東方新天地 〜 Forgotten Memories in the New World.   作:ぽよい

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新天地での咲夜とレミリアの設定:咲夜は既に寿命を迎えている。そのため、残されたレミリアは咲夜の代わりを探し、一人のワドルディを拾う。代わりを見つけても心に空いた穴は全く埋まらない。


番外編 レミリアとワドルディ
赤より黄色い嘘


ボクはワドルディ。ごく普通のワドルディだったけど、ナゾの渦の向こう側の世界、幻想郷と呼ばれる場所で“十六夜咲夜”の名を貰い、不思議な毎日を送ることになったんだ。これはそんなボクの物語………

 

 

「イテテ…ここ、何処だろう?」

 

気がつくととても大きな池(ワドルディサイズだと非常に大きく見えてしまう)のそばにいた。池には日の出が映り始めていた。上を見るとナゾの渦があったが、すぐに消えてしまった。当分の間、帰ることはできなさそうだ。池とは反対側を見るととても大きな赤い建物がある。デデデ城5個分ぐらいの大きさだ。門もとても大きい。巨人でも住んでいるのかな?と、門の横で大きな人が眠っていた。巨人とまではいかないけど、とても大きい。起きているなら話しかけて色々聞きたいけど、眠っているところを邪魔するのは良くないかな。

そんな事を考えていると、後ろから誰かに抱き上げられてしまった。白っぽいドレスに薄紫色の髪の人だ、こんな時間なのに日傘をしている。門の横で寝ている人に比べれば背は低いが、それでもとても大きな人だった。どうもこの世界ではあのぐらいのサイズがデフォルトみたいだ。彼らからするとボクみたいな人は小動物感覚なのかな。

 

「ボクをドコへ?どうするつもりなの?」

 

と聞いてみると、

 

「“ボク”はダメよ。“私”と言いなさい。貴女の名は“十六夜咲夜”。今日からそう名乗りなさい。」

 

と、何処か悲しげな声で話した。直接の質問の答えは無かったけど、これはきっと、そういうことなのだろうと察した。その人はボク…私を抱えたまま赤い建物の中に入っていった。

 

私を拾ったのはこの赤い館の主であるレミリアお嬢様だ。私には広い一室、対吸血鬼用の戦闘道具一式、そして壊れた懐中時計が与えられた。与えられた道具は銀製であり、丁寧に手入れされていたが、汚れてもいないのに、まるで吸血鬼と戦った直後かのように黒ずんでいた。

ここでメイドとして働くことになった。制服はまだ用意できていないらしいが、すぐにでも支給されるようだ。やること自体は大王様のもとで仕えていた時と変わらないのだが、対吸血鬼用の道具やら壊れた懐中時計やら…この館に吸血鬼でも襲ってくるのだろうか?聞きたいことは山積みだが、肝心のお嬢様がまるで吸血鬼のように、こんな時間に眠り始めてしまったため、どうしたらいいのか…

仕方がないのでその辺を歩いていたメイドを捕まえて、館内を案内してもらうことにした。なんか外から見るよりも明らかに広い気がするんだけど…

 

最後に案内されたのが地下の図書室だった。その部屋の広さを見て確信した。いくつもの部屋を見てきたが、物理的に矛盾だらけな間取りをしている。空間が歪んでいるのかな?不思議だらけだ。図書室の真ん中のテーブルにとても大きな、まるでホコリの妖精のような何かがある。テーブルに近づいてみると、そのホコリの妖精のようなものが起き上がり、こちらを向いた。ホコリの妖精に見えたそれは尖っていないナイトキャップを被った紫色の髪の人だった。

 

「レミィのヤツ、また新しい“咲夜”を拾ってきたようだね。私はパチュリーよ。」

 

レミリアお嬢様の家族なのかな。不思議な感じだ。それにしてもどういう意味なんだろう。

 

「魔力を持った宇宙人か、似たようなのを旧友から聞いたことがあるが、本当にそういうの居るのね。貴方、男の子でしょ。レミィがそんな間違いをするなんて、明日は嵐かしら。」

 

ワドルディの性別はワドルディ同士でも簡単には見分けがつかない、だから家族を作るときはオシャレして性別をわかりやすくするんだ。初対面なのになぜ分かったのだろう?

 

「あの、新しい咲夜って?それとなんでボク…私のことを? 」

 

「魔力を見れば貴方のことは大体分かるわ。多分貴方なら時を止める力も使えるかも。」

 

「時を止める力?」

 

「咲夜の能力のことよ。咲夜はレミィの下で働いていた人間の名前。レミィと咲夜は主従関係はあったけど、それとは違う固い絆で結ばれていたわ。でも咲夜千年以上前に寿命を迎えている、それも人間基準でもかなり若い歳で…いや、若くは無かったのかも知れないけど。何方にせよ人間と吸血鬼じゃ寿命が違いすぎる。レミィはそれを受け入れられなかった…」

 

今吸血鬼って?お嬢様が?じゃあなんで銀製品なんか…?ポップスターにある吸血鬼のお話とこの世界の吸血鬼は違うってことなのか?いやでも銀は黒ずんでいたし…ますます訳が分からなくなってきた。

 

「まあ、そういうわけでレミィはずっと咲夜の代わりを探しているのよ。心に空いた穴を埋めたくて。」

 

ふと、空を飛びながら高い位置の本棚を整理している赤髪の人が見えた。その人が手を滑らし本を落としてしまった。このままでは本がパチュリー様の頭に落ちてしまう…と思ったら周りの動きが止まっていた。もしかしてコレが…?

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