魔法科高校の音使い   作:オルタナティブ

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思いついた経緯

リロメモ楽しいな……魔法科の熱再燃したわ

魔法科二次書いてみるか

どんな魔法使わせよ……せや!音使いってかっこいいやん!

こういうことです。
余談ですが第一話から誤投稿やらかしました。こいつアホでは?


入学編 ミッシングアドミッションの始まり
第一話


 

 

紡がれるは極彩色の旋律。

ピアノが置かれた広い一室にて、青年はひたすらに紡ぐ。

世界を壊す歌を。種を越えた愛の歌を。街を愛する歌を。欲望を追い求める歌を。友情の歌を。獣の歌を。希望を、戦乱を、命を、運命を、絶望を、歪みを、英雄を。数多の概念を音として紡ぎ続ける。

 

「──────っと。そろそろ寝ないと入学式に遅れてしまうな」

 

青年はそう呟いて、ため息混じりに部屋を出ていった。

 

「師匠の言葉を借りるなら──────魔法師を始めるのも、悪くない。ってか」

 

青年の名は比企谷八幡。殺人鬼・零崎曲識に師事し、その技術と彼の遺産を継いだ後継者。

これは、魔法師であり音楽家である青年の物語。

 

 

 

 

 

俺が通う高校──────第一高校に到着。校門前で言い合っている男女……女子の方が『お兄様』と呼んでいるから兄妹なのだろう。仲がいいようだ。悪くない。それを無視して校舎に向かう。あ、入学式だから講堂か。

講堂の席は……大体6割ほど埋まっていた。前半分に座っている八枚花弁があしらわれているという制服を着た一科生と、後半分に座っている無印の制服を着た二科生。元々は発注ミスで始まった物なのであるが、差別の温床となっているらしい。全くもって下らない。優秀だろうと無能だろうと死ねば等しく肉の塊でしかないというのに。

 

「隣、大丈夫?」

 

ふと声をかけられる。その方向を見ると、表情の変化が乏しい大人びた顔立ちの黒髪の少女と、その後ろの茶色の髪の少し気の弱そうな少女が。

 

「構わない。別に隣を開けておくような友人もいないからな」

 

「悲しい理由だ……」

 

「自覚はしてる」

 

……それにしても、こう暇だと楽器を触りたくて仕方なくなるな。

 

「……あ、私は光井ほのかって言います」

 

「ん、北山雫」

 

名前を名乗ってきた。ならこっちも返すとしよう。

 

「比企谷八幡。縁があったら、よろしく頼む」

 

なんて、どこかのクソ狐の真似。前に半殺しにしたけど今どこで何してんだろ。腸抉って眼球1個潰してやったけど、それはそうとしてなんか生きてそうでやだな。『なんか生きてそうでやだな、ふん』出てくんじゃねえイマジナリークソ狐ェ!!!!!引っ込んでろ!!!!!

 

「……大丈夫?凄い顔してるけど」

 

「……大丈夫だ。知り合いと呼ぶのも胸糞悪い奴のことを思い出してしまっただけだ」

 

「どんな人よ……」

 

「人類最悪」

 

あいつ嫌いだけどあいつの言い回し便利過ぎて愛用せざるを得ないんだよな。今度使用料として鼓膜破ったろ。

 

 

 

 

「ん、A組か」

 

クラス確認でA組であることが判明。ついでに側で話してた北山と光井もA組だった。縁があってしまったな。こうなってはもう逃げられない。いや逃げるつもりもないが。

 

「私はもうちょっと残るつもりだけど……雫と比企谷くんはどうするの?」

 

ナチュラルに連れ判定されてる。いやいいけどさ。

 

「私はほのかに付き合うけど」

 

「俺は……用事があるから帰るわ。じゃ、また明日」

 

「さようなら」

 

「また明日」

 

帰路について約15分。俺が一人暮らしをしている『かつてバーだった場所』に到着した。

 

「……おや、おかえりなさい」

 

「不法侵入っすよ。アンタだから目ェ瞑りますけど。積雪さん」

 

俺が呆れた視線を向けたのは、カウンター席にて休んでいた白髪隻眼の男。彼の名は罪口積雪。師匠──────零崎曲識の友人で、『武器商人』という変わった人だ。

 

「ははは、ありがとうございます。それにしても、随分と大きくなりましたね」

 

「親戚のおじさんかよ」

 

「君が5年前に曲識さんに弟子入りしてここに通い始めてからの付き合いですからね。可愛い甥っ子のようなものですよ」

 

呪い名序列二位(罪口商会)が何言ってんだ……?」

 

罪口のえげつねぇ特性持っといてよく言うわ。

 

「ここに来たってことは、頼んでた『アレ』ですよね?」

 

「ええ。君に頼まれていたことをしっかりとこなしておきましたよ。……厳密には私がこなしたわけではありませんがね」

 

そう言って積雪さんは脇に置いてあった大きなケースを開き、何かを取り出す。

それは、大きな大きな楽器だった。

俗にコントラファゴット、またの名をダブルバスーンと呼ばれる木管楽器。だが、ソレには普通の楽器にはないある性質があった。

 

「……試しても?」

 

「ええ、どうぞ」

 

積雪さんからコントラファゴットを受け取り、構えながらボーカルと呼ばれる吹き口にそっと口を当てる。

 

「作曲、比企谷八幡」

 

「作品ナンバー、129番。『憩い』」

 

次の瞬間、コントラファゴットから美しき音の調和がつむぎ出される。

青く晴れ渡った空の下、緑に輝く草原を麦わら帽子と白いワンピースの少女が駆けるような、穏やかで安らぐ旋律。

たっぷり3分29秒の演奏を楽しみ、演奏が終わる。ふと気付くと、積雪さんが盛大な拍手をしていた。

 

「素晴らしい、かつての曲識さんを思い出させますよ」

 

「師匠にはまだ遠いっすよ。普通の楽器なら師匠の二歩手前くらいの演奏は出来ますけど、未だにあの変態楽器は使いこなせる気がしませんし」

 

「ああ、アレですか。アレは私が曲識さんのために造り上げた最高傑作ですからね。そう簡単に使いこなされてしまえば、私も曲識さんも立つ瀬がないというものです。……で、どうでしたか?」

 

「最高の一言につきますね。ここまで楽器という性質を残しながら成立させるなんて、一流以上の技師によるもの以外ありえないでしょう。一体誰がメンテナンス……というより、そもそも誰が作ったんです?こんな代物、並の作り屋に話持ち込んでも門前払いがオチでしょう」

 

「ああ、トーラス・シルバーですね。知人なんですよ」

 

思ったよりビッグネーム飛んできた。いやまあこんなトンデモを作れる技師なんてそれぐらいだろうけどさ。

 

「それでは、代金も先払いでしたし私も今日はこの後用事があるのでこの辺で。今度、入学祝いとして何かご飯奢りますよ」

 

「悪いっすよ」

 

「子供は大人に甘えるのが仕事みたいなものです。遠慮なさらず」

 

そう言って、積雪さんは出ていった。クソっ、ちょっとカッコイイ。ずるいだろあんなの。

 

「……飯食って寝よ」

 

風呂は明日の朝でいいや。

 




三作品の時系列
魔法科→変わらず
俺ガイル→時代はずれ込み、原作ストーリーが中学時代の出来事に変化
戯言シリーズ→同様に時代がずれ込み、魔法科原作開始2年前が戯言シリーズ本編(少なくとも2年前に『零崎曲識の人間人間』4章の『ラストフルラストの本懐』の一件が発生している)

比企谷八幡
生年月日:2079年8月8日
身長:175cm
体重:72kg
得意科目:実技
好きな物:甘いもの、音楽
苦手なもの:不協和音などの『無秩序なもの』
音使い。『少女趣味(ボルトキープ)』の後継者。特異体質。
小学5年生から中学2年生までの4年間、零崎一賊三天王が一人『少女趣味(ボルトキープ)』こと零崎曲識に師事しその演奏・歌唱技術を教わっており、音楽関係ならば大抵の事は並のプロを上回る。なお今でも本人曰く『師匠の方が上』とのこと。
口癖は『演奏開始』と師匠の影響による『悪くない』。

零崎曲識
八幡の師匠。2年前に死去している。殺人鬼。
単純に趣味のノリで八幡に色々教えていたら筋が良くめっちゃ成長した。八幡に遺産として自分が開いていたピアノバー『クラッシュクラシック』の跡地を譲渡した。

罪口積雪
曲識の友人。武器商人。
八幡のことは甥っ子のような扱い。



ということで魔法科×俺ガイル+戯言シリーズの二次創作でした。イロモノすぎんだろ。
あらすじにも記載されている通り、八幡は最強にはなりませんがガチ強者側になる予定です。
では、次回。

九校戦……出場競技はモノリス・コードとどれ?

  • 氷柱倒しで一条将輝と全面戦争!
  • 他の競技に出て格の違いを見せてやれ!

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