ドラゴンボール超 第六宇宙最強の戦士!! 作:バルサ
沢山の評価や感想ありがとうございます!!
これからも時間があれば更新していくのでよろしくお願いします。
シャンパが三年間の昼寝から目覚めてすぐ後、彼は寝起きの運動としてバルサとの組手をすることにした。これはバルサに後一歩のところまで追いつめられたその後日、シャンパから言い出したことなのだが、だとしてもそれまでの彼を知るヴァドスからしてみれば喜び以上に驚きが強かったらしい。それほどまでに悔しかったし自分が情けないと自覚したのだろうとヴァドスはシャンパの心情を察したのだった。
幾ら第六宇宙最強の破壊神とは言え、それはあくまでも第六宇宙内での格付けであり、全十二の宇宙内────破壊神同士での強さに於いてシャンパは下から数えた方が早いくらいだったのだ。だが、それはあくまでも戦闘力という意味においてであり、実際に戦えばどうなるかは分からない。実際、彼は第六宇宙と鏡合わせであり、破壊神の中でも矢鱈と強い第七宇宙の破壊神とは小競り合い程度とは言え互角以上に戦えるのだから、シャンパは真面目に取り組めば今よりももっと高みへと昇れるのだろう。
実際に、バルサとの本気の戦闘を経てからのシャンパはあれだけ嫌がっていたヴァドスとの訓練もサボらずに付き合っており、チャームポイントであるポッコリお腹が二割ほど凹んできたのだ。
おかげでシャンパの動きを阻害していた肉が擦れず、技のキレが凄まじく上がったり、全力戦闘をしても息切れもしにくくなったのだからとんでもない進歩だ。
心なしか双子である第七宇宙の破壊神に体型が似てきたような気もするヴァドスなのであった。
「ゼェェアッ!!!」
金色のオーラを拳に収束して放たれるバルサの一撃は、その掛け声に反してモーションが余りにも小さい。しかし、シャンパはそんな見た目には騙されはしない。
「オラッ!!!」
紫色のオーラをバルサのように収束し、彼の一撃に合わせてシャンパは拳同士をぶつけ合う。
瞬間────とても拳同士がぶつかり合ったとは思えないほどの轟音が鳴り、後から巨大な衝撃波として暴風が吹き荒れる。
二人はその余波に怯むことなどなく、ぶつけた拳同士をすぐさま自身の体に引き戻し、次なる一撃を放ち合う。
またも鳴り響く轟音────それは途切れることなく、それどころかより激しさを増していき、打撃音の余波だけでまるで嵐が吹き荒れてしまったかのような傷跡がいくつも発生していた。
中心部にて拳や蹴りの乱打を相殺し続けるシャンパとバルサはそんな外のことなど気にせずにまだまだスピードやパワーを上げ続けていた。
二人の周囲は荒れ狂っているというのに、彼等の間合いでは攻撃がぶつかり合う瞬間以外は無音であった。まるで、台風の目のように。
何時まで続くのかと思われた乱打戦は、唐突に終わりを迎える。
突如としてバルサはシャンパへの攻撃から回避にパターンを切り替えた。そしてすぐさま先程まで振るっていた腕をだらんとぶら下げる。
バルサの急速な脱力による明確な変化にシャンパは危機感を覚えた。あれは強大な一撃を行うためのチャージをする前段階のようなモノ。
嘗てシャンパを打ち破るためにバルサが生み出した、瞬時に攻撃の威力を必殺級のモノにまで高める技だ。
初見時アレを喰らったシャンパだからからこそわかる。────アレはヤバイと。
だが、それに対処法がないわけではない。要は一撃に籠める力の密度を上げているというだけなのだ。その代償として、一撃一撃に意識を向ける分防御が甘くなる。故に攻撃直後のカウンターにはめっぽう弱い技なのだ。
よってシャンパは刹那の間に攻撃に割いていた意識を全て見切りへと注ぎ込む。
「ハッ!!!!」
「シィ────ッ!!!!!」
────────────両者の拳は閃光となって交わることなく駆け抜けた。
「………………」
「………………」
────決着はつかなかった。
互いに放った拳はそれぞれ空を切っており、次撃を放とうにも体が密着しすぎていて放てない。かと言って離れてしまえば先程のような乱打戦になり、そして行き着く先は今のように必殺を当てるかそれを見切りカウンターを当てるかという千日手になってしまう。つまり、これ以上二人の決着をつけようがなかったのだ。
「………あ~あ、今回
「ハッ………お前がオレの攻撃に慣れてきたように、オレもお前の攻撃に慣れてきてるからな。 早々決着なんてつくかよ。 第一オレもお前も本気じゃないしな」
そう言い合いながらシャンパとバルサは互いに笑みを浮かべて離れた。
バルサが今回“も”と言った通り、決着がつかなかったのは何も今回だけの事ではないのだ。しかし、毎回本気でやり合っているわけではない。
今回のでいえば、バルサがどれだけシャンパに近づけているかということと、シャンパはどれだけ鈍っているのかという確認のようなモノなのだ。
それ以外にもシャンパがむしゃくしゃしている時にストレスを発散する意味で組手をしたり、バルサがシャンパと些細なことで喧嘩をした時に仲直りするためにしたりと理由は様々だ。
初めは実力差が有り過ぎて喧嘩どころかお遊びさえ成り立たなかったバルサが、此処まで立派に成長したことにシャンパはむず痒くも誇らしい気持ちになった。勿論ヴァドスもシャンパ同様バルサの成長を彼の師匠として喜んでいた。
「しっかし、戦闘民族サイヤ人ったってお前はやっぱ別格だよな。 他の連中には生えてない尻尾まであるし」
「へッ、これまでずっとシャンパ様達とやり合ってきたんだ。 寧ろ、これだけやってもまだ超えられてねえんだから悔しいぜ。 もうそろそろ抜かさせてくれてもいいんじゃねえか?」
「馬鹿言え、まだ五十年もたってねえだろが。 そんなに早く抜かされてたまるか」
「そうですねぇ………。 バルサさんの成長は驚異的と言っていいです。 ですが、最近のシャンパ様もトレーニングを一度もサボっていないので差は縮まっているものの、超えるのはまだまだ先になりそうですね」
組手が終わり、構えを解いた二人に近寄ってきていたヴァドスは正確に二人の差を見ており、表情は何処か嬉し気だ。しかしヴァドスの方をちらりと見たシャンパは、その評価が気に入らないのかムスッとしている。
「おい、ヴァドス。 差が縮まってるってのは違うだろ。 寧ろ嘗てのオレよりもスマートになった今のオレからして差は開いてる筈だ」
「それはどうだろうな? シャンパ様が三年も昼寝してた間、俺はもっとパワーアップしてたからよ。 互いに本気でやったら今度こそ俺が勝つかもしれねえぜ」
「あ゛あ゛ん ? 何だバルサ………そんなに今のスマートなオレの本気を見たいのかァ……!」
「シャンパ様こそ、今の俺の本気を見たいんじゃねえか……?」
ギンッとした眼光をバルサへと向けるシャンパに対し、バルサは何処までも挑発的に二ィと口元を釣り上げた。互いに気のオーラを纏ってはいないものの、先程の組手で拳同士がぶつかった際に生れた軋轢が再び二人の間に生れていた。
そんな空気にヴァドスは涼しい顔をして割り込み、パンパンと手を叩いて二人を諫めた。
「ハイハイ、其処までですよ二人とも。 二人が本気でぶつかって起こる余波を抑えるのも、その後の片付けもやるのは私なんですから。 第一、シャンパ様はこの後第七宇宙へ行くのではなかったですか?」
「あッ」
シャンパはヴァドスの指摘にハッとなり、慌てた様子で威圧を消してしまった。バルサはバルサでヴァドスの発言にキョトンとしてしまい、すっかり戦闘への意識を削がれてしまっている。
「なんだ? 第七宇宙って事は『ビルス』様んとこだろ。 また美味い食いもん勝負でもするのか?」
「おうよ!! 今回のは新発見だ。 前回はホエホエールの霜降り肉に負けたが、今回オレ様が見つけたのはそれを上回る。 勝負は貰ったも同然だぜ」
「はーはっはっ!!」と高笑いをするシャンパに対しバルサも今回シャンパが用意した食べ物に興味津々の様子だ。彼もサイヤ人の例に溺れず食べ物に対する欲求は破壊神にも引けを取らない。
尚、この三人の中で一番グルメなのはヴァドスだったりする。しかし本人の料理の腕はあまり上手ではないらしい。
「お前もついてくるか? ビルスんとこに行くのは久しぶりだろ」
「いいのか? それなら頼む」
「では、支度をしましょうか」
そう会話を切り上げた三人は城の中へと入っていった。
第七宇宙の最果てにあるビルス星にて、山吹色の道着姿の男と黒のボディスーツの上に白のプロテクターを装備した男が自身の気を乗せた拳と蹴りで衝突していた。
「オラもっと強くなって、強ぇヤツともっともっと闘いてぇんだ!!」
山吹色の道着姿の男の名は────
第七宇宙の地球育ちのサイヤ人であり、数々の冒険と強敵達との激闘を得て、
そして今では、第七宇宙の破壊神たる『ビルス』の星にて、彼の師でありヴァドスと同じく破壊神ガイド天使である『ウイス』の元で修行をしているのである。
「フン!! 貴様よりも強い奴は此処にいるだろう。 オレを倒してからほざきやがれ!!」
黒のボディスーツのうえに白のプロテクターを装備した男の名は────ベジータ。
第七宇宙の今では滅んでしまった惑星ベジータにて生まれ育った生粋のサイヤ人であり、サイヤ人の王子でもある。
彼もまた悟空との出会いをきっかけに下手をすれば悟空以上の激闘を繰り広げていった過去を持ちながら、それまで一切誰の元でも教えを乞うたことはない独学のみで悟空と同じ高みの果てに至った戦いの天才と言っていい。
彼もまた、柄にもなくウイスの元で修行を積むことで更に更に上へと昇ろうと足掻いているのである。実を言うとウイスの元へ真っ先に修行したいと申し出たのはベジータの方だったりする。
彼は誇り高いサイヤ人としての矜持を誰よりも強く持っている。それ故に、いつも己よりも先の領域へと進んで行く悟空をライバル視し、今度という今度こそナンバーワンへと至ろうと渇望していた。
「ハッ!!!」
「シッ!!」
変幻自在に攻守を切り替え、時に本能のままに、時に理性を以て虚実を生み出したりする悟空に対し、ベジータは持ち前の格闘センスと経験に裏打ちされた戦術で以て一つ一つ相手の手を潰していく。しかし、悟空の技のバリエーションは正に千変万化。どれだけ手を潰してもまた後から次々と新しい技が生まれ、組み合わさり、成長していくのだからやってられない。
そう、ベジータの戦法と悟空の戦法はどちらにとっても極めて相性が悪いのだ。戦闘力とセンスに任せて相手を真っ向から打倒することを好むベジータでは、同格の戦闘力を持ちながらのらりくらりと手を変え技を変えてと卑劣な手でなければどんな戦い方でもいい悟空と噛み合わないのだ。もっと簡単に言えば、ウマが合わない。
性格面からしてみてもマイペースな悟空にせっかちなベジータと全く違うからして、互いが互いにとって天敵と言っていい。………尤も、それは互いの実力の均衡が崩れればの話ではあるのだが。
「ああ!? ずりぃぞベジータ!! 『超サイヤ人ゴッド超サイヤ人』は禁止って言われたじゃねえか!!」
悟空はそうベジータに指摘するも、青髪になったベジータの方は咄嗟に思わず変身してしまったが、何となくそれを悟空に指摘されるのが気に入らないため「フンッ!!」とそのままそっぽを向いてしまった。そのせいか、悟空の方もつられてその『超サイヤ人ゴッド超サイヤ人』へと変身してしまうのだった。
それを見たウイスはムッと眉間にしわを寄せ、二人の戦いを止めてしまった。これでは修行の意味がないからだ。
罰として鍛えに鍛えた悟空とベジータをして重いと感じる特製スーツを着せられてしまい、思うように動けなくなってしまうのだった。
「んぎぎぎぎッ………うご、けねぇ……ッ!!」
「ぐッ……くぅぅ………ッ!!!」
スーツの重さに悪戦苦闘する悟空とベジータを見上げるウイスは────ふと、とても久しぶりで、尚且つ嘗てとは比べ物にならない程にまで高められた気が自身へと迫っているのを感じ取った。
刹那────、ウイスはノーモーションでのサイドステップで今いる場所から立ち退いた。だがそれで終わりというわけではなく、ウイスは手に持っていた杖を消して両手を前方に構え、迫りくる無数の攻撃を捌く。その攻撃一つ一つが今修行を付けている二人とは段違いのパワーとスピードで迫ってくるものだから、思わずウイスは思考と身体の繋がりを切り離し、身体を勝手に動かしてしまった。
それはゼロ距離から放たれる無拍子の一撃だった。ウイスに攻撃をしていた何者かは認識する間もなくその打撃を受け、吹き飛んだ。
「な、なんだ!? 一体何が起こったんだ!?」
「このオレが見えなかっただと……!?」
悟空とベジータにはいつの間にかウイスがその場を不自然に立ち退き、其処へ誰かが攻撃を仕掛け、ウイスが初めて攻撃し返したような瞬間をそれが観えながらも認識できなかった。
土煙の先をウイスは困ったように同時にうれしそうにしながら見ていた。確信したのだろう。今のが誰なのか。
「まったく………思わず手が出ちゃいましたよ。 随分と大きくなりましたね、バルサさん」
「へへッ、完全に不意を突いたんだけどな………。 流石だぜ、ウイスさん」
土煙が晴れた先、立っていた人物に悟空とベジータは驚愕した。
その燃える炎のような髪型に鍛え抜かれた肉体。そして自分達二人を足して割ったかのような顔立ちと全く同じ黒髪。極めつけにお尻の先端から生えている猿のような茶色の尻尾。
─────其処には、ベジータと悟空も知らないサイヤ人がいた。
本作設定の悟空やベジータの素の戦闘力です。
アニメや漫画で言及されていた通りここから上がることはありません。
ここから超サイヤ人などの倍率が乗っていくと思っていてください。
孫悟空:3億
ベジータ:3億
ナメック星編時代の悟空の300万から更に100倍した数値を現在の基準点とさせていただきます。その方が何かと計算しやすいですから。
オリ主の素の戦闘力は次回に載せますので楽しみに待っていただけたらと思います。
それでは更新や評価の程よろしくお願いします。