかよ

 

ならァ、これからテメェがどうなるのかも

 

・・・・・・・・・わかって、るよ、なァ!!?」

 

 

 

「うわあああああああああ!!!!!

もう無理!!!、限界だ!!!」

「え!?、乱入アリなのか!?

ならウチも!!」

「だーかーらー!、やめろっちゅーのー!」

「「はーーなーーせーー!!」」

 

 

 

傷だらけの刃を手に究極体が成長期へと迫る。

 

それでもキュートモンは譲らない。

 

レベルも体格も段違いの相手を前にしてもだ。

 

 

 

 

 

「だって、主役は遅れてやって来るモノだから

 

 

 

 

 

ばなナイス♪

 

 

 

 

 

静羽ちゃん、ドルルモン」

 

「「ーーーーーー!!!!」」

 

「ア"ァ"ン?」

 

 

 

 

舞台上の光景に【裏方】は微笑む。

 

まるで、全てを見透かしていたかのように。

 

 

 

 

 

 

『元・悪役狼と舞台少女の舞台裏』

 

 

 

 

 

「でもな、シズハ知ってるか?

 

俺達デジモンはお前達ニンゲンの

 

そんなエゴで出来てるんだぜ」

 

「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「フンッ、何とぼけた顔してやがる

 

元・悪党に相応しいぐらいに好き放題言って

 

俺をその気にさせたのはお前だろうが?

 

 

 

精々、骨の髓までしゃぶってやっから

 

 

覚悟しとけ、パートナーさんよ」

 

 

「!!

 

 

~ー~ー~ーッッッ

 

 

うん!!!

 

 

 

でも、わたし

 

 

 

私は!、舞台少女・胡蝶静羽は!

 

 

 

簡単には丸呑みなんてされないから 狼さん」

 

「ハッ!!!、言ってろ小娘!!!」

 

 

 

☆デジタルワールド・ダークナイトモンの館跡地

 

 

 

「待たせたな、百獣番長」

 

「待ってねえよ、部隊長」

 

「あら、そのワリには

 

随分と疲れているみたいだけれど?」

 

 

 

パートナーの背に跨がり、その尾のドリルと共に大鎌・ユニコーンメイデンで男魂を受け止める舞台少女・胡蝶静羽の顔に浮かぶのは、シニカルな笑み。

 

「よし!、貴様ら!

フロンティアの連中を回収するのデシテ!」

「もうやってるっちゅーの!!」

「あるるちゃん、ララちゃん、これで見える?」

「う、うん、ありがと~~」

「やってく、れたんだね・・・!、静羽ッ」

「へ、へへっ

お"い"じい"どごろ"を"どら"れ"ちま"っだぜ」

「兄貴ぃ!!?」

『声カスカスーー!?』

「シズハを飛ばす時無茶したからだよ・・・」

「でも、そのお陰で見れる

この物語での静羽の本気の舞台」

「ふふふ!、待っていた甲斐がありますね!」

「ほら、双葉もベアモンも大人しく座って」

「わ、わかったよクロ子」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「闘争チャーン☆、そろそろゴキゲンなおそ☆

ロゼモンのことばかりに縛られてたら

お前一生クロチャンに勝てないぞ?」

「!!、う、うっせえ!!!

勝つぞウチは!!、全部!!、絶対の絶対に絶対絶対!!!」

「なら、今は見守ろう

自分達の試練を乗り越えたフロンティアの皆が限界にまで温めたこの熱いステージを!!」

 

 

 

「それで?

 

テメェはココに何をしにきやがったァ?」

 

「ハッ!、決まってるだろうが!

 

 

 

舞台だよ」

 

 

 

「・・・・・・・・・血迷ってんなァ」

 

「そうね、あなたと同じぐらいに」

 

「ア"ァ!?」

 

「「ぐっ!!」」

 

 

 

観客側が沸き立つのを余所に主役達が獰猛な闘気により大きく吹き飛ばされた。

 

 

 

「《ヨクナオール!》」

 

「ありがとう、キュートモン」

 

「お礼を言うのは僕の方っキュ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ドルルモン、おかえりなさいっキュ!」

 

「ーーーーーーッ、ああ、ただいま」

 

 

 

すると、即座にキュートモンが駆け寄りふたりを纏めて治癒する。

 

 

 

「キュートモン、俺はとんだ半端モンなんだ」

 

「キュ!?」

 

「ケッ、よくわかってんじゃねえかァ」

 

「今更わかったんだよ

 

一族の連中みたいに里の中だけじゃ満足出来ない

 

それでいて一匹狼になる度胸もない

 

ロゼモンみたいに汚れ役に徹することも出来ない

 

 

バンチョーレオモン

 

あんたや他の英雄達みたいに

 

 

パートナーの為に自分が犠牲になる覚悟も俺には無いんだ!!」

 

 

 

「ッ」

「なな」

 

 

 

「こんな、どうしようもない俺だけど

 

 

俺を必要としてくれる奴らが居るから

 

 

俺がそんな『ドルルモン』である為に

 

このデジタルワールドにたったひとりしかいない

 

お前みたいな凄い奴が必要なんだよ」

 

「ドルルモン・・・」

 

「私がこのSTAGEに立ち続けるにも、ね」

 

「シズハ・・・」

 

 

 

戦場を舞台と定めた1人と1体の間に『支点』が並び立つ時

 

金色に濃い影を造る青緑色のソウルとキラめきが舞い上がり

 

牙と爪が備わるクロスローダーが震えて・・・

 

その外装を包むように蝶の羽にも、長い耳にも

 

 

 

死神の鎌にも見える

 

 

 

二対の装飾が追加。

 

 

 

「力に溺れて 悪へと堕つるも」

 

「このSTAGEでは孤独にさせない」

 

 

 

 

「ケッ・・・・・・・・・」

 

 

 

直後、バンチョーレオモンの欠けた視界には

 

 

 

「【今】も 【うつつ】も 夢だろうが」

 

 

 

眼前の【敵】がクロスローダーから放たれるスポットライトに照らされて

 

そのシルエットが獣から獣人へと変わっていき

 

 

 

「舞台に残さん その爪痕を・・・!」

 

 

 

光が弾けて消え失せると

 

二足で立ち上がった逞しい体躯には騎士を思わせる鎧とマントを纏い

 

右手には巨大なドリル状のスピア・シュツルムスティンガー

 

左手には斬撃と防御を両用する鉄爪・ザッシュシールドを装備しているのが見えた。

 

 

 

「ドルルモン進化、イェーガードルルモン

 

 

 

シガラミ、ブチ抜いて

 

 

 

ススメ!   フロンティア!!!」」」

 

 

 

「オラアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

 

 

舞台少女とパートナー『達』の口上が終わるや否や、百獣番長はGAKU-RANを翻しながら突撃。

 

傷だらけの刀身が目立つ短刀・男魂を振り上げて斬りかかる。

 

「《ザッシュシールドォ!!》ラァ!!」

 

すると、イェーガードルルモンは左手の新装備で応戦

盾部分を削りながら格上の斬撃をいなすと

すかさず左手のドリルスピアを剥き出しの胸板目掛けて突き出した。

 

「《ヴァイスシュピラーレ!!!》」

「甘えなァ」

「が?!」

「あなたも!!」

「ケッ!、それはァ・・・」

 

渾身の力で放った必殺技は突如足元から伸びてきた蹴りによって不発に終わり、体勢が崩されたのと同時に狼の顔面へと刃が迫れば

ソレを阻むべく大鎌を持った蝶が乱舞。

 

バンチョーレオモンはソウルとキラめきが迸る連撃をGAKU-RANでガード

 

 

 

「どうだか、なァ!」

「!!」

 

 

 

しつつ、素手で静羽の体躯をワシ掴み。

 

 

 

「《グラウンド!ベルベットォ!!!》」

「!!!」

『!!?』

 

 

 

パートナーの身動きが封じられた瞬間

 

シュツルムスティンガーが大地を穿ち

 

周囲にかの棘の群れを連想させる亀裂が発生

 

英雄達の脳裏に苦い記憶を呼び起こす。

 

 

 

「《ドルルトルネード!》」

「はああああああ!!」

「ガァア"ッ」

 

 

 

必要以上に飛び退くことで生じた隙をイェーガードルルモンも静羽も見逃さない。

 

ドリルから放たれた竜巻を上掛けで受け止めると

 

拘束からの脱出と同時に攻撃の為の追い風にし

 

幾重にも渦を巻く曲線をみせつけた。

 

 

 

「奴と共にあった時間では負ける気がしねぇよ

 

若造」

 

「!、妙なマウント取ってんじゃねえ!!」

 

 

 

「まっっったくジャン!!!!!」

「五月蝿い、座ってろアホめ」

「・・・・・・・・・ーーーーーー」

「ナナ、大丈夫?」

「うん、へーき」

「胡蝶さん、本気なのね」

『ッ』

 

 

 

観客達の視線が集まるのは

 

 

 

ソウルとキラめきが込められた斬撃により

 

獅子の顔左半分に刻まれた無数の傷痕。

 

 

 

「《フラッシュバンチョーパンチ」

 

 

 

すると、バンチョーレオモンは黄色い神機が備わる腕を天高く掲げ・・・

 

 

 

 

 

「重音》」『!!!???』

 

 

 

 

 

ビキイッッ

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

そう、だった いらないんだ あなたには」

 

 

 

自分で自分を殴った。

 

パートナーのキラめきとソウルを消費し

 

神機に大きくヒビを入れ

 

 

 

顔面の左半分を大きく陥没させてでも

 

静羽が造った傷を跡形も無く消し去る為に。

 

 

 

「(あ、あんなんタダの自殺行為、だろ・・・?

 

丸くなったなんてチャチなレベルじゃあ、ねえ

 

 

 

イカれてやがるッ)」

 

 

 

ベアモンと情報を同期させたウルカヌスモンにはこの行為がどれだけのリスクを含んでいるのが理解出来る。

だからこそ、困惑が隠せない。

 

 

 

「大道芸はコレで終わりかァ?

 

だったらァ」

 

「・・・・・・・・・!?」

 

「!!《シュバルツナーゲル!!!》」

 

 

 

顔色が紫な鍛治神の心情などバンチョーレオモンの眼中には無く、残る右目に血に飢えたケモノのような光を宿しながら静羽をねめつけていた。

 

 

 

「とっとと下がりなァッ!!!」

 

 

 

「ぅっ?! ぁ"!!」

 

 

 

「シズハアアアアアア!!!」

 

 

 

咄嗟に突き出した鉄爪は肘鉄によりヘシ折られ

 

直後、パートナーには黒い塊が・・・力任せに投げつけられたGAKU-RANが絡み付き

 

此方の反応速度を遥かに上回るスピードで投擲された男魂が彼女に直撃

 

先程の《エアシューター》以上の勢いで

 

 

 

舞台少女・胡蝶静羽   強制退場。

 

 

 

「オラァ!!」

「う"!?」

 

 

 

イェーガードルルモンの視線がその行方を探っていると、バンチョーレオモンの拳が容赦無く鎧をブッ壊す。

 

 

 

「《スグナオール!!》」

「がはっ!、はぁ!、はぁ!、ドラァ!!」

「ッ、結局、ソレかァ!?」

「うぐ!!」

「《ヨクナオール!!》」

「ああ!、そうだよ!!」

「ア"ァ!!?」

 

 

 

すると、いつの間にやら裏地がオレンジの白いマントの中に潜んでいたキュートモンが癒しの波動を放ち、消えかけの意識を呼び戻した。

 

 

 

「俺みたいな半端モンがこうでもしなくちゃ

 

 

 

あんたに勝てる訳が無いだろうがぁあああ!!!」

「堂々と恥ずかしいこと言ってんなァアアア!!!」

「《スグ!!!ナ、オール!!!》」

 

 

 

バンチョーレオモンが殴る

 

キュートが癒す

 

イェーガードルルモンが殴り返す

 

 

 

 

「オラァ!!」「ドラァ!!」「《ヨクナオール!!》

 

 

 

《スグ!!ナオール!!》《ヨク・・・な、オーーール!!》《ヨクナオオオオオオオルゥウウウウウ!!!》」

 

 

 

殴る 殴り返す 癒す 殴る 殴り返す 癒す

 

殴る 殴る 殴る 殴る 殴る

癒す 癒す 癒す 癒す 癒す 殴り返す

 

殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る癒す癒す癒す癒す癒す癒す癒す殴り返す殴り返す殴られる

殴る殴る癒す癒す癒す癒す癒す

 

 

 

殴る殴られる殴り返す癒す・・・

 

 

 

舞台の真ん中で繰り広げられる

 

上半身剥き出しの獣人同士によるノーガードの殴り合い。

 

「あ、あっちもあっちでイカれてやがるッ

鎧や武器より肉体の回復を優先したって相手は番長!!、タイマンだったら神や聖騎士にだって勝つっちゅーのに!!

格下が勝てるワ」「意外とイケたぞ?」

「!?、・・・・・・・・・そうだっ、たな」

 

 

 

殴る度、殴られる度

 

両者の鬣が激しく揺れ

 

毛の残骸が、治癒の波動が弾けて飛び散る。

 

 

 

「ァ" あ   ハッ・・・ハッ・・・・・・・・・」

 

「キュウウウううううううぁああああああ!!!」

 

「ケッ」

 

 

 

果たして、どれ程の時間そうしていただろう?

 

長かったのか? 短かったのか?

 

演じていた主演にも見ていた観客にもわからない。

 

ただわかるのは

 

 

 

最早、イェーガードルルモンはいくら治癒を受けても立っているのがやっとの状態で

 

 

 

対するバンチョーレオモンは顔右半分が余裕の表情ということだけ。

 

 

 

「次で終わらせるぞ」

 

「「!!」」

 

「歯ァ!!!、食いしばれ!!!」

 

 

 

棒立ちの子連れ狼に引導を渡すべく

 

黄色い光を宿した獅子の正拳突きが放たれる

 

 

 

 

 

 

 

黒い塊に柔らかく受け止められた。

 

 

 

 

 

「アァン?!」

 

「ふっ・・・!」

 

 

 

驚愕に見開かれる隻眼。

 

 

 

己の拳を止めたのは舞台に舞い戻った舞台少女

 

胡蝶静羽が上掛けの上から纏うGAKU-RAN

 

敵の物理攻撃を89.9%無効化する防御機能の対象は・・・

 

 

 

持ち主であるバンチョーレオモンとて例外では無い。

 

 

 

「ぅがらあああああ"ああああああああああああ"あーーーーーーーーーーーー!!!!!"」

「デ!!、メェらァ!!」

 

 

 

このタイミングを

 

狙い 澄まして 最後の力を振り絞って

 

狼の牙が獲物の 急所 に突き立てられる。

 

 

 

「狙いは コイツ かァ!?」

 

「「ウウウウウウウッッゥッッ!!!!!」」

 

 

 

キュートモンと共に唸り声を上げるイェーガードルルモンに【フレーム】の奥まで齧りつかれ、硬いモノ同士が軋む音を奏でるのは真っ直ぐに伸ばされた腕

 

その先にあるのは大場ななから【奪った】神機。

 

 

 

「させるかァ!!《フラッシュ!!!」

「やってみせる・・・!!、かならず!!!」

「バンチョーパンチ!!!》」

 

 

 

パートナー達がくれた千載一遇のチャンスを掴むべく、静羽は全身から金色に濃い影を造る青緑色のソウルとキラめきをみなぎらせながらユニコーンメイデンを振るった。

 

 

 

 

 

パキ・・・ィ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

『『あ』』

 

「サイズを振るには間合いが近過ぎだっちゅーの」

 

 

 

直後、観客達が固唾を飲んで見守る中

 

歪な金属音が響く 鋭い破片が舞う 舞台の上で

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

そう、彼女のSTAGEの上で。

 

 

 

「そういえばさ」

「どうした光の?」

 

 

 

己がキラめきを木っ端微塵にした太い腕の上を

 

まるで四足獣のような前傾姿勢で駆け抜ける。

 

 

 

「人間界じゃ獅子って雌が狩りをするんだっけ?」

 

 

 

靡く長い髪は鬣 掌に埋もれた刃の欠片は牙

 

胸に宿すはLionHeart【勇敢な心】

 

 

 

「ド

 

ラァアアアアアアああああああああああああ!!!!」」」

 

 

 

 

想いを込めて吐き出した台詞はケモノ達の咆哮。

 

 

 

「ありがとう、静羽ちゃん」

 

 

 

大きく仰け反ったバンチョーレオモンの体が

 

すっかり縮み、二足から四足へと変わる中

 

大場ななは観客席に落ちてきた星を摘み取り

 

白を基調とした衣装を、赤い上掛けを揺らす

 

 

 

「だけど」

 

 

 

すると、その時、舞台上では・・・・・・・・・

 

 

 

「勝つのは私のパートナー、だよ?」

「《クリティカル・・・バイト・・・!》

 

 

 

オラァアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

 

隻眼の仔獅子が 不屈の獅子が レオルモンが

 

 

 

敵の【急所】を狙い 噛みちぎる。

 

 

 

「ポジション・ゼロ

 

 

 

ケッ!!

 

 

 

やっぱりオレサマには似合わねぇなァ!!」

 

 

 

舞台少女・胡蝶静羽

 

彼女のパートナー・ドルルモン、キュートモン

 

が、累々と倒れ伏した舞台の中心で嫌々ながら行われた勝利宣言

 

 

 

つまりこれにて、番長の試練   終了。

 

 

 

「静羽ちゃん!!」

「ドルルモン!!」

「『キュートモォーン!!』」

「た、確かこの回復薬ってララフィン達の衣装にも効くんだよね!?、ねえ!?」

「効くっちゃ効くけどよー

んな勿体無いことする必要あんのかー?」

「ウルカヌスモン?」

「どういうこと?」

 

フロンティアの面々が倒れたまま動かない仲間達の元へ駆け寄ろうとすれば、鍛治神が何やらシャシャリ出る。

 

「フン!、かつての戦いの折に貴様が居さえすればそれだけで戦略の幅が大きく違」

 

 

 

 

 

トッカントッカントッカントッカン!!!ボォーーーボォーーーボボボボボボォウ!!!チュイイイインッッッ!!!

 

 

 

 

 

「無・視・す・る・なぁーーーーーー!!!

そしてドサクサ紛れに耳を弄るなテンドォーーー!!!」

「おっと失礼

手持ちぶたさだったので、つい」

「ルナモンはブタじゃなくてウサギジャン」

「そういう意味じゃないから」

「いよっし!、流石俺!、修繕完璧!」

「う!、く・・・」

「「「静羽/ちゃん!!?」」」

「す、すごい!!!、あっという間!!!」

「あ、いや、マヒル・・・?

あいつ『一応』は鍛治の神だからね?

自分が下等種族って見下してたワー君達が命を懸けてた間なーんもしなかったけど武器と防具にかけちゃスペシャリストだから

あれぐらい出来て当然だから」

「う、うん、アケビ号の件についてはボクも同じ意見だけど、さ

目に光を宿して下さいお願いします始祖様」

「しかしドルモン、オレも又聞きしただけだが奴の所業を簡単には許せそうに無い

最も、どこかのドボカゲよりは遥かにマシだが」

「相棒、お前も目から火が消えてるぞ・・・?」

 

静羽の上掛けの紐を瞬く間に修繕して見せたウルカヌスモンに様々な意見が飛び交う一方

 

「まけ、たよ

百獣番長・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「キュウウウッ」

「アァン?」

 

未だ動けない子連れ狼と威風堂々と立つ仔獅子は厳かに語り合っていた。

 

「テメェはなァに言ってやがんだァ?」

「「え?」」

「テメェは、テメェらが造った舞台は

 

 

 

勝ったんだよ   百獣番長にはなァ」

 

 

 

「キュ!?」

「し、しかし・・・!」

「手負いのテメェらに勝ったのは『大場なな』のパートナーだァ、間違えてんじゃねぇぞ」

「ーーーーーーッ、だったら!

次俺達とやる時はナナと一緒に相手しろよ?

若造!!」

「ケッ!!、御断りだァ!!、クソッタレ!!」

「ま、待ってっキュ!

レオルモンも早く傷を治した方が」

「生きてりゃア傷なんざ幾らでもつく

一々気にしてられっか、ア"ァンッ?!」

「・・・・・・・・・君はそうでも

君のパートナーはそうじゃないみたいっキュ」

 

 

 

すると、その最中

ななに背後から抱き上げられるレオルモン。

 

 

 

「おおい!、テメェ何

 

ブハァ!!?やめろ!!ブッかけんなァ!!

 

その薬甘ったるく嫌いなんだっての!!!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ったく

 

 

 

テメェほんとにめんどくせぇなァー」

 

 

 

 

 

「お互い様、よ」

 

 

 

 

 

親友と彼女のパートナーのやり取りを呆れたような

 

なのに、どこか嬉しそうな顔で眺める純那であった。

 

 

[newpage]

「さぁーて!、無事試練も終わったってことで

・・・・・・・・・いいんだよな?」

「イイんじゃないのかーい?」

『Yes!、Yes!』

「ケッ、勝手に言ってろってんだァ」

「はいはい♪」

「大場さん何だか嬉しそう

って、あら?、そういえばシャウトモン」

「喉はもうへーきなの?」

「ああ!、シズハ達のステージ見てたら治った!」

「・・・・・・・・・どういう体質っキュ?」

「キュートモン、一々気にしてたら負けだ」

「とにかく!、試練が終わったんなら!

美空を迎えに行こうよ!

ね?、静羽ちゃん!」

「え、あ、うん、そうね」

「(静羽のあの顔、やっぱりバンチョーレオモン・・・レオルモンとのレヴューの結果が不満なんだ

 

 

 

でもソレはわたしだって)」

 

 

 

「『シスター?』」

「それでどうすんだっちゅーの?

アッチは例のレーダーでコッチの位置はわかるけど、コッチはあの飛空艇の位置がわかんねーんだろ?」

「しかも『黒の逢魔』のジャミングにより通信の類いが使えんのデシテ」

「ストラビモン、遠吠えは?」

「・・・・・・・・・スカルナイトモンがバグラモンの遺産を持っている以上、遠吠えの暗号も解読されてる筈

だから、下手に使うのはリスクがある」

 

 

 

 

 

ゥォーーーーーーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・!

ゥォーーーーーーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・!

 

 

 

 

 

『『!!?』』

「のに、これだモンなぁ!!

 

 

 

ワォーオーォーン!!! ワォーオーォーン!!!」

 

 

 

フロンティアの舞台少女達がパートナー達と共に数々の試練を乗り越えた矢先

一同に届いたのは『明けの遠吠え』による遠吠えネットワーク。

 

 

 

 

キャンッ バウ! ワーー・・・ゥ!

 

ウゥゥーーー・・・ワンワン!

 

 

 

 

「「「「!!?」」」」

「み、美空ちゃんとバリスタモン!

それにブイモンまで拐われたの!?」

『『な・・・!?』』

 

ソレが示す符丁にストラビモン、ブイモン、ルナモン、レオルモンは顔色を一変させ

まひるに至っては頭頂部に生やした狼耳を世話しなく動かしている。

 

「(露崎さんの獣の始祖のパートナー役への没入感が格段にあがっているッ!?)」

「(野々宮さん達との試練を自身の糧にしたってこと?)」

「(ということは双葉も・・・)」

「(ウカウカしてたら守る所か何も出来ない

頑張らないと)」

「まひるちゃん!!!

美空が拐われたって誰に!!?どこに!!?」

「え、えっと・・・

拐った、ていうより運ばれた、かな?

ドゥフトモンさんとクレニアムモンさんに」

「よ、よかったぁ!!

あるるの次は美空が『黒の逢魔』に連れて行かれたかと思ったよぉっ」

「で、でも、それならどうして遠吠えを?」

「危ないんじゃなかったの?」

「う、うーーーんっ

どんどん複雑になってて私じゃ『まだ』ちょっと聞き取れない、かな?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

フレイモン」「なんだストラビモン」

 

 

 

「冷静に聞いて欲しいことがある」

「既に欠いているんだが?」

「なら単刀直入に言う」

「・・・・・・・・・」

 

掠れた遠吠えが未だ鳴り止まない中、始祖の間に緊張が走るを感じ取った双葉は徐に両手を竜のモノに変化させ、相棒の背後へ。

 

「3人が軍師達に連れて行かれたのは

 

 

 

幻の里だ」「は?」

 

 

 

『へ?』 「「「うっわ・・・」」」

 

 

 

ストラビモンの告げた名称に

 

フレイモンの声音に殺気が宿り

 

舞台少女や一部のデジモンは首を傾げ

 

ドルルモンとベアモンとウルカヌスモンはすっっっごく顔をしかめた。

 

「マジかー、マジかー」

「あ、ありえねーっちゅーの」

「うそだろおい」

「ど、ドルルモンは知ってるっキュ?」

「・・・・・・・・・お前らにもわかるように言うとな

 

 

 

【あの】ブイドラモン族の住み処だ」

 

 

 

            は?』

 

 

 

「うん、ついでに言うと

 

 

 

【アイツ】が引きこもってる場所でもあるんだ」

 

 

 

「ねえドルモンまさかとは思うんだけど【アイツ】っていうのは石動さんにもななにも一切謝らなかった【アイツ】のことなの?ねえ?というか引きこもってるって何?この一大事に【アイツ】は何をやっているの?大体どうして【アイツ】が居る所にブイモンが運ばれたの?しかもあの人間嫌いの【アイツ】が居る所に叶さんまで運ばれたっていうの?ねえ?」

「じゅ、純那ちゃん落ちついて!!!」

「無理だなァ」

 

 

 

 

 

ジュウウウウッ ジジジジジジ・・・・・・・・・!

 

 

 

 

 

「焼く焼く焼く燃やす焼く燃やす今度こそ」

「あ、相棒、まだそうな熱ッ

たって、決まったワケじゃアッツ?!ないから!!、なアチチチチチチ!!?」

「ルナモン、ゲートを開いて下さい、今すぐ」

「無理デシテ」

「なんで!!?」

「場所がわかってんなら開けんだろ!!?」

「アルル、シャウトモン

幻の里ってのはあのババァや他の四天王達ですら手を出すのを躊躇ってた難攻不落の要塞なんだ」

「そんだけセキュリティが厳重だから

ゲートを開けられんのは聖騎士だっけなんだっちゅーの」

「だったらドルモンなら開けるんじゃないのかーい!?」

『ハリィ!、ハリィ!』「「ナノ!、ナノ!」」

「・・・・・・・・・いや、それもダメ、ジャン」

「Quoi?」

「うん、【アイツ】

ボクにだけアクセス拒否してるんだ」

「ほんとにしょーもないな」

「ー~ー~ー"~ー~ー~"ー~ッッッ!!!」

「炎の、オレも同意見だが

そろそろその放熱止めろ

フタバチャン、鱗越しでも熱いって」

 

 

 

 

 

アォォォ・・・・・・・・・ン アォォォ・・・・・・・・・ン

 

 

 

 

 

 

「!?、ストラビモン今の遠吠え!」

「合流?

幻の里へのアクセス方法がわかったのか?」

「だったら!!

X5ですぐにでも飛んで行こうよ!!」

「ま、待ってスパロウモンッ」

「私もつかさ達も、まだソウルが回復してないし・・・」

「それに5体合体はバリスタモンが居ないと無理だよぉ!」

「あ!!、そうだったぁー!!」

「こうなったら走るっきゃねえェエエエエエエ"げほっ?!!」

「あ!、やっぱり喉治ってなかったっキュ!!」

「美空ぁ・・・・・・・・・!!!」

 

 

 

【アイツ】への不安に苛まれながら99期生&フロンティア一行は大急ぎでアケビ号との合流を目指すのであった。

 

 

 







同時刻、彼女らが目指す幻の里にて・・・。



「ふ

ふふふっ



ブルァハハハハハハハハハーーーッ!!!



ついに、つゥいにこの時が来たぁー!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



高笑いをあげる軍師の聖騎士・ドゥフトモンが

消滅の剣の切っ先を向けるのは



石壇に寝かされた舞台少女・叶美空。



〔ミ、ソラ・・・ァ!〕

「動くな」

〔グ!!〕



この光景を前に彼女のパートナーであるバリスタモンが割って入ろうとすれば、矛盾の聖騎士・クレニアムモンにより拘束されてしまう。



そして、件の【アイツ】は・・・・・・・・・












「ぁ、ぅ」








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