東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World. 作:ぽよい
「何だこのまがま…が…し…何があったんだ?」
眼の前の光景に気が抜けてしまった。まじで訳がわからない。先程の禍々しい気配の正体はどう考えても泡を吹いて気絶している兎だ。服装からして玉兎で間違いないだろう。そして檻に捕らえられたワドルディは何故か和傘っぽいものを持っている。
「カービィさぁん!早く起きてぇ!檻を壊してよぉ!」
「うー、Zzz…」
「誰かこの状況を説明してくれ。」
「ボクが説明するよ。突如カービィの前に捕らわれたワドルディと操られたウサギが現れたんだ。カービィはワドルディを助けようとしたんだけど…捕らわれたワドルディは凄腕のパラソル使いで、檻の隙間から傘を突き出して攻撃してウサギを倒したんだ。そのせいでカービィは敵の気配を見失い、ワドルディを檻から出す前にまた眠っちゃったっていうわけ。スリープは本能に身を任せる能力だから本能にクる何かがないと動かないんだ。」
なるほどわからん。
「まあ、だから檻のなかにクッキーを入れてやると…」
バンダナワドルディは何処からかクッキーを取り出し、カービィの目の前で軽く振ってからワドルディが捕らわれている檻の中に入れた。するとカービィは眠ったまま檻の方に歩き、クッキーを食べようとした。当然檻のせいで食べられないので、カービィは枕を高く掲げ、ハンマーのように檻に向かって振り下ろした。檻は跡形もなく砕け、ワドルディは脱出に成功。カービィはクッキーを食べると再び倒れ込んだ。カービィは食べ物で簡単に操れるようだ。一歩間違えば恐ろしいことになりそうな気がするが。
「やった、檻から出られた!ありがとう!ん?あれば闘技場?じゃあボクはアレに参加してくるね!カービィさんにリベンジしたいから、暇があったらカービィさんも是非一緒に!では!」
闘技場を見つけると一目散に受付に走っていった。バーサーカーかよコイツも。
「で、この玉兎どうするんだ?」
「異変が解決しないと月に送り返せないわ。特殊な方法で地上にきたみたいだけど同じ方法で戻れなくなってるし。操られてたみたいだから心配だわ。」
と紫が震えた声で言うと、隠岐奈は
「いや、心配しなくていいぞ。気絶して洗脳は解けてるみたいだ。洗脳が解けてすぐ無意識に波長を操ってレジストしているし、放置でも問題無いだろう。それに玉兎なら首の骨折も大した事ないだろう。」
と返した。てか首折れてるのかよ。まあ、骨折っていってもペキッて完全に折れている訳では無さそうだが。
色々あったが、それからスキマで再び火山地帯へと送ってもらう。前に狼と戦った位置には、派手に爆発してできた窪みに溶岩が溜まっているのが見える。あんなものまともに喰らってたらヤバかったな。場所が場所だからクラッシュより危険だっただろう。そして焦げた獣肉が散乱している。狼の肉は上質で美味しいという話も聞くが、焦げ肉になってしまっていては…おいカービィ、そんな焦げ肉を食べようとするな!バンダナワドルディも真似して食べるなよ!ほら見ろバンダナワドルディ、そんな苦そうな顔して…カービィは平気そうだな…しかし綺麗に骨だけ残ったクラッシュと骨も肉もバラバラに砕け散ったボム、可哀想なのはどちらなのだろうか。
それからしばらく奥へと進む。カービィは寝苦しそうな様子を見せないので、スリープはどんな環境でも快適に眠れる程度のコピー能力らしい。そのままこの熱さに慣れて、コピー能力無しでも正常に動いてくれると良いが。さらにしばらく進むと大きな工場が不自然に稼働するのが見えてきた。しかしその前にまたあのやぐらだ。面倒だな畜生!やぐらの上の狼が遠吠えをすると、不吉なことに地震が発生した。遠吠えで呼ばれた狼も慌てた様子であった。