魔法科高校の音使い   作:オルタナティブ

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今回、九校戦編ラストにて九島烈と交わした取引についてがちょっと明らかになります。


第三十五話

「お届け物でーす」

 

「あ、あざーす」

 

自宅に来た宅配業者から荷物を受け取る。うわでっか。まあ結構色々機材入ってるからな。

 

「ここにサインお願いしまーす」

 

「はいはい。……比企谷、と」

 

「ご利用ありがとうございましたー」

 

「どうもー」

 

そう言って業者が立ち去るのを見て、俺は魔法で荷物を移動させる。何故かって?これ重いんだよね。

そうして荷物を中に運び終えた俺は、早速事前に整理しておいた家の一室にて準備を開始する。説明書を読み込み、操作方法を理解して準備完了。これまた技術の進歩だな。難しい操作とかもなしに使える。

 

 

 

数日後、SNSに一つの投稿がされた。

 

比企谷八幡
フォロー中

@boltkeep_H_H

音楽家です。歌も演奏も指導も作曲も何でもやれるんでお仕事依頼ある方は仕事用メールアドレスにどぞ。最近魔法師始めました。

依頼用メルアド→oopslook.0.8.0.8@~

誕生日 8月8日

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比企谷八幡@boltkeep_H_H

動画投稿始めました。これから魔法についての解説したり、許可とった上で魔法師招いて色々やったりしていこうと思います。

チャンネルはこちら

yotube.com

 

 

 

「えー、初めましてでいいのか?どうも、音楽家……正確には作曲家兼作詞家兼ピアニスト兼ヴァイオリニスト兼その他もろもろ凡そこの世に存在するあらゆる楽器を演奏出来る音楽家兼魔法師の比企谷八幡さんです」

 

画面に映るのは眼の濁ったアホ毛の青年……まあこれを読んでいるならご存知、比企谷八幡である。

 

「このチャンネルでは魔法についての解説だとか、後はまあゲームプレイだったり歌ってみただったり……そういうのをやっていく。良ければチャンネル登録して行ってくれ。非魔法師は勿論魔法師でも見れるようにするつもりだからな」

 

「まず早速第一回の内容を解説していくんだが……その第一回の内容はこちら」

 

その言葉と共に、画面下にテロップが現れる。

 

魔法(まほう)って(なに)?』

 

わざわざ子供向けに読み仮名まで振られていた。

 

「というわけで第一回はそもそもの問題である、『魔法とは何か』を話していこうと思う。『ここは間違いだろ!』とか『ここわかんないんだけど詳しく教えて!』って人は、概要欄にわたあめ*1のURLを貼っておいたからそちらに送ってくれ。なるべく早く回答しよう」

 

「では、早速魔法について話していこう。まず魔法というのは、簡単に言うと『現実を書き換える技術』だ。物を温めたり動かしたり……そういうのを、道具だとかを使わずに直接行える」

 

「例えば、『1+1=2』という式がある。これを答えが『3』になる式に変えたい。そんな時、『1+1=3』にするとおかしくなるからな。何処かから『1』を持ってきて式を作り替えて、『1+2=3』や『2+1=3』『1+1+1=3』という式にする必要がある。その『1を2に変え』たり、『1を3つにする』のを専用の道具なしに自分の想子で現実を書き換えることで行う。その技術が『魔法』であり、それを使うのが『魔法師』だ」

 

「物を動かしたいなら動かすための力を。温めたいならそのための熱を。重くしたいならその分のエネルギーを。それらをどうにか少しでも楽な形で都合してやりくりして色んなことを可能にする、それが魔法師なんだ」

 

「……少し短いが、まあ初回だからな。今回はこの辺でおしまいにしよう。次回は『どんな魔法があるの?』だ。俺が出場した九校戦の動画を参考にして解説しよう」

 

「では、また次回」

 

 

 

「うわなんか雫たちからも先輩らからもめっちゃ連絡来とるやんけウケる」

 

全く笑い事ではない。

 

「んー……とりあえず先輩たちから聞くか」

 

というわけでグループ通話起動。

 

『ちょっと八幡くん何あれ!?』

 

「初手それっすか」

 

開始早々会長の叫びに似た問いかけが飛んできた。

 

「とりあえず過程説明するんで待ってください。渡辺先輩も十文字先輩もそれでいいっスよね?」

 

『ああ』

 

『納得いく説明をしろよ』

 

なんか怖いんですけど。まあ一先ず説明すると、何とか納得いただけたようだ。

 

『なるほどねぇ……九島老師が。それで割と知名度がある八幡くんに頼んだのね』

 

『まあ納得の人選ではある。ただそれをやるならこちらにも報告が欲しかったな。真由美が実家の仕事の付き合いで社交パーティに出てる最中に見せられて絶叫したらしいからな』

 

『摩利何でそれ言ったの?????』

 

「ごめんな先輩www」

 

『夏休み明けたら覚えてなさいよ二人とも』

 

おーこわ。そんな感じできゃんきゃんげらげらやってると、十文字先輩がふと何か思いついたように話を切り出した。

 

『比企谷。その動画投稿だが、今後はどうするつもりだ?』

 

「今後っスか?一応許可取れた知り合いとか呼んで解説講座して魔法についての理解を得たり、後はゲームとかで遊んだり馬鹿やったりして『魔法師も普通の人間なんだ』っていう認識を広めていくのが俺と老師の最終目標ですね。まあ魔法っつー非魔法師が持ってない武器を持ってるわけですから完全な距離感の撤廃は無理でしょうけど、非魔法師側に『あれ?そんなビビって距離取るようなもんでもなくね?』って感じの落とし所を作りたい感じです。社会的な待遇改善とかは政治屋とかお偉方の仕事なんで、俺は民衆に対して働きかけていくわけです」

 

『ふむ……ならば、俺も色々掛け合ってみよう。魔法師全体に関わることであれば、普通に話をもちかけるよりも賛同されやすいだろう』

 

「いいんスか?じゃあお願いします。あ、その時は『あくまで任意であり強制はせず、拒否しても別に損することはない』ってことを強調しといてください。こんなご時世ですし炎上の火種は少しでも減らしといた方がいいでしょ」

 

『よく燃えてる八幡くんが言うと説得力あるわね』

 

「立っ端1割分くらい縮むまで脳天ぶん殴るぞ」

 

失礼な先輩だな。燃えてるのは事実だが。

 

『ちなみに利益とかはやっぱりその魔法師の社会的地位関連か?』

 

「間接的にはそうですね」

 

『間接的に?』

 

「直接的には出演してくれたらシンプルに俺が飯奢ります」

 

具体的に言うと回らない寿司とかお高い焼肉とか。

 

「どうせ金はあるんで多少の出費は道楽みたいなもんです。1回の出演で1人につき5万出すとして、1回1人と仮定しても月2回ならせいぜい10万。それくらいなら適当にコンテスト殴り込み行ったら1年分くらい余裕で稼げますし。広告収入入ったらもっと安定するんでしょうけど、今その話しても取らぬ狸の何とやらなので」

 

『相場を知らないから何とも言えないのだけれど、仮定とはいえ動画サイトでの出演料5万はどうなのかしら。高くないの?』

 

「ちゃんとしたテレビだと一般人の出演料って5000円から2万くらいっすけど、チャンネルのコンセプト的に有識者招いての解説なので専門職呼んでるようなもんと考えるともっと高いですし、一応スタイル的にほぼ顔出しでしょうからね。正味肖像権とか考えるとこれでもかなり安く見積ってますよ。本音を言うとこの倍くらい、最低でも1.5倍は出すべきじゃねえかと思ってるくらいっす」

 

俺が自分の技術を金にするタイプの職種についてるからな。人の技術や知識にはちゃんと金出すぞ。

 

「っつーか知識だのなんだのってそれの価値を分かってねえバカザルが買い叩いてそれに提供側が従うから全体の相場が下がるんだよクソがあのカッパハゲジジイ俺を海跨いで呼びつけて演奏させようとしといて旅費と滞在費差っ引いたらそこらのバイトの月給並の額しか残らねえような値段提示しやがってコノヤロウふざけんなよガキだと思って舐め腐ってんじゃねえぞテメェの残り少ない白髪頭皮ごと引き抜いてやろうか」

 

『漏れてる漏れてる。邪悪なの漏れてるのよ八幡くん』

 

「あっやべ」

 

うっかり本音が出た。

 

『……大丈夫か?何かあったら私たちに相談してくれていいんだぞ?』

 

「ありがとうございます。そん時のハゲジジイはゲロ吐くまで蹴り倒して駅前の噴水にぶっ刺しておいたんで大丈夫です」

 

『そこの情報要らなかったかな』

 

『何がどうして大丈夫だと思ったんだそれ』

 

「俺を普通にバカにされんのとか魔法師としてバカにされんのはブチギレはしますけどまあある程度は看過しますよ。音楽家としての俺をバカにしてきたらそりゃ戦争じゃろがい」

 

敬愛する師匠から受け継いだものの一つだからな。侮辱されたら親でも神でもぶっ殺す。お茶の間にモザイクなしでは流せない死体にしてやる。んでもってぶっ殺した後は親類縁者洗脳して無縁仏にした後墓石を油性のアクリルラッカースプレー使って世にも奇妙な前衛芸術にしてやる。*2……え、師匠に対しての悪口?いやまあ師匠が変態なのとか頭おかしいのとかロリコンなのは事実だし……それで怒るのは何か違うじゃん。ってか零崎一賊三天王、零崎曲識(師匠)は初恋拗らせてたし零崎双識(双識の旦那)は女子中学生のプロだし零崎軋識(軋識の大将)は当時14歳の友ちゃんに片想いしてるしで全員ロリコンじゃん。零崎ってもしかしてロリコンの一賊なの?……そういや人識って背の高い女の子が好みっつってたな。んでアイツは零崎の合の子であって本質的には零崎ではない説が出てる。繋がったな。

 

『ちょっと八幡くん聞いてる?』

 

「え?ああ、俺の師匠の親戚の男性陣が全員ロリコンって話っすよね」

 

『地獄か?』

 

『んな話しとらんわ』

 

『滅びてしまえそんな一族』

 

もう滅んでます。具体的に言うと2年ほど前に凡そ人類最終の『橙なる種(代替なる朱)』に殆ど皆殺しにされました。師匠はソレに致命傷負わされたし。

人識と舞織ちゃんは潤さんとドンパチした末に『誰も殺さない』って約束したから殺人鬼としては死んだも同然だし、大将は隠居してるし……まあほぼほぼ族滅ならぬ賊滅ってことよ。この前大将から手紙と荷物が家に届いたし舞織ちゃんからLINE来たけど。今は『愚神礼賛(シームレスバイアス)より軽いから振りやすい』とか言って田舎で農業やって偶に猪とかの害獣相手に礼賛振ってるらしい。バット本体から釘まで鉛一体鋳造の代物と比べりゃ大抵軽いわ。同梱されてた荷物は野菜でした。美味しかったです。ちなみに人識と舞織ちゃんからは北海道で札幌ラーメン食べてる写真が送られてきました。スタ爆した。

 

「まあ話戻しますけど、今後は魔法の解説メインで魔法師という概念のマーケティングを目的にやっていく予定です。とりあえず直近の目標は収益化して広告収入で資金を安定させるのと知名度アップですね」

 

まあ結果が出るかは分からんが……こういうのはとりあえずやっときゃ名目は立つ。資金は億単位であるし、当分はある程度問題ない。

 

『まあ、何か困ったことがあったら気軽に相談してね。可愛い後輩だもの、よっぽどじゃない限り力になるわ』

 

「あざす。手始めに誰か出演してくれたりします?」

 

『電波悪くするわね』

 

『眠気が』

 

『すまん用事だ』

 

「任意だから何も言わんけどせめて言い訳するならもうちょいまともなの言えや」

 

この後同級生たちとも似たようなことをもう一度やるのだった。

*1
現実で言うところのマシュマロみたいな匿名の誹謗中傷などをシャットアウトしてくれるサイト。なお、このリンクの行先は作者の活動報告である。疑問点などがあればそちらに送っていただけると助かります。

*2
クソ外道である。




比企谷八幡の魔法講座

八幡が開設した動画サイトのチャンネル。基本的には八幡が魔法について解説するが、たまにゲストを招いて色々解説してもらったり歌ってみた系動画や色々遊ぶ様子を撮影したものを投稿する。
その正体は九島烈による魔法師というもののイメージアップ戦略。現状魔法というものが核兵器の代理戦力として見られている節があるのは紛れもない事実であるため、こうして『魔法師もまた普通の人間であることに変わりはない』ということと『魔法とはこういうものである』ということを分かりやすく解説することで非魔法師と魔法師の間にある隔たりを無くす、あるいは緩和するのが最終目的。八幡がその代表として選ばれたのは非魔法師の生まれということで両方にある程度理解があるのと、音楽家として非魔法師にもある程度の知名度があるため九島烈の知り合いだと広告塔として一番優秀だったため。ちなみに動画冒頭やエンディングなど要所で八幡の自作曲を流している。また、理解しやすいようにBGMに『集中力を高める音』を組み込んでいるのでちゃんと視聴するもよし、勉強中に垂れ流すもよしと構成になっている。
メタ的に言えば、作者の『せっかく音楽家やってて民間にも顔が知れてる八幡いるんだしそれ全面に出してこう、ってか芸能方面で現在理解が得られてない民間に働きかけるとかせんの?原作だと2100年に公開される映画に七宝琢磨が出演してたけどもっと早い段階で色々やっててもええやろ、役者とかに限らず風とかのオプションから特撮ならエフェクトとかもやりたい放題やろ』という閃きにより突如生えました。

比企谷八幡
『友達だから安くしてよ』ではなく『友達だからこそちゃんと金を払う』タイプの人間。

零崎一賊
時系列的にちゃんと壊滅済。

感想高評価など下さると励みになります。また、活動報告にてその①
その②のネタ募集をしているので良ければ何か思いついた時にでも投書して頂けると幸いです。
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