ソラを駆ける衛士   作:タリズマン

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やっとできた‼︎

言い訳しますとホントに最近クッソ忙しくてチマチマ書くことしかできず船上休暇の今日ぐらいしかまともに書けるタイミングがなかったんですよ。

てな訳で許してくれるとうれしいです。


第十五話

予想通りの展開になった。

 

現状は単純明快。

代表決めが始まり誰か選べとの指示の下、一夏を中心に男連中にどんどん票が行く。

そしてそれに激怒し自薦した上で「後進的な文化」と日本のことを侮辱する御高説垂れるに至った。

そしてそれに激怒した一夏と言い争いになり決闘をすると言い出した。

 

はっきり言ってその勇気にオレは拍手したかった。

そりゃそうだろう。

目の前には日本人だらけのクラスメイトたちに呆然としてる副担任。そしてこめかみがひくついてらっしゃるブリュンヒルデ様がいる。

そんな中でよくもまぁこんなこと言えたな。

 

他人事のように考えているとこちらにもオルコットの目は向いた。

 

「無論あなた方もですわ!まさかお逃げになるような腰抜けではありませんわよね?」

 

「ふむ...なぁ、シャムロック。アイツはひょっとして身を挺したギャグをオレに見せてくれてるのか?」

 

「いや、そんなことはないと思うけど...。」

 

「な、馬鹿にしてますの?」

 

意味がわからん。

決闘するメリットがオレにないだろ。

別にクラスの代表なんてどうでもいいし。なりたきゃ勝手にやってろ。

 

「馬鹿にしてんだよ。」

 

「なっ⁉︎」

 

「第一、そんなメリットのない決闘に応じるわけないだろ。馬鹿馬鹿しい。」

 

「....逃げるのですか?」

 

何言ってんだコイツ?

 

「逃げるんだよ。当たり前だろ。勝てる見込みの少ない勝負に打って出るとでも?」

 

「腰抜けなのですね。...これだから男は」

 

勝ち誇ったように、そして失望したようにこちらに言ってくる。

 

「おい、誰が腰抜けだよ。腰抜けはテメーだろ。」

 

「何ですって⁉︎」

 

顔を真っ赤にしてこちらに怒鳴ってくる。

 

「そりゃそうだろう。こちとら元はレーダー士官でシャムロック....ヤンは戦闘機乗り。使い勝手が違ったり初めて乗ってる機体で、今まで乗りまくって訓練しまくった相手と決闘だ?コッチが明らかに不利じゃねーか。」

 

こちらのセリフに思わず唸るセシリア。

オレは追撃する。

 

「それにお前が勝ったら何だっけ?奴隷にするだっけ?それならお前が負けたらオレらの奴隷になるのか?」

 

「んなっ!?」

 

「何で驚いてんだよ。何かを賭けるなら同等のものを賭けなくちゃ賭けにならんだろ。」

 

コイツの無計画さにほとほと呆れる。

何が腰抜けだ。明らか有利な状況で一方的に嬲ろうとでも考えてるヤツにわざわざ乗ってやるものかよ。

 

「いいですわ。それじゃ、アナタは参加しなくてもいいですわよ。」

 

「あっそ、なら勝手やってろ。」

 

するとヤツは嫌らしく笑みを浮かべた。

 

「アナタのような士官が蔓延っているアメリカ軍はさぞ弱小なのでしょうね。他のIS乗りにも期待できませんわね。」

 

「んだとテメェ?」

 

「あら聞こえませんでしたか?そんな様子ではアナタの教導を行った方は大した方ではないのでしょうね。」

 

そうか。

オレの初期教導を行ったことになっているのはゴスペルだ。

コイツは相棒を侮辱したわけか。

よりにもよってオレの相棒を。

ゴスペルを。

 

「....そうか。いいだろう乗ってやる。」

 

「オイ、やめなよ。」

 

シャムロックが止めに入る。

だがオレは苛立ちのままシャムロックにいう。

 

「ならテメェは自分の行いで列機が腰抜け扱いされて我慢できんのか?」

 

「それは...」

 

「テメェもファイターパイロットならわかるだろ。ヤツは言っちゃいけねーことを言った。撤回させるには力で叩き潰さなきゃいけない。」

 

目を瞑り逡巡するシャムロック。

一つため息をつく。

 

「わかったよ。僕も一口乗るさ。後で奢れよ。」

 

その様子を見た一夏は嬉しそうに、そしてなんだか羨ましそうに見てきた。

方向性が決まったことで千冬が間に入ってきた。

 

「よし、決まったようだな。それでは1週間後アリーナにて決闘を行う。お前たちそれでいいな?」

 

その言葉にオレたちは揃って首を縦に振る。

すると、オルコットが思い出したかのように発言した。

 

「ああ、そうだ。一つ忘れてましたわ。ハンデはどうなさいます?」

 

「ハンデ?」

 

「ええ、先程おっしゃってたでしょ、そちらのセンドウさんが。不利だとね。だからこそハンデは要りますかとお聞きしてるわけですわ。」

 

コイツ...。

こっちを散々にコケにしたいらしい。

ハンデを与えても勝てなかったと。

 

「いらないよ。」

 

一夏が即答しそれにオレたちも続いた。

 

「オレもいらん。」

 

「僕も必要ないかな。」

 

そう言うと一夏の周りに座っていた子がハンデをつけるように促してくる。その顔に失笑を浮かべながら。

 

「えー。織斑くん。今からでもハンデをつけてもらいなよ。いくらなんでも代表候補生を舐めすぎたよ。」

 

「男が一度言い出したことを覆しはしない。だからハンデはいらない。」

 

その失笑にも一夏は悩むそぶりも見せず即答した。

そんな一夏を見て少し見直した。

しかしそんな一夏に対してなおもハンデをつけるように促す。

 

「さっき仙洞くんだってオルコットさんに勝てないと判断したから渋ってたわけだし。考え直しなよ。」

 

「オーホッホッホ!その通りですわ。そこの腰抜けが先程言った通り私には勝てませんわよ!」

 

"勝てない"と判断したね...。

 

「しつけぇな。いらないって言ってんだろうが。それとも耳が悪くて聞こえねーのか?」

 

「先ほどから私をコケにして....。わかりましたわ!あなた方に現実というものを教えてあげますわ!」

 

「ああそうかい。そりゃありがたくて涙が出そうだ。」

 

こちらを睨み付けてくるオルコットにガンを飛ばす。

睨み合ってると千冬にそれも諌められ詳細は追って伝えることとなり話は終わった。

 

 

放課後になり帰る準備をしていると、山田先生がこちらに慌てた様子で来た。

 

「ああ、よかった。まだ帰ってなかった!」

 

「どうしたんすか?」

 

そうオレが尋ねると手に持っていた二つの鍵をコチラに差し出した。

ああ、寮の鍵か...。

 

「織斑くんとウォーカーくんの寮の鍵です。本当なら解散した時に渡すはずだったんですけど忘れちゃってて...」

 

顔を赤くして少し恥ずかしいそうに言ってきた。

なんでこの人こんなにも男の目に毒なんだろう。

 

「どうぞ、織斑くんの部屋の鍵です。」

 

「え?オレって1週間ぐらい家から通うんじゃ。」

 

どうやらしばらく一夏は家から通うつもりだったらしく困惑していた。

このメンバーで二つってなると外国人のオレら2人だと思うよな...。

 

「すみません。政府からの要請もあって急遽寮に入れることになったんです。自宅から通うとなると保安上の観点からあまりよろしくないとのことでして。」

 

ま、そりゃそうだろう。

いくらブリュンヒルデとはいえ結局のところ個人でしかない。

実際に一夏は昔、ドイツで行われたISの競技大会の応援に行きそこで誘拐されている。

俺たちのようにバックに国家や大きな組織がいるわけではないのだ。

 

「で、でも荷物とか...」

 

「すでに手配しおいた。取り敢えず着替えと充電器あたりがあればいいだろう。必要なものがあれば私に言え用意しておく。」

 

そこには千冬が仁王立ちして立っていた。

着替えと充電器だけって....

一夏も唖然としてるじゃん。

 

結局、鍵を受け取る一夏とシャムロック。

ん?シャムロック?

 

「シャムロック。お前、入学までどこに泊まったんだ?」

 

「え?官舎に泊めさせてもらったけど?」

 

「え?」

 

「え?」

 

お互い顔を見合わせる。

何でオレだけ?

 

「あっ、ひょっとして僕の方が到着早かったし通達が遅れて部屋がなかったんじゃない?」

 

「そんな話聞いてないんだが」

 

「...じゃあ、司令からの単純な嫌がらせ?」

 

「.....カチコミにでも行ってやろうか。」

 

久々にキレちまったよ....。

よく喧嘩でMPにしょっ引かれてたオレを舐めるなよあのクソ司令...。

 

そんな危ないことを考えていると千冬から拳骨が落ちてきた。

 

「いった⁉︎」

 

「阿呆なことを考えるな。しかも疑惑レベルのことだろ。」

 

痛みに思わず頭を抱えてうずくまる。

すると背後の一夏とシャムロックが何かに気付いたのか疑問の声を上げた。

 

「部屋違うじゃん⁉︎」

 

「こういうのって相部屋になるんじゃ?もしかしてスタークとかな?」

 

「いや、女子と同部屋だ。」

 

「「はい?」」

 

女子と同部屋になるという驚きの事実に固まる。

シャムロックはこちらに「嘘だろう?」と視線を送ってきた。

その視線に対しオレは静かに首を振り否定する。

 

「残念ながら事実だ。オレの同部屋はここの生徒会長殿だ。」

 

淡い希望すら打ち砕かれ打ちひしがれるシャムロック。

肩に優しく手を置いてやる。

そして満面の笑みを浮かべ

 

「welcome」

 

サムズアップしてやった。

 

 

落ち着きを取り戻した一向は寮内のルールに関する説明を山田先生から受けた。

途中一夏ホモ疑惑という事件もあったが大したことではないので割愛する。

 

オレは2人を軽く案内してやり部屋に帰った。

するとニヤニヤした楯無が座っていた。

 

「聞いたわよ。イギリスの代表候補生に啖呵切ったんですって?」

 

「そうだよ。舐めたこと抜かす小娘には灸をすえる必要があるだろ?」

 

その回答に対しおかしそうにひとしきり笑うと真面目な顔をして聞いてきた。

 

「勝てる見込みは?」

 

「ある。」

 

クラスにおいて唯一の専用機持ちであるオルコットに関しては一通り調べてある。

無論、弱点も把握している。

 

「即答ね。理由を聞いてもいい?」

 

「ああ。簡単だよ。アイツには致命的な弱点がある。」

 

「弱点?」

 

どうせ把握してるくせに白々しい。

鼻を鳴らし答えてやる。

 

「奴の機体は遠距離においてビットを用いて他方向から攻撃を仕掛け相手を仕留める。もしくは撹乱したのちトドメを刺すコンセプトだ。」

 

息を切り続ける。

 

「にも関わらず奴の能力不足かビット運用中、奴は動けない。それに加えて奴の狙撃は正確すぎる。有視界の高速戦闘中の精密過ぎる狙撃なんぞ避けてくださいと言ってるようなもんさ。狙撃を誘発させて回避すりゃいいだけの話さ。」

 

「でもそれはアナタが乗りこなせればの話でしょう?」

 

ああ、それはそうだ。

だが舐めてもらっちゃ困る。

今まで普通に戦ってきたこともあるが、こちとらナターシャ・ファイルスとイーリス・コーリングって言うアメリカでも随一のパイロットに鍛えられてんだ。

 

「指導者が良かったもんでね。自負はある。」

 

「へぇ。それで指導者を侮辱されてキレたわけね。」

 

その言葉にハッとして楯無の顔を見るとニヤニヤした顔に戻っていた。

しまった....。

だが、そう思った時にはもう手遅れだった。

 

「お世話になった人へしっかりと義理を通してくれる訳ね。ふーん。」

 

要は自分も世話してやったんだから貸し一つってことか。

 

「そうですね。楯無センパイ。オレにできることなら借りを返すために手伝わせていただきますよ。」

 

すこぶる嫌な顔をして丁寧に返す。

クソ。抜かった。

最悪だ。

こんなヤツに借り一つなんて。

 

「あら、それなら早速お願いしようかしら。」

 

どうせ碌でもないお願いに決まってる。

意を決して返事をする。

 

「かまいませんよ。」

 

「それなら生徒会に入ってくれない?士官なら書類作業はお手のものでしょ?」

 

「は?」

 

予想していたものより遥かに軽く逆に焦り変な声が出た。

 

「そんなことでいいのか?」

 

先ほどまでわざと作っていた敬語もすっかり抜け落ちてしまった。

 

「そんなことって言っても忙しくて困っちゃうのよ。仕事のできる人手ってのはなかなか貴重なのよ。」

 

「いや、そんなことと言ったことは謝るよ。別にそれでいいならオレは構わんけど。」

 

そんなことと言われたことに少し頬を膨らまし怒ってきた。

こればっかりはこちらの過失なので大人しく謝った。

 

「そ!よかった!明日の放課後から生徒会室にきてちょうだい!早速手伝って欲しいことがあるの!」

 

オレの答えに満足したのか手を叩き満面の笑みを浮かべそう言う楯無であった。

 

 

一方、ヤンはというと。

 

「あれ?ここどこ?」

 

迷子になっていた。

非常に残念なことに彼は致命的なまでの方向音痴である。

パイロットとしての腕は凄まじいが、この方向音痴が原因で「奴を一番機にしてはいけない。」との空軍司令からのありがたいお言葉をもらうほどだ。

実際彼は今のところずっと二番機である。

 

「参ったなぁ、スタークにしっかり部屋まで案内してもらうんだった。」

 

唯一、彼のこの特性に関する良い点は本人に自覚があるということだ。

そのため頼れるところは人に頼るのだが、一樹とは知り合ってそんなに時間が経っておらず少し遠慮してしまったのだ。

そのため案内もそこそこに大丈夫だと言ってしまったのだ。

 

「あれ〜、やっくん?こんなところで何やってるの〜?」

 

背後から聞き覚えのある声が聞こえ後ろを振り返るとダボダボの服を着た本音が立っていた。

藁にも縋る思いで彼女に案内を頼むと快く承諾してくれた。

 

「その鍵の部屋はここだよ〜。」

 

「ありがとう本音さん。助かったよ。」

 

「呼び捨てでいいのに。」

 

ムスッと不満気な表情を浮かべる本音にははっと笑い誤魔化しながらドアをノックした。

すると「は〜い」と返事が聞こえた。

 

.........背後から。

 

「え?まさか.....?」

 

「ふふん。そのとーり。相部屋は私なのだ〜!」

 

まさかの同部屋は同級生。

元々マズかったが同級生となると尚更何かやらかせばクラス内で社会的に死ぬ。

乾いた笑いをあげる僕とは対照的に本音は満足げにニッコリ笑うのであった。

 

 

他愛のない話をしてると晩飯の時間になり食堂へ楯無と向かった。

すると同じタイミングでシャムロックと本音に食堂に入ってきた。

 

「よぉ、シャムロック。ひょっとして同部屋は本音か?」

 

本音を連れてることからほぼ確定だろうが敢えて尋ねる。

するとすこし疲れた顔で首を縦に振った。

 

「何にそんな疲れてんだよ?」

 

「疲れもするさ。なんてったって本音相手なんだから。」

 

「むっ、私相手に何に疲れるのさ〜」

 

疲れてる理由を聞きなんとなく理解していると本音には不満だったのか文句を言っていた。

 

「まあまあ本音ちゃん。男の子にも色々あるのよ。」

 

「たっちゃん会長、色々って?」

 

「それはね...」

 

「いらん事教えんでいい。」

 

むくれてる本音を楯無が宥めついでにいらん事教えようとしてからチョップを叩き込み黙らす。

 

「いつつ....そんなに力込めなくたっていいじゃない!」

 

「いらん事教えんでもらえますか楯無センパイ。」

 

「えっと...そちらはスタークが言ってた例の同室の生徒会長さんかい?本音とも顔見知りみたいだけど。」

 

そんなオレと楯無、あと本音の様子を見て疑問がいくらか浮かんだのかシャムロックが尋ねてきた。

 

「はじめまして、ヤン・ウォーカーくん。私はこの学校で生徒会長をやってる更識楯無よ。ちなみに学園最強よ。」

 

「そして私は更識家の従者一家なのだ〜。」

 

「「え?」」

 

本音が従者?

ジョークだろ。だって本音だぜ。あまりにものほほんとしてるせいで一夏に「のほほんさん」とか呼ばれてるほんねだぞ。

 

「......たっちゃん会長、先行こ。」

 

オレたちの困惑があからさま過ぎたようで本音はヘソを曲げてしまい楯無を連れて先に行ってしまった。

 

「大人しく謝るか...」

 

「はぁ....」

 

オレとシャムロックは肩を落としながら2人を追った。

怒りを鎮めるために2人でめちゃくちゃスイーツ奢った。




いかがだったでしょうか。

シャムロックくんは残念ながら方向音痴な人です。
シャムロックくんの運動音痴ネタはエースコンバット6のシャムロック初登場時の「僕は方向音痴だからね。君のあとについていくよ。」というセリフから来ています。

それと今回の話では個人的に好きなキャラである本音と絡ませることができたので満足です。

今日か明日にもう一話投稿しようと思ってますが残念ながら3日後から電波のない環境に行ってしまうので投稿は100%無理になります。
その辺ご了承ください。
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