ドラゴンボール超 第六宇宙最強の戦士!!   作:バルサ

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更新です。
今回でようやくヒット戦です。
バルサ戦まであと少し……!
今回はちょっと長めに書きました。

それではどうぞご覧ください。





烈戦!! 破壊神選抜格闘試合!!!

 

 

 

 超サイヤ人へと覚醒したキャベを相手に、更なる進化を遂げた『超サイヤ人ブルー』で以て一撃で止めを刺すベジータ。

 ベジータの変貌に真っ先に声を零してしまったのはシャンパ、次いでヴァドスだった。

 

 

「あり得ねぇ……只のサイヤ人が神の気を纏っているだと………?」

 

「どうやら神の気を会得しているだけではなさそうですね、先程の超サイヤ人の時とは比べ物にならない程の圧力を感じます」

 

 

 呆然と語る破壊神と天使を余所に、倒れ伏したキャベを担いだベジータはいつの間にか武舞台付近に降り立っていたバルサへと放る。

 渡されたキャベを優しく受け取るバルサ。その眼差しは何処までも優しいもので、キャベの健闘を讃えていた。そして、青いオーラを消したベジータの方を一瞥すると観客席へと戻っていく。

 次の選手であった寡黙な男はその閉ざした赤い両目を鋭く光らせると、席を立ちあがり武舞台へとゆっくり歩いていく。キャベを抱えたバルサとすれ違いざまに一瞬だけ互いを見合うもそれだけに留め、激励さえ送らず彼の背中を押すのだった。

 

 

「相手は後サイヤ人含めて三人か………対して此方は『ヒット』にバルサ、か」

 

「いや、多分だけどあっちの戦力はサイヤ人だけだ。だから実質2対2の接戦だな」

 

「あん?………なるほどな。チッ、ビルスの野郎……素人を連れてきやがって!!」

 

 

 観客席に戻ってきたバルサの訂正を疑問に思い、向かい側の残る選手を一目見たシャンパ。すると目に入った一際体格が小さい人間が目に入る。そして察する。

 

 “ビルスのヤツ、戦闘経験がないであろう素人を連れてきやがった”───と。

 

 確かに、確実に勝てるであろうと確信した勝負を吹っ掛けたのはシャンパだ。だが、アレはないだろう。戦闘訓練を再開したシャンパは勝負は勝負と思いながらも純粋にこの試合を楽しんでもいた。でなければ一試合一試合に律儀にリアクションなど出さないのだから。それなのに慢心したのかどうかは知らないが、此方はちゃんとバルサ以外にも屈強な戦士を四人集めて来たのに、ビルスは四人だけ戦士を集めて後は適当に選抜したのだろうから不快にもなるというもの。………まあいい、それで後悔するのはビルスなのだから、バルサが出てくるまで自分は残る試合を純粋に楽しむまでだ。そう無理矢理思うことにしたシャンパだった。

 

 そして武舞台に上がる四人目の戦士───黒いコート状の服装を身に纏う鋭い目付きの男はポケットに両手を突っ込んだままベジータと対峙していた。

 その男が先程までの戦士とは別格であると犇々と感じさせる佇まいに、ベジータはもうすでに構えを取っている。漸く本気を出せるであろう相手に慢心するような性格はしていない。最後から二人目の戦士からは全力で相手をするとベジータは決めていた。

 

 

「続いて、第六宇宙“裏”の最強格───殺し屋『ヒット』選手の登場ですッ!!!」

 

 

 司会の言葉にさえ何の反応も示さないヒットと呼ばれた男は不動であった。対しベジータは試合が始まる前から先程の青いオーラを身に纏い、『超サイヤ人ブルー』へと変身している。

 悟空は遂に出てきた実力者に真剣な眼差しを送る。此処からは瞬き一つすら許されないだろうと確信していたから。

 

 

「只ならぬ気配だな………」

 

「お!起きたのかピッコロ」

 

 

 仰向けになって横たわらせていたピッコロが漸く目を覚ましたようだ。身体を起こし、マゲッタに殴られた箇所を摩り首を振ると立ち上がって悟空の側にゆっくりと近づく。

 ピッコロの表情は悔し気に歪んでいるが、それはそれとして視線は武舞台へと向けられている。悟空はその様に何も言わず、ただ一つ笑みを浮かべると此方も武舞台へと顔を向けた。

 

 

「それでは、第七宇宙ベジータ選手VS第六宇宙ヒット選手!!試合開始───ッ!!」

 

 

 誰もが息を呑み込むのを傍らに、試合開始のゴングが鳴り響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ゴングが鳴り、試合が始まったにも関わらずこれまでの激戦とは打って変わって余りにも静かな立ち上がりだった。

 互いが目と目を合わせ、相手の出方を伺っている。それが十秒、二十秒と続いていくが、それでも二人は動かない。観客席も息が詰まり沿いになりながら、瞬きを我慢してじーっと食い入るように見つめる中、けれどもまだ動かない。

 このまま、二人が見合ったままなのかと誰もが思う中───ヒットの右腕がピクリと動いた。

 

 

「ッ!!!」

 

 

 それに反射的に動くベジータ。その速さは初速から音の壁を容易く打ち破るもので、捉えることが出来た者は破壊神・天使は勿論の事、残るはサイヤ人だけ。

 悟空は先制攻撃はベジータが制したと、ベジータ自身も確信する。反対にバルサはフッと笑みを浮かべて音もなく言葉を吐き出す。

 

 “それでは駄目だ”─────と。

 

 そして、ベジータの攻撃がヒットの顔面に突き刺さる───筈だったが、()()()()()()()()()。なんと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 衝撃と痛みによって仰け反るベジータ。その顔はあり得ないというという気持ち、加えて自身がダメージを受けたという屈辱で歪む。

 すぐに体勢を立て直すもベジータは今起きたことに冷静ではいられない。ソレは観客席にいた悟空やピッコロも同じく、更にはビルスとウイスさえ驚愕に目を見開いていた。

 

 

「なんだ!?何が起きたッ!!」

 

「アレは………」

 

 

 心当たりがあるのかウイスは目を細めてもう一度確かめるために無言になる。

 動揺を隠せないながらもベジータは未だポケットに手を突っ込んだまま動かないヒットへ先程以上の速度で跳びかかり、拳がギリギリ届かない範囲で瞬時に加速。そのまま背後に回ると振り絞った拳をその背中向けて渾身の突きを放つ。 

 

 ────だが現実はまたしてもベジータの意志を裏切った。

 

 突き放った拳はヒットには届いておらず、逆にヒットの()()()()()()放たれていた蹴りがベジータの腹を抉っていた。

 

 

「グ、ガ………ッ!!」

 

 

 その一撃でベジータは口から血を吐き出す。内臓にまで届くほどのダメージだったためだ。震える足で二・三歩後退するベジータに、ヒットはまたしても追撃はしない。その必要がないと言いたげに。

 

 

「グググ……ッ─── ダァーーーッ!!!! 

 

 

 ヒットが言わんとしていることを察したベジータは腹の痛みを気にしている暇はないと額に血管を浮き上がらせ、怒りのまま突進する。

 正面からの突き────と見せ掛けて背後へ回り膝打ち────からの後頭部へ向けての蹴り穿ち。決まった────と思った瞬間、またもや自身の攻撃は空を切る事さえなくヒットの拳が今度は胸を撃つ。

 それさえ無視して連続の気弾を放つベジータ。黒い煙が気弾の爆発と共に武舞台を覆いつくす。それでも────今度は背後から首筋に手刀を放たれるベジータ。

 その一撃で俯せに倒れ伏す。完全に決まった一撃だった。

 

 

「そんな………あのベジータがッ!!」

 

「パパがなす術なくやられるなんて………」

 

 

 ブルマを筆頭に、ベジータの実力を知る第七宇宙の面々はあんなにもあっさりとやられてしまったベジータに動揺を露わにする。重ねて、四人の選手であるピッコロ、悟空も何が起きたのか全く理解が及んでいない。止めとばかりに破壊神の中でも随一の武人であるビルスでさえ何が起こったのか認識できていなかった。

 確かにヒットは只者ではない。それは確かだと誰もが事実として認めていた。だが、傍から見ても攻撃を放つ瞬間もくらう瞬間が見えないとはどういう事だ。尋常ではない速さで攻撃しているとでもいうのか。しかし、そうだとしてもベジータのくらったダメージが余りにも小さい。見えない速度で殴られたというのならば、それに伴う衝撃は本気を出したベジータとは言え吹き飛ばされても無理はない筈だ。されど、その計算に反し、ベジータは何度もその一撃をくらっているのに吹き飛んでいないし、ダメージもそれほどみられない。故に、何かからくりが在るはずなのだ。破壊神でさえ見抜けないようなカラクリが。

  

 

 

「決まったな………ヒットが弱いわけじゃねえが、それでもアイツに負けるようじゃバルサ相手には万に一つも勝ち目はねぇ」

 

「いや、それは分かんねぇぞシャンパ様。彼奴が殺しの技を使ってきたら俺が本気を出す前に殺しにかかってるだろうからな……。流石に認識の外側から攻撃されたら俺でもやべぇよ」

 

「まぁ、それでも()()()が完成すればそれこそどんな相手にもどんな時、どんな場所でも対処が出来るのではないですか?」

 

「ソレは完成したらだぜ………。欠点を補う発想がうかばなくてな、まだまだ完成は遠い」

 

 

 無傷のヒットに対し、倒れ伏すベジータを見て最早決着はついたとばかりに雑談を取る三人に、向かいでそれを見るビルスは歯軋りする。あれ程の戦士が第六宇宙にバルサ以外でまだいたとは思わなかったのだ。そのバルサでさえも、ちょっと前までは自分の遊び相手にさえなれなかった程度の強さしか持たなかったというのに………それだけ修羅場を潜り抜けてきたということなのだろう。

 ビルスはドサリッと音を立てて席に座ると足と腕を組んで目を瞑る。

 

 

(認めよう………あのヒットとか言う男をベジータが倒せなかった時点で残る悟空でも危ういだろう。そして、シャンパの様子から見てバルサはヒット以上の実力を持っていることが確定した。畜生、ボクの認識が甘かった……!!)

 

 

 ビルスは己の内で反省した。まさかあれ程シャンパの宇宙の戦士が強者ぞろいとは思わなかった。少なくとも、自分と遊べる程度の実力になってきつつある悟空とベジータに迫る戦士、良くて同格位だろうと高をくくっていたのだ。しかし、蓋を開けてみればどうだ。相手には此方以上の強者に曲者ぞろい、更にはまともに戦うとすれば自分でも危ないかもしれない奴が二人もいるというのだ。完全に見くびっていた証拠だ。

 

 完全に負けムードを催しているビルス。

 反対に勝ちムードを上げるシャンパ。

 そんな空気をぶち壊すべく────────────ベジータは立ち上がった。

 

 

「うぉおおおおおおおおおーーーーーーーッ!!!!!!」

 

 

 全身から巨大な火柱の如く青きオーラを立ち昇らせ叫ぶベジータ。彼が経つ武舞台、いや、会場全体が震えるほどの圧力を迸らせるベジータに、観戦していた破壊神二人は目を見開く。

 まだ、ベジータは終わっていなかった。気を高ぶらせ、限界まで神の気を引き出さんとするベジータに対し、ヒットの視線は何処までも冷ややかだ。

 自暴自棄になったか、そう思うヒットは今度こそ仕留めるべくまたもポケットに手を突っ込む。

 これこそがヒットの構え。打ち出す拳を直前まで見せないための最適な構えだ。

 

 

「まだ、終わっていないぞッ!!!」

 

 

 ヒットへ向けて声高に叫ぶベジータ。全身に青いオーラを纏いながらもその勢いは止まることはない。

 口元から血が垂れる。されどベジータは気にする余裕などないと先と同じく、愚直にヒットへ跳びかかった。

 

 

「無駄なことを………」

 

 

 ヒットはこれまで以上の最高速度で迫るベジータへ呟いた。どれだけの速さで迫ろうとも、己には何の意味もないのだと理解しているから。故に、いつも通り()()()()()()ベジータの急所へと拳を放った。

 

 

 ────だが、今度という今度は()()()()()()()()()()()()

 ────結果、ベジータの拳はヒットの頬にめり込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「グ───ッ!?」

 

 

 ベジータの渾身の拳によって殴り飛ばされるも踏み留まるヒット。だが、心中は穏やかではいられない。なにせ、自身の力が破られたのだから。

 ヒットは呼吸を荒げながらも此方をニヤリと笑みを向けて未だ青いオーラを身に纏うベジータ。その姿に、第七宇宙の面々は歓喜の驚きを。逆に第六宇宙の面々は目の前で起きた事実に対する否定の驚きを。中でもシャンパは口を大きく開けて唖然してしまっている。

 

 

「貴様、どうやってオレの()()()()を────」

 

「フンッ……成程、時飛ばしと言うのかその力は」

 

「なに?」

 

「別にオレは貴様の力を見破ったわけじゃあない。ただ単純に、力をセーブすることをやめ、全力で気を高めているだけだ」

 

 

 そう告げ、更に青いオーラを濃くさせるベジータ。

 ヒットはその言葉にハッとする。そう、ベジータは別にヒットの能力である『時飛ばし』の弱点を察知したわけではない。ただ純粋に気を限界まで高めた上で全力の攻撃をしただけだ。

 要するに────ヒットが飛ばせる時間を上回る力で攻撃を当てたということ。純粋な力技である。

 

 

「どうやら、ヒットさんは私と同じく時間を操る能力の持ち主のようですね」

 

「なんだと?ウイス、それはどういうことだ」

 

 

 ウイスは漸くヒットのあの不可思議な攻撃の正体を見抜き、それに驚く面々ににこりと笑うと説明する。

 

 ヒットの能力の正体は時間の操作なのだ。分かりやすく言ってしまえば0.1秒ほど時間を停めているようなもの。正確に言うとその正体は時間を停めているのではなく、時間を飛ばしているというのだ。 

 

 

「だがそれならば、何故先程のベジータの攻撃は当たったんだ?」

 

 

 ビルスの更なる問い掛けにウイスはハイハイと言って説明を続ける。

 

 

「単純に、全力を出したベジータさんが今のヒットさんのパワーを上回ったからです。ああいった能力は、ある程度同じ位のレベル相手か、それ以下の相手にしか通用しないんですよ」

 

「!!」

 

 

 聞き耳を立てていたヒットもその詳細に驚く。簡単に言えば、あの全身から立ち昇る青いオーラはベジータが本気を出した証であり、そのベジータの本気は今の自分よりもパワーが上であるということ。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()が今起きているということだと。

 神の気を感じ取れないヒットは相手の客観的な強さを測れない。よってあの時とは場面が違うともいえるが────それでも思わず笑ってしまう。

 

 

「フ………ッ」

 

「なんだ、自慢の能力が破られてそんなに嬉しいか?」

 

「ああ、嬉しいとも」

 

「なにッ」

 

 

 ベジータの問いに答えながら、ヒットはそのポケットに入れた手を抜き、そして両腕を頭よりも高く上げる独特の構えを取った。

 初めて構えを変えるヒットの姿に場外の面々は驚き一色に染まる。それはバルサも例外ではなく、今まで見たことないヒットの構えに目を見開いていた。

 

 

「これで漸く、()()()()()()()()()()()

 

 

 そして────ヒットの全身から紫のオーラが迸った。ベジータのそれと比べて見ても一回りほど大きいそのオーラは、神の気を持たない者としてはっきりとその凄まじいパワーを見せつけた。

 その力の波動によって生じた風圧に思わず目を瞑りたくなるベジータ。それは観客席にまでしっかりと伝わっている。そして、その様を見たウイスはベジータにとっては絶望的な言葉を呟いた。

  

 

「これで、ヒットさんとベジータさんの力関係は戻りました」

 

 

 シーソーのように傾いた二人の力関係は、更なる片方の重さが増えたことで元に戻ったのだった。

 







今回の戦闘力です。


ベジータ(超サイヤ人ブルー)の戦闘力:4000億(序盤)~6000億(全力時)
ヒットの戦闘力:5000億(序盤)~8000億(本気)


アニメ版のヒットを参考に戦闘力を設定して、其処から漫画版のように本気を出していない状態で闘っていたように描写しました。
ベジータはの場合はブルーの消耗が激しいので敢えてパワーを抑えて闘うようにしましたが、其れでも本気ではありました。それでもヒットの時飛ばしに手も足も出なかったからなりふり構わずこの試合で全力を出し切る気持ちでブルーフルパワー状態になりました。
尚一時的に上回るもヒットが本気になったらまた傾きましたが。

因みにこの作品のヒットは一度だけバルサと本気でやり合っているためアニメ版悟空戦のように急成長しています。
でも時飛ばしはまだ0.1秒しか止まらないようにしています。


以上ですかね。
いやー、思った以上に描写しにくいキャラですねヒット。
強いんだけど絡めても使っているから実力以上の相手とも互角に戦えるキャラなんて少年期の悟空みたいですよネ。

それではまた次回。
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