魔法科高校の音使い   作:オルタナティブ

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九校戦編、開始です。
……よく考えたら前回ブランシュに突撃かけてから全く魔法使ってないんですよね。これほんとに魔法科高校の劣等生の二次創作か?


九校戦編 ビートハートビートの激闘
第十話


ブランシュとの一件も終わり、暫しの時が経った。

暦の上ではもう7月となり、日本の特徴的な気候も合わさって湿度の高い気持ち悪い暑さで制服が肌にへばりつく……そんなある日のこと。

 

「そういや成績発表だったな」

 

そう。今日は一学期の定期考査の結果発表日である。

 

「……忘れてたの?」

 

「や、テストの存在を終わった瞬間記憶の彼方に押しやってた」

 

「最悪すぎる」

 

そんなことを北山と話しながら、端末を起動。期末考査の結果を見ることに。あ、一緒に見ようとしてるのか深雪と光井も来た。

 

「どれどれ……おっ」

 

総合順位

1位 司波深雪(1-A)

2位 光井ほのか(1-A)

3位 北山雫(1-A)

4位 比企谷八幡(1-A)

 

「っし、俺ら全員上位だな」

 

「意外だね。理論は苦手って言ってなかった?」

 

「苦手だよ。だから達也と深雪に頭下げて教えて貰った。流石に土下座は止められたが」

 

「そりゃ止められるでしょ……プライドとかないの?」

 

ない。乱数と幻太郎に金借りる時の帝統くらいの勢いで土下座しようとしたぞ俺は。

 

「あ、あはは……じゃあ、次は実技の順位を見てみよっか!」

 

光井のその言葉に従い端末を操作。実技はっと。

 

実技順位

1位 比企谷八幡(1-A)

2位 司波深雪(1-A)

3位 北山雫(1-A)

4位 森崎駿(1-A)

5位 光井ほのか(1-A)

 

「……なんというか、何の気なしに1位取ってるよね」

 

「理論カスだからな。せめて実技くらいは一位取っておきたい」

 

「満点取れる代物じゃなかったと思うけど……深雪は点数どうだった?」

 

「……98点ね」

 

「比企谷は?」

 

「100点」

 

「私は94点だし……ほのかは?」

 

「90点だね……」

 

まあ裏技で余裕よ。少なくとも学校で要求される部分に関しては。

 

「今度教えてくれないかな」

 

「正味俺のやり口ってめちゃくちゃだから理解できないと思うぞ」

 

これバレても「反則ではないしそもそもそんなやり方誰も想定してないし、証明が出来ないから結果無罪放免にするしかない」ってなるしな。我ながら最悪すぎる。

 

「んじゃ、最後に理論だな」

 

理論順位

1位 司波達也(1-E)

2位 司波深雪(1-A)

3位 吉田幹比古(1-E)

 

「すげぇな、司波兄妹ワンツーフィニッシュじゃん」

 

ちなみに俺は勉強会のお陰で11位だった。今度二人になんか奢ろ。

そして順位を改めて見てみると、そこそこいつもの顔触れが。5位に光井、10位に北山、17位に柴田、20位にエリカ。レオだけ上位に居ねぇのな。人の力借りずにこの成績取ってたら笑ってたけど生憎今回の俺はバチバチに力をお借りしたので笑えねぇ。

 

「どんなイカサマしたんだよ……」

 

なんて話していると、クラスメイトが達也の成果に嫉妬したのか分からんが悪口言ってきた。うーん、殺すぞ。

 

「成績が良かった人を貶めていい事なんてあるのかな?」

 

「ねぇのを理解してるくせにやっちまう馬鹿だから成績悪いんだろ。いじめはいけません、人の悪口を言ってはいけませんなんて幼稚園児でも知ってることだ。ただそれはそうとして感情を制御出来ずに撒き散らすわけだ。人間よりも獣だな。君たちには人間社会生活向いてないから森へお帰り」

 

「ふふっ……ww」

 

「そんな口の悪さレベル999の自然の守り人みたいな言葉スっと出てくる……?」

 

北山と光井が密やかに爆笑してら。……さて。

 

「ってな訳で落ち着け。達也(ダチ)の悪口言われてキレてんのは俺らだって同じなんだよ。お前だけで全部終わらせたら俺らがキレらんねぇだろ」

 

「……申し訳ありません。ありがとうございます」

 

そう言って、深雪から溢れ返っていた想子がゆっくりと収まっていく。もうさ、学習しろよな……達也の悪口言ったら過激派が凍らせに来るって。俺らは躊躇なく見捨てるからな。

 

 

 

「全く、クラスメイトの方々はお兄様のことを何も分かってません」

 

「……八幡。毎度すまないな」

 

「や、良いっての。っつーかほとんど関わりないのに達也のこと理解してたら逆に怖ぇよ」

 

「八幡君も大変ねぇ」

 

「そう思うなら一科二科の間の差別意識さっさとどうにかしろやボケ」

 

「私先輩なんだけど!?」

 

知るか。

成績発表が行われた次の日、俺は生徒会長に誘われて生徒会室で昼飯を食っていた。普段は北山たちと飯食ったり、はたまた一人になりたくて校舎の風向きとかが心地良い隠れスポットで飯食ったりしてんだけどね。

 

「で、なんで俺を呼んだんですか?さっさと話進めてくださいよ」

 

「誰のせいだと思ってるのよ……まあいいわ。八幡君、九校戦は知ってるわよね?」

 

「九校戦?前に達也がなんか言ってた気もしますが何も知りません」

 

せいぜい夏休み前くらいの時期になんか魔法師たちがドンパチする祭りみたいな感じって認識だ。そういや名前呼びされ始めたけど俺そんな生徒会長と仲良かったっけ。

 

「嘘でしょ……」

 

「CV.高野麻○佳になってからそのセリフ言ってください」

 

「私だってサイレンスス○カじゃないわよ」

 

なんなんだよこの会話。

 

「……仕方ないわ。説明してあげるからちゃんと聞きなさい」

 

「気が向いたら聞きます」

 

「いいから聞け」

 

「……ハイ」

 

そこから説明された内容によると。

 

九校戦とは、日本魔法協会主導で行われる大会である。

日本に存在する9つの国立魔法大学付属高校が参加し、各校の生徒らが6つのスポーツ系魔法競技で腕を競う。

規定エリア内に射出されたクレーを魔法で破壊する競技、「早撃ち(スピード・シューティング)」。

制限時間内にシューターから射出された低反発ボールをラケットまたは魔法を使って打ち返し、相手コートへ落とした回数を競う「クラウド・ボール」。

加速魔法などを駆使し、全長3kmの人工水路を3周するレース「波乗り(バトル・ボード)」。

自陣営12本・相手陣営12本の氷柱を巡り、先に相手の氷柱を全て倒す、または破壊する「氷柱倒し(アイス・ピラーズ・ブレイク)」。

空中に投射されたホログラムを魔法で飛び上がってスティックで打ち、制限時間内に打ったホログラフの数を競う「ミラージ・バット(フェアリー・ダンス)」。

そして3vs3で戦い、敵陣営のモノリスを指定の魔法で割り隠されたコードを送信するか、相手チームを戦闘不能にした方を勝利とする「モノリス・コード」。

以上の6種目で競い合い、最終的に一番合計獲得点数が多かった高校を優勝とする。

 

「なるほどねぇ……」

 

「そして私たち一高は昨年と一昨年に優勝してる。今回は悲願の三連覇の年でもあるからこそ、万全な布陣で挑みたいの」

 

「じゃあ深雪は確定だろ。主席だし」

 

「ええ、深雪さんにも出てもらいたいと思っているわ。そして、よ。八幡君、九校戦に選手として出場してくれないかしら」

 

「えー……面倒なんですけど」

 

俺がゲンナリした顔でそう言うと、それを想定していたかのように言葉を続ける。

 

「ちなみに九校戦だけどね。学校側としても重要視しているから出場選手にはある程度の便宜が図られるの」

 

後にその様子を見ていた達也曰く、「便宜が図られるという旨を聞いた途端八幡の耳がピクリと動いていた」とのこと。

 

「まず出場競技のための練習がある程度優先される。具体的には一部の必修科目以外の授業の時間を練習に費やしても良いわ」

 

本格的に話を聞く体勢に入った。

 

「そして、これは当然ながらその九校戦で優秀な成果を出した人だけになるんだけど……成績の評価が高くつけられるわ」

 

「……それはそんな魅力ないっすね」

 

実技全部満点で成績カンストだし、そうでなくても今回総合4位だし。

 

「まあそうだと思ったわ。ただ俗物的な「は?」なんでもないわ。八幡君なら魅力を感じそうなものが一つあるわ」

 

「なんです?」

 

「夏休みの宿題免除よ」

 

「九校戦出場します!」

 

「八幡……」

 

「あ、あはは……」

 

視界の端で深雪が苦笑いして達也が頭抱えてため息ついてるけど知らね。

 

「……で、よ。どの競技に出場するかなのよね」

 

「ああ。比企谷、お前はどんな魔法が得意だ?」

 

「んー……何でも出来ますよ」

 

俺がそう言うと、困ったような顔をする生徒会長と渡辺先輩。って言われてもな。

 

「実際色々出来ますし。加速に加重、移動振動収束発散吸収放出……理論は苦手ですけど実技に関しては自信ありますよ」

 

「や、自信あるどころじゃないだろう……」

 

達也がなんか言ってら。

 

「うーん……まず1つはモノリス・コードで確定よね。実技1位を一番得点を稼げる競技に使わない理由はないもの」

 

「ではもう1つをどうするか、だな。ミラージ・バットは女子限定競技だから除外すると、残りは早撃ちかクラウド・ボール、波乗りか氷柱倒し。……苦手なものがないから迷うというのも困りものだな」

 

「お疲れさん」

 

「お前が原因だ」

 

そんな酷いこと言わんでくれや。

 

「……じゃあ、モノリス・コードとやらを除いて一番派手なヤツって何です?」

 

「……そりゃあ」

 

「アイス・ピラーズ・ブレイクね」

 

「じゃあそれで」

 

俺がそう言うと、先輩方は謎に驚いた表情を見せた。

 

「そんな理由で決めていいの?」

 

「俺は魔法師ではありますが、それ以前に音楽家──────エンターテイナーですから。最高にイカれたライブやってやりますよ」

 

「私としてはイカれた真似はして欲しくないんだけど……せめてイカした真似をしてくれないかしら」

 

誰が上手いこと言えと。

 

「じゃ、俺はアイス・ピラーズ・ブレイクとモノリス・コードに出場するってことで」

 

そうして昼休みも終わり解散の運びとなった。

その後、放課後にて。アイネブリーゼにやって来た俺たちの話題は、必然的にもうすぐ行われる九校戦のことになっていた。

 

「……なら、比企谷は氷柱倒しとモノリス・コードに出るってこと?」

 

「そーなるな。ま、俺は昼にちょっと説明貰ったくらいしか知らねぇけど」

 

「勿体ない……九校戦の花形競技2つなのに」

 

北山の押しの強さに若干たじたじになる俺。怖いんだけど。

 

「おい光井、北山のこの火力何?」

 

「うーん……雫、昔から九校戦大好きなんだよね。毎年大会を観に行く位には」

 

「なるほどねぇ……ま、夏休みの宿題免除の為にも頑張りますとも」

 

「アンタ、世界一しょうもない理由で九校戦に出ようとしてるわね……」

 

「勝ちゃあ良いんだよ勝ちゃあ」

 

「正論ムカつくわね」

 

ひっでぇ。なんだその言い草は。

 

「もう……仕方ない。比企谷には特別授業が必要」

 

「えっ???」

 

「九校戦全てとは言わないけど……少なくとも比企谷が出場するアイス・ピラーズ・ブレイクとモノリス・コードに関しては完全に理解してもらう」

 

えっ、なに。怖い怖い怖い。北山がなんか怖いんだけど。

 

「ダレカタシケテ…」

 

「無理」

 

「嫌」

 

「……ごめんなさい無理です」

 

「……ごめん比企谷くん、諦めて?」

 

「薄情者共がァッ!!!」

 

3時間ぐらい解説してもらったお陰で良く理解出来た。が……うん。熱の篭った北山の語りは当分勘弁願いたいな。後火力に押されて解説の間「はい」「なるほど」「わかりました」しか言えなくなってた俺を見て爆笑した挙句見捨てて帰ったレオとエリカは今度シバく。

 

そしてその次の日の放課後……ちょっとした事件は起きた。




九校戦は大会当日まで割と早足で進めたい。

比企谷八幡の秘密①
実は、最近の趣味は魔法で特撮やアニメ、ゲームの技を再現すること。

比企谷八幡の秘密②
実は、ウマ娘の推しは顔のいいイケメン女子ばかり。

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