超昂大戦 二次創作SS 着任! ビートスナイパー・エイム、そしてもう一人の中途採用者 作:環 藍河
※pixiv様にも投稿します。
「(うっわ〜、さすがの競争率…200人はいるかなぁ…しかも、みんな…若いっ)」
ダイビート基地、集団採用試験会場。
東剛影夢は、絶賛求職中であった。
セクハラ被害の勢いで社長をぶっ飛ばし、馘首の憂き目に遭った影夢は、酒の勢いで応募フォームを書き殴り、『なんでこうなった』半分、『めざせ好待遇』半分で採用試験に挑むところだ。
「はああ〜、アラサーおねいさんの割り込む余地って無いんじゃ…? …いやいやいや、中途採用はきっと別枠!」
泳ぐ目線で影夢は同年代を探す。
『普通の私ですが、たまたま適性が高くて、戦士になりました。そんな私でも頑張れたのは、長官さんや仲間たち、支えるスタッフさんがいたからです!』
長官の挨拶に続く、入隊希望者へのスピーチ映像。
「(園崎アカリちゃん…しっかりしてる、いい子だあ。アタシは戦士はナシだけど、裏方で支えられたら…なんて)」
『ダイビートがこれからも人々をたくさん助けられるよう、どうか皆さんの力を私たちに貸してください。では、えいっ、おー! です』
自然と会場を包む拍手の中。
「う…ううっ…!」
影夢の目に止まった男は、肩を震わせ、嗚咽を噛み殺している。さっき見つけた、中途枠競合相手と思しき一人。
「(な…なにあの人っ? ふつー面接前に感極まる? …まあ、こんだけ大勢集めれば、あたおかも一人二人はいるってモンよね…。
…いけないいけない、自分の面接に集中っ!)」
避けるように影夢は待機室へ移動する。
…
「履歴書の経歴について、皆さんに数点ずつお聞きします。」
中途採用は、確かに別枠だった。それゆえか、寄りによって、先の泣き男と一緒の集団面接。
「(ふ…フツーの受け答えでいいんだ、平常心、平常心。…あのあたおか男の巻き添えだけは、ゴメンこうむるーっ!)」
幸い、影夢の面接順は泣き男より先。
(…ぶはーっ、ボロ出さずに逃げ切った…よね?)
バカ正直に『福利厚生の良さに魅力を感じました! 完全週休2日、社保完備なんて、夢みたいです!』…とやったところで、本音だだ漏れの自分のみっともなさを客観的に感じたのが、逆に幸いした。さもなくばヒートアップし、「前職は社長の本番セクハラ未遂に遭って辞めましたー」「最大記録128連勤、勝手口の暗証番号が8467『やすむな』でしたー」等々、前職の愚痴ばかりになっていただろうから。
さて、例の泣き男。
「事務職希望ですが、ロジスティクス枠での採用はダメですか?」
「ぶ…物流は…ちょっと…」
「提出いただいた免許証のコピーに、大型・牽引と。ダイビートでは即戦力の資格ですが、それでも?」
「…すみません。ムリです。」
「もう一つ。職歴ですが、4年前の運送会社を最後にブランクのようですね。今、ダイビートを志望された動機をお聞かせください。」
「…はい、エスカ・ルビーさん…園崎アカリさんの復活を見て、自分も頑張らなきゃ…今のままじゃダメだと思ったんです…!」
(…えぇ〜っ…ルビーちゃんに自分を重ねるアラサー男って…? 小学生の「しょうらいのゆめ」じゃん…あれじゃ、この面接でお祈りだなぁ…)
お祈り。
『この度は、ご期待に添えない採否結果となりました。末筆ですが、貴方様の今後のご活躍をお祈り申し上げます』というテンプレートに代表される、不採用宣告のことである。
程なく集団面接終了、選考漏れで帰途に就く人波。
広くなった待合室に残り、最終の個別面接を待つのは、影夢と…泣き男。
「(…げっ、嘘っ!?)」
影夢は後順となり、一人残される。
(わ…わからんっ! ダイビートの選抜基準ってどこーーー!?)
…
「全体説明で挨拶したが、改めて。ダイビート長官の戦部トキサダだ。」
「はい、よろしくお願いします…。」
「俺からの質問は2つ。4年前の退職の経緯と、ダイビートで働く理由だ。…贖罪か?」
…観念し、男は自らの咎を吐露する。
「…トレーラーで、人を、女の子を、巻き込みました…」
おばんです、作者の環 藍河です。
ギャグ一本勝負の「最強化計画」延長戦がまだのところ恐縮ですが、先にこちらの第4弾「中途採用枠」短編をお届けします。
いやー、原作未出のオリキャラ、出してしまいました。とはいえ、未出の必殺技は処女作でさんざん出してしまったので、今更純血主義もないモンですが。(そもそも、台詞が無いだけで、ちゃんと回想に出てるキャラなんですけどね。)
果たして、彼の正体は…!?
今からでも6-3「プレゼントは未来」、全うららが泣いた名エピソード、読んでいただくと楽しいかも、です。