東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World. 作:ぽよい
ようこそティバニー
バス旅は一旦中断して町へと戻った。ちょうど次の目的地も見つかったようで、早速スキマへと飛び込んだ。
出た先は見たこともない巨大遊具が並んだ公園だった。出入口は入場券の自販機と一体化している。また、鎧戸で閉じられていて、向こうへくぐることはできなくなっている。まあ飛べば問題ないだろう。というか、この出入口の高さを圧倒的に超える遊具ってのも凄いな。さらに公園の出入口にはマッチョなネズミの巨大な像が立ち、中央にはデゼニーキャッスルと書かれた大きな城が建っていた。これが所謂遊園地ってヤツか。出入口の前の片隅には飲み物の自販機がある。幻想郷のものと比べると小型であり、仕組みも違うと思われる。壊れていて、軽く蹴ると缶が出てくる、何故か全部コーラの缶だ。コーラは飲んでも大丈夫そうだ、生ぬるいが。
コーラを飲んでいる私を見たカービィが食い意地(飲み意地の方が正しいか?)を張って自販機ごと吸い込んでしまい、自販機の形に変形してしまった。どっから突っ込めばいいのかこれ。カービィは飲み物欲しさに頬張ったままジタバタ暴れだし、缶を凄い勢いで吐き出した。いや、吐き出したみたいに見えるけど表現間違っているな、まあいいや。その缶は弾丸のように鋭くまっすぐに飛び、出入口の鎧戸に突き刺さった。炭酸のせいなのか衝撃が強すぎるのか、その缶は炸裂した。これ攻撃としてはかなり強いな。これを見たバンダナワドルディは乗り気になり、「このまま缶ショットでゲートを破壊しましょう!」と言い出した。やれやれだぜ、ショット缶の方が技名としてはカッコいいだろ、まったく。
破壊され、コーラでベタベタになった出入口から遊園地に入ると、洋風な商店街が出迎えてくれた。どうもこの遊園地は入場後も金を毟り取る気満々のようで、ボロボロになっているが様々な商品が置かれている。お店の中はボロボロの服を布団代わりに動物達が休んでいたり、食べ物がある店では明らかに駄目になった食べ物を貪る動物がいたりするが、どれも夢中な様子で襲っては来ない。念の為レーザーでぶちのめしておいたが。本当にこれ遊園地なのかと疑いたくなるが、この商店街を抜けた先には確かに巨大な遊具がある。
ん?カービィとバンダナワドルディが居ない。まさかこんな早々に迷子になっちまったか?いや、後ろを振り向いたらちゃんとアイツら居たわ。どうもあのコーラに集る蟻の行列が気になるらしい。というかカービィは自販機頬張ったままかよ。仕方がないので声をかけて急かし、商店街を出た。
中央の開けた場所は元々は花壇だったと思われ、その向こうにデゼニーキャッスルが建っている。入って右側は近未来的な作りになっており、逆に左側は野蛮で原始的な雰囲気を醸し出している。遊具らしい遊具は奥にしかないのが気になるが。案内板を見るとここでは遊具のことをアトラクションと言うようで、様々なアトラクションが写真付きで紹介されている。ボロボロでよくわからないが。所々犬や猫が徘徊しているが、密度はあまり高くないので簡単に蹴り飛ばして進めるだろう。とりあえず右側から回ってみるか。
まず最初に出会った遊具は、いや、これ遊具なのか?建物だよな。スターライナーというアトラクションらしい。アトラクションだと言い切っている以上、この建物は遊具なのだろう、うん、そう思うことにしよう。流石に外の世界の娯楽は今になっても理解できん。建物の中には座席とボロボロの謎の眼鏡があるだけだった。いや、座席を見るとかなりの機械仕掛けだ。眼鏡の方も機械仕掛けである。もしかしたら幻覚かなにかを見て楽しむというものなのだろう。そして、その映像に合わせて座席が動くというわけだ。要はただの映画だな。やっていることはまるで魔法だが、外の世界では科学が常識。ここまで発展すると魔法と科学は区別がつかないのかもしれないな。とりあえずこの面白そうな眼鏡はいくつか持ち帰るか。武器屋ワドルディも喜ぶかもだし。状態が比較的良さそうなものを探していると、座席の裏側で怯えて震えているワドルディを見つけた。コイツも回収だな。落ち着かせるために、カービィに手加減した缶ショットを撃ってもらい、そのコーラを飲ませた。「頬張ったままなのが役に立ったね!」とバンダナワドルディは言っていたが、実はこの建物に入るときに近くに自販機あるの見ちゃってるんだよな。
この建物を出て、隣の別の建物に入った。このアトラクションはスターシューター。先程より圧倒的に大きな建物だったが中は狭く、謎の乗り物と光線銃が置かれていた。よく見ると乗り物の下は線路になっている。この建物は中が狭いんじゃなくて、乗り物の道のせいで入り組んでいてそう見えるだけのようだ。乗り物は錆付いていて使い物にならず、光線銃は電池で動く無害な玩具だった。もちろん故障しているが、役に立つかもな。これも貰っておこう。
「カービィ、自販機を吐き出せ。もしかしたらこの奥にワドルディがいるかもしれないし、一回この線路を走ってみようぜ。」
「んあうー!」
頬張ったまま返事をして自販機を吐き出し、今度は謎の乗り物を頬張ってしまった。車を頬張ったときみたいだな。カービィはそのまま線路に沿って走り出し、私達を置き去りにして奥へ行ってしまった。
それからしばらくすると、カービィは一人のワドルディを乗せて帰ってきた。