東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World. 作:ぽよい
ロータス・ランド
池を渡りきると歪な建物が現れた。向こう側からは見えなかったんだが…カービィは一切躊躇せず、びしょ濡れになった身体を震って水を飛ばしながら建物へと入っていった。
それでは ご覧ください!
それではご覧ください!
それではご覧ください!
陽気な音楽を奏でようとする壊れたオーディオプレイヤーのような雑音と頭脳は大人な人の声が響く。エフィリンが極端な反応を見せ、ただでさえ全身が青いのにそれ以上に顔を真っ青にして震えていた。黒幕の片割れが黒幕と同じ記憶を持っていることに違和感はないが、この反応はまるで…
つまりここはアイツの心の傷が具現化したエリアと言って差し支えないだろう。不気味でノイズだらけの狭い一室の向こうに光が差し込んでいる。その光の向こうには戦いの気配があるが、先に戦っていた仲間たちの魔力は僅かしか感じられない。カービィはその光へと進んだ。私達も後を追う。
光の向こうには満身創痍のアリスとパチュリーにトドメを刺そうとする私の肉体があった。カービィは慌てた様子になったが足元にパチュリーが使っていたと思われる魔道書が落ちていることに気がつくとそれを私の肉体に向かって投げつけ、コピー能力の力でそれを爆破させた。私の肉体は背中側からノーガードで爆風を喰らい、バラバラに砕け散り魂が剥き出しになった…があの野郎の支配下にある私の肉体は、肉片になっても支配が解けてなかった。肉片はアイツの魂に向かって集まり再生し、そしてこちらに注意を向け、襲いかかってきた。なんとか二人がやられる前に助けることはできたが…このままでは根本的な解決はできない…何より今のコピー能力では効率が悪すぎる。
「カービィ!フランを吐き出せ!もっとこう、連続攻撃が得意なコピー能力とか無いのか?あるいはアイツの魂ごとやれるようなヤツとか?」
カービィはフランを吐き出してコピー能力を捨て、アイツの攻撃を避けながらパチュリー達の方へ走り出した。巻き込んだら不味いんだが、何か考えがあるのだろうか…
「カービィ、アイツあの二人を食べる気ね。ポリポリ…」
カービィから吐き出されたフランはポリポリと美味しそうな音を立てながら…何でフランの手がそんな酷く爛れてるんだよ、お前それ何喰ってんだ…炒り豆か…?吸血鬼がマジで炒り豆喰ってんのか…?
カービィはフランの言う通り、パチュリーとアリスを一遍に丸呑みにした。確かにカービィの体内なら安全だが…変わった格好になったな。七色に変色する魔方陣を背負い、頭には開いた魔道書を屋根みたいに乗せている。カービィは薄く、先端が鋭くとがった魔法石を私の肉体に投げつけて攻撃した。
「二人同時に呑み込んだ時、先に口に入った方の能力をコピーするみたいだね。」
「アリスをコピーしたら、確かマリオネットボムになるからな。でもあれはマリオネット要素もボム要素もない初めて見る能力だ。」
「さて、援護に入ろうかな。食べ物天国も炒り豆地獄ももう飽きたし。」
「お前炒り豆喰ってたもんな…吸血鬼の癖に…」
カービィの属性魔法とフランの破壊行為により、私の肉体は跡形も残らず消えてしまった。カービィとフランは剥き出しの魂に襲い掛かろうと、踏み込んだ。まさか、自分の肉体があんな惨い事になるのを第三者目線で見ることになるとは…