少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE - 作:リカル
時間は少々遡る
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
変わり果てた聖翔音楽学園
その校門前に佇む少女の名は
聖翔音楽学園99期生 愛城華恋。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「華恋」
邪悪なツタに覆い尽くされ、見る影も無くなった赤い塔を遠い眼差しで見つめる彼女にパートナーが寄り添っていると
「ねぇ リュー君 覚えてる?」
「ぬ?」
「わたしとあなたがはじめて出会った
あの日のこと」
「・・・・・・・・・一瞬たりとも忘れたことは無い
で、御座るよ」
「あの時、リュー君は
わたしに何の役をくれたっけ?」「!
救世主」
「あなたにとってのわたしは、何?」
「救世主」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うん そうだった そうだったね
なら、まだ、演じられるッ」「!!」
俯いていた少女は突如胸を張り
天へと掲げる、己がキラめき
青春の可能性を。
「ギャオオオオオォォォォォォン!!!!!!」「グルルルルルルァアアアアアア!!!!!!」
「「!?」」
このタイミングで
怒り狂った獣と竜の咆哮が1人と1体の耳にまで届いた。
「リュー君!!」
「任されよ!!」
異変を察した華恋は手首の神機から赤い0と1の粒子を放出。
リュウダモンが進化したギンリュウモンに跨がり争乱の真っ只中へ。
「ひかりちゃん!!」
「ッ、華恋!!」
「かれ、ちゃ・・・」
「ぐ!、うぅ!」
「まひるちゃん!!?」
「双葉殿まで!!
そして何故マルスモンは穴の中ッッ!!?」
「『黒の逢魔』にアルルが拐われた!!
その直後!!、他のフロンティアの連中が独断専行で救出に向かったのデシテ!!
あの!!、シャウトモンも!!、な!!」
「「な!!?」」
「敵が開いたゲートを今闘争が開いているが
所詮は無理筋ッ、長くは持たん!!」
「ンジャジャジャジャジャジャ・・・ァ・・・・・・ン!!」
ピシピシビシシ・・・ィ・・・・・・!!
「あ!!」
「マルスモン!!」
「ッ」
「おい始祖共!!、もう頭は冷えたな!?
だったらとっととゲートを安定させろ!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「ゲートが安定し次第!!
ワタクシ達究極体を中心にアルルの救出及びシャウトモン達の回収へ向かう!!
カレンとヒカリはこの場を任せた!!」
「う、うん!!」
「わかった!!」
困惑するふたりにディアナモンは状況を説明しつつ矢継ぎ早に指示を飛ばしまくる。
「隠士!!」
「わかってる!!
カオルコ、その青瓢箪の解呪はデジタルワールドの方が都合が良い
だから」
「うち、行かんよ」
「う、ん?」
『え?』
「はなやぎ、さ?」
「連れて行きたいんならどうぞ御勝手に」
「お、まえ・・・・・・・・・ったく、わかったよ」
「双葉ちゃん!!?」
「ブイモンは、あたしが背負うッ」
「で、でも石動さん!?
あなたさっき大怪我したばかり」
「譲れないんだよ、この役だけは」
「ーーーーーー!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ』
パートナーを切り捨てるような言動をする香子。
彼女の意図を汲み取るかのように手負いの双葉がブイモンを背負う姿に塁も他の舞台少女達も息を飲むのであった。
☆輝きの無い世界・樹に埋もれた地下劇場内
そして、現在
待てど暮らせど、フロンティアの面々と彼女達の救出に向かった99期生達から未だ連絡すらない。
・・・・・・・・・実はこれは例の試練が原因なのだが
残された者達はこのことを知る術が無いので気を揉むばかりだ。
「そういえば、さ
何でアルゴモンが消えたのに世界は元に戻らないんだろ?」
「いちえ、今その話要る?」
「だって気になるじゃん」
「劇場があるのはここだけじゃないから」
『!?』
「きっと、王立演劇学園も同じようになってるんだと思う」
「ヒー・・・」
「え、ちょっと待って下さいよ神楽さん
じゃあ、なんですか?
あたし達がやってきたことって
全部、無駄だったってこと、ですか?」
「!!?、やちよ!!!」
「そうだね」
「ミチルさんまで何を!!!?」
「例え、シークフェルトを奪還出来ていたとしても
この結末を変えることは出来なかったということだ」
「え、あ、きら、さん・・・・・・・・・??」
「ッ」
「た、珠緒ごめん!!
あ、あたしそんなつもりじゃ」
「いいの、気にしないで」
「でも!!」
「いちえさん、少し落ち着きましょ、ね?」
「ーーーーーーッ」
「(不味い、どんどん空気が悪くなってる)」
結果、劇場内の雰囲気が暗くなっていく。
この状況に『衣装』の裾を掴まれたままの文が危機感を抱いていると・・・
「取り戻すよ 全部」
『え?』
「かれん・・・?」「カー・・・?」
「だって、それがこの物語での私の役
救世主の役目だから
私達の世界もリュー君達の世界も
全部救って スタァライトしちゃいます!」
『 ぁ 』
「・・・・・・・・・そう、だった」「!、ヒー」
「例え、悲劇が起きようとも
例え、奈落に落ちようとも
私達の舞台はまだ終わってない」
「拙者の武勇伝もで御座る!!!」
「リュー、今は空気読もうねー?」
「ぴ!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
この全ての輝きが奪われた世界で
ふたりでひとつの運命がキラめきをみせつけた。
ィャァァァーーーーーー・・・・・・・・・!!!
「!?、今のって」
「女の人の悲鳴!?」
「・・・・・・・・・プレイヤーとは感情の種類が違う
多分、ニンゲンだよ」
「ぬぅん!、まだ生き残りが居たか!
行くぞ!!、華恋!!」
「うん!!」
「・・・・・・・・・って、2人共待って下さい
あたし『達』も行きますッ」
「やちよ?」
「ほら!、メイファンぼさっとしない!
栞も行くよ!」
「え!?」
「(やちよ・・・)」
その直後、どこからか絹を裂くような叫びが聞こえてきたので
華恋とひかり、更にはやちよにより強引に連れられたメイファンと栞が各々成熟期へと進化させたパートナーに乗って現場に急行。
「鶴」
「らしくない、ですか?
だって、しょうがないでしょ?
ミチルさんもう限界だったんだから」
「ソレはワッチッチもわかっヒョル
ヒャットも、今の殿に道の『荷物』を受け止められるっヒョは限らん」
「それは」
「鶴、ワッチッチはヒョんしの供っヒョ
ワッチッチの翼の扱い決めんはヒョんしだけ
ヒョケェ、覚悟決めヒョケ 鶴姫やちよ」
「・・・・・・・・・ちゃんと呼べるんですね、ブライモン
(信じてますからね、晶センパイ)」
「ねえ、みんな」
妹達が地下劇場から離れるのを確認すると
文はまるで、堰を切ったかのように
仲間である演劇同好会に語りかける。
「デジモンの力を取り戻す
・・・・・・・・・ううん、『アレ』以上の力を得るチャンスがあるって言ったらどうする?」
「「「「え?」」」」
「ど、どうするって、まさか文ッ」
「私は行くわ」
「行くって、どこへ、ですか・・・?」
「凛明館女学校、演劇同好会部室」
「「!!」」
「そこで待ってるって言ってたわ
私達に力を授けた『声』のヒト達は」
「『声』ってまさかあの?
なら、それなら!、呪いについても!?」
「知ってるかもしれない」
「・・・・・・・・・」
語りかけながら、彼女への目配せも忘れない。
「それで?、どうするの?、珠緒」
「行きます」
「「「!」」」
「3人は別に無理しなくてもいいのよ?」
「こ、こーゆー時だけ優しくすんのやめてよぉー」
「そうですねー、出来ればレッスンの時まで取って置いて貰った方が有難いのですがー」
「ちょっ!
いちえ先輩!?、ゆっこぉ!!」
「じょーだんですよー
・・・・・・・・・ドラコモンさんのことはともかく
その『力』とやらに興味がありますので
塁もそうでしょ?」
「う、うん!」
「あたしも!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「(先が思いやられるわー)」
パートナーとの仲最悪トリオの反応に珠緒と文は疎か香子までもが整った眉をひそめるのであった。
「という訳で私達は一旦ここから離れるから」
「・・・・・・・・・文」
「何?」
「何故、栞の前では言わなかった?」
「言えば絶対止められると思ったから」
「・・・・・・・・・だろうな」
「私達が止めるとは思わなかったの?」
「止められるのですか?
今の貴女達に」
「「ッ」」
「ヒンーっ!!
た、タマオがなんかこわいでっしゅーー!!」
「(王・・・)」
「では、失礼します」
「「ーーーーーー!!」」
こうして、地下劇場に残されたのは2組だけに。
「ファルコモン」
「はっ」
「ワームモンを連れて下がれ」
「ヒンーーーっ!!?」
「了解しました」
「お、おししょーーーしゃまーーー!!?
なんでーーーっしゅーーーっ!!!???」
「・・・・・・・・・強引過ぎだよ、三流」
「他に方法が思いつかなかった」
「あ、そ」
更に、パートナーまでもが退場すると
シークフェルトの王と宰相は一対一で対峙。
「まいっちゃうよねー
後輩や部外者にまで気を使われるなんて
そうゆうの本当は『ミチル』の役目なのに
ほんと
何やってるんだろうね? わたし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「エーデルだけで解決しようとして失敗して
『先輩』達の実力も見誤って
救世主が聖翔の9人だってわかってたのに
認めたくなくて、つまらない意地張って
その結果
シークフェルトも
エリュシオンも
わたし たち の約束の舞台も
ぜんぶッッッ!!!奪われたッ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「挙げ句後輩にやつあたりして!!!
あきらめてた
かれんちゃんはスタァライトするき
まんまん、なのに・・・・・・・・・
わたし、ぜんぜん、かんがえられなくて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ーーーーーーッ、なにかいってよ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吐露 或いは、告解
罰を求める蒼玉の君が白金の君へとすがりつく。
「そんな弱気でどうするって!!!
それでも蒼玉の君かって!!!
こんな無様な姿!!!
舞台の上で曝すなんて!!!
三流以下の!!!舞台少女失格だって!!!
言ってよあき「ごめん」・・・・・・・・・え?」
だけど、彼女がすがった『王』は
「ごめん、ごめんね・・・!!」
「あ」
死んでいた。
恵まれた体躯も よく通る声も 洗練された美貌も
全てそのまま
なのに、彼女は、もう
舞台少女として・・・。
「!!!」
「うぐ!!?」
「ッ」
「あ・・・」
だからミチルは晶を力任せに突き飛ばし舞台を降りる。
細い肩を震わせ、小降りな唇を噛み締めながら
脇目も降らずに幼馴染みの元を去る
だって、そうしなければ、もう二度と
彼女との約束が果たせないから。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぅ、く、ぅぅっ」
役者も
観客も
主催者も
誰も居ない 何も無い朽ち果てた地下劇場。
でも、だからこそ
タダの少女の涙を受け止められるのかもしれません。
☆輝きの無い世界
凛明館女学校
かつて、ラヴォガリータモンとの戦いの折に炎上
更にはワスプモンが内部からブッ放した《ベアバスター》により木造校舎の写し身は跡形無くなった
筈、だった。
「も、元通りになってる・・・?」
「ウィザーモンはこの世界で破損したモノはそのままになる、っと言っていましたが
最も、あのぺてん師の言うことがどこまで本当だったのかはわかりませんし」
「ゆっこ、なんかウィザーモンに当たり強くない?」
「・・・・・・・・・そう、ですかね?
って!?」
「「花柳さん!!?」」
かつての争乱の痕跡が一切残っていない建物を前に、同好会の5人が二の足を踏んでいると
香子が彼女達の横をすり抜け無断で中へ。
「「「「ヒュウウウーーーッ♪♪♪」」」」
「!?」
直後、聞こえてきたのは
木造校舎全体に響かんばかりの大歓声。
「い、今の『声』って」
「ええ、間違い無く例の、だけど・・・」
「も、もしかして中でパーティーでもやってる?」
「いやいや、いちえさん」
「流石にソレはありえないと思います・・・」
結論から言おう
「いやはや!、まさかの急展開ですなぁ!」
「フゥ、おねえさんあつくなってきちゃった」
「んぐ?!、おいジジィ!!
それは俺のポップコーンだぞ!!
後リリスモン!!、コーラのストローは噛むな!!、舐めるな!!」
「いっぱいあるんだからどれでも好きにすればいい~んじゃな~い?」
「お前にしては珍しく正論だな!!」
「あ!、みんな!、演劇同好会が来たよー!」
〔「ワーーイ♪、ルイだーー♪」〕
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
めっちゃパーティーしてた
演劇同好会の部室半分が埋まるぐらいのソファーの上で
天井ギリギリサイズのスクリーンに投影される映像を肴に
よくわからない団体が大ハシャギしてた。
「あんたはんら誰?」
「その質問はクライマックスを観終わった後でもいいかい?」
「クライマックス?、何の
って、な・・・・・・・・・は?、はあ!!?」
〔「だから」〕
「何って、君のパートナーの独擅場だけど?」
〔「今度は」〕
ギィィィーーーーーーー・・・・・・・・・ン!!!
〔「ブイの!! 番!!」〕
「おおおおおお!!!、決まったぁ!!!」
「でも、トドメはささないのは怠惰だよ~」
「恐らくはぁ、あえて生かしたのでしょう
あの里の脅威を他の『黒の逢魔』に伝えさせる為に」
「メッセンジャーボーイね」
「ガツガツガツガツガツガツ!!
ズゾーーーーーー!!!、ゴックン!!
・・・・・・・・・どっちも『ボーイ』って面じゃないけどな」
〔「ルーーイ♪♪ルーーイ♪♪ルーーイ♪♪」〕
天使のような美少年が気さくに指差す先
大画面いっぱいに上映されていたのは
白亜の像と共に剣を振るう
顔半分に大きな傷を負った青い子竜の雄姿。
「あ
あんの!青瓢箪!
ほんまに、もう!!、んもおおーー!!」
「よ、よかった!!、よかったですね花柳さん!!」
「よくない!!!」
「「えええ!!?」」
〔「る、ルイに気をつかってもらうなんてぇ!
う、うらやましいぃーーーーッ!!」〕
「どーどー、おさえてーおさえてー」
「うちにいらん心労かけて!!
御褒美どころか賠償や!!、賠償!!
覚悟しときぃいいい!!!」
「・・・・・・・・・声、届いて無いと思うんだけど」
「その通りですよぉ、夢大路文嬢」
「フフフッ!、やっぱり若いっていいわねー」
「ガラガラガラガラガラガラ!!!」
「おぉい!!?、いくらなんでも食い過ぎだっての!!」
スクリーンに向かって水仙花を突き出す香子
彼女の形相にドン引きしている同好会
相変わらず好き放題してる謎の集団
「あ、あの!!!、すみません!!!
あなた達は何者なのでしょうか!!?」
この混沌の真っ只中で巴珠緒は無理矢理我を通した。
「ぷ!、あははは!、珠緒ったら必死だね!」
「わ、笑い事ではッ」
「笑い事だよ」
「そだね~~~、ふわぁ~~~」
すると、天使のような美少年は少女の想いを嘲笑い
コアラは興味なさげに欠伸を噛み殺す。
「何せ、今貴女が・・・
いえ、貴女方がすがろうとしている相手はぁ」
「『黒の逢魔』なんぞより余程たちが悪い存在なのだからな!!」
〔「イッイッイッイーーッ♪♪」〕
老人は舞台少女達全員に値踏みをするような無遠慮な眼差しを向け
フードで顔を隠す大柄な男のオーバーリアクションは木造校舎を容赦無く揺らし
カラフルなバックは『推し』に生で会えたのでまだまだ御満悦の様子。
「ふーーーっ、ごっそさん 痛ッ!?
地味に《ナザルネイル》すな!」
「御不満?
それなら次はもっと派手にいこうかしら?」
「「「「「「!!?」」」」」」
フルフェイスのライダーがアメリカンサイズのポップコーンとコーラを平らげれば
ジャージ姿の美女
の、右腕に備わる魔爪でオシオキされた。
「あらあら、そんなに見つめちゃって
おねえさんのカラダに興味津々?」
「コ~ラ」
「あんっ、ベタベタするぅ」
「かけるなよ!!、もったいねぇ!!」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ーーーーーーーーー」」」」」」
〔「イッイッイッ♪
気になる?、気になるよね?
おでたちのこと」
「え、ひぃ!!?」
「これなら少しわかってくれるかなー?
ルーイ♪」
「「「「「!!?!!?!!」」」」」
謎の団体の自由過ぎるやり取りに唖然としていた舞台少女達の頭上を突如埋め尽くしたのは
あのカラフルなバッグと同じ配色をした
ワニのようなナニカ。
「おでは嫉妬の魔王リヴァイアモン」
「ま、おう?、魔王のデジモン、7
!!、まさか!!!」
「あ~、気づいちゃった~?、ふぁあ~・・・」
「察しがいいね、香子
この傲慢の魔王ルーチェモンが誉めてあげるよ
後それからリヴァイアモン、邪魔、縮んで」
「イ"ッ」〕
「改めまして御挨拶させて貰いますよぉ、お嬢さん達
私はバルバモン、強欲の魔王と
この世界ではちょっとした企業のCEOとやらを務めさせて頂いおります
よろしければ、名刺をどうぞ」
「ぬふははははははははははははは!!!
急な展開についていけず棒立ちしてる連中に無理矢理押し付けておいてヨロシケレバは無いな!!!」
「・・・・・・・・・これでも食うか?」
「不発のポップコーンをすすめないの
ごめんなさいね
無精者と無礼者に変わってリリスモンおねえさんが教えてあげる
あっちの寝坊助さんが怠惰の魔王
それからこっちのデリカシーが無い
大きい方が憤怒のデーモンで
面白味の無いサイズが暴食のベルゼブモン
・・・・・・・・・勿論体長のことよ?」
「もう1本いっとく?」
「だからやめろ!!!、俺によこせ!!!」
「はいはい
さて、これだけ説明すれば後はもう
わかるよね?」
「な、な、だい、魔王・・・!!?」
「クスッ!、正解!
花丸の代わりに
お待ちかねの『力』を君達にあげるよ
田中ゆゆ子 音無いちえ
夢大路文 秋風塁
巴珠緒」
美少年・・・ルーチェモンが無邪気に微笑んでいる。
だが、正体を知った以上
この誘いが所謂『悪魔との取引』であることは一目瞭然。
「あかんで、珠緒はん」
「花柳さん」
「七大魔王いうたら、おばあはんとそのパートナーやった舞台少女がデジタルワールドから追っ払ったって話
あんたはんかて知っとるやろ?
しかも、そん時のゴタゴタのせいで世界が滅びるかどうかの瀬戸際まで聖騎士と神が協力せんかった」
「それは」
「それだけ根深いもん残した連中なんかの力借りるなんて絶対あかん
どう考えても取り返しがつかんことになるに決まっとるわ」
故に香子は珠緒を引き止めた。
「
だから自分達が舞台を独占しても良いと?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
はぁ!!?、何言うてん!!?」
「言った通りの意味ですが、何か?」
「さぁてさぁて盛り上がって参りましたなぁ!!!」
「バルバモン直接の観劇中は抑えてよ」
「おぉっとぉ、これはこれは失礼しましたぁ」
だが、彼女はソレをハッキリと拒絶。
「花柳さんにはわかんないよね
あたし達の気持ちなんてさ」
「救世主という大役に見初められ」
「あんなにも、眩しいパートナーが居る
あなたにはッ」
「え、は、ちょ・・・」
「だからこそ、私達は
あなた達聖翔と同じやり方じゃ
同じ土俵、舞台には立てない」
「夢大路はんまで何!!?」
すると、他の同好会部員までもが続く。
「舞台少女である以上
舞台の上で己が望む役を演じるのは至極当然のことでしょう?」
「そ、れは・・・
だけど!、流石にコレはあかんやろ!!」
「なら、どうしますか?、救世主様」
「ッ」
古くからの付き合いのある少女が今まさに
『道』を踏み外そうとしている
だから、花柳香子は狭い室内にも関わらず薙刀を流麗に構え
「《エ~ビ~ル~ス~ノ~ア~》」
「ぼふぅ!!?ぼふぼふ?!ぼ
ふぁぁ~~~っ」
「「「「「花柳さん!!?」」」」」
・・・・・・・・・ようとしたのだが
突如頭上から怠惰の魔王の成長期・ファスコモンが降ってきて、顔面に張りついたかと思うと膝から崩れ落ちた。
「んにゃぁーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ね、寝てる?」
「それも羨ましくなる程にグッスリと!!」
「ゆっこ!?」
「冗談ですよ
なので、あの、嫉妬の魔王さん?
纏わりつくのはやめて下さい」
〔「イッイッイッ!
そーゆーことにしておいてあげるー♪」〕
「珍しいねベ・・・じゃなくってファスコモン
君が自分から動くなんて」
「しかも、確か彼女は聖翔での推しではぁ?」
「ふ
ふとももふとももふへへへへぇ~~~っ」
「おんやまぁ、推しだからでしたかぁ」
「ちょっとやめなさいよ
そうゆうことやられると私の立つ瀬が無いんだけど」
「良い【憤怒】だ!!!、【色欲】の魔王よ!!!」
「ポリポリポリポリポリポリ
それで?、お前らどうする?」
「・・・・・・・・・話を進める前に
あのコアラを花柳さんから離して貰えませんか?」
「はいはい、っと」
「ぶぁ!!こぉ?!」
「これで良い?」
「(さ、さっきからこの子
解決方法が肉体言語ばっかり・・・)」
「言葉が通じない相手にはボディランゲージが一番だからねー」
「へ?!」
「「「「!?」」」」
「ん?、そんなに驚くこと?
仮とはいえ、契約した以上
君達の思考は丸っとお見通しだよ
・・・・・・・・・まぁ、人間の単純な思考回路なんてワザワザ覗くまでも無く手に取るようにわかるけど」
「「「「「ーーーーーー!!」」」」」
「さあ、部外者も大人しくなったことだし
話の続きをしようか凛明館演劇会同好会
愚かで愛おしい僕らの玩具」
「「「「「・・・・・・・・・ッ」」」」」
少女を眠らせた挙げ句不貞を働きまくってた毛玉をサッカーボールのように蹴り飛ばした後も美少年・・・ルーチェモンは微笑みを絶やさない。
なのに、纏う雰囲気は妖しく
台詞の端々に舞台少女達を
否、己以外の全てを見下す【傲慢】さが滲み出ている。
「君達は七大魔王に力を求めるのかい?」
「「「「「はい」」」」」
ソレを理解して尚5人は止まらない。
「ぬふははははははははははははは!
いいだろう!! くれてやる!!
もっとも、お前らが扱いきれるかどうかは別問題だがな」
すると、デーモンは彼女達の理不尽に抗う【憤怒】の意思を尊重し、件の炎でカタチ造られた紋章を召喚。
「うらやましいかったんだよね?
妬ましかったんだよね?
自分達には無いモノを持ってるあの子達が
イッーイッイッイーーッ♪
いいよぉ!、すっっごくイイィイ!」
すると、バック形態に戻ったリヴァイアモンは彼女達の【嫉妬】を全肯定しながら上機嫌に雷で紋章を描く。
「やれやれ、平穏に暮らしていた貴女方がこのようなリスクを冒す必要なんてありませんよぉ
だというのに、自分から争いの渦中へと飛び込むなんて
しかも、その為に危険な魔王と契約しようなんて
じっっっつに欲深いことですなぁああ!!!
これは是非とも投資せねばいけませんねぇ!!!」
バルバモンに至っては舞台少女という存在そのものが宝。
故に彼女達の【強欲】の行く末に期待し、右手から球体に包まれた紋章を撃ち上げた。
「はあ~~ぁ
自分達が無力だからって他人からの力を貰って
それで我が物顔しようだなんて
君達ほんとに怠惰だね~~~・・・・・・・・・」
一方、ファスコモンはノロノロとした動きで蹴られた腹を擦り無造作に紋章を放り投げる。
「こえろ そして、うまくなれ じゅるり」
ベルゼブモンはヘルメットの下で舌なめずりすると、どこからともなくショットガンを取り出し発砲。
弾痕の代わりに紋章を刻み込んだ。
「私の罪はあなた達にはまだ早い
でも、だからこそ、私は観たい
無垢な少女がこの快楽に墜ちる様を
クスッ、ふふふふふふふ・・・!!」
そして、リリスモンは長い黒髪をかきあげ
さざめく影から呼び出した紋章で天井を破壊
すると、この輝きの無い世界の空を覆うように
傲慢の紋章が浮かんでいるのが見えた。
カチ・・・ カチ・・・ カチ・・・ カチ・・・
ガ チ ン
直後、七つの紋章が堕ちる
罪の証が5人を蝕む
魔封機の色がジワジワと変わっていく
「魔封機じゃないよ」
薄墨一色から
本体が漆黒
装飾は深紫と深紅に
そして、最も大きなチガイが
懐中時計の文字盤を囲う
七本の剣。
「あれは魔『神機』
人間とデジモンを繋ぐ 呪縛とエゴの象徴
それに僕らの罪をトッピングしてみたんだ
さて!、ここで皆さんにクイズです!
舞台少女は何にでもなれます
そんな彼女達に七大魔王全員の力を注ぎ込んだら
一体何が出来上がるでしょうか?」