目が覚めたら乙女ゲームの世界!?

どうなってんの!?

とは言いつつ可愛い婚約者ができて割と満喫している男のあったかもしれない物語

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久々の、投稿ジャイ!

がっこうぐらし……原作……買い直し中……


別の物語

ここはホルファート王国。それなりの歴史を持つ国家で、一部貴族では女尊男卑が酷いという。……末期かな?おかげで国境を守護する地方領主貴族の忠誠は軒並み低い。さらには宮廷貴族は派閥争いに明け暮れるなど、無能の集団に近い。

 

俺はそんな国の領主貴族の嫡男。名前は【アルフレッド・フォウ・ラスヴェン】。ラスヴェン家は伯爵家で、規模もそこそこ。ただ、まあ辺境貴族だし、余裕はないけど。それでもいくつか寄子の家があるけどね。

 

本土にある学園に通っているわけだけど、2つ下に殿下とその側近候補、冒険で活躍した若き男爵で、殿下たちを叩きのめした男がいるからやりづらい。あーあ、ウィンチェスターとかレッドグレイヴとか大貴族だったら違ったのかなぁー?とは言うものの、うちの両親は仲良いし、マトモだからいいけど。

 

「アル先輩?こんなところでどうしました?」

 

「ん?あ、シンディ。ちょっと考え事してただけ」

 

「そうですか。でもせっかくの修学旅行ですから、あまり根を詰めないでくださいね?」

 

「うん、分かってるよ」

 

彼女は【シンディ・フォウ・シンクレア】。伯爵家の次女で、俺の婚約者だ。めちゃくちゃかわいい。うちとは同格ながらうちよりも規模は大きく、また領地も本土寄りである。とはいえ彼女は他の女性(一部貴族の令嬢)とは比べ物ならないほど良い子で、俺を慕ってくれる。

 

「アル先輩、一緒にデッキに行きません?私と帰りの景色を楽しみませんか?」

 

「もちろんいいよ。すぐ行こう」

 

「はい!」

 

ああ〜癒やされる〜。ほんと、こんな婚約者ができて幸せすぎるぜ。南の島のジンジャとか祭りはとても楽しかったし、充実した日を過ごせた。隣にシンディもいてくれて最高だった。学園に帰ったらまた大変だろうが、シンディとなら乗り越えていける。

 

そんな中、警報が鳴った。おそらくは襲撃……。俺たちは急いでデッキに上がり、周囲を確認する。白い雲から現れる、無数のモンスター。しかし、船を囲むだけでこちらを襲う様子はない。ん

 

「これは……?」

 

「モンスターか…」

 

「一体何が起きた!」

 

「わ、分かりません。モンスターたちが急に現れて……こ、こんなことは初めてです」

 

少し離れたところでは【クリス・フィア・アークライト】が船員に問いただしている。近くには殿下達を負かしたあの【リオン・フォウ・バルトファルト】もいる。彼は空を睨みつけ、何かをつぶやいていた。

 

「シンディ、船室に戻るんだ」

 

「えっ、でも」

 

「いいから、早く!」

 

「は、はい!」

 

始めシンディは渋っていたが俺が強め言いうと頷いて走って行った。そして階段付近で立ち止まる。

 

「無理、しないでください、アル先輩…」

 

「ああ」

 

それを聞くとシンディは次こそ振り返らずに走っていった。俺はバルトファルト男爵のもとへ駆け寄る。

 

「バルトファルト男爵、事態は急を要するようです」

 

「みたいですね……ん?あの紋章は…」

 

「っ!あれはファンオースの…!」

 

「ファンオース?………嘘だろ」

 

モンスターを率いる艦隊。そこに掲げられたファンオース公国の紋章。ここは王国領、つまりは侵略だ。

 

ファンオース公国。かつてはホルファート王国の公爵家だが、随分と前に独立して公国を名乗っていた。かなりの戦乱だったらしい。そんな奴らがモンスターを引き連れやってきた。間違いなく手引したやつがいる。でなければこんなにドンピシャで俺たちの船には来ない。

 

「完全にやられました…これでは不利すぎる…」

 

「………」

 

数千以上のモンスター。そんな数のモンスターを前にしていると、甲板の上で女子たちが騒いでいた。

 

「ちょっと、誰か何とかしなさいよ!」

 

「ぶ、武器くらい積んでいるんじゃないの?」

 

「あんな数、見たことがないわよ」

 

数百程度のモンスターならば、持ち堪えられるかも知れない。しかし大型の豪華客船ではどうにもならない数がおり、戦闘用の船ではないため、兵士は護衛が十数人。武器だって積み込んではいるが、それよりも居住性を優先した飛行船だ。

 

戦闘をメインに考えて作られていない。船内へと逃げていく女子と専属使用人たち。騒ぎが徐々に大きくなり、気が動転したのか発砲している船員までいた。

 

「みんな落ち着くんだ!気をしっかり持て!」

 

「慌ててはだめ!落ち着いて、お願い!」

 

向こうでは【レイト・フォウ・ウィンチェスター】や【クラリス・フィア・アトリー】らが必死に皆をなだめているが、周りはお構いなしだ。

 

「護衛用の鎧があったはず。バルトファルト男爵、私はそれで船の直掩に回ります」

 

「えっ!?」

 

「腕には自身があります。生徒のことは任せます。彼らを動かせるのは男爵だけです」

 

バルトファルト男爵以外、みな準男爵以下で、命令できるものはいない。ダンジョン攻略をしている生徒や魔法の得意な生徒は戦力になるはずが尻込みしている。俺は彼らをバルトファルト男爵に任せ、鎧のある区画へと走った。

 

俺はまだ知らない。この出来事が、本来の歴史(物語)が変わる"キッカケ"であるということを。




多分続きません。レイトくんが主人公の話を作成中……。


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