エース娘コンバットダービー   作:Jeep53

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あけましておめでとうございます(大遅刻)。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。細々と更新して参ります。

今回はトレーナー視点を含むことに加え、説明要素が強く短いです。

今話でフォワ賞に関して話が出てきますが、ウマ娘世界のフォワ賞なので現実世界の物とは異なります。ご了承ください。英語をはじめとする外国語を不得意とする私では情報収集ができないのです。故にほぼ架空です。


MISSION 49 「情報」

 今、俺は日が完全に沈み切ったトレーナー室で画面とにらみ合いを続けている。やっていることは単純、今度のフォワ賞に出てくる敵の調査だ。ただ、国際競争であるレースであることが災いして出走ウマ娘のデータはそのウマ娘の出身国の言語で書かれていることが多い。英語、フランス語は読めないこともないがドイツ語やロシア語となってくると訳が分からないんだ。機械翻訳などを使って進めているため情報収集は難航している。

 

「…はぁ…頭痛(あたまいた)…」

 

左手でこめかみのあたりを揉みながら画面を見やる。日本から持ってきたなじみ深いエナジードリンクの缶を照らす画面には各国の出走者がリスト化され、ある程度のまとまりを見せている。

 

「…一度思考を整理しよう。今回のフォワ賞の出走者は10人…前年度よりも人数が増えたな。日本からは俺たちチームソルが3名、フランスからは7名、この中でアリアスさんのチーム出身は実に5人。当たり前だが、ほとんど重賞制覇者だな」

 

リストの右端、主な勝利レースの欄には名だたるレースが書かれている。主なものは去年の凱旋門賞、パリ大賞典、ディアヌ賞などだ。アルも日本ダービーを勝ってはいるが、世界的な知名度は今あげたレースには届かないと言っていいだろう。

 だが、劣っているのはあくまで知名度であり、実力ではない。俺は、このレースは十分に勝機があると思っている…。いや、思っていた。

 今日の夕方、休養を終えて帰ってきたアルからアリアスさんのトレーナー室で問答があったことを聞くまでは。

 

「こっちの動きがバレてるのは痛いなぁ…」

 

こっちの切り札ともいえる領域、その概要が知られている。この事実は正直に言って痛い。おそらく動画サイトに載っていたレースの映像を見たのだろう。引きの映像から得られることは本来少ないが、アルほどの実力者となってしまうと得られる情報は多くなる。どういうタイプの領域なのか、どのタイミングで差し込んでくるのか、などだ。

 この遠い異国の地で動画を探すのは困難だから大丈夫だろうとタカを括っていたのだ。実際フランスのブラウザでフランス語検索をして日本の動画を出そうとするのは難しい。これはアリアスさんの日本語力を…というか、あの人自身を甘く見ていた俺のせいだ。

 正直、こちらの手札が割れていることは百歩譲っていいとして、あちらのウマ娘の情報があまりにも出てこないことの方が俺の頭を悩ませていた。

 

「前走はデビュー戦、次がいきなりG2。デビュー戦の映像が残っていない奴がいるんだよなぁ…」

 

 デビューの後G2はフギン達もだろという頭の中の自分をはじき出して、考える。

 アリアスさんのチーム、アリアスチームの推定エースは「スアーヴダンサー」。デビュー当初はあまり注目されず、評価もされていなかったがチームを変えてから快勝が続く。クラシックを競い合い、その果てに凱旋門賞を勝利している。だが、今年のガネー賞の後に怪我で休養していたはず。つまり復帰レースだ。

 次点はパリ大賞典を勝っている「スボーチカ」。実力は確かだろう。

 それ以外の3名、その情報が全くない。ウチのフギンやムニンみたいなのが3人出てくるという訳だ。フランスは日本と違ってそこまでレース記録を残す方ではない。デビュー戦などはよほど注目されている子が走るときくらいしか映像として残されない。つまり、この3名は飛びぬけて強いという訳ではないだろう。

 だが、スアーヴダンサーやスボーチカだけ気を付けていればいいかと考えていた昨日までとは違い、アリアスさんのやり方を知った今、その3人も警戒した方がいいかもしれない。

 

「ウーラガン、シュペルミステール、ボートゥール。この3名は要注意だな…」

 

顔写真と名前、出走記録のみが載った空白が多いプロフィールを見て呟く。フォワ賞は大半がシニア級以上のウマ娘が出てくるレースとして有名であるが、デビュー直後の子が出られない、という訳ではない。*1

 だからと言っていきなりジュニア級相当のウマ娘をフォワ賞に3名も投入してくるのは異常というほかない。ゴールタイムも普通だ。突出した実力を持っているようには思えない。

 フギンとムニンは良いんだ。アルをはじめ、俺のチームのメンバーは俺には言えない()()を抱えている。そして、おそらくそれが由来のシニア級について行ける実力を持ち併せている。その何かを無理に知ろうとは思わないけれど。

 

 残りのフランス勢は、アリアスチームではないが、国内重賞をいくつか勝っている2名、アルセナルとノールだ。順当に気を付けていくべき相手ではある。が、正直アリアスチームの方が戦績が強いこともあって霞みがちだ。スアーヴダンサーやスボーチカの対処ができるのであれば対処は容易だろう。

 

 「…ふむ…」

 

画面の上で整理した資料を見て一息つく。アルの話を聞いて焦っていたが、よく見てみると知らない情報の方が少ないという状況ではないか。不確定要素はあるものの、概ねレースの展開などは絞り込むことが出来る。それに、アルならできるはずだ。アルを信じることもトレーナーとして大事な仕事だ。彼女は強い。

 凱旋門賞への出走条件はヨーロッパ各地で行われるステップレースで勝利することだ。フォワ賞で1位をとらなければ凱旋門賞への挑戦は叶わない。でもアルならばきっとできる。トレーナーならば担当を信じてやらなきゃ。

 

「さーて、対策練りますかぁ!」

 

コーヒーを呷って、心機一転、パソコンに向かう。フォワ賞は近い。

*1
現実では4歳以上限定です。




ウマ娘、4周年ですってね。オルフェーヴル、皆さんは引けました?私は現在150連爆死中です。

今回短くてすみません。架空ウマ娘の元ネタ分かった方はいますか?

また次回お会いしましょう。
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