東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World.   作:ぽよい

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キュービィ:ハコボーイ!の主人公。カービィとは作品の垣根を越えての友達である。箱型の生命体でハコを出して攻撃を防いだり、足場を作ったりと色々できる。カービィの真似事をコッソリしており、その姿を毎回カービィに見つかっている。かと思えばカービィもキュービィの真似事をたまにしていたりする。


ロータス・ビオン

先程の戦いで気が付いたことがある。エフィリンがボスが現れる直前まで魔理沙の魂の気配に気が付けていなかったんだ。これはつまり、散らばっている魂の他にエフィリスの管理下にある魂が存在するということなのだろうとボクは考えている。ボスは魂を利用して作られた幻影だから、それを産み出すために一定数管理下に置くというのは妥当だと思う。そして全てを管理下に置かないということは、ある程度集まると不都合があるということなんじゃないかな。紫が言っていた通り、全て集めなくても問題ないかもしれないね。今後も都合の悪いタイミングでボスが現れる可能性が高いから気を付けないといけないなあ。

 

ワープスターで次のエリアの建物に突っ込む。今度はやたらゴミだらけで汚い海とそこに浮かぶ人工の島、島に建つ工場で人々が働いている。またあの時みたいに武装されたら厄介…という程でも無いがカービィと一緒に先手必勝で幻影を処理していく。罪のない人々を殺してるみたいな感じでなんかイヤだな…カービィは全然躊躇してないけど…

 

カービィは誰に対しても心優しく、困った人を放っておけない、正義感の強い性格だ。正義感よりも食欲の方が上だけどね。そんな思いやりのあるカービィからは想像もつかないかもしれないけど、ピンクの悪魔と恐れられている。恐れられる要因は狂気的な食欲や単純な戦闘能力の高さもあるが、一番はやはり思いやりとは正反対の冷酷さだろう。ボクがまだか弱かった頃、大王様の命令でカービィの前に立った時はなんの遠慮もなくフルボッコだドンにされちゃったからカービィのあまりにも意外な冷たさは身が凍みて二度と融けない程に分かっている。カービィは邪魔な位置に誰かが居れば本当に容赦はしない。カービィの真っ直ぐ過ぎる優しさと正義感と食欲がカービィ自身の視野を奪い、遠慮というものを忘れ、後先考えずに行く手を阻むモノは全て破壊してしまう。例えそれが味方だったとしても。大王様がそれで何度酷い目に遭わされたか…カービィがイヤな感じのこの戦いに躊躇が一切ないのもこのため。ある意味では、そう割り切れるカービィが羨ましい。ボクはいつも遠慮してしまうから…もしそれがなかったら、あの時ボク一人でも、ゴリラに捕まったワドルディ達を…

 

「ぽよっ!!!」

 

耳元で風が斬られたような音が幻影の断末魔と共に聞こえた。

 

「ぽよっ、ぽよぽよっ!」

 

カービィは少し怒ったような、ホッとしたような、それでいて心配そうな、そんな複雑な表情だった。

 

「ごめんごめん、こんな時にちょっと、ボーッとしちゃって…疲れているのかなあ…」

 

エフィリンもげっそりした表情になっていた。

 

「ボクもなんか気分が悪いんだ、このエリア、すごく空気が汚れているみたい…あまり長居しない方が良さそうだけど、結構な数の魔理沙の魂があるみたいなんだよね。あ、ベルトコンベアに乗って流れていく魂があるよ!」

 

エフィリンの指差す方向にはベルトコンベアに運ばれていく段ボール箱がいくつかあった。デザイン的に食べ物を詰めた箱っぽい。エフィリンがピンポイントで指している真ん中あたりの、あの箱に魔理沙の魂があるのだろう。カービィは長いソードを更に伸ばして箱に突き刺し、手元に手繰り寄せた。そんな使い方もあるのか、なるほどなあ。箱をソードから外して中身を確認すると、半球体という不自然な形の魔理沙の魂が…カービィがそっぽを向いているんだけど…え?まさか…え?いや、魔理沙の魂は不死らしいのできっと問題ない筈だ、うん、そう信じよう。

屋外へ出ると、巨大なサメやら迷いイルカやらが油の浮いた海で泳いでいた。実際に過去のこの星がこうだったのなら本当に海の生き物達が可哀想で仕方がない。

 

「あのお魚さん達、魔理沙の魂でできてるみたいだっ!でもどうやって戦えば良いんだろう?流石にこの水に飛び込むのはダメだよね…」

 

「汚染が酷いから…ね…?そうだ、汚染だ!もっとヤバいモノで汚せばまとめて倒せる!どうせ夢だし元から汚れてるんだからいくら汚しても問題ない筈だ!何か毒物があれば良いんだけど…」

 

例の携帯通信機から紫の声が聞こえる。何か知っているようだ。

 

「毒物が欲しいなら工場に確実にあるはず。食品工場みたいだし、ほぼ確実に添加剤が見つかるわ。添加剤の大半は毒物だから倉庫を探しなさい。万が一添加剤が見つからなくても、最悪工場廃液のフィルターやタンクに毒物が溜まってる筈だから。もしかしたらそっちの方が確実かも?」

 

「なるほど、ありがとう!」

 

確実だとは言われたが廃液に近付くのはイヤなので、先にこの工場の原料が置かれている倉庫を見つけ出し、そこに入った。肉やら塩やら野菜やら調味液やら色々見つかった。カービィ、食べている場合じゃないぞ…ダメだ、このエリアの汚れた空気と合わさって見てるだけで胃もたれしそうだ…カービィが食事に夢中なのを横目に添加剤とかいう毒物を探していると何かよく分からない粉が入った大きな袋が見つかった。ナンとか…3…K…?よく分からない文字の羅列が書かれているが…他と明らかに雰囲気が違う原料だ。これが添加剤で間違いないね。これをわざわざ食品に使うってことは毒性は弱く、何かしらメリットがあるってことかな…まあ、なんでもいいや。

 

「カービィ!これをコピーして!」

 

カービィが粉の入った袋を吸い込むと、ポイズンをコピーした。強力な汚染物質の入手は成功だ!

 

「よし、カービィ、海に毒を吐いて海中の敵を全滅させよう!」

 

カービィの毒は普通じゃないので完全な耐性を持つことは不可能だ。毒にどれだけ強くてもカービィの毒に少しでも触れればダメージを負うことになり、それが蓄積すれば倒れてしまうんだ。だからきっと幻影相手にも有効なはず。

カービィの毒で更に酷く汚れた海では狂暴だった幻影が次々と倒れ、魔理沙の魂が出てきた。魔理沙の魂はボク達が持っているモノと反応し、自ら集まってきてくれた。

 

「だいぶ集まってきたねっ!このエリアの魂はこれで全部だよっ!ボスがまた急に出てくるかもだけど…」

 

「全体の3割ほどってところかしら。今のところは順調ね。」

 

ボク達は次のエリアに向かうため、ワープスターを呼び、乗り込もうとした。しかしそのタイミングでボスが現れた。ウィスピーウッズ!?まさかボク達の記憶も読まれてしまっているのか?

しかし植物に猛毒は厳禁だ。幻影とはいえ簡単に弱点を突けるぞ!

 

「カービィ、行くよ!ボクが降ってくるリンゴやゴルドーを防ぐから、背中はボクに預けて毒まみれにしちゃって!」

 

カービィはウィスピーウッズの体力を一気に削った。しかし猛毒に侵され瀕死のウィスピーウッズはボク達を吸い込もうとした。とっさに槍を地面に突き刺し、カービィの手を掴んで何とか凌いだ。吸い込みで疲れきったウィスピーウッズにトドメを刺して魔理沙の魂を回収し、ワープスターで次のエリアを目指した。

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