エース娘コンバットダービー   作:Jeep53

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L'arcシナリオのモブの中にアルケカンジュとかいう絶対もとにした単語Archangeのモブがいてとても焦りました。アルカンジュじゃないのでヨシとしましょう。


MISSION 37 「進む先は」

 トレーナーが復帰してグラディエーターの修理費に目を丸くした日から早数日、私は今トレーナー室で今後の出走レースについて話し合っているところだ。

 

「来年以降は後で考えるとして、ことしもまだまだアルが出られそうなレースは沢山あるんだ。何か出たいのはあるかい?」

 

トレーナーはそう言ってレースの一覧表を差し出してくる。もちろん、私が狙うのはG1レースだ。G1に勝てば金が大量に手に入るうえ、出走者も皆強い。私にとって楽しいレースとなること間違いなしなのだ。

 

「G1だと何に出ることができる?」

「そうだな…。ジャパンカップはもう登録が間に合わないし…あるとしたら有マ記念かな?」

 

そういってトレーナーは12月の最終週に位置するレースを指さした。

 有マ記念。12月の25日に行われる年の瀬を飾る一大レースだ。クラシック級、シニア級、はたまたドリームトロフィーリーグまで、様々なウマ娘が出てくると授業で教わった。出走できるかどうかはファン投票にて行われるため、たとえ適性がなくても人気さえあれば出走が可能であったりする。

 

「アルはダービー勝ってるし、出走できないということはないと思うよ。出走する?」

「もちろんだ。菊花賞の無念はそこで晴らしてやる」

 

まあ出走メンバーは全然違うだろうけどな。もしかしたらテイオーやマヤあたりは出走してくるかもしれないが。

 

「分かったよ。出走登録はしておく。投票の推移とか結果は学園のサイトで見れるよ」

「OK。感謝する」

 

年内のレースは有マ記念。トレーニングに励まねば。

 

「次は来年以降のスケジュールについてだね。何か希望はある?」

 

希望、希望か。

 

「来年しか出られないレースはあるか?」

「いや、ないね」

 

となると来年以降も出走可能なレースしかないわけか。そうだな。うむ…。

 

「一つやってみたいことがある」

「お、何?」

 

トレーナーは書類から目を離し、こちらに視線を向けた。

 

「海外は行けるか?」

「海外!?」

 

ネット上で見た情報のみだが、日本のウマ娘は海外のウマ娘よりも弱いと言われているらしい。主にバ場状態や芝の質が違うというのもあるが、根本的に強さが違うと書かれていた。皐月賞、菊花賞と負けておいて堂々と言えることではないが私はそのお高く留まっている海外のウマ娘とやらを下してみたいのだ。

 

「海外っていっても色々あるよ?ドバイ、香港、アメリカ、フランス…が主かな。どれも片手間で勝てるような簡単なレースじゃない」

 

 フランスと言ったか。前世でのエルジアと似ている国は。祖国があった訳ではないが、一度行ってみたいと思っていたのだ。

 

「目指すならフランスだ。彼の地には少しばかり縁があってね」

「凱旋門賞かぁ…!世界の頂点を決めるレースだね」

 

トレーナーは目を輝かせている。

 

「世界の頂点、か。いいじゃないか。トレーナー、いけるか?」

「うーん…正直今のままじゃ勝てるかどうかは怪しいよ?」

 

トレーナーは一転して渋い顔をした。話を聞くところによると、どうやら凱旋門賞を日本のウマ娘が獲った過去というのは存在しないのだ。それに加えて凱旋門賞は文字通り世界の頂点を決めるレース。出走するウマ娘も世界各国からくる名のある強豪しかいないらしい。たとえ最下位になったとしても国では最強クラスのウマ娘ということもざらにあるとか。

 

「いいじゃないか。大いに結構だ。挑戦し甲斐があるというものだ」

 

今の私はおそらく笑っている。もし出走できるというのならばとても、とても楽しい戦いとなることだろう!

 

「…分かったよ。大きな目標は凱旋門賞にしようか。フランスのG2であるフォワ賞をたたき台にして凱旋門賞を目指してみようか。夏くらいには海外にわたっておきたいね。そのためにも実績作りだ」

 

そういってトレーナーは立ち上がってホワイトボードに大きく凱旋門賞と書いた。

 

「ここで凱旋門賞に出走すると決めてそのまま出られるわけじゃない。国内のレースとはわけが違うんだ。まずは理事長に案を提出、それをURAに上げてもらってURAから許可を得ないといけないんだ。URAの協力を得ないと海外遠征はきつい」

 

トレーナーはいったんそこで一息入れ、実績、URAと書く。

 

「そこで必要なのが実績だ。まぁ…アルがURA作り変えちまったから多分通るとは思うけど…世間の応援も必要条件に含まれててね。その応援を得るためにシニア級でもG1を最低一つは勝っておきたい。俺の方でスケジュールを組むよ。希望はある?」

 

少し考える。G1を1つ勝てば良いと言われて1つだけで収まるほど私は大人しくないつもりだ。となるともういくつかレースに出ておきたい。

 

「グレードは問わないが、できるだけ楽しそうなレースを2つ以上。G1だとなおいいな」

「好戦的だね。俺は好きだよそのスタンス」

 

好き、か。好き…ねえ…。好き………。

 

ハッ!

 

「どうしたの?アル。そんなに頭を振って」

「な、なんでもない。気にするな。話は終わりか?今日の予定はどうなっている?」

 

えーと、と言いながらトレーナーはバインダーを確認する。

 

「今日は屋外、第4コースでの並走トレーニングだね。並走相手はチームリギルとなっている」

 

チームリギルか。マルゼンスキーのチームだったか?

 

「了解した。着替えてコースに向かうとしよう」




繋ぎなので短めです。
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