ドラゴンボール超 第六宇宙最強の戦士!! 作:バルサ
更新です。
今乗りに乗っているためこの勢いで更新しようと思いやりました。
今回でヒット戦は乗り越えられました。
ちょっと雑味を感じるモノの、自分的にはこれはこれでありだなと思い、そのまま投稿することにしました。
ですが、読まれるのは読者ですので、批評してくだされば嬉しいです。
それではどうぞ。
見るからに気が膨れ上がったヒットのパワーに狼狽える第七宇宙の戦士達。ヒットの放つ力は神の気を纏っていなくとも、いや寧ろ神の気を纏っていないからこそ純粋にどれ程のモノなのかがはっきりと解ったのだ。そして、彼等から見えるベジータの表情から察するに、間違いなくヒットの本気のパワーはベジータの全力を上回ってしまった。
「すげぇ気だ………あん時のフリーザ並みのパワーをビンビン感じんぞ」
「いや、時飛ばしがある以上………奴の実力は復活した時のフリーザ以上だ………ッ!!」
悟空とピッコロが言うように、本気を出したヒットの強さは復活したフリーザに匹敵する程。即ち────1対1で悟空の超サイヤ人ブルーを真正面から打ち破りかけたパワーに等しいのだ。
これはつまり、ベジータをも凌駕していることを意味していた。
「ク………ッ!!舐めるなぁ―――ッ!!!」
先制するべく全身に青いオーラを迸らせながら突進するベジータ。それに対しヒットは眼前に放たれた拳を首だけを動かし紙一重で回避。そのまま懐に潜り込むとベジータのボディへ左右一つずつ拳を放つ。口から空気が漏れ出るベジータ。ソレを見ながらもヒットは手を緩めることはない。脚が武舞台から浮いた瞬間を見逃さず、右拳をベジータの顎目掛けてアッパーカットを放つ。
「ウ゛ゥ゛ワ゛ァ゛ァ゛ーーーッ!!!」
仰け反るベジータ。それでも二度と倒れまいとベジータは瞑った瞳をこじ開け、武舞台に背中を打ち付ける直前で止まり、掌から青い気弾を放つ。ソレを容易く払いのけるヒット。お返しとばかりに未だ体勢を崩したままのベジータへ紫の気弾を両手から放ち、それを追い越す勢いでベジータの横を通り過ぎ、遅れてくる気弾へ向けて蹴り飛ばした。次いで起こる閃光と爆音。
黒い土煙が上がる中、戦闘服をボロボロにされ、全身が傷だらけになりながらも未だ闘志を燃やすベジータが立っていた。しかし、それでも立っているのがやっとという有様だ。
「ハァ……ッ、ハァ……ッ!!」
「………限界のようだな」
「黙りやがれ……ッ まだ、まだ終われん!!」
ベジータは未だ闘う意志を捨ててはいない。その証拠に纏う青いオーラは一欠けらも勢いを失っていないのだから。だが、それでも彼我の実力差は如実に現れてしまっている。このまま続けてもベジータの敗北は必至。そんなことはベジータも解っている。………そこでふと気が付く。
“何故、ヒットはあれだけ多用していた時飛ばしを使用していない?”
その疑問が浮かべば思わず口に出してしまっていた。
ヒットはその言葉を聞き、思わず苦笑してしまう。やはりバレたかと。
「よく気付いたな……。実のところ、オレが本気を出し切るというのは滅多にない。だからこそ、本気を出し切った状態で“時飛ばし”をしたことがない。今でも出来て精々数回が限界だろう」
「なにッ」
「尤も………────
ヒットの話を聞いて活路を見出したベジータだったが、抑々のところを忘れている。ソレを示すべく、ヒットはノーモーションでベジータの目と鼻の先に一瞬にして接近するとその拳をベジータの胸に叩き込む。
使うまでもなさそうだがな……」
「カハ────ッ」
胸を突き抜ける衝撃が可視化されてしまう程の鋭さを持った突き。
ソレを諸にくらってしまったベジータ。
白んでいく視界にゆっくりと閉じていく目蓋。
力を失い傾いていく己の身体。
到頭燃え尽きてしまったかのように消え失せる青いオーラ。
それを自覚していながら、何も出来ない己に悔しさを感じるベジータは、深く、とても深い眠りに落ちていった。
力尽きるように俯せに倒れたベジータを殆ど痛みがないように軽く蹴って武舞台の外へ落とすヒット。彼が纏っていた紫のオーラは何時の間にやら失せていた。
「しょ、勝者────第六宇宙ヒット選手!!!」
無常にも響くヒットの勝利宣言。即ち、ベジータの敗北が決定されたのだった。
「ベジータ!!!」
「パパ!!」
崩れ落ちるように倒れたベジータに悲鳴のような声で叫ぶブルマにトランクス。それに続くように第七宇宙の面々もベジータが負けたことに対する驚きに染まっていた。
一足早くその驚きから正気に戻った悟空は固まっているクリリンへ向けて、持っているであろう仙豆をベジータに食べさせるよう指示する。
「クリリン!!ベジータに仙豆をッ!!」
「お、おう……!!」
その指示に従い、仙豆の入った袋を懐から取り出すクリリン。そのまま場外で倒れているベジータの口に仙豆を運び、その傷が癒えたことを確認すると気絶しているベジータの肩を背負い、観客席まで連れていく。すぐさま駆け寄るブルマとトランクス。傷が癒えた筈のベジータだったが、それだけ受けたダメージが重かったのかなかなか起きない。それを深刻な様子で見ていた悟空だったが、道着の帯を結び直すと武舞台へ向けて階段をゆっくり降りていく。
其処へビルスが声をかける。酷く真剣な様子だった。
「悟空……全力を出しきれ」
「ビルス様……ああ、分かった」
ビルスは勝てとは言わなかった。当然だ。先程のヒットとベジータの実力差を考えれば、あの悟空でさえ勝つことは愚か手も足も出ないかもしれないのだから。錚々勝てなんて軽々しく口には出来ない。
それでも悟空はビルスが自身の勝利を望んでいることが分かった。ソレは自分の思いでもあるのだ。
あれ程の強者と闘いにワクワクしない悟空ではない。全力を出し切っても勝てないかもしれない相手なんぞ、悟空にとってはいつもの事なのだ。
そして、悟空は武舞台に上がり、目の前に佇むヒットに視線を合わせる。先程までの本気モードではないのは構えが以前のポケットに手を突っ込む形になっていることからして解っている。
「よし!!いっちょやってみっかッ!!」
「………」
気合を入れて構えを取る悟空。
先程のベジータのように変身しない悟空に訝し気にするヒット。だが、それを指摘する間もなく試合開始のゴングが響いた。
開始のゴングと同時に悟空が『超サイヤ人』へと変身してヒットへと突撃する。
ヒットは思う。成程、試合開始と共に変身前と変身後のパワー差による落差を狙った奇襲が目的だったか。しかし、そんな程度ではヒットは揺るがない。
悟空の拳に合わせてまずはヒットの見えないカウンターが炸裂し、だが悟空は僅かに仰け反っただけだ。
ヒットの攻撃は速さと鋭さに重きを置いている為か、基本的には一撃のインパクトそのものは軽い。だがその軽さを補う為に急所を狙っており、総合的に考えれば敵に与えるダメージはかなり大きいものとなる。
悟空が再び攻撃を仕掛け、フェイントを織り交ぜて攻めるも再びヒットが時間を飛ばした。
「シ────ッ!!」
0.1秒先に放たれるヒットの攻撃。しかしその攻撃は悟空のカウンター気味に放たれた拳がヒットの顎を揺らした。まさかの反撃にヒットがよろめき、その隙を逃すまいと悟空が拳の連打を叩き込む。
立て続けにボディへ幾度となく悟空の拳がめり込み、終わりに蹴りを放つ。だが、ヒットが再び時を飛ばして攻撃を避け、悟空の頬へ鋭い拳を突き放つ。───されど悟空は勢いを殺すどころか殴られた衝撃に任せて回転し、更に廻りながら───全身からスパークを放ち、更に気を増幅させながら裏拳気味に拳を放つ。
その拳はヒットの首を完全に捉えた。だがヒットはその拳によろめく様子を見せることなく、時を飛ばして悟空の背後へ回りお返しとばかりに首へ手刀を放つ。
それを予測していた悟空の右足蹴りがヒットのボディへ向けて放たれる。しかしそれでも遅いとばかりに、身体を廻して悟空の蹴りを受け流し、拳が胸を穿つ。
悟空は左手を額に持ってきて人差し指と中指を当てると瞬時にその場から消える。
「なにッ!?」
一瞬にしてその場から消えた悟空。放たれた拳は空を切り、動揺も合わさって一瞬の硬直がヒットを蝕む。
「其処だーーーッ!!!」
頭上から赤いオーラと斉しく赤く染まった髪と目をした悟空が強襲を仕掛けた。
諸にその攻撃に突き刺さるヒット。そこで彼は初めて無視出来ないダメージを自身が受けたことに気付いた。しかし、それでもあの時のベジータが全力で放った拳よりはまだ軽い。
直ぐに両手を地面について逆立ちし、足を開いてその場で回転蹴りを悟空へ放つ。
咄嗟に腕を交差してその蹴りを受け止めるも勢いを殺しきれず後方へ後退る悟空。そしてヒットは攻撃が当たった感触を確かめるとバク転し身体を起こす。
「…………」
「…………」
一秒にも満たぬ中の鮮烈な攻防。互いに本気でやり合っているわけではないが、それでも見る者を圧倒する武練を尽くしていた。
ヒットは少なくない驚きを露わにしていた。なにせ、先のベジータのように蒼い髪になる変身でないにもかかわらず、時飛ばしに完全に対応されてしまっていたからだ。
理屈は分かる。ヒットが飛ばせる時は僅か0.1秒程度。ならばその0.1秒先の動きを予測し、攻撃だの防御だのをすればいいのだ。だが、それは言うは易し、行うは難しの難題だ。
「フッ……ここまで完璧に攻略されたのは“ヤツ”以来だ……」
「ん?オラ以外にもアンタの時飛ばしを破った奴がいるんか?」
「ああ、今ここにいる」
ヒットはそう告げて自身の後方、つまり第六宇宙の観客席を指差す。その指の先にいるのは矢張りバルサ。
悟空はキョトンとするも、すぐに納得した様子でニィと口元を釣り上げ構えを取る。
「やっぱ、そんだけすげぇのか。あのバルサっちゅーヤツは」
「このオレが初めて仕事を果たせなかった相手がヤツだ。フッ………割に合わない仕事だった」
そうらしくなく笑みを浮かべるヒットに、悟空は益々闘志を燃やす。
「そんならやっぱ……是が非でもアンタを倒して闘いてぇな」
「それは無理だ」
悟空の言葉を否定しながらポケットに入れた両手を抜き頭上に構えるヒット。その全身からまたも紫のオーラが迸る。
「此処からオレは本気でオマエを仕留めるのだから」
ヒット────本気、再び。
「へへッ、やっぱそうなるよな………ならオラも────」
ヒットが本気を出したことにますます嬉しそうに戦意を高め、それに呼応するように悟空の気が更に高まった。
赤く燃える焔のようなオーラは揺らめき、その色を神秘的ながらも神々しき青へ。
本気も本気の『超サイヤ人ブルー』へと変身した。
「全開パワーで行くぞッ!!!」
紫の閃光と青い流星が衝突した────────────。
息も着けず、瞬きさえも許されず、耳を立てても聞こえなくなってしまう程の轟音。
その中心地で全力の拳や蹴りを放ち合うヒットと悟空。
パワーでも勝るヒットはそのまま押し込まんとすれば、悟空は流れる流水のように攻撃を受け流す。
逆に悟空が鋭い蹴りを放てば、ヒットはそれを勝る速さで以て蹴り返す。
一見、拮抗しているように見える乱打は、徐々にヒットの攻勢に傾いて来ていた。矢張り全力の超サイヤ人ブルーとなった悟空でさえも本気のヒットには劣ってしまっている。
それを誤魔化すために、悟空お得意の変幻自在の攻防を繰り出しているが、それも徐々に見切られ始めている。その証拠にヒットが悟空の拳で一つ傷を負うごとに、悟空は三つ、四つと徐々にその傷の数を増やしているのだ。
「ク───ッ!!」
「シ───ッ!!!」
到頭悟空へヒットの拳が諸に入った。その痛みを無視して攻守の意識を防御に振ることにした悟空。しかし、それでも捌ききれない。それでも止めるわけにはいかない。此処で止めればヒットの渾身の拳が悟空の急所を穿つのだから。
ビルスはその手に汗握る攻防を歯軋りしながら眺めているだけ。思った通り、悟空でも本気のヒットには及ばない。それが目の前で現実として起こっているのだ。
それでも、悟空ならば────あの男ならば何かをやるんじゃないか。
そんな期待もあったのだ。
(頑張れ、悟空………ッ!!!)
「フンッ!!」
「グワッ!!?」
防戦一方だった悟空だったが、その守りを中々破れないヒット。これでは攻める此方の体力も削られると直感した彼は態勢を立て直すべく、その防御ごと拳で殴り飛ばす。貫通の一打ではなく、爆発と衝撃の一打だ。悟空はその拳のあまりの重さに吹き飛ぶも、武舞台のギリギリで踏みとどまった。だが、膝をついてしまう。矢張り悟空は無理をしていたのだ。
「ハァ…ハァ……」
「フゥ………どうやら先に限界が来たのはオマエのようだ」
「へへへ……ッ、そいつはどうかなぁ」
「虚勢を張るな。戦いにくさでは先のサイヤ人よりもオマエの方が厄介だ。オマエには、戦士として以上に武道家としての技と貴意を感じる。だが、それでもオレの方が強い」
ヒットからしてみれば、先に戦ったベジータは戦士として純化された天性の才覚と鍛錬による野性味あふれる技であった。しかし、その技は駆け引きとは無縁の完全な自力による暴力だ。相手を圧倒するための技なのだ。それではヒットのように完全な格上との戦闘では力を発揮しきれない。
逆に、悟空の技は研鑽を積みに積み上げた末の武道家の重みを感じさせる技だ。ベジータとは真逆の駆け引きこそが本懐のその技の数々は、格上との戦闘でも発揮される正に今この場面にこそ最適なものだったのだ。特に、同系統の技を振るうヒットからしてみれば此方の方が余程怖かった。しかし、それでも技が互角ならば後は自力がものを言うのが闘いの本質だ。
技量に於いて同格以上の悟空であったとしても、その上で地力が勝るヒットには及ばなかったのだ。
「決めるのは早いぜ、ヒット」
「………」
そう、地力の差を埋める方法がなければ────────。
「今なら、出来る気がすんだ………オラの今の限界を超えるとっておきが────ッ!!!」
悟空は覚悟を決めた。嘗て試してみようと思い、実際にやって死にかけたほどの禁忌。辛うじて出来たにしてもそれはあの世に於いてであって、この世では一度も試すことが出来なかった切り札。
超サイヤ人という変身を身に着ける前は何度も格上との闘いで助けられた界王から授かった奥義二つの内一つ目。
「『界王拳』────三倍だぁぁぁああああああ―――――ッ!!!!!!」
それは己の奥底から無理矢理に気を絞り出す為の技。開発者本人ですら会得不可能だった正しく至難の技。自身のパワー・スピード・そして気の最大値を数倍にまで引き上げる出鱈目な技────『界王拳』
ブルーの神の気の上から、更に覆いかぶさるように立ち昇る朱いオーラ。
「うおりゃぁぁぁああああああ―――――ッ!!!!」
一気に気を跳ね上げた悟空が飛び込み、ヒットが迎え撃つ。しかし最早悟空が立っている領域は次元が違う。
攻守が逆転し、完全に悟空が優勢となり、防戦に回るざるを得ないヒット。悟空の拳が、蹴りが、その防御ごとヒットを叩きのめす。先程とは全く逆の光景でありつつも、圧倒する力の差は先程のヒットとの攻防の倍以上。悟空の連撃は止まらない。
「だあありゃりゃりゃりゃああああ―――ッ!!」
ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ────多重に重なって見える拳の爆連撃。本気を出したヒットの攻撃を完璧に予測し、読み合いに勝利して彼を圧倒する。
青と朱の炎を纏った悟空の拳がヒットの顔や腹を猛まま殴り、彼の身体を上へと吹っ飛ばす。そのまま落ちてくるヒットに合わせて跳躍し追撃を仕掛ける。
しかし、流石はヒット。相手が渾身の一撃を最後に放つのを見越して、これまでしなかった本気の状態での時飛ばしを行う────ッ!!!
「貰ったッ!!!」
────されど現実は歪まない
「ぬぉりゃぁああああああ―――ッ!!!!」
「なにッ!!?────グォワァァァァアアアアアーーーーッ!!!!」
時飛ばしは意味をなさず、『0.2秒先』の未来を更に超える彗星の如き速さで以て、ヒットのボディを悟空の拳が打ち抜いた。
ヒットはそのまま第六宇宙の観客席に叩き込まれる────よりも早くにバルサが片手でヒットを受け止めた。
ギギギと音が鳴りそうなほどゆっくりとぎこちなく振り向くシャンパ。其処には白目をむいてバルサに抱えられているヒットがいた。
その表情は流石双子と言うべきか、向かいで悟空のその姿に目を見開いているビルスにそっくりであった。
今回の戦闘力です。
ヒットの戦闘力:5000億(序盤)~8000億(本気)
悟空の戦闘力:3億(ノーマル)→150億(超サイヤ人)→3000億(超サイヤ人ゴッド)→6000億(超サイヤ人ブルー)→1兆8000億(ブルー三倍界王拳)
ヒットは漫画版だと本気を出した時、その状態が久しぶり過ぎて1分も持たないし、時飛ばしも一回しか出来ません。ソレを参考に、この話ではバルサに負けて以来、かなりの成長をしたヒットでしたが、抑々本気を出せる相手がおらず、その本気モードで時飛ばしを試したこともなかったのでやれて数回程度に設定しました。
これなら、まあ納得できるかなという感じにしましたがどうでしょうかね。
後の悟空の方が善戦で来たのは作中でも述べている通り、戦闘スタイルの違い故です。ベジータの戦法ははっきりいって横綱相撲なんですよね。
逆に悟空は格闘家らしく相手との読み合いに、隙を作り其処をつくのだって普通にやりますし。ベジータは格下か、同格ならばそれを潰せるけど、格上がその駆け引きだのを使ってくると負ける感じ。
ヒットも悟空と同タイプの戦士で更に特殊能力もあるずるい奴です。
それでは……次回、作者も待ちに待っていたバルサ戦です。
よ~し、頑張って書くぞ~とかなりうきうきしてます。
それではまた次回。