東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World. 作:ぽよい
Lab Lotus-Land ~ 桃源郷への片道切符
「ワドルディ達、仲間が集まってる安全な場所があるんだが、行くか?」
「な…ならそこに行き…」
「いえ、こうなったら着いていきます!捕らわれたワドルディ達の避難指示ぐらいなら役に立てると思います!」
「え…?ちょっとドラ…」
「よし、なら着いてこい!」
不気味なアナウンスが流れるラボを皆で駆け抜ける。ノイズだらけで一体何を言っているのか分からない。ある程度進むと階段が見えてきた。恐らく上の階だな。
「おっとっと、この階段、老朽化が酷いですね。危うく落ちるところだった危ない危ない。でもこれじゃ先に進めないですね…」
「何言ってんだ、私は飛べるんだぞ忘れたのか?」
あの時飛ぶ前提で私の頭によじ登ったのはどこの誰だっけなあ?そんなこんなでカービィとワドルディ達を連れて飛び、不気味な広い部屋にたどり着いた。奥には気持ちの悪い何かが巨大なカプセルに閉じ込められてホルマリン浸けみたいな感じで飾られている。
誰かが声を上げた。この声の主は黒幕だろうか?
「美しいであろう…招かれざる者達よ。だが、このお方はまだ完全なお姿ではない…片割れを失っておられるのだ。かつて、この地に住んでいた者達はこのお方からキセキの力を授か…り…?
何故ここに人間が居る!キセキの力を授かって夢の大地へと飛び立ったのではないのか!?」
声の主は人語を話すライオンだった。何故人語を話せるのかは不明だが…
「ああ、知らなかったんだな私達のことを。ま、そんなことどうでもいいさ。お前をブッ倒して帰るだけだしな。あと私は人間じゃないぜ。人間辞めちゃった魔法使いだからな!」
先手必勝でマスタースパークフローズンを放つ。外の世界で威力が落ちているとはいえ、今度こそ寒さに弱い動物の筈だ。ライオンなんか初めて見るから実際のところは知らんが。ライオンは攻撃を避けようとしたが後ろ足にかすり、凍傷を負った。
「なんか操られていたデデデ大王様より弱そうですね。先手必勝が効いたのもありますけど。」
後ろ足の痛みで怯んでいるところにバンダナワドルディの槍の雨が降り注ぐ。トドメと言わんばかりにカービィがハンマーを投げつけて攻撃、ライオンの横腹にクリーンヒットした。ライオンが大きな悲鳴を上げた後、様子がおかしくなった。変な呻き声をだし、白目を剥いて襲いかかって来たのだ。いくら攻撃しても怯む様子もなく、傷だらけで骨もバキバキに砕けた状態で、例えるならゾンビだ。
「さっきと様子が変わった!?」
「多分このライオンも大王様みたいに操られているんだ!きっとあのカプセルの中の化け物に!」
「こうなったらカービィ、カプセルを破壊しに…あれ?お前コピー能力はどうしたんだ!?」
「多分トドメだと思ってハンマー投げつけていたからその時に…」
後ろに隠れているワドルディ達が表に出てきた。
「どうしよう!カービィさんがコピーできそうなものこの辺にあるかなあ?」
「あっ、あの…耳当てとかヘッドフォンとかって…人数分あります?あ、ボクは一つしか持ってないです…」
「ヘッドフォンが丁度2個あるよー。」
「ボクも予備で余分に持ってきてるからそれ使えば足りるけど…」
「よかった…か、カービィさん…これを!」
「ギター、ほんとそれどっから出しているんだよ…」
「ツッコミ入れてる場合じゃないよー。みんなー、これを付けてー!」
カービィにはギターが、私とバンダナワドルディには耳当てが飛んできた。なんかもう、この時点で嫌な予感が…
カービィがギターを吸い込むと、物凄い酷い声で歌い始めた。耳当て無きゃマジで死んでたなこれは…声が直接骨に響く…って、建物が崩壊し始めている!?脱出口はどこだ!?こんなタイミングでスキマ開いたらこの声が町に流れて大変なことに…
こうして私達全員は瓦礫に埋もれてしまった。
瓦礫から顔を出すと、まだカービィは歌っていた。うん、出る前から知ってたけどさ…トラウマになりそう。クラッシュの方がマシだ。気分が最悪で顔を伏せてしまう。
「ぽよ~♪…はえ?しゅん…」
カービィはこの惨劇を見て、落ち込んだ様子でギターを吐き出した。カービィにとってはいい歌を歌っていたつもりなのだろう。バンダナワドルディとワドルディ達が瓦礫から飛び出てきた。
「流石にここまでやればあのカプセルも大惨事でしょうね。念のため確認しておきましょうか?」
「いや、そんな呑気なことしている場合じゃ無さそうだぞ!」
バンダナワドルディは一件落着したと思って喜びの声を出す。しかし実際は何も解決していない。何故なら、デデデ大王は居なくなり、狼達が私達の方に迫ってきているからだ。
「捕らわれたワドルディ達が瓦礫に埋もれている筈だ。これは仲間のいる場所に繋がる魔法の紙切れだ。投げれば発動する。」
「それで避難させればいいんですね、分かりました。行くよ!ギター!ベース!」
「は、はい…」 「オッケー!」
さて、この状況、どう打開すべきか…