少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE - 作:リカル
☆闇落の章
剣を振り上げる時に大きく息を吸い込み、息を吐きながら振り下ろす。
秋風塁が人生の中で幾度となく行い、すっかり体に馴染んだ動作だ。
「な、んで・・・・・・?」
故に、正面で繰り広げられる光景が信じられない。
「なんで!?どうして!?どこからそんな力が!!?」
「ーー"!ーーー"ー!!!」
流星丸を振り下ろした先で蹲っていた少女は
か弱くて、年下で・・・
まして此方は魔王の力まで宿しているというのに何故?
夢大路栞は見事な真剣白羽取りをしている!?。
「(体の内側から攻撃を受けているのになんでまだ動」
パキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「え」
ガリッ
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゴクン
「ひ!!」
「(ちゃんと みててくれたんだ)」
彼女はしっかり咀嚼し、飲み干す
〔「先輩!、敵異常!、敵異常!
即時削除推奨!、削」〕
「う、る、さい!、五月蝿い!!」
「(わたしのこと
おねえちゃんは!!!」「!"」
必要な栄養素を!!!。
「・・・・・・・・・」
「栞に、なにかあったんですかぁー?」
「ヒトの心配をするよりも自分の心配をしたらどう?」
「あはっ♪、その反応もしかして図い"ッ」
「今更何が出来るというの?
あの子も、あなたも」
「ーー!ー・・・・・・・・・!!"」
ソレが翡翠の君に染み渡れば
大太刀を掴む両手に力が入り
不純物まみれの刀身をへし折るに至った。
コチ コチ コチコチコチコチコチ・・・ッ
「ありがとう、ルイ」
「へ?、え?、ええ!?」
塁が武器を破壊されたことに狼狽えるより早く
今の今まで静観を余儀なくされていたファンビーモンから拍手が送られる。
「こんなにも良いモンが観れたのは
君が最高にイカれた悪役を演じてくれたお陰だヨン」
「ど、どういたしまして??
だけど、あの、さっきのは本気」
「舞台少女の本気は舞台の上での演技だろ?
レイド帝国産のデジモンとの融合は
そんな大事なことまで忘れてしまうのか?」
「え?、ぁ!、ちが!」
「違っていようが何だろうが
君の演技があの甘美な絆を引き出したのは事実
感謝してもしきれない、だから」
ジリリリリリリリリリ・・・・・・・・・・・・!!!
〔「敵個体名ファンビーモン
エネルギー急激に増大中!」〕
「ぅ! ぁ! あ"っ
ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっと、あたしだけをみてくれたぁ・・・!」
「な!?」
「キャノン、ビーモン?、完全体!?」
「受け取れ《スカイロケット∞(ムゲン)》」
その直後、称賛の言葉と共に舞い降りる銀幕の内より姿を現した大型の蜂型サイボーグが背負った巨大な武器コンテナからの一斉砲撃が開始。
舞台少女達の共演がもたらした『熱』が
この場の氷を全て溶かす!!!。
同時に
「ここならどれだけ吹雪こうが」
踏みにじられていた鶴姫やちよの上半身が
銃火舞う空中で勢い良く跳ね
〔「フミ!!!」
左腕をブラつかせながら
右手に握ったペルレンプファイルを文の魔神機に密着
「ー!」「関係ありませんよね?」
川蝉が振るわれるより先に引き金をひくのであった。
〔「先輩!!、回避!!、回避ー!!」〕
「ッ、きるわけがないでしょ!?」
〔「ジャザア?!」〕
一方の塁もまたこの激しい絨毯爆撃に曝され
・・・・・・・・・否、あえて受け止めていた。
何故ならコレは自分達のキラめきに胸を刺されたモンによる焦がれる気持ちの具現化。
舞台少女である以上逃れることは許されない。
〔「先輩!!、敵増援急速に接近中!!
ライブラリ照合、敵個体名ブテンモン
完全体!!」〕
「またかんぜんたいぃ!!?」
「ヒョウ義!!!《 日 輪 ノ 舞 》」
「ー~ー~ー~ッ」
「ヒョオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「(なんて剣気・・・!!
でも、鶴姫さ)」
「今のワッチッチには
ヒョンシしか見えヒョらっヒョオ!!!」
「!?、なんで・・・?」
そんな彼女に弾幕を引き裂きながら斬りかかったのは、大柄な武将の姿をした翼持つ神人
真珠の君・鶴姫やちよのパートナーであるヒョコモンが完全体に進化した姿。
「どうしてふたりともわたしばっかり!?」
〔「ほんとにわからないの?」〕
「ぇ」
武骨な大剣を防ぐ為か
はたまた、戸惑う自分を抑える為か・・・
鉄翼の内に閉じ籠る玩具を嫉妬の魔王が諭す。
〔「イッイッイッイッイーッ♪
おで、きみのそういうザンコクな所もダ~イスキなんだ~♪」〕
「ざん、こく??」
〔「ああ、『今』はわからなくていい
パクっと噛みしめてやればいいんだ
きみが舞台の上で放ったキラめきは
確かに誰かの心を掴んだって事実を」〕
「・・・・・・・・・」
〔「(そして、ソレもまた成長のカタチの一つ
パートナー以外に視野を、世界を広げたからこそアレを起動させるに至った)」〕
「風、ヒョヘ剣抜け
ヒョエンのならこのまま」
「抜かせられるモンなら抜かせてみなさい
《メッサースパイラル!!!》」「?!」
すると、出資者の言葉に何かを感じ取ったのか
『脚』が蠢き、『眼』が大きく開かれた懐中時計より暗色の入り雑じった緑青色の0と1の粒子が放出。
ブテンモンの巨体を軽々と弾いた挙げ句、東洋風の甲冑を高速スピンで貫く
「《ツバメ二枚返しぃーー!!》」
寸前、翼持つ神人は鳥人侍へと姿を変えた。
「退化・・・!?、だけどこれしき!!」
「ヒョッ!」
しかし、塁は突然のサイズ変化にも即座に対応。
一体化しているジャザリッヒモンの解析能力でブライモンの動きを
「そして、ソレも読めていますよ
栞さん!!!」「うあぁ・・・!!」」
そして、褐色の羽毛の影より飛び込んできた翡翠の君の動きすらも先読み
白地のスカートから伸びる鉄の尻尾からレーザーを連射し次々に迫る3本の刃
更には、後方より大口径のレーザー砲の発射体勢に入っていたキャノンビーモンすらも正確に射抜いていく。
「ッ、が!」
「今度こそ・・・! 終わらせる!!」
塁の懐にまで到達した栞が得物の再生産を行おうとしたが、鉄甲に覆われた手がジャケットを繋ぐ紐を掴む方が早い。
掌の中で繊維がブチブチ解れていく感触を噛みしめながら一気に引きち「やっぱり
あなた『達』には任せられません」
「は・・・!?」
〔「不発弾?、起動?、ジャザ?
ジャ
ジャザーーー!!?メェーーデーー!!」〕
突如、ジャザリッヒモンによる警戒アラートが発令
原因は夢大路栞がレヴュー衣装の中に秘めていた
「でも、ボクチャンの一番はハニーだヨン」という蜜言/起爆寸前の超小型ロケット弾。
〔「
【嫉妬】 間に合わなかったね、ルイ」〕
リヴァイアモンが心底残念そうに呟いた直後
甘い香りと共に銀と翡翠のキラめきが爆ぜ
彼女との繋がりが木っ端微塵に砕かれるのであった。
「このレヴューはあなた『達』の勝ちよ
エーデル」
「・・・・・・・・・!!」
「不満気ね
ま、そんな格好じゃ無理もないけど」
「ぶ、ブルルウウウゥ!」
妹のパートナーにより焦土と化した舞台の上
夢大路文がかつての後輩達の大健闘を称えている。
しかし、肝心のやちよの方は
力無く横たわっており微動だにしない・・・もとい出来ない。
何故ならば、あの時
ペルレンプファイルの引き金をひいた瞬間
銃口の先にあった魔神機から氷の竜が飛び出し
銀のジャケットをもぎ取ってしまったから。
「フミ、あの!、コレは、その、えっと!」
「前にも言った筈よ、勝手な真似はしないで」
「ぶ!ぶるるる・・・ぅ・・・・・・」
「コイツを御せなかった以上
この舞台に立つ舞台少女としては失格
例えレヴューとしては勝っても私の負けに変わりは無い」
「(・・・・・・・・・文さん、あなたもしかして)」
「やい氷、ヒョヘ羽織返せ」
「ブルッ!
!?、シオ・・・・・・・・・ブルル」
「栞」
文が一方的な主張をしていると手負いのヒョコモンとファンビーモンが深傷を負って意識不明の栞を担いできた。
「腹部の損傷は見た目より酷く無い
爆発の瞬間に体内を君の氷が護ってくれたお陰だヨン」
「・・・・・・・・・」
「カルポスヒューレ産の薬、置いておくね」
「ありがとう」
「蜂、運ぶ手伝っヒョ」
「今行くヨン」
蜜蜂は最愛のパートナーを姉の足元に運んだ後
雛侍と共に未だ機能停止に陥ったままな真珠の君を退場させる。
「ブ、ブルルルルルうううぅ~~~!!」
「・・・・・・・・・」
すると、ブルコモンは一本の矢が深々と突き刺さっている魔神機を拾い上げ
そのまま全力失踪。
コレでこの場に残ったのは夢大路姉妹のみ。
「私も、塁も本気だった
なのに、あなたったら
こんな、ボロボロになってまで・・・・・・・・・」
薬液を浸した文の手が優しく患部を撫でる
「でも、そうね
そんなあなただからこそ
私は、誇りに思うわ」
その度、栞の指先は小刻みに震えるのであった。
コレにて闇落の章 改め 安楽の章、終了。