魔法科高校の音使い   作:オルタナティブ

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九校戦編、どの競技に出場させようか迷ってます。とりあえず一つはモノリス・コードとして、アイス・ピラーズ・ブレイクに出てクリムゾン・プリンスと全面戦争するか別のに出て確実に点を取りに行くか。

なお今回は魔法関係ない部分で「んなことあるわけねえだろハゲ」と言いたくなるようなことが起きますが、まあええかのノリでお許しください。


第六話

名前呼びを強制するエリカvs名前呼びしたがらない俺の争いが終わり、俺たちはエリカの希望で体育館へと向かっていた。なお争いは見ればわかる通り俺の負けで終わった。後、俺が名前呼びしたがらない理由を知ったエリカは爆笑してた。シバくぞ。

 

「……ん?」

 

体育館へと向かっていると、俺の耳に微かな音が届いた。

 

「止まれ!そこの不良生徒!」

 

……渡辺先輩の声だな。なんか面倒事っぽいぞ。とりあえず増援として向かうか。

 

「司波、悪いけど先行っててくれ。ちょっと向こうの方で何かあったみたいだ」

 

「……なるほどな。了解した」

 

そう言って、俺は騒ぎの方向へと走り出した。

 

 

 

所変わって騒ぎの渦中。運悪く台風の目に飲み込まれて……いや普通に台風側から狙ってきたので運悪くもクソもなく、必然的に巻き込まれてしまった雫とほのか。二人は一高のOGと思しき女性二人に拉致られ、それを目撃した摩利との逃走劇(チェイス)に強制参加させられてしまっていた。

 

「これからどうする?流石に摩利と根比べはきちいぞ?」

 

「部室に連れ去った後に、さっさとトンズラするのがよさそうだね」

 

そう結論を出し、バイアスロンのボードを加速させる二人。しかしその進行方向に、ふらりと現れた影が。言わずもがな八幡である。

 

「比企谷、二人を止めろ!」

 

「りょ」

 

摩利の指示に対し、軽く返答をする八幡。そして八幡がCADに触れると、次の瞬間。

 

「がっ!?」

 

「ぎゃっ!?」

 

「っ、わっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

OGの二人が突如後方に吹き飛び、担がれていた雫とほのかも共に宙に投げ出される。

 

「ほらよっと」

 

八幡が再びCADを行使し、宙に投げ出された四人の落下速度が大きく低下する。

 

「……慣性制御?」

 

「ああ。つっても簡単なやつだよ」

 

そう言いながら八幡は雫とほのかに手を伸ばし、二人が地面にちゃんと足をつけたのを確認すると魔法を解除した。その途端、落下速度の減衰も消失。一気に重力に引かれ、OG二人は地面に叩きつけられた。八幡はOGが態勢を立て直し再び逃げる姿勢に入る前に距離を詰め、片方は襟を掴みもう片方は靴を踏み抜くことで逃げという選択肢を奪う。

 

「先輩、とりあえず二人確保っス」

 

「ああ。良くやった。ところで一つ確認だが、さっきそこの二人が吹き飛ばされたのは?」

 

「硬化魔法の応用ですよ。空気そのものを硬化、相対位置の基準点を空間座標と周囲の建造物の二重固定式にしてこの二人の頭の高さ辺りに固定しておいたんです。元は偏在する大気なんで、たちまち不可視のトラップの出来上がりっすよ」

 

「……エグイな。ともあれ、お手柄だ」

 

そう言って摩利はOG二人を回収すると、校舎へと引きずって行った。余談だが、このトラップは応用すれば相対速度によっては不可視の即死トラップになり得る。下手に突っ込めば気付いた頃には膾切りである。こっわ。

 

「さて、体育館行くか」

 

 

 

「……うぇ、行きたくなくなってきた」

 

剣道部の演習をやっているという体育館に向かっていたところ、中から聞こえてきたクソみたいな音に顔を顰める俺。こりゃ高周波だな。となると……高周波ブレードか?

 

体育館に入ると、丁度司波兄が高周波ブレードの使用者と思しき男子生徒を止めていた。

 

「───桐原先輩、魔法の不正使用により同行を願います」

 

その言葉に反応したのは、その『桐原先輩』本人ではなく周囲の生徒たちだった。後にエリカから聞いたところ、桐原先輩とやらと同じ剣術部の部員らしい。

 

「あの腕章、もしかして風紀委員か!」

 

「いや、それよりもあいつのエンブレムを見てみろよ!まさか……二科生の風紀委員だと!」

 

「なんで桐原だけ同行なんだよ!剣道部の壬生だって同罪だろ!」

 

その言葉に対して司波が『あくまで同行は魔法の不正使用によるものである』という旨を伝えると、部員らは激昂。集団で司波へと襲いかかる。

 

「ほい」

 

その場面に立ち会ってしまったため、それを見逃す理由などあるはずもなく。俺はCADを起動、魔法を行使した。

 

「おわっ!?」

 

「何だ!?」

 

すると、途端に部員らがすっ転んだ。ただの一人も例外なく、等しく地面に転がった。

 

「……比企谷」

 

「おう。余計な手出しだったか?」

 

「いや、助かった。今のは……硬化魔法か」

 

「正解。関節部分を固定した。曲げるタイミングで曲がらない、伸ばすタイミングで伸びない。それだけで態勢は崩れるからな」

 

ド派手なのは嫌いじゃないが、最小限の力で最大限の利益を得る方が好きなんでね。

 

「さて。……改めて、同行願います」

 

 

 

 

 

「───以上が、剣道部の新歓演舞中に剣術部が乱入した事件の顛末です」

 

闘技場での騒動から二時間ほど経過して。俺と司波は部活連の本部として使われている広い部屋にいた。数十人は座れるようにテーブルや椅子が用意されているが……部屋の中央は椅子もテーブルも取り払われており、妙に広く感じるんだよな。

そんな俺たちの報告を聞くのは、3人の生徒。生徒会長である七草先輩、風紀委員長である渡辺先輩。

そして、部活連会頭である十文字克人先輩だった。分厚い胸板に広い肩幅、制服越しでも分かる隆起した筋肉は、肉体だけでなく構成要素の全てが桁外れに濃い存在感を放っており、その様はまるで巌のよう。感じられる音からもそれがわかる。腹の底に響くような重く力強い音だ。

つまり現在この部屋は、生徒自治の象徴である生徒会・風紀委員・部活連のトップが揃い踏みとなっている。ちなみにこの三人だが、第一高校で最も有名な生徒であると同時に校内随一の実力者ということで、他の生徒達からは“三巨頭”と呼ばれている。……それにしても、『十文字』って単語……どっかで聞いたことあるんだよな。魔法関係ないところで。何だっけ。相手のスピリットまたはブレイヴの召喚時バースト……いやこれは爆烈十紋刃だ。バトスピ全く関係ねぇ。そういや最新弾の数契約デッキ組みたいな。回してて楽しそうだし。今度の土日にカドショ行こ。

 

「二人共、当初の経緯は見ていないんだな?」

 

「はい」

 

「俺ァそもそも直前まで先輩とOGとっ捕まえてたじゃないっすか」

 

「……それもそうか。では、最初に手を出さなかったのはそのためか」

 

「“魔法を使った不正行為”を取り締まるのが風紀委員の仕事ですので」

 

「確かに。それで、桐原は?」

 

「当人が非を認めており、報復の意思も感じられなかったので、それ以上の追及は必要無いと判断しました」

 

「ふむ。他の剣術部の部員についてはどうだ? 桐原を連行するとき、司波に襲い掛かろうとしたそうだが?」

 

「魔法は使っていませんし、問題無いと判断しました。比企谷によってすぐさま鎮圧されたために被害も特にありませんので」

 

質問に対して澱みなく答えていく司波。俺は司波が襲撃かけられてるとこだけ見て咄嗟に割り込んだだけだからな。実情を何も知らないので答えようがない。

 

「……そうか、分かった。───聞いての通り、風紀委員は懲罰委員会に持ち込むつもりはないが……、どうだ?」

 

渡辺先輩はそう言って、隣にいる十文字先輩に話を振る。その十文字先輩ははゆっくりとした動きで彼女へ顔を向け、口を開いた。

 

「寛大な決定に感謝する。殺傷ランクBの魔法をあんな所で使ったのだ、本来ならば停学処分もやむを得ないところだった。後はこちらで引き取らせてもらおう」

 

十文字……十文字……あれ、マジで何処で聞いたことあるんだっけな。

 

「わかった。ご苦労だったな、司波、比企谷」

 

「はい」

 

「うっす。……あっ!」

 

思い出した。

 

「どうかしたのか?比企谷」

 

「や、十文字って苗字を魔法関係ないとこで聞いたことあるなーってずっと考えてたんすけど、競馬のおっさんの苗字だなって」

 

「「「競馬のおっさん……?」」」

 

三年生らが揃って首を傾げる。動きシンクロしててちょっと面白いな。そんなことを考えていると、司波が聞いてくる。

 

「比企谷、その『競馬のおっさん』というのは?」

 

「ああ、去年の春に音楽関係で依頼があってさ。四月の春の天皇賞で演奏するはずだった楽隊が事故で来れなくなったらしくて、急遽代理で演奏したんだよ。そん時に会ったおっさんが『十文字』って苗字だったんだ」

 

「……俺の記憶が正しければ、去年の天皇賞は」

 

「おう、天覧競馬だな。いやあ、流石にビビったよ。師匠でも天皇陛下の前で演奏とかはしたこと無かったし」

 

なんか俺の演奏が天皇陛下に好まれて、『親族の結婚式の際は演奏をお願いするよ』みたいなこと言われたけど。こっわ。玖渚機関の現当主の妹や殺人鬼一()の生き残りとか関わるだけで人生を狂わせる無為式(戯言遣い)とか友達にいるけど流石に天皇陛下とのパイプは想定してねえんよ。多分あの世で師匠大爆笑してる。

 

「んでそん時に会った競馬のおっさんとちょっと話して、『どれが勝つと思うか』って聞かれたからいい感じのやる気あって強そうな音がする馬を順に選んだらおっさんがそれで三連単二枚買って、大当たりしたから払戻金から馬券代抜いた分の金小遣いで貰ったんだよ」

 

「……比企谷、一応聞くが」

 

「はい」

 

「その十文字という男の名前は?」

 

「え?あー、えーっと……確か、『和樹』って名前でしたね」

 

俺がそう言うと、途端に頭を抱えてしまう十文字先輩。

 

「……もしかして」

 

「……父だ」

 

「世間狭いっすね」

 

「いや、お前がそんなツテあると誰が想像するんだ」

 

それもそうか。

 

「……それにしても、中学生の身で大役を任されるほどの技量か。一度聴いてみたいな」

 

「別にいいけど春天のアレやれって言われたら断るからな。楽隊一つ分の演奏を一人でこなすような真似二度とやるか」

 

「出来ないとは言わないのか……」

 

「頑張れば行けるけど死ぬほど疲れる」

 

五人分くらいの同時演奏なら忘年会の余興とかになるしやってもいいけど。

俺と司波はそんなことを話しながら、部活連本部を後にするのだった。




比企谷八幡
実は、同時に演奏出来る楽器の最大数は15。どうやってんだこいつ。

北山雫、光井ほのか
原作通り、この後SSボードバイアスロン部に入った。

三巨頭
十師族現当主の行いに頭を抱えた。

司波達也
今後八幡とつるんでいると胃に深刻なダメージが入りそうな予感がした。正解である。

ちょっと短くてすみません。この後って壬生先輩の達也への勧誘から二科生の反乱、討論会からのブランシュ襲撃、そしてその後のブランシュ壊滅戦と行くので一回ここで切っとかないと伸びる伸びる。東名高速くらい伸びます。なので今回は一先ずここまでということで。

九校戦……出場競技はモノリス・コードとどれ?

  • 氷柱倒しで一条将輝と全面戦争!
  • 他の競技に出て格の違いを見せてやれ!
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