少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- 錯劇 -XSTAGE - 作:リカル
☆輝きの無い世界
数分前・・・・・・・・・
『迷宮』入口
「晶ちゃーーーん!」
「よぉー!、待たせたなぁー!」
「いや、時間通りだ」
ここでフロンティアとシークフェルトの面々は待ち合わせをしていた。
「あれ?、今日はつかさちゃんも参加するんだ?」
「ええ、ララフィンや静羽にばっかり任せっ放しなのは先輩として気が引けちゃって
最も、私に何が出来るかって話なんだけど・・・」
「そんなことありません!、つかさ先輩が後ろで観ててくれるなんて百人力ですよ!」
「それに、私達デジモンと一緒の舞台にはまだまだまだ慣れないんで
周りを見てくれるだけでもありがたいんですよねー」
「実際!、先日の胡蝶さんの采配はとても素晴らしかったです!」
「ふふふっ、そう言って貰えると嬉しいわ」
「・・・・・・・・・フンッ」
「キュウ?」
静羽とつかさを背中に乗せ不機嫌そうに鼻を鳴らすドルルモンの顔を頭の上から不思議そうに見つめるキュートモン。
「キュッ!!?」
その長い耳が突然ピンッ!、と伸ばされ
小さな体がガタガタと震え出す。
「ど、どうしたんだーい??」
『ホワッツ!?、ホワッツ!?』
「こ、こんなに、怖い音!、聴いたことない・・・キュウウウ・・・ッ」
「キュートモン!?
!、アレは!!」『『!!』』
「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
直後、舞台少女やデジモンの頭上を
粉塵を撒き散らしながら通過したのは
溶岩の化身のような姿をした翼竜。
「!、この気配はッ間違いない!!
レイド帝国産のデジモン
まだ生き残りが居たというのか!!?」
「なん、だと・・・!?
(まさか、あの時の『奴ら』か・・・!?)」
ソレの存在にウィザーモンとドルルモンの顔色が変わる一方
「ハニー!!?」
ソレの行き先に栞は妙な胸騒ぎを感じ
脇目も振らずに駆け出した。
「(どうして今まで気づかなかったの?
私達やフロンティアの人逹が狙われたのなら
お姉ちゃん逹だって!!!
お願い! 間に合って!)」
早まる脈拍を 四肢の震えを 息苦しさを
一縷の希望に縋ることで捩じ伏せ
辿り着いた先で翡翠の君が目にしたのは・・・
「やぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
火山翼竜に押し潰された木造建築の校舎と
その前でへたりこみ涙を流す少女が4人。
『あ・・・・・・・・・』
彼女達の視線が自分に集まっている。
ソレだけで充分だった
夢大路栞が炎の中へと飛び込む理由は。
「お姉ちゃん!! どこ!? お姉ちゃん!!」
脆くなった壁を、降りかかる火の粉をヤーデアングリフで払い
「聞こえてるよね!!?
私の声ちゃんと届いているよね!!?
お姉ちゃゴホ・・・ッ!!ケホ!!おねえちゃん!!!」
気管が焼かれるのも構わず声を張り上げ、紅蓮に衣装を炙られながら燃え盛る廊下をひた走る
「・・・、・・・・・・・・・・・・ぉ・・・・・・?」
「お姉ちゃんッッッ!!!」
瓦礫に埋もれた大切な存在を目指して。
「待っててね、い・・・ま?・・・・・・・・・ぁ・・・」
やっと姉の元まで来れたのに何故だろう?
力が入らない。
一酸化炭素中毒だ。
「そ、んな・・・・・・・・・
ッ、ごめんなさい!!!
ごめ ごめん、ね おねえちゃっ」
炎の牢獄に囚われた姉妹へと降りかかるのは
〔「ベビーヘイル」〕
どこからともなく吹き込んできた冷気と
「ヨ、ンんんん・・・!!!」
けたたましい虫の羽音。
「ファン、ビー・・・も・・・もえ、て・・・?」
「続けて、ハニー」
焦点が合わない目で自分を見上げるパートナーにデジモンは燃える瓦礫を背中で受け止めながら、優しく声をかける。
「なに・・・を・・・・・・・・・?」
「君がやりたいこと、君達がやりたい舞台」
「!」
「君が望むならいくらでも力になるヨン
この命は君から貰ったモンなんだから」
「・・・・・・・・・ーーーーーーほんと、に
本当に私の力になってくれるの?」
その翅は炎に焼かれ、徐々に力を失っている
なのに、ファンビーモンは
「勿論だヨン!、ハニー!」
初めて出会った時と何一つ変わらない。
甘える声を上げながら栞のことを甘やかす。
「それ、なら・・・わたしは・・・・・・・・・私達は!
こんな所で終わりたくないッ
だから!!!
!!!」
火の海の真っ只中で蕾が開く時
襟袖の神機・イミテーションより
翡翠が混じる銀色に彩られた0と1の粒子が放出
ソレが造り上げた銀幕に投影されるのは・・・
「蜜命受領、これより焦土作戦を実行する」
「〔《ホーンブレイカーDX!!!!》〕」
「ヴォッ」
栞とファンビーモンが校舎内へ入るのと同時にスターアックスを装備したシャウトモンX2が突撃。
溶岩翼竜を建物の上から強引に引っぺがした。
「ラヴォガリータモン、完全体
だけど、このステータスッ
インフェルモンとは比べ物にならない!」
「そんなの当然だろう!?
奴はデジタマまでもがレイドプログラムによって造られた産まれながらの殺戮兵器!
聖騎士や神々すらも苦戦を強いられたモンと同類なのだから!」
「!、クカカ・・・」
「誰が相手だろうと関係ありません!!
一刻も早く倒さなくては!!、栞や文さんが!!」
「ッ」
「鶴!!」
「わ、わかってますって!!」
「晶」
「・・・・・・・・・文のことは栞に任せ、私達は私達の舞台を完遂する!」
「お任せ下さい!!、王よ!!」
「で、でもーっ!
あんなのどうやってたおすでっしゅー!?」
「わかんない!、わかんない、けど!」
「とりあえず、やるだけやってみないと!」
「静羽とつかさは珠緒達をお願い!」
「わ、わかった・・・!」
「怪我してる子が居るっキュ!、治すっキュ!」
「お、おいキュートモン!?」
「お願いドルルモン!、怪我人の治療が終わったらあなた達は離れていいから!」
「・・・・・・・・・チッ!、わかったよ!」
「《ワイルドブラスト!!》」
「〔『ぅぁああああああーーー!!?』〕」
すると、ラヴォガリータモンの周囲を舞う粉塵が突如大爆発。
強化装甲形態が黒煙を上げながら力なく地面を転がっていく・・・。
「シャウトモン!!」「バリスタモン!!」
「い、つつ・・・とんでもねぇー野郎だ・・・!」
「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
「こんのぉッ、飛ぶなぁーーー!!!」
鬼気迫る表情で連射されたペルレンプファイルの矢は
「《メルダイナー!!》」
「!?」「ヒヨォオオオ!!」
口から放たれた熱線により全て蒸発させられ
挙げ句、地上のやちよと彼女を庇ったヒヨコモンにさえも大ダメージを食らわせた。
「あ、あんなのが校舎に当たったら栞も文も危ないッ
もうこれ以上撃たせちゃダメだ!!」
「そんなことは百も承知!!」
「行きましょう晶さん!!」
「!?、待って下さい王!、メイファン様も!」
「弟子、粉塵を糸で絡め取って」
「は、はいーっ!、でっしゅー!
ってぇーっ!?、おししょーしゃまーっ!」
起爆装置たる粉塵を撒き散らし飛び回る溶岩翼竜目掛け、舞台少女達は地を駆ける。
「キュウウウーーー!!」
「す、すごい、本当にゆっこの傷が治ってる・・・!」
「はい、大分体が楽になってきました」
「よかっ、たぁ!?」
「つかさちゃん!!
なんでみんなこの舞台に立てるの!?
なんであたし達はこの舞台に立てないの!?
どうすればいいの!?、おしえてよぉ!!
あたしだって、ふみをたすけたいのにぃ!!
このままじゃしおりちゃんまで!!!」
「一体、何がいけないんですか?
私達には、何が足りないんですか?」
「「・・・・・・・・・ッ」」
「フンッ!、契約するデジモンも契約の為の道具も無いお前らじゃ土台無理な話だ
諦めて大人しくしていろ、足手まといだ」
「「「「「!!」」」」」
「ドルルモン・・・・・・・・・」
「お前らもだ!
今回の相手は今までとはワケが違う!
大体、ここは『舞台』なんかじゃない!!!
戦場だ」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』「キュー・・・」
獣の口から放たれる厳しい叱責に少女達は何も言い返すことが出来ない。
「対象発見」
その時だった
高速で突っ走り、戦うことの出来ない存在を
「《アサルトクロー》」
爪で引き裂かんとする存在が現れたのは。
「なっ!?「馬鹿な!!
(気づかなかっただとぉ!!?)」」
新たな敵は動揺するドルルモンとウィザーモンの間を俊足ですり抜けると
巴珠緒に狙いを定め
《アサルトクロー》をズブリと突き刺す。
「ぅ
ぐ!
捕まえた」「!?」
青く光る鋭い爪先を受け止めたのは
あの懐中時計。
乾坤一擲、命を賭して少女は
否
制服姿の舞台少女は
この戦場を己が暉る舞台に変えて魅せた。
「珠緒先輩ッッ!!!」
「心配しないで、もう大丈夫だから」
「と、巴、さん?、ソレは一体??」
「私達にもわかりません
ですが、もしかしたら
これこそが先程そちらの狼さんが言っていた契約に必要な物なのかもしれませんね」
「!」
「(神機?、いや、形状がまるで違う
何よりなんだ?、この妙な感覚は?)」
珠緒が新手を封じ込めた懐中時計を見せつける。
ズズ・・・・・・ッ・・・・・・・・・!
直後、凛明館の校舎が不自然に揺れた。
「ぁあ・・・!、あああああぁあああ・・・!!!
しおりちゃんッ ふみぃ!!!
ぇ」
「ヴォオオオオオオオオオオオオ!!??」
炎上する建物を跡形も無く吹き飛ばしたのは
内部から発射された強力なレーザー砲と
「《ベア、バスター・・・!!》」
蜂型サイボーグデジモン。
「ワスプモン、成熟期・・・?
!、ファンビーモンの進化態!!」
「・・・・・・・・・たあ」
「鶴?」
ソレは夢大路姉妹を両手で優しく包みながら忙しなく翅を動かし、癒しの力持つ妖精を目指す。
「「文!!」」「文先輩!!」
「ッ、私はもういいから!!、早く!!」
「キュウ!」
「・・・・・・・・・シオリは私が手当てしよう
これでも応急措置程度ならば出来る」
「たの、んだ、ヨ」
2人の元へ少女達や自称・魔法使いが駆け寄るのを見届けた所でワスプモンは・・・ファンビーモンは意識を手離した。
「「「・・・・・・・・・」」」
「!、王?」
「クカ?」
「お、おししょーしゃま??」
今の仲間越しに見える文の制服は
皮膚は 所々が炭化しており
内部の『データ』が剥き出しになっている。
「ヴォオオオーーー・・・ン!
餌ぁ!!!、餌ぁあああーーー!!!
く わ せ ろ ぉ おおおーーー!!!」
「んなろぉー!
《バディブラスタぁあーー!!》〕」
「止まれぇえええーーー!!」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
角からの砲撃や二丁拳銃による銃火を浴びせられているにも関わらず、諸悪の根源は止まらない。
右翼に穴を開けたまま輝きの無い空を飛び回り
高熱の涎と起爆装置たる粉塵を撒き散らして
『彼女』達を食おうとしている。
「「「「ーーーーーーッッ!!!!」」」」
この光景を前に気高きソウルとキラめきは
次のステージへと進化。
神機・イミテーションを起動させるに至った。
「《ツバメ二枚返し》ヒョオオオゥ!!」
銀幕の投影を待たずして二刀流の鳥人侍が褐色の翼を広げて飛翔。
「《スパイキングフィニっしゅーっ!》」
その斬撃に合わせ、緑と黒の人型甲虫が細身とは裏腹な痛打を浴びせる。
「ヴォオオオオ!?、ヴォッ?!!」
「クカカァ」
突然『餌共』に頭上をとられ苛立っていたラヴォガリータモンを鎌鼬が銀幕越しに放った不可視の刃が強襲し、ワスプモンが開けた穴を利用し右翼を切断。
「《メガダッシュインパクト・・・!!!》」
墜落と同時に接近した古代鳥の強脚が溶岩で出来た首をもぎ取った。
「ブライモン、スティングモン、レッパモン
ディアトリモン
(夢大路さん達が切っ掛けでパートナーを成熟期に進化させられた
だけど・・・・・・・・・)」
「「「「ハァハァ!、ハッ、ぐ!!」」」」
「晶ちゃん!!」
「ど、どうしたんですか!?」
「きっと、成熟期への進化はエネルギーの消費
!?、うそ、でしょ??」『『!!』』
「ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
「くそ!!、やはり奴もあのグリフォモン達のように超再生が出来たのか!!」
「そう、いうのは!
もっと、早くに言って欲しかったよッ」
「おおおおししょーしゃまのいうとーりっ!、でっしゅーっ!」
「鶴!!、まだいけっヒョ!?」
「当!、然!」
「レッパモン・・・!、私に構わずそいつを!」
「・・・・・・・・・」
「王、ここはワタシめにお任せを」
「くっ!!」
成熟期の維持で精一杯なシークフェルト
「行くぜぇーーー!!
『YEEEEEEAAAAAAH!!!!!!〕』」
「ララフィン先輩ッ」
「私に合わせて美空!
あるる!、援護射撃よろしく!」
「わかった!」
そして、ラヴォガリータモンを飛ばせまいと全力の接近戦を繰り広げるフロンティア
「《レーザーアイ》」
故に、狙われた凛明館。
「ぐぁああああああ!!?」
「「ドルルモン!!」」「キュッ!!?」
超高高度からの精密射撃により狼が少女達から引き離される。
「《サンダークラウドぉおーーー!!!》」
「ジャザァー!」
垂直降下してくる竜の戦闘機に『雷』のエレメントが直撃したが、まるで効果がない。
「《ソニック」
「ぁ」
「塁ちゃん!! みんな!! 危ない!!」
「バルカン》」〔「《ウォルレーキ》」〕
肩に備わる機銃が高速で連射されるのと
その射線上に巴珠緒が身を投げ出したのは
ほぼ、同時だった。
「え? あれ? たまお せんぱ?」
爆ぜる 爆ぜる
爆ぜる 爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる
爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる爆ぜる
アノヤワラカナ 『データ』ガ ハゼル
秋風塁の目の前で。
「対象「おまえ」破損「お前ッッ」回収不能
廃棄」「おまえええええええええっっ!!!!!!」
直後、少女は衝動に駆られるまま
垂直で離陸する竜の戦闘機に飛びかかると
「よくも!!!よくも!!!よくも!!!よくもよくもよくも!!!たまおせんぱいをよくもおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
例の懐中時計で角ばった頭部を何度も殴った。
「ジャザァーーーッ?!」
すると、絶叫と共に鋼鉄の体躯は文字盤に吸い込まれていき
その結果・・・・・・・・・
ガチャアンッッッ!!!
「ぅ、ぅう!」
「る、るいぃいい!! 塁?」
空中に投げ出された塁が
突然出現した鉄の翼に包まれ地面へと落下。
「たま、お?」
「・・・・・・・・・ーーーーーー」
一方の珠緒も
盾のようなモノに全身が覆われており
傷だらけではあるが致命傷は免れている。
「ウィザーモン、アレ、なに?」
「し、知らないッ、わからない!
私には何も!!」
「《ワイルドブラスト!!》」
『ぐぁああああああ!!』
「「「うわぁああああああ!!」」」
「!!、みんな!!?」
戸惑うばかりのつかさや静羽の鼓膜を震わせたのは、凄まじい爆発音と仲間達の悲鳴。
「《ワイルドブラスト!!》《ワイルドブラスト!!》《メルダイナー!!》《ワイルドブラスト!!》《メルダイナー!!》《メルダイナー!!》
ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
その元凶は完全再生した翼を広げて飛翔し
熱線を、粉塵を、バラ撒きながら咆哮する。
「あぁっ、ああ・・・!!」
「再生が早すぎるッ
ダメージを与えたそばから全回だなんて!」
「どうしょう静羽、私達どうしたらいいの!?」
「・・・・・・・・・せめて、シャウトモンが
空を飛べるデジモンとデジクロス出来たら」
「!!!」
「ラヴォガリータモンの再生を上回っているのはX2の攻撃だけよ
だから、成熟期に進化したシークフェルトのデジモン達と連携して空中戦が出来れば、まだ可能性があったッ」
「ーーーーーー!!!」
静羽の呟きにつかさが歯を強く食い縛り、拳を震わせていると
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(戦況は圧倒的に不利
しかも、まだ伏兵が潜んでいる可能性もある
幸い、奴の注意は『俺達』には向いていない
技の乱発で粉塵が減っている今がチャンスだ)
キュートモン、これ以上は無理だ
脱出するぞ」
『なっ!!?』
ドルルモンが覚束ない足取りで歩みを進めていた。
「ま、待って、まってよぉ!!」
「今この子が居なくなったら文せんぱいが!!」
「さっき言っただろうが
ここは戦場、弱いモンから消え
む?」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
「やちよ、ちゃ!」
「メイファンさん・・・!」
「お前ら、なんのつもりだ?」
そんな狼の進路を塞いだのは
満身創痍なシークフェルトのエーデル達。
「それはこちらの台詞だ」
「フンッ、そこで転がってる命知らずは匂いが似てるからまだわかるが
お前らとそのニンゲンは無関係だろうが?」
「それが何?」
「!?」
「私達と関係が無いなら見捨てても良いとでも?」
「・・・・・・・・・」
「い、いいからどけ!!
『俺達』の邪魔をするな!!
キュートモン!!、早くこっちへ 」
「嫌っキュ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
キュートモンを想っての言葉を
キュートモン自身がハッキリ拒絶する。
「キュートモン、何を言」
「この子を放って逃げるなんて絶対嫌っキュ」
「!!、それこそ関係ないだろうが!!?
『俺達』とそのニンゲンは!!」
「・・・・・・・・・
僕の家族はもうどこにも居ないから」
「え」
「「「「「「!!?」」」」」」
「だから、もう
『家族』が離ればなれになるのは見たくない
キュ」
「き、きみ・・・・・・・・・」
「ありがとう!、ありがとう、ございますッ」
愛らしい口調で淡々と語りながらも治癒の手は一切止めない
「キュートモン? おまえ? きづいて?
いつから? え? え??」
「・・・・・・・・・」
「なら、それなら、なんだよ?
俺が今までやってきたことはなんだったんだよ
なぁ?、なぁ!!?、キュートモン!!!」
「ドルルモン
今までありがとう
でも、もういいっキュ
僕のことはもういいから
ドルルモンは独りで逃げてっキュ」
「あ」
「・・・・・・・・・その傷、治せなくてごめんなさいっキュ」
ドルルモンの方を見向きもしない。
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
トリアージされた狼に同情が集まる
先程まで怒りを抱いていたエーデル達すらもだ。
「は、はははっ
(俺は一体何を勘違いしてたんだ?
あのババアのケツに乗っかって
やりたい放題やってたモンが
今更受け入れられるワケがないだろうが)」
温もりを失い、鬣ごと震える背中
「ドルルモン 私と契約して」
「え」
「キュ?」
に、寄り添う少女・胡蝶静羽。
「今のあなたにとってここは戦場
弱い者は生きていけない場所
だけど、舞台ならそんな決まりは変えられる
『私達』なら変えられる」
「・・・・・・・・・」
「もし、もしもまだ
あなたがキュートモンと一緒に居たいなら
私を利用して 私もあなたを利用して
このクリア出来るかわからないステージでキラめいてみせる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
チッ、わかったよ シズハ」
「!?」
「(フンッ、とぼけた顔しやがって
断れるワケがないだろうが
ここで逃げれば、俺は、もう)」
「キュウーー・・・・・・・・・」
「ぅ」
「キュ!?」
「ふみ!!」「ふみせんぱい!!」「「「「!!」」」」
治癒が佳境に入った『支点』が見守る中
〔SHIZUHA KOCHO X DORULUMON
CONTRACT!!〕
1人と1体の契約が交わされ、新たな舞台少女が爆風にレヴュー衣装をはためかせながら
この狂乱のステージに舞い降りた。
「3人共、クロスオープン!!」
「「「ええ!?」」」
「早く!!」
「「「く、クロスオープン!」」」
「スターモンズはララフィンと美空ちゃんをラヴォガリータモンの所へ!
バリスタモン、ディアトリモンの《デストラクションロアー》に合わせて《ヘヴィスピーカー》!
他のデジモンは援護をお願い!!」
『『〔!〕』』
すると静羽は爪と牙の意匠が施されたオレンジのクロスローダー片手に指示を飛ばしまくる。
「行くわよ!、あるるちゃん!」
「わかったよ!、静羽ちゃん!
シャウトモン!!」「OK!!」
「ドルルモン!!」「ドラァ!!」
「「デジクロス!!
シャウトモン+ドルルキャノン!!」」」」
「ドルルモンが大砲になりましたよ!!?」
「あらあら、すっかり主役取られてますけどいいんですかー?、晶センパーイ?」
「・・・・・・・・・フッ、漸くこの舞台に『鶴姫やちよ』が登場したか」
「あははっ♪、そうゆう晶こそ
やっと白金の君としての余裕が出てきたんじゃない?」
フロンティアが開拓した新たなデジクロスを
息を吹き返した凛明館の少女を目の当たりにし
シークフェルトのソウルが研ぎ澄まされていく。
「嗚呼!、感じます王よ!
貴女様のキラめきが更なる高みへと昇っていくのが・・・!《デストラクションロアー!!》」
〔《ヘヴィスピーカー!!》〕
「ヴォオオオオオオ・・・ッ!?」
「ボキだーってぇーっ!」
「グガガガガァ!!」
「ヒョオオオゥ!!」
「HEY!、モーンズ!
盛り上がってるかーい?」『Yeeeeeah!!!』
「OK☆!、それならもっと目立ってこうZE☆!」
「もっちろん☆!」
「つかさ先輩の分も!!、あたしが!!」
「ヴォゥン?!、ヴォオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!!!」
2体同時の音波攻撃により粉塵は吹き飛ばされた上、動きを封じられたラヴォガリータモンをスターモンズを足場にしたララフィンと美空
更には、スティングモンとレッパモンとブライモンが四方八方から攻撃を仕掛け
「「「「ーーーーーーーーー!!!」」」」
地上では2X2のエネルギーを充填。
「ヴォオオオオオオ!!!、餌ぁ!!!
くわせろぉおおおーーー!!!」
「そんなに食いたきゃコイツを食いなぁー!
《ドルルキャノン!!!!》」」
「《メイる!"ッ!"」
口内に熱線が見えた瞬間に狙い撃つ!。
「ォオオオオだいなぁあああ!!!》」
しかし、頭部が丸々吹き飛ばされたにも関わらずラヴォガリータモンは瞬時に再生
地面に落下しながらも必殺技を放ってきた。
「ああぁ!?」
「ら、ララフィンせんぱい!!」
「シスターはスターモンズに任せなぁ!
ミソラは兄貴達とフィナーレを決めるんだZE☆!」
「!、ふぅーーーっ、はぁーーー!
あるる!、静羽先輩!、バリスタモン!!」
〔フンガッ!!〕
空中と地上で声とハートが交錯した瞬間
「〔「シャウトモン!! X3!!!」〕」
「グガガ!?」
「アレは! オ、オメガモン・・・・・・・・・?」」
かの白騎士にソックリなデジモンが登場
「〔「《スリィイー!インパクトォオーーー!!》」〕」
「ヴォオオオオオオオオオオオオ"!!!」
その渾身の拳が溶岩翼竜の電脳核を粉砕!。
ラヴォガリータモンは消
「ヴォオ・・・オ・・・・・・!」
『『〔ッッッ!!!???〕』』
えない。
粉砕された核の欠片が一瞬で集まって再生し
体躯はかなり小型になっているが
まだ、生きている。
「今が好機、カナ?《ストライクボマー》」
更に、ここで、このタイミングで
最後の伏兵が現れ、緑の強靭な尾を振るった。
「もう、幕は下りているの、で!!」
「空気読んでよ、この
ばかぁああああああああああああーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
「カナ!?」「ヴォオン!?」
すると、制服姿の舞台少女達が懐中時計片手に
力強く躍り出て、デジモン2体を封印。
遂に獄炎のレヴューは終幕を迎えるに至った
「な、何よコレッ!?、どうして栞が倒れてるの!!?
それに珠緒!!、塁まで本当に何が!?」
身につけた衣類すらも全回復した夢大路文を置いてけぼりにして。
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「ね、ねぇ!、ねぇねぇ!!
コレってさ『ゲーム』なんだよね!?、ね!、ねぇ!?」
「そ、そうよ!、そうに決まってんじゃん!
じゃなかったら、私達が今までやってきたことって・・・」
「だだだいじょうぶ!!!
デジモンなんてタダの『データ』なんだし!
ソウル、は、その、まだアレだけど・・・
キラめきなんて無くたって誰も困らないし!
全然問題ないって!!!」
「だよ、ね?
私達悪いことなんてしてないよね?」
「そうそう!、そうだよ!!
悪いのは現実と『ゲーム』の区別がつかない
『チート』使ってるクセに偉そうな
あいつらなんだから」「本当にズルいよッ」「現実でも良い想いしてるのにみんなの『ゲーム』でも
私達の舞台でも目立とうとするなんて・・・
絶対に許せない!!!」」」
その頃、デジタルワールドでは・・・・・・・・・
part2
『うひぃぃぃいいい~~~!!』
『おおおたすけぇえええ!!』
「・・・・・・・・・ったく」
バンチョーレオモンが訪れたのは微笑みの里から少し離れた所にある、あちこち抉れたり燃やされた跡が残っていたりするボロボロな酒屋。
「巨大肉、焼き加減はレア
酒はこの店で一番強いモンを全部出しなァ、一つたりとも薄めんじゃねぇぞ」
「は、はぁ・・・盃は、どうしますか?」
「一番デカいモン寄越せ」
「かしこまりました
でも、あの、連中を追っ払ってくれたのでお代はいりませんし、というか、その、いくらなんでも払い過ぎ・・・」
「ア"?」
「ウキャッ!?、な、なんでもありませーん!」
隻眼の圧に押された隻腕のゴリモンがそそくさとカウンターの奥へと引っ込んでいく。
「おーーーい!、やってるジャーーン?」
すると、入れ替わりでマルスモンが来店。
「ウッキャー!!?、カミサマァ!!?」
「あ、気にしなくていいから」
「いや!、だって!、ええぇ!!?」
「気にしなくていいから」
「でも」
「いいから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワカリマシター」
「ケッ、こんな辺鄙な所にテメェが食えるモンなんてねェぞ」
「ディアナモンに弁当作って貰ってっから平気!、ほら見ろ笹弁当!」
「おい、この店持ち込みはいいのかァ?」
「タスカリマス!!!」
「だってさ!」
「・・・・・・・・・」
「?、まだBit払ってなかったジャン?」
「まァなァ
で、そっちはどうだった?」
「やっぱダメだった、どこ探しても
アルフォースブイドラモン見つかんない」
「ケッ、そうかよ」
「!?、!!、!!?」
百獣番長と闘争神の会話を店主は
見ない、聞かない、絶対他には喋らない。
「とりあえずアルファモンがログ探って手当たり次第に回ってるジャン」
「んなチンタラやってる場合かァ?」
「ウチもそう思うけどアルフォースブイドラモンの分まで動かないといけないからメルクリモンメチャクチャ忙しいし」
「どんだけ抱えてたんだよ、あの青瓢箪」
「オ、オマタセシマシター」
そう心に誓いながら左腕で注文の品を差し出した。
ドボドボドボドボドボドボドボドボ!!!
バッシャバッシャバッシャバッシャ!!!
ムッシャゴックンムッシャゴックン!!!
「 」
「バンチョーレオモンだって持ち込みしてんジャン」
バンチョーレオモンは献じられた酒瓶全ての栓を抜き、一滴残らず盃へブチ込むと
表面を炙っただけの巨大肉にGAKU-RANから取り出した
月光神特性究極体必殺級激辛ソース
をこれでもかとブッかけ、自分の顔よりデカい肉の塊をたった二口で平らげる
尚、この光景にゴリモンがカウンター内でブッ倒れたのは余談である。
「・・・・・・・・・」
白濁とした液体で満たされた盃の真ん中に浮かぶのは、割れたランプの黄色い明かり
ソレはまるで一房の甘い果実を思わせて。
「ケッ!!」
「?、???、??????、急にどうしたジャン?」
「何でもねぇよ!」
脳裏を過った仕様もないことを振り払うかのように盃の中身を一気に呷れば、辛味と辛味が大喧嘩しながら腹の中へと落ちていく。
「・・・・・・・・・なぁ、バンチョーレオモン」
「ア"ア"ッ!?」
「例のドルルモン、やっぱバッチャンの所の奴ジャン?」
「ケッ!、んなモンオレサマが知るかァ!」
「だって、あの一族で一匹狼になったのってそいつしか居ないし」
「もしそうだとしたらァ、テメェはそいつをどうすんだァ?」
「ブッ飛ばす」
「・・・・・・・・・聞いたオレサマが馬鹿だったァ」
「バンチョーレオモン!!!、てめぇコラ覚悟しろやぁ!!!」
「キャーーーッ!!、たすけてぇーーー!!」
「「・・・・・・・・・」」
ただでさえ、ボロボロな酒屋の扉が粉砕したかと思うとモヒカン頭のガラが悪いデジモン・リベリモンが人質同伴で御来店。
「こいつの命が惜しかっ
ゲフッッッ!??!」「ギャフッ!!?」
・・・・・・・・・直後、燃える拳が2体纏めて店の外へと殴り飛ばした。
「「ま、マメモーーーン!!??」」
「ったく、そういう真似はこのアホが居ない時にやれっての」
「アレ?、バンチョーレオモンさっきBit払ってなかったっけ?」
「気のせいだァ」
「そっか!」
「ゴッフ!!ゲッフッッ!!て、め、!、おとこどうしのケンカにわりこむたぁ!どういう!?」
「あ、そういうのいいから
お前誰に何吹き込まれたジャン?」
「!!!」
「お!、キタキタキターーー!、チャンス到来!、ディアナモンの読み通りジャン!」
「ひっ!?」
右腕の重機から逃れたのと引き換えに顔面が変形したマメモンにもんざえモンとワルもんざえモンが駆け寄るのを尻目に
マルスモンは嬉々とした表情で拳を鳴らす。
「ちょ、ちょうしのんなよぉおおお!!!
リベリ団オールデジクロス!!!」
「「!?」」
すると、リベリモンの胴体にレトロマイクのような形状をした神機らしき機械・・・クロスローダーが浮かび上がり
その体が見る見るうちに巨大化。
「ガハハハハハハ!!!、どうだ恐れ
ゲブッッ"ッ!!???!!・・・・・・・・・」
「なんだァ?、見かけ倒しかよ」
「本当ジャン!、聞きたいこといっぱいあったのに!」
・・・・・・・・・でも、次の瞬間には筋骨隆々な2体同時攻撃によりデジタマに還った
『無傷』のクロスローダーだけを残して。
「で?、こいつは何だァ?」
「ウチわかんない!、わかんないからジッチャンとこに持」
ピィーーー・・・・・・・・・
「「?
ーーーーーー!!、ぐァア"アああ!!?」」
ソレがバンチョーレオモンとマルスモンの神機へと送信したのは
『迷宮』によって育てられた暗黒のソウル
100人分。
「こい、つはァッ!」
「や!、べぇ!、コレ!!」
「へー、まだ自我残ってんだ?」
「「・・・・・・・・・!?」」
「流石はエーユーサマ」
「でも、これで終わりだ」
百獣番長も闘争神も急激に『データ』が変質していくのを阻止するのに全力を尽くしている。
「マメモン」「もんざえモン」「ワルもんざえモン
デジクロス!!!」」」
故に、リベリモン達を焚き付け
自分達を罠に嵌めた『黒の逢魔』に為す術が無い。
「クロスアップ、キャッチマメモン《マジックアーム!!!》」
「ァ"」「ジャッ」
マメモンが操縦する機械から伸びる
右手のもんざえモン、左手のワルもんざえモンがバンチョーレオモンとマルスモンを包み込み
グニャグニャこねてこねて
こねればこねるほど
その体躯は縮んで輪郭を失い
やがて・・・・・・・・・
「『手』作りヌイグルミ2つ出来上がり~♪
キャーッキャッキャッキャッキャッ!!」