東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World. 作:ぽよい
ワドルディは神様だ。何故なら…
人間の里と魔法の森の間、人間も妖怪もほとんど寄り付かない位置に建てられた店へと歩いて向かう。一応ワドルディの町からバスで5分と掛からないのだが、時刻表を見ると次の香霖堂方面のバスが30分後だったので歩いた方が早い。ついでに言うと家に着替えを取りに行きたいというのもある。
香霖堂の前に付くと、店の中は異様に賑やかな様子である。普段は賑わうなんてことあり得ない店なんだが、こうなってくるとなんか怖い。恐る恐るドアを開けて店へと足を踏み入れた。店主の霖之助がドアの開く音に反応した。
「いらっしゃ…なんだ魔理沙か…店に来るのは久しぶりだね。」
「全く、相変わらず失礼なヤツだな香霖は。で、なんでワドルディが居るんだ?」
店には何人かのワドルディがいた。コイツらで賑わっていたのか。コスプレ衣装を色々試すワドルディや、外の世界で使われていたと思われる道具を色々見て回るワドルディ、陶器や置物をじっくり眺めるワドルディ。そして非売品コーナーは他よりもワドルディが集まっていた。非売品コーナーにはレアストーンが飾られているな。
「最近客が増えてね、ワドルディ景気ってヤツだ。中には人里で家政婦をやっているワドルディがここに来ることもしばしばあるよ。因みにそこの黄色いワドルディは僕のところのワドルディだ。客じゃない。」
霖之助は道具の手入れをしている黄色いワドルディを指差した。ワドルディは一人一人微妙に色が違うのは気がついていたが、今まで見てきたワドルディは正直その微妙な色の違いで見分けがつけられなかった。あそこまで黄色いワドルディを見るのは初めてだ。だが、それより突っ込みたいことがある。
「それって、人里に店を開いていたらワドルディが居なくても繁盛したってことだよな…」
「それを言われると参るな。」
霖之助は困ったような笑みを浮かべた。
「ああ、それより服を仕立て直して貰おうと思ってたんだ。ボロボロに焼けちゃってさ。」
ボロボロの服と帽子を取り出してお代と一緒に霖之助に渡した。
「実験の失敗でもしたのかい?」
「いや、何て言うか、爆発物の取扱いを間違えちぇまったんだ。魔法の森で爆発させてたらここ一帯まで今ごろ火の海だったぜ。」
「それは恐ろしいな…じゃ、また後で来てくれ。夕方までには直しておくよ。ああ、それとこれを君にあげるよ。」
そういって缶詰めを手渡してきた。何だこれは?
「そいつはロシアで実際に使われていた、レーションという戦場で食べる保存性の高い栄養食だ。外の世界では何度か戦争があって幻想郷も巻き込まれただろ?その時の代物だ。とても外の世界の技術が使われているとは思えない味だが、賞味期限はただの飾りだから永久保存できると言っても過言ではないぞ。しかし、物好きなワドルディにすら売れないから大量に拾ったのを後悔しているんだ。一つぐらい貰っていってくれ。」
どうやら不味い食べ物らしい。外の世界の人間は何でそんな不味い食べ物を保存食にしていたんだ?コーラを作った人間とレーションを作った人間は同じ外の世界の人間なのか?
「ああ、じゃアイツが気に入ってくれたらまた貰いに来てやるよ。ついでだから冷たいコーラを3つ売ってくれ。」
カービィは得体の知れない物を拾い食いするようなやつだ。よっぽどのことがない限り喜んで食べるだろう。
「うーん、瓶のは一つしかないな。ペットボトルや缶のコーラなら沢山あるんだが。ところでアイツって誰だ?」
霖之助は了解も無しに瓶1本とペットボトル2本を渡してきた。
「ワドルディ達にとっての
「うん、聞かなかったことにしよう。」