少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE - 作:リカル
「塁ちゃん、駄目よ・・・」
「ですが珠緒先輩ッ、このままではッ」
教室の片隅で珠緒せんぱいと塁が身を寄せ合い
微かな声で話し合っているのが見えます
「うう~~!、どこにも繋がんないー!
こうゆう時って何か都合良く掲示板にだけは書き込めるのがお約束じゃなかったっけー!?」
「ちょっといちえッ、し、静かにしなさいよ
【アイツ】に気づかれたらどうするつもり?」
スマホ片手に慌てるいちえさんを文せんぱいが宥める声が震えています
無理もありません、彼女は怖い話が苦手
・・・・・・・・・いえ、この状況では苦手も何もあったもんじゃありません
今、私達凛明館演劇同好会の五人が居るのは見慣れた校舎
ソレとよく似た仄暗い【異世界】で・・・
「ブルルルルルルルゥ」
「「「「「!!」」」」」
化け物が徘徊する危険な場所なんですから
事の発端は、そう
凛明館演劇部OBの関係者から届いた小包を部室で開封しようとした時に
「世の中
F〇〇kY〇〇ーーーーーーーー""""ーーーー"!!!!!""!」
凄まじいダミ声・・・所謂デスボイスという奴ですかね?
それが壁越しに聞こえてきたかと思うと
部室の風景が一変して
気がつけば私達五人は此処に居ました
最初は何かのレヴューが始まったのだと考えていたんですがね、いつまで経っても『彼女逹』は現れませんし、何より身につけている衣服も全員揃って制服のまま・・・武器も持たないであんな化け物に立ち向かうなんて無謀もいいところ・・・
「私が囮になります
その間にゆっこと先輩方は外へ」
「塁ちゃん・・・!!」
塁の馬鹿ッッ
「脱出すんのはみんな一緒じゃなきゃダメだってッ」
「そ、それに!、校内から出れても・・・!
あ、あの化け物がおお!、追ってこないとは限らないし・・・!」
「先輩方の言う通り、少しは頭を冷やして下さいよ」
「でもゆっこ!」
「声が大きい」
「ーーーーーーッ」
駄目だ、全然納得してない
このままの状態が続けば、いずれ先輩達が止めるのを聞かずに飛び出して化け物に
「ゆゆ子ちゃん?」
そんなことはさせない
絶対、誰1人欠けることなく元の世界に
凛明館演劇同好会の舞台に帰るんだ!
・・・・・・・・・などと、我ながららしくないことを考えつつ私は慎重に足を動かすと
例の小包の元へと歩み寄り、音を立てないように中を検めれば
「これは・・・・・・・・・」
そこにあったのは薄墨色の懐中時計が五つと
奇妙な紋様が描かれた紙だけ
拍子抜けにも程があります・・・
話の流れからして脱出の為の取っ掛かりが入っていると思ったのに
「ブルルルルルルルゥウウウ!!」
!?、近づいてきた!!
「「「「「ーーーーーーッ!」」」」」
低い唸り声と固くて重い足音が部室を揺らすと
辺りの空気が一瞬で冷えて
私達の吐き出す息が白く染まってしまいます
「ブルルルゥ!、ブルルルルルル・・・!」
「「「「「~~~~~~!!!」」」」」
とまるなきづくなはやくあっちいけ
塁!!!、お願いだから動かないで!!!
そう必死に念じ
力一杯口を押さえつけ、息を殺していると
「ブル、ブルルルゥ・・・・・・・・・」
あきらめた?
「「「「「はぁーーー・・・・・・・・・」」」」」
気配が遠ざかていったので私達は一斉に安堵の息を漏らしました・・・
「《メテオヘイル》」
え??
「!!、ゆっこぉおおおおおお!!!」
るい?
なんでわたしの した にいるの??
「ゆっこ!!?ゆっこ!!大丈夫!!?だいじょうぶだっていって!!」
「やめて塁ちゃん!!、揺さぶらないで!!」
?、なんのはなしですか?
「こんの!!、よくもゆっこを!!」
「やめなさい!!、いちえ!!」
あ
「ブルルルルルルルゥウウウ!!!」
いやだ だめ せんぱい あぶない にげて
「ーーーーーーッッ!!!」
「ブルルゥ!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・え??
「ふ、ふみ??、なにしたの??」
「な、なにって、わたしにもなにがなんだか
って!、それよりゆゆ子は!?」
いえいえ、私のことはそれ程重要とは
「うぅ!、ぁ?」
「ゆっこぉおおお!!」
「ああ良かったッ、意識はあるみたい・・・」
おや?、何故か声が出ません
それに、どうゆうことでしょう?
じわりじわりと体中が痛んでぇッ
も、もしかして
「わたし、じゅーしょー?」
「重症だよ!!、飛んできた壁の破片に吹き飛ばされたんだから!!」
・・・・・・・・・想像以上に深手を負っていました
通りで床に机や壁の残骸やら例の懐中時計が四つ転がって
四つ??、はて?、一つ足りませんね?
「文、さっきの怪物は・・・?」
「私にもよくわからないけど、この中に吸い込まれたみたい」
「どれど
ひぇあああ!!? つつめたぁいっ!!?」
「「いちえ!!?」」
「ふ、ふふみ、よよよくそんなのももってられるね??
あああたししもやけになっちゃったよ??」
これはいつもの冗談ではありません
本当に指先が霜焼けになっています
「もしかしたら、文せんぱいがあの氷の化け物を閉じ込めたからそうなったのやもしれません」
「だから文以外は触れられない?
・・・・・・・・・にわかには信じがたい話だけど」
「ですが!、これでもう安心ですよ!、早くここから出ましょう!
ゆっこを病院に連れて行かないと!!」
塁はそう言うと慣れた手つきで未だに動けないでいる私を背負ってくれた
「待って下さい塁、先輩達も」
「「「「?」」」」
「他にもあんな化け物が居ないとは限りません
念の為、懐中時計と後その紙も持って行った方が良いかと」
「確かに、その方
があぁ!!?」「「文!!?」」
別の懐中時計を持とうとした文せんぱいの手が弾かれた!?
「痛ッ、静電気?・・・じゃないわね、コレ」
「まさか、懐中時計を持てるのは1人1つということ?」
「何そのルール!?、厳し過ぎない!?」
「文句言ってても仕方ないでしょ
塁、ゆゆ子の分つけてあげられる?」
「わ、わかりました!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
化け物が徘徊する摩訶不思議な場所
それに対抗する為の摩訶不思議な道具
やっぱり、今私達に降りかかっている災難は
何かの意思によって引き起こされている?
だとしたら 誰が? 何の目的で?
「見えた!!、見えたよゆっこ!!」
「!!」
塁の背中であれやこれやを考えている間にも彼女は先輩達と一緒に私の分まで走ってくれました
その甲斐あって出口はもう目と鼻の先
「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
だっ
たのに!!
「けほっ!、けほっ!
みんな!、怪我はない!?」
「は、はい!!」
天井が崩れ いや、それどころか燃えてる!?
「ふみ?、文!!、ふみぃいいい!!!」
!?、いちえさんの前に瓦礫の山が
まさか!!!
「そんなに叫ばなくても聞こえてるってば!!!」
・・・・・・・・・はぁーーーっ、よかった
「文!!、本当に大丈夫なの!?」
「勿論平気よ
だけど、これじゃそっちに行くのは無理そうね・・・
珠緒逹はそのまま校舎を出てて
私は裏口の方から脱出するから」
「そ、そんな!!、そんなのダメだよ!!
文を1人にするなんてあたし出来ない!!
・・・・・・・・・文?、ねぇちょっと文!!?」
文せんぱいからの返事が聞こえません
「きっと、もうここから離れたのよ」
「なら!、私達は外から裏口に回りましょう!
そうすれば文先輩と合流出来る筈です!」
「!、そっか!、その手があった!、ナイス塁!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そう、なんですよね?
本当は、瓦礫に足を挟まれて動けないのに
演技してる訳じゃないんですよね?
そうだきっとそうなんだかりにもしもそうだとしても塁がいったとおりにうらぐちからたすければいいんだだからだいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶ
・・・・・・・・・などと、自分に言い聞かせていた
その時
丁度、先輩2人に続いて私達が校舎を出た瞬間でした
「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
炎の 化け物が
凛明館を
まだ ふみせんぱいがなかいるのに
おしつぶしたのは
「あ?
ああっ あ ヤダ
いや
やぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
ああ・・・・・・・・・
いちえさんがないてる
たまおせんぱいも るいも きっと わたしも
「・・・・・・・・・」
え? は? なんで??
なんであなたがここにいるの??
ねえ?
しおりん