競バ場に轟音が響き、砂塵が舞い上がる。
ウマ娘たちが引く大型車両がバックストレッチを猛然と駆け抜ける、引っ張っているウマ娘が
見えなければ、それはバスやトラックによるゼロヨンレースにしか見えないだろう。
「「待てえぇぇぇぇぇぇっ!シンボリイィィィィ!!」」
「くそっ!なんてタフな女達だ・・・全く!!」
先頭を走る
なにより闘志あふれる折れない心に脅威を感じずにはいられない。というか戦車の砲撃を受けて
なお追い込んでくるか普通?
いち早く引いてた戦車を第3コーナー入り口で引き渡し4コーナーへ向かう。その入り口には
例によって見慣れた係員が立っていた・・・お前ら何人いるんだよ、三つ子か?んで次は何なんだ!
「ここからは大食い勝負になります。」
「おい・・・」
もはやリアクションも取れず、顔をシワだらけにして真っ白になる
ツッコむ気力すら沸かん。
「食べる列を選んで食べ進んでいってください。」
相変わらず融通の利かなさそうな係員の言葉に抗議を諦めて先を見る。なるほど
コースに沿って長机が連なるように並んでおり、その上には列ごとに違う料理や調味料が
所狭しと居並んでいる。最初から最後まで食べ進んで完食したら、ちょうどフルコース一食分に
なる感じだ。
(むしろこれはチャンス・・・さすがにあの細身の娘どもにこれだけ食べられるわけがない、ならば!)
「イタリア料理いただきっ!!」
イタ飯の列を選択した
パスタにスープを猛然とかっ込んでいく。見た目のカサの割にあっさり味で飲み込みやすい
イタ飯は大食いにはもってこいだ、伊達にバイキング王を自称していないぜ!メインの
肉料理を頬張りながら、勝ったな!という顔で後続に目をやる・・・
ぶっ!!
-おおっと、各バ一斉に追い上げに入った!ここで脚を・・・もとい腹を使います!-
なんと各列から猛然と追い上げを見せるウマ娘とやら。重そうなスィーツを次々と口に
放り込んでいる奴、ドカ量のアメリカ料理に豪快にかぶりついていく奴。べらんめぇ口調で
和食を飲み込んでいく奴、全国有名ラーメンのテーブルをすすり進んでくる小学生みたいな娘。
中でも無表情で「美味いな」とつぶやきつつ、まるで中華料理を手品のように消していく
銀髪のウマ娘は、すでにそのバ体を
「こいつら・・・どんな生き物だ・・・」
顔を引きつらせて冷や汗を流す
超人オリンピックみたいなイベントなのか・・・ここは。
「くそ、負けるか!!」
慌てて食事の戻る両津の目端に、ある調味料が目に止まった・・・これだ!
「おっと手が滑った!」
そう言って手にしたハバネロソースを各テーブルの料理にぶちまける
「ぶはぁっ!」
「かっ、かかかっ・・・辛いいぃぃぃ!」
「こっ、こんな程度・・・こんな程度おぉ・・・(涙)」
各列から上がる悲鳴の数々、各バ一斉に足を止め、備え付けの水をがぶ飲みする。
「がははは、悪い悪い。だがその腹は美貌台無しだぞ!」
行為はともかく最もなセリフではある。見目麗しい女の子たちのお腹は食べ物の詰め過ぎで
まるで妊婦のようにぽっこりと膨らんでいる・・・ゴムゴ〇の実でも食ったのかと。
足止めに成功した
・・・和菓子?
「ぐはあぁぁぁぁぁぁっ!!」
真っ赤になって口から炎を吐く
「人を呪えば穴二つ、よね。」
「さすが
列を選んだ
すり替えたのだ。ちなみに
失格となっていた。
-第4コーナー出口、各バ阿鼻叫喚です。抜け出すのは誰だーっ!?-
誰もが辛さにのたうち、腹を大きく膨らませながら最後のストレートに向かう。
さぁ勝つのは誰だ、栄光のセンターに立つのはどのウマ娘なのか!
やがて地獄のテーブルからバ群が抜け出して来る。美女美少女の群れの先頭にいるのは・・・
いまだ唯一の暑苦しいオッサンだった。
「「待てえぇぇぇぇ!」」
腹を膨らませ、たらこクチビルと化したウマ娘たちが絶叫しながら先頭の両津に迫る、いよいよ
最後の直線勝負!
にげきれドンケツシンボリー。