超昂大戦 二次創作SS  着任! ビートスナイパー・エイム、そしてもう一人の中途採用者   作:環 藍河

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※原作第2部開始前リリースの短編「戦士外伝」、および原作第1部・第6章-3「プレゼントは未来」のネタバレが含まれます。
※pixiv様にも投稿します。


前編 (元)社畜おねいさんと泣き虫男

「(うっわ〜、さすがの競争率…200人はいるかなぁ…しかも、みんな…若いっ)」

ダイビート基地、集団採用試験会場。

東剛影夢は、絶賛求職中であった。

セクハラ被害の勢いで社長をぶっ飛ばし、馘首の憂き目に遭った影夢は、酒の勢いで応募フォームを書き殴り、『なんでこうなった』半分、『めざせ好待遇』半分で採用試験に挑むところだ。

「はああ〜、アラサーおねいさんの割り込む余地って無いんじゃ…? …いやいやいや、中途採用はきっと別枠!」

泳ぐ目線で影夢は同年代を探す。

 

『普通の私ですが、たまたま適性が高くて、戦士になりました。そんな私でも頑張れたのは、長官さんや仲間たち、支えるスタッフさんがいたからです!』

長官の挨拶に続く、入隊希望者へのスピーチ映像。

「(園崎アカリちゃん…しっかりしてる、いい子だあ。アタシは戦士はナシだけど、裏方で支えられたら…なんて)」

『ダイビートがこれからも人々をたくさん助けられるよう、どうか皆さんの力を私たちに貸してください。では、えいっ、おー! です』

 

自然と会場を包む拍手の中。

 

「う…ううっ…!」

 

影夢の目に止まった男は、肩を震わせ、嗚咽を噛み殺している。さっき見つけた、中途枠競合相手と思しき一人。

「(な…なにあの人っ? ふつー面接前に感極まる? …まあ、こんだけ大勢集めれば、あたおかも一人二人はいるってモンよね…。

…いけないいけない、自分の面接に集中っ!)」

避けるように影夢は待機室へ移動する。

 

「履歴書の経歴について、皆さんに数点ずつお聞きします。」

中途採用は、確かに別枠だった。それゆえか、寄りによって、先の泣き男と一緒の集団面接。

「(ふ…フツーの受け答えでいいんだ、平常心、平常心。…あのあたおか男の巻き添えだけは、ゴメンこうむるーっ!)」

幸い、影夢の面接順は泣き男より先。

 

(…ぶはーっ、ボロ出さずに逃げ切った…よね?)

バカ正直に『福利厚生の良さに魅力を感じました! 完全週休2日、社保完備なんて、夢みたいです!』…とやったところで、本音だだ漏れの自分のみっともなさを客観的に感じたのが、逆に幸いした。さもなくばヒートアップし、「前職は社長の本番セクハラ未遂に遭って辞めましたー」「最大記録128連勤、勝手口の暗証番号が8467『やすむな』でしたー」等々、前職の愚痴ばかりになっていただろうから。

 

さて、例の泣き男。

「事務職希望ですが、ロジスティクス枠での採用はダメですか?」

「ぶ…物流は…ちょっと…」

「提出いただいた免許証のコピーに、大型・牽引と。ダイビートでは即戦力の資格ですが、それでも?」

「…すみません。ムリです。」

「もう一つ。職歴ですが、4年前の運送会社を最後にブランクのようですね。今、ダイビートを志望された動機をお聞かせください。」

「…はい、エスカ・ルビーさん…園崎アカリさんの復活を見て、自分も頑張らなきゃ…今のままじゃダメだと思ったんです…!」

 

(…えぇ〜っ…ルビーちゃんに自分を重ねるアラサー男って…? 小学生の「しょうらいのゆめ」じゃん…あれじゃ、この面接でお祈りだなぁ…)

 

お祈り。

『この度は、ご期待に添えない採否結果となりました。末筆ですが、貴方様の今後のご活躍をお祈り申し上げます』というテンプレートに代表される、不採用宣告のことである。

 

程なく集団面接終了、選考漏れで帰途に就く人波。

広くなった待合室に残り、最終の個別面接を待つのは、影夢と…泣き男。

「(…げっ、嘘っ!?)」

影夢は後順となり、一人残される。

(わ…わからんっ! ダイビートの選抜基準ってどこーーー!?)

 

「全体説明で挨拶したが、改めて。ダイビート長官の戦部トキサダだ。」

「はい、よろしくお願いします…。」

「俺からの質問は2つ。4年前の退職の経緯と、ダイビートで働く理由だ。…贖罪か?」

…観念し、男は自らの咎を吐露する。

 

「…トレーラーで、人を、女の子を、巻き込みました…」




おばんです、作者の環 藍河です。
ギャグ一本勝負の「最強化計画」延長戦がまだのところ恐縮ですが、先にこちらの第4弾「中途採用枠」短編をお届けします。

いやー、原作未出のオリキャラ、出してしまいました。とはいえ、未出の必殺技は処女作でさんざん出してしまったので、今更純血主義もないモンですが。(そもそも、台詞が無いだけで、ちゃんと回想に出てるキャラなんですけどね。)
果たして、彼の正体は…!? 
今からでも6-3「プレゼントは未来」、全うららが泣いた名エピソード、読んでいただくと楽しいかも、です。
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