少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE -   作:リカル

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☆輝きの無い世界・アケビ号作業室

「フォゥー・・・ン」
「お、おい!
ほんとにアレでよかったのかよ!?」
「今更ウダウダ言っててもしょうがねぇって」
「それは、その、そうなんじゃが、のぅ・・・」

エーデルらが舞台へと上がっていた頃
レオ坊とブラックマッハガオガモンに挟まれたワー爺が落ち着かない様子で外部の状況を映すディスプレイを注視している。



神機・イミテーションをベースに
フロンティアの進化したクロスローダーより抽出したデータや
各々独自の発展を遂げた5つの実物から文字通り手探りで読み取った構造を参照
オリジナルダークネスローダーのパーツを流用したことによって得られた結合の特性を元に、白金の君たる雪代晶を中心としたネットワークを形成
コレにより5人のソウルとキラめきは相互に高め合い、カタログスペック上では成熟期以上の進化が可能となった・・・のだが、現在のロード・デヴァイサーにはある欠点が



「構造上は何も問題が無いというのに

なんで電源がつかないんじゃあああ!!!

あ、アレでは成熟期すらも出来んぞい!」




もとい欠陥があった。




故に、生産者としては気が気でないのである。

「だ、大丈夫ですって長!
エーデルの皆さんあんなに自信満々でしたし!
心配いりませ





ドン

  ドン!!  ドオオオオン!!!!!





「「         」」
「やっぱ駄目じゃねえか!!!」
「フゥオオオーーーーーーン!!!」
「ないちゃだめだよとーちゃあん!!!」





Omnibus of the Revue オープニングアクト

☆闇落の章

 

「くっ・・・!」

「ヒョゥ!」

 

五体同時に放たれた完全体の必殺技により

スティフィルモン・リゲルモードが空けた大穴の縁東部へと吹き飛ばされたやちよはパートナーのヒョコモンと共に空中で一回転

しっかりと足裏から着地するや否や素早く視線を巡らせる。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「蜂!、塩!」

「大丈夫?」

「はい」

 

すると、忙しなく翅を動かすファンビーモンに抱えられた栞が彼女らの傍らにゆっくりと着地。

 

「私は大丈夫です」

「ヒョ?」

「栞?」

「もう二度と

舞台の上で無様な姿は晒しませんから安心して下さい」

「あ

(コレ、別の意味で大丈夫じゃない奴

 

 

 

!?」」「来るヨン!!!」

 

 

 

 

 

 

ピシィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ

 

 

 

 

 

 

その直後、2人の吐く息が白に染まり

空気が軋む音が聞こえてきたかと思うと

荒廃した大地より鋭利な氷が次々と生えてきた。

 

 

 

「あたしが相手でいいんですか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

後輩と分断された真珠の君がペルレンプファイルの銃口を向ける先に浮かぶのは夢大路文。

 

 

 

「ーー!!ッ!! ! !"!!」

 

「く!う!あ?!がはっ!!」

 

 

 

一方、氷壁の向こう側では

翡翠の君がヤーデアングリフを必死に振るい

猛攻を仕掛ける秋風塁に抵抗の意思を見せていた。

 

 

 

☆獄中の章

 

 

 

〔「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!、ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!、ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」〕

 

「ヒンーーーーーーっ!!!ヒンーーーーーーっ!!!ヒンーーーーーーっ!!!!ヒイイインンンーーーっ!!!!!」

 

 

 

大穴の縁、北東部。

輝きが失われる前までは高級感が溢れていた大通りも今では絶え間ない爆発と奇声が入り交じり、カオスの様相を呈している。

 

「弟子、叫ぶ暇があるならその分糸出して

さもないと丸焦げだよ?」

〔「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」〕

「ひ!!ヒンーーーっ!!!」

「そうそう!、その調子♪、その調子♪」

「・・・!」

 

障害物である高層ビルを突き破り・・・もとい溶解させながら飛翔する音無いちえの扇子が揺らぐ度、彼女の周囲で粉塵が舞い、爆発が起きる

コレに対し蒼玉の君が取った対抗策は

半泣きになりながら己の腕にしがみつく芋虫が出す糸を駆使することで建物と建物の間を神楽ひかりばりに立体的かつ高速で移動すること。

 

 

 

「(さあ、本番はここからだよ

 

いちえちゃん)」

 

「!

 

(やっぱり、ミチルちゃん、気づいてる)」

 

 

 

☆抑制の章

 

東側で喧騒が始まる中

大穴を挟んで向かい側にある南部では

 

 

 

まだ、何も起きていない。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「(動かない

 

いえ、違いますね

 

私が動くのを待っているのでしょう

 

その上で叩き潰せる自信がある、と)」

 

 

 

身の丈以上の質量を持つ緑の複腕を構えたまま微動だにしない田中ゆゆ子を前に紅玉の君は・・・

 

 

 

「でしたら私もあなたが動くのを待ちましょう!!!

 

根比べでも負けませんよ!!!」

 

「               」

 

 

 

あえて相手の土俵に上がるのであった。

 

 

 

☆影光の章

 

 

そして、大穴の縁中央部

 

丁度聖翔やフロンティアの舞台少女達が集う場所の対岸では・・・

 

 

 

「既に幕は上がっている

 

だというのに

 

お前達はいつまでそうしているつもりだ?」

 

 

 

プラティーンランツェの穂先が見えない壁にぶつかる度に生じる火花に合わせ

白金の君が踊り、歌う

 

 

 

すると

 

 

 

「いつから気づいていたんですか?」

 

 

 

一方的な攻撃を直立不動で受け入れていた巴珠緒が流暢に喋り始めた。

 

「観客席だからこそ見える物もある」

「成る程

つまり、私達の自我があるとわかっていたから

只でさえ性能が低い神機の模造品

その電源すら入れずにこの舞台に上がってこれた、と」

「魔王等にすがる愚か者を相手にするのならば

丁度良いハンデだろう?」

「愚か者・・・?」

 

この会話劇の間にも晶の動きが止まることはない。

恵まれた体躯を用いてランスを大胆に扱えば

見えない壁の表面で目映い火花が散る。

 

 

 

「ソレこそが舞台少女」

 

「!」

 

 

 

その輝きが兜の下にある影をより濃くし

 

白金の穂先を阻んでいたナニかが突如消失。

 

一瞬、勢い余って体勢が崩れかけた晶だが

 

鍛え抜いたバランス感覚で即座に修正

 

甲冑の隙間で揺れる懐中時計・魔神機目掛け

 

プラティーンランツェを正確に突き出した。

 

 

 

「違いますか?」「!?」

 

 

 

すると、たおやか指先が2本

 

まるで繊細な硝子細工でも扱うようにそっ・・・と尖った穂先に添えられて

 

それだけで白金の君は急停止してしまう。

 

 

 

「雪代さんもあの日、あの時に見たでしょう

 

最速の聖騎士、アルフォースブイドラモン

 

その輝きを」

 

「!、!"」

 

「遥か高みにあると思っていたあの光が

 

実は、彼女のモノだと知った瞬間

 

 

 

あなたは諦められましたか?」「くっ!!」

 

 

 

背中に嫌な汗を流しながら柄を握る両手に渾身の力を込めるも、己がキラめきの象徴は微動だにしない。

間近に相対する珠緒から放たれる禍々しいプレッシャーも相まって、晶の顔から徐々に余裕が無くなっていると

 

 

 

「あなたがどう思っていようが関係ありません

 

私は捕りにいきます、どんな手段を使ってでも

 

例え、世界を滅ぼす魔王に身も心も捧げることになろうとも

 

 

 

ね・・・」「!?、巴!!、貴様ぁ!!」

 

 

 

〔「あらあら珠緒ったら

 

でも、そうよね

 

実際にヤッタことが無くても舞台の上なら・・・

 

それがあなた達舞台少女だもの」〕

 

 

 

色欲の爪《ナザルネイル》により

 

プラティーンランツェが 腐食。

 

だが、問題はソレだけでは無い。

 

 

 

「ふふっ」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ーーーーーーーーー」

「ふえ?、カオルコどうした、デス?

なんか急に顔が変あっつぅッ?!

あついいたいあついいたいあついいたいあついいたいフレイモンあついたいデスぅううううう!!!?」

 

魔神機の文字盤にリリスモンの紋章を浮かべながら、残る片方の指先で淫靡に唇をなぞり

対岸の観客達にアプローチをかけている

レヴューの相手であるこの白金の君越しに。

 

「私を!!!無視!!!するなぁ!!!」

「遅い」

「なっ、が!!ぐ!ぁ"!」

「王!!!」

「来る!なぁ!

お前の出番はまだだろうッ!?」

「!、・・・・・・・・・はい!!」

 

憤懣たる想いを白金の0と1の粒子とし放出し

柄まで腐食したプラティーンランツェを再生産しようとすれば珠緒は容赦無く《ロケットメッサー》を、それも暴走時の再生能力すらもモノにした連射で晶を徹底的に打ちのめした。

 

「よおーし!!、ガンバれリンメーカン!!

そのままベルゼブモンの技も使えええーーー!!」

「「ウルカヌスモンッ??!!」」

〔無事ダッタノカ!?〕

「で、でもよぉ・・・・・・・・・」

『うでがぁ・・・・・・・・・』

「んあー?、瘴気込められてなかったし

こんだけ断面が綺麗なんだから縛っときゃその内くっつくっちゅーの」

『ひっ!!』

「んなモン見せんなァ!!」

「デジタルワールドの神様って変なのばっかり」

「ヒカリ、お前

言って良いことと悪いことあっからな?」

「言われたくないならあのポチなんとかしてよベアー」

「・・・・・・・・・」

「どうしかしたのデシテ?、テンドー」

「ルナモン、あなたがあの提案をした真の目的は・・・

凛明館とシークフェルトをぶつけ合わせ

両者の成長を促すことだったのですか?」

「フッ!、やっと気づいたか共演者よ

最も、エリスモンの新たな姿と

それに伴って連中が正気を取り戻したのは想定外だったがな」

「何故、こんなことを」

「ならば、逆に問おう

貴様、この輝きの無い世界でワタクシを究極体に進化させるのに後どれくらいかかるのデシテ?」

「2日あれば「遅過ぎる」!!」

「ほら見ろ、傲慢ちきの貴様すらもこの弱音だ

他のモンも似たり寄ったりだろう?

実に頼りない」

「ッ、言ってくれるじゃないLapin・・・!」

「なればこそ、より多くの舞台少女とそのパートナーデジモンを高みへと押し上げ

『黒の逢魔』の想定しない化学反応を誘発し

選択肢を増やす必要があったのデシテ」

「!、お前あのババアからの忠告」

「何故このワタクシが

あんな山姥の指図に従わねばならない?」

「んな!?・・・・・・・・・いや、確かにそうだな

もう居ないモンのケツにいつまでも乗っかる訳にはいかねーか」

「ドルル、モン」

「それに」

「「それに?」」

「ワタクシのパートナーとソレを追うモンがそう容易く他の舞台少女に負けるとは思っておらんからな」

「「!!、ふふっ」」

「ええ、そうよ!」

「晶ちゃんや珠緒ちゃん達がより一層キラめくなら私達だって」

「!?、ばななちゃん!!」

「目が覚めたみたいだね☆」

「だって、こんなに凄い共演、見逃しせませんから♪」

「ケッ」

「(あ!、レオルモン尻尾振ってる!)」

「(あんな態度取ってますけど

ほんとは嬉しいみたいですね、ララフィン先輩)」

「(うんうん!☆)」

「テメェら目が喧しい!!!

オレサマなんぞよりアッチ見てなァ!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

らしくねぇなー

 

 

 

ソレが今のお前の殺陣かよ?   秋風塁」

 

 

 

☆闇落の章

 

「はぁ・・・!、はぁ・・・!、は!!」

「ーーーーーーッ

(頭では、理解出来てるッ

今の状態で加勢に入った所で意味は無い

寧ろルイの嫉妬を駆り立てるだけ)

だけど!!、こんな」

「ぁ」

「ああ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

観客達のざわめきも側で見守ることしか出来ない蜜蜂の煩悶も何もかも意に介さず、仔鹿のように膝を震わせる少女目掛け

大太刀・流星丸が乱暴に叩きつけられる。

 

 

 

「もう、大丈夫ですよ」

 

「え?」

 

「は?」

 

 

 

すると、懸命にヤーデアングリフを握る栞に

彼女は優しく声をかけてきた。

 

「秋風、さん?」

「後の事は任せて下さい」

「任せるって」

「『黒の逢魔』は私達

凛明館演劇同好会の5人で消します」

「!?」

「だから、もう安心して下さい

栞さんや他の学校の皆さんが

苦しむことも傷つくこともありません」

「正気に戻って言う台詞がそれか?、ヨン」

「・・・・・・・・・そう、ですね

確かに、普段の『私』ならこんなことは言えません

だけど、今の私は違います

 

 

 

この力さえあれば」「「!!」」

 

 

 

〔「わ、傲慢!、すっごい傲慢!

リヴァイアモン見て見て!、君の推し

うっわキッモ!?、信じらんない!!

こいつ眼球だけ元のサイズに戻してる!」〕

〔「塁嬢はいつか悪い宗教に引っ掛かってしまいそうで将来が心配になりますなぁー」〕

〔「ぬふははははははははははははは!!!

ば、ばるばもんおまえ・・・!

じょーくがうますぎる・・・!

た、たつはらがよじれそうだ・・・!、ぬふ!

ぬふははははははははははははは!!!」〕

 

 

 

「ッ、いい加減に

 

 

 

・・・・・・・・・!?」「(ハニー!!?)」「?」

 

 

 

塁の一方的な物言いに反論しようとするが

 

何故か言葉が出てこない。

 

 

 

「か・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

 

ぁ? ひゅー・・・ひゅー・・・ ごほっ!!!」

 

 

 

栞が自身の状態を訝しむ暇も無く

力が入らなくなった手からサーベルが抜け落ち

体が勝手に『く』字に曲がって・・・

不自然な呼吸を繰り返す内にガクリと倒れ込んでしまう。

 

 

 

「(なんなんだよいったいなにがおきた?いや待て取り乱すなんなモン後だ情報を精査しろ

 

主な症状は呼吸困難並びに指先の変色、毒か?

 

いや、ルイの様子からして色欲の罪は)」

 

「げほ!!!う"あ"!!あ"!!あ"ぁ!!」

 

「!?

 

(く、口から針!?、いや、違う、アレは

 

こお、り?? 氷!? そ、んな、なんで?

 

なんでだよぉお!!?フミぃい・・・!!!」

 

「どうやら

 

あなたのお姉さんも私と同じ意見のようですね」

 

「ぉ・・・・・・・・・ぇえ・・・ちゃ・・・あ"・・・!」

 

「この一太刀で楽にしてあげましょう」

 

 

 

「あっちはそろそろ終わりそうね」

 

「ッ、レヴューの最中に余所見とか・・・!」

 

 

 

先が見えない程に広大な氷の壁を越えて

向こう側に居る妹の体内へと届く程

大量の冷気を無造作に垂れ流す夢大路文に

照準を合わせたペルレンプファイルから

真珠を思わせる淡い桃色が混じった銀を纏う矢が快音と共に発射。

 

「だったら、目を向けさせたらどう?」

「な!?」

「ヒョウッ?!」

「ヒヨコさん!!?」

「最も、自分の周りすら見えてないんじゃ

話にならないけど」

 

しかし、必中の意を込めた一矢は猛吹雪に阻まれあらぬ方向へ。

挙げ句、隣に控えていたパートナーすらも何処かへ飛ばされてしまった。

 

「ーーーーーーッ

相!、変わらず!、厳し

 

 

 

い"!?!」「言った筈よ

 

 

 

周りも見ろって」「!、~ー~ー~ー!!」

 

 

 

歯噛みしていたやちよの足元から突如として噴出した氷の柱は彼女の下半身を・・・

しかも、ボウガンを手にした左手までもを一瞬で飲み込み動きを封じる。

 

「はぁー、アレだけ他校にお膳立てされたのに結末がコレ?

拍子抜けね、フラウ・ペルレ」

「ーーーーー!!

まだ、まだですよ文さん・・・!!

舞台はまだ終わってません・・・!!」

「あら、そう?」

 

とらえた獲物が生き汚く足掻く姿を見据えながら、己が造り上げた背景よりも冷たい笑みを浮かべる文。

その足が氷の柱に掛かれば一段一段と段差が生まれる

 

まるで

 

 

 

「だったら

 

 

 

この手で幕を下ろしてあげる」「ー!!」

 

 

 

        断頭台を登るように。

 

 

 

 

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