第一障害で後続をさらに突き放した
「よし!このまま逃げ切ってやるぜ、うおおおおおおお!!」
-先頭のドンケツシンボリー、今2コーナーを通過してバックストレッチに差し掛かります-
バックストレッチに向かって開けた
目に映る・・・なんだありゃ?
「ここからは、これらの車を引っ張って走ってもらいます。」
ずざざざざざざっ!
思いっきりヘッドスライディングズッコケを披露する
「こら!ダービーだろうが、なんで『ばんえい競馬』みたいにになるんだ!!」
起き上がって猛然と抗議するが、係員は表情を変えずに返す。
「今年から変化を付けるためにこうなりました。」
「・・・お前、1コーナーにもいなかったか?」
顔にシワを浮かび上がらせた怒りの表情で係員を睨む。インテリ然とした立ち姿に黒いスーツ、
執事のような雰囲気でこちらの一喝をスルーするその様に理解する、ああ何を言っても無駄か。
「このロープの中から一本選んでください、その先の車両を引っ張って走ってもらいます。」
大量に束ねられたロープを差し出される、その先は居並んだ大型車両に枝分かれして伸びている
なるほど、くじ引きか。
「しょうがない、かせっ!」
一本のロープをひったくって体に巻き付ける。こういう鉄人レースは初めてじゃあない、
少なくともあんな女どもにはバスやトラックなど引っ張れまい、ならば一気に引き離すチャンス!
「ぬぅんっ!!」
びんっ!とロープが張り詰める。その先にある車両は・・・
-おっとドンケツシンボリーが引いたのは・・・
「おいこら!誰だ戦車なんか混ぜた奴は!!」
思わずスピーカーに向かって抗議する
重すぎるだろ!しかもタイヤじゃなくて
そうこうしている内にも次々と他のウマ娘たちが追い付き、ロープを手にして車両を
引っ張り始める。
「う~ん・・・お、重いっ!」
「動かないよー、むーりー!」
「うらうらうらあぁぁぁぁ・・・ぜーはーぜーはー。」
が、当然の如く各バも悪戦苦闘だ。そりゃそうだ、女の力でバスやトラックを引けるはずが・・・
「げっ!?」
思わず目を見張る
引きずり始めていたのだ。どんな力だよ・・・ん?
そう、全員タイヤが回っていないのだ。ギアがニュートラルになっていないか、あるいは
サイドブレーキが解除されていないのだろう、それで引きずるってどんな力だよ。
「先輩、お先に。」
驚くワシの横を軽快に通り過ぎて行ったのは
ガルウイングを開けたままになってる、どうやらギアとサイドを抜いているらしい。
「自業自得だな、先に行くぞ
「うわ、先輩クジ運悪かったですねー。」
日野ルノー800を引いた
というかお前らだけ車が軽すぎだろ。
「みんな、中に入ってギアをニュートラルにすれば楽に引っ張れるわよ。」
げっ!
フリーにし、ロープに戻ると勢いよくバスやトラックを引っ張り始める・・・どんな女達だよ!
「おい審判!いいのかよ車の中に入ってイジっても!」
「問題ありません。」
メガネのフチを撫でながらフレームをキラリと光らせてさらっと答える係員、取り付くシマも
ないとはこのことだ。
だが、失言だったな。
勢いよく戦車に駆け上がり、ハッチを開けて中に滑り込む。こちとら何度も自衛隊や
米軍の知り合いに理不尽に訓練させられて戦車の操縦なんぞ承知の上だ。エンジンをかけ、
武器管制のシステムをオンにする。ふふふ、覚悟しやがれ・・・
ド ン ッ !!!!
ド グ ア ァ ァ ァ ァ ッ !!!
エイブラムスの砲塔が火を噴き、先頭の中川のカウンタックを粉砕する。続いて周囲にいた
バスやトラックも次々に砲撃し、片っ端から横倒しに打ち倒す。
「がはははは!戦車を侮ったなお前ら!」
ひとしきり先頭グループの車両を薙ぎ倒してから戦車を降り、ローギアに入れて微速前進する
戦車を引っ張り始める。
「あ、あのシンボリー様、いくらなんでもそれは・・・」
係員が大汗を掻きながら抗議するが、残念ながら後の祭りだ。
「シャラップ!言ったよな・・・中に入ってイジってもいいと。」
ぐぅの音も出ない係員を尻目にずんずん進む。周囲のウマ娘達もドン引きした顔で思わず
進路を空ける。
「もう!
「先輩に戦車とか、まさに鬼に金棒でしたね・・・」
破壊された車にローラージャッキを咬ませながら、いつもの
順調にトップに返り咲いた
が、後ろから鬼と化した2バが、猛然と追撃を開始する・・・
「やってくれたなぁ
「
壊れたバイクのハンドルを握って人格が豹変した
限界突破した
「げ!部長に本田。くそっ、やばいな!」
バックストレッチを走り抜け、戦車を係員に預けた
その後ろでも戦車が退場した事で、怒りに燃える無数のウマ娘たちが凄まじい勢いで
壊れた車両を無理矢理引きずってストレートを疾走してくる・・・まずい!
きびすを返して3コーナーに向かう。何ハロン何秒?知るか!そんなレースじゃねぇよ!!
にげきれドンケツシンボリー。