本編の続きを期待していた方はすみませんがもう少しお待ちください。
お気に入り登録200記念
その1、カズキの優雅な朝(アメリカ編)
朝、決まった時間に起きる。
ベッドから出て服を着替えるシャツを着てジーンズを履き下へと降りる。
「あ、おはようございます。カズキさん。」
下へ降りダイニングへ向かうと朝食の準備をファナがやっている。
「おはよう、ファナ。いつもありがとう。」
「いえ、私がこの家の一員として好きでやってることですから。それにクロエちゃんも手伝ってくれてますし。」
ファナはニッコリと微笑みながらそう言ってくれる。
ファナは毎朝誰よりも早く起きて朝食の準備をしている。
最近はクロエも料理の腕を上げるためにファナ手伝いをしているようだ。
「そういえばクロエは?」
「クロエちゃんなら軽く摘める朝食とコーヒーを"皆さん"に届けに行っていますよ。」
「なるほどね....。」
"皆さん"というのは実質的な護衛として我が家の監視にあたっているCIAの職員のことである。
メンバーは交代したり変装したりしているのだが、ファナはサイボーグ化していることで武装している人間を瞬時に見破りCIAの職員を見分けてお裾分けをしているのだ。
その為アチラも諦めたのか人員の積極的な交代を行わずローテーションを組んでいつもの人間がいるようになっている。
哀れな....。
「おはようカズキ!」
「おはようカズキ兄さん。」
後ろから挨拶され振り向くと我が家のクソガキがいた。
茶髪で活発なディーダに金髪が特徴的なクリス。
我が家にいる2人に男子でディーダは元気にイタズラをしてクリスがそれを諌めるというバランスの取れた2人だ。
普通に仲は良く、ときには2人で結託してイタズラすることがありファナが手を焼いている。
「おはよう。呼び捨てすんじゃねぇよディーダ。クリスもおはよう。さっ、ファナの手伝いをしなさい。」
「「はーい!」」
2人とも研究所にいた頃からファナによく懐いておりファナのためなら大体なんでも手伝ってくれる。
変なことに騙されないか少し心配になるがファナに負担が行き過ぎないようにしてくれるためありがたい限りだ。
「クリス!ミーシャ達は起こしたのか?」
「声掛けたし多分そろそろ起きてくると思うよ。」
ウチの女衆はファナとクロエを除いて基本的に寝起きが悪い。
乙女だというのに基本的にボサボサの髪の毛でだらしない格好のまま降りてくるから困ったものだ。
そう思っていると3人分の軽い足音が聞こえてきた。
足音の方向を向くと、プラチナブロンドのショートヘアのミーシャが目を擦り右手は3人の中で長女的な立ち位置で褐色の肌と一つにまとめた美しい黒髪が特徴のシャクティ、そしてもう1人眠そうに目を擦っている普段は活発な黒髪のロングヘアが特徴なティファが立っていた。
「おはよう3人とも、シャクティは心配ないだろうがミーシャとティファはちゃんと顔洗ってきたのか?」
「おはよう兄さん。大丈夫、2人ともしっかり顔洗ってからきたから。」
やはりシャクティはしっかりしているようで、顔を洗わせてから来ているらしい。
「ほら2人とも挨拶して。」とミーシャとティファに挨拶を促していた。
「おはよう...兄さん。」
「おはよう....。」
2人とも眠そうに目を擦りながら挨拶してくる。
2人の頭を撫でてやると気持ちよさそうに笑みを浮かべる。
「いつもすまんな、シャクティ。」
オレは2人から手を離しシャクティの頭を撫でる。
シャクティはくすぐったそうにはにかんだ。
「さて、みんな起きてきたのにいつまでとも寝てる寝坊助を起こしに行くかな。お前らは先に座っときな。」
オレがそういうとシャクティは2人を引き連れてダイニングテーブルに向かった。
それを見送ってオレは寝坊助を起こしに向かう。
どうせ昨日も研究なりに没頭して遅くまで起きてたんだろう。
2階に上がり束の部屋のドアをノックする。
返事はない。
今度は強めにノックして声をかける。
「束!もうみんな起きてきたぞ!いい加減起きろっ!」
やはり返事はなく、「入るぞ。」と声をかけ部屋に入る。
ごちゃごちゃと散らかった部屋に思わずため息が出そうになるがそんな事より起こさねばとベッドに近づく。
一時期はベッドで寝ずに机や床に死んだように寝てることが多々あったのだが、ファナとクロエに叱られちゃんとベッドで寝るようになったのだ。
「おい起きろよ。」
体を揺すり声をかけるが返事はない。
せいぜいうめき声が上がるだけだ。
仕方ないか...。
オレは布団の端を持ち一気に引っぺがす。
引っぺがした布団から出てきたのは下着姿で眠りこける束の姿だった。
全く、オレだからいいが男2人が思春期に入ってこんなの見たら性癖曲がるぞ。
相変わらずスタイルも良く顔も整ってるだけあってかなり魅力的な様だが、眠り姫ではなくただの寝坊助なので容赦なく叩き起こす。
「いい加減起きないと、このまま下に連れてくぞ。」
耳元でそう言ってやると、
「おわぁっ⁉︎ 」
変な声とともに跳ね起きる。
耳を押さえながら起きた束はキョロキョロと辺りを見渡しオレだけなことを確認する。
「何を洒落にならないことやろうとしてるのさっ⁉︎ 」
「一発で起きればこうはならん。」
文句を言ってくるも冷めた目で見ながら正論を返せば「うぐっ...。」と言葉に詰まっていた。
「馬鹿なこと言ってないでさっさと着替えて顔洗ってこい。」
「女性の部屋に侵入して下着姿見て言うことはそれだけ⁉︎ 」
「やかましいわ。お前の下着姿なんざで今更童貞みたいに顔赤くして焦って見せればいいのか?」
「何さっ!見飽きたとでも言いたいの⁉︎ 」
「恥じらい一つ見せない女の下着姿に何を興奮すればいいんだよ。いいからさっさと着替えて降りてこい。みんな待ってるぞ。」
ギャーギャーとふざけた文句を抜かしてくる束を流しながら部屋を出る。
オレは「全く....。」とこめかまを押さえながら降りていく。
「どうだった?」
「ああ。いつも通り起こしたらアホなこと抜かしてたがちゃんと来るさ。」
「やっぱりなんか母ちゃんよりファナ姉ちゃんの方が"お母さん"って感じだな。」
ディーダの何気なく吐いた言葉だが本人が聞いたら大ダメージだろうな。
「それ、本人に言うなよ。」
「えー」
「えーじゃない。いいから言うなよ」
「はーい。」
多分コイツダメージ食らうことわかってて言ったな。
とりあえず了承してくれたのでスルーする。
オレがキッチンに向かいコーヒーを淹れに行くと丁度良く玄関に扉が開く音がした。
「ただいま戻りました。」
「おうおかえり。」
ダイニングに入ってくるなりそう言ったクロエに声をかける。
「"皆さん"はどうだった?」
「いつもありがとうとお礼を言って頂けました。」
「そりゃよかったな。」
オレはクロエの頭を撫でてやる。
クロエは目を細め気もよさそうにしている。
どうやら頭を撫でてもらうことが好きなようで強請ってきたことがあってからはこういう時に積極的に撫でてやるようにしているのだ。
「クロエもコーヒーいるか?」
「いただきます。」
クロエの返事を聞き豆の量を増やしミルに入れて粉にする。
そしてカップを増やしコーヒーを淹れる。
ちなみに"皆さん"に渡したコーヒーはファナが練習を兼ねて淹れており、基本的にはコーヒーを淹れる係はオレなのだ。
「おはようみんな。」
「やっと降りてきたか寝坊助。」
ちゃんと自分でしっかり起きたみたいな面して降りてきた寝坊助に声をかける。
「寝坊助だなんてわざわざ言う必要ないだろっ!」
「オレは事実を言ったまでだ。ほら、コーヒーも入ったから座った座った。」
オレのかけた言葉が気に入らなかったらしく怒ってくるがコーヒーをトレイに乗せ運びつつ座るように促す。
「それじゃ、みんな揃ったし食べよっか。」
「お前が1番遅かったけどな。」
取り仕切る束に茶々を入れると、キッとこちらを睨んでくる。
「母ちゃんが1番遅いのはいつものことだぞカズキ。」
「そりゃすまんかったな。あと呼び捨てにするなディーダ。」
ディーダから出てきた思わぬ口撃に束はガックリと落ち込むが、あえてスルーしてみんなに手を合わせるように言う。
「はいはい。それじゃ皆手を合わせて。」
オレの言葉を聞いて束も慌てて手を合わせる。
みんなが手を合わせたことを確認して食前の言葉をみんなで合わせて言う。
「「「「「「いただきます。」」」」」
これがオレが家にいる時の朝の流れだ。
その2、クラリッサ・ハルフォーフとの出会い
これはスウェーデンに存在する秘密研究所の襲撃作戦「ニドヘグ作戦」に参加している時の話だ。
作戦はまだ発動されておらず長距離戦略打撃群はドイツのガイエンキルヒェン航空基地で待機している。
スウェーデンはNATOに加盟しておらず政治的な判断もあり、訓練の名目でドイツに派遣されただけであり待機命令が下されているのだ。
表向きにはレーダー士官であるカズキは飛ぶわけにもいかず暇な日々を過ごしていた。
仕方ないのでトレーニングに励むか散歩するか寝ている
しかしそんな中でもカズキには楽しみにしていることがあった。
「おっ、センドウ少尉じゃ無いですか。今日もやって行かれますか?」
「もちろんだ。ちゃんと"弾薬"は足りてんだろうな。」
「そりゃもちろん。ベットできるだけはありますよ。」
「ならばよし。」
基地をぶらついていると馴染みの整備兵に声をかけられる。
オレはあるものの用意ができてるかを確認した。
準備してあるとの答えを得てオレは笑みを浮かべ整備兵についていく。
そして格納庫の控え室に勢いよく入っていく。
すると中にはタバコを咥えたむろっている整備兵たちがいた。
「少尉のご到着ですよっ!」
「おっ!少尉がきたってことは始まりの合図ですね。」
入ってきたカズキ達に気がつくと整備兵達は机の上に乱雑に置かれた雑誌や新聞をどかし、トランプと色とりどりのコインのようなものが積んだ。
「ちゃんと"弾薬"は用意してんだな。」
「そりゃもちろん。少尉に借りを返してケツの毛までむしり取ってやりますよ。」
「お前こそむしり取られて嫁さんに〆られるようにしてやるよ。」
不敵な笑みを浮かべる連中に"弾薬"は用意してあるか確認する。
すると連中は中々に挑発をしてくる。
オレはニヤリと笑みを受かべて宣言する。
「サァ、始めようか。」
♢
「ちっくしょおがぁああああ!」
「ふっはははははははは!フルハウスでイキるからそうなるのさ!」
オレ達がやっているのはポーカー。
それも酒やタバコといった嗜好品を掛け金にしたもので一部は回収した酒を開けてるやつまでいた。
今はフルハウスでドヤ顔決めてたやつにイカサマしてロイヤルストレートフラッシュでベットした分をあらかた回収して高笑いをしていた。
「クソがっ!絶対イカサマしてんのに手口がわかんねぇ!」
「手口がわからん以上はイカサマではないしっ....。」
最初はオレをカモろうとしていたようでルールの中でイカサマはタネを証明しなくてはイカサマとして成立しないと明言されていたのだ。
オレは逆手にとってイカサマしまくって勝ってるわけだが。
そんな感じで大騒ぎしていると後ろからガチャっと扉が開く音がした。
後ろを振り返ると眼帯をつけたドイツ軍人らしき女が額に青筋を立てていた。
周りの整備兵は大慌てで起立し敬礼したためオレも習って敬礼する。
よく見ると襟元の階級章は大尉であり上官にあたる人間のようで怒り心頭という様子から真面目なやつなのだろう。
「.....貴様ら、今が何時かわかっているのか?」
「はっ!17時であります。」
時間を聞かれたためオレが返答する。
「そうだ。その様子から見て16時ごろから既に始めていただろう。」
「はっ!その通りであります、大尉殿。」
オレがいけしゃあしゃあと答える。
周りはギョッとした様子でオレを見ているようだが気にしない。
「では軍務中であることは明白だろうがっ!にも関わらず酒を飲みポーカーに興じるとは何事か!」
「はっ!交流と情報交換であるため軍務であります、大尉。」
「なんだと...? というか貴様は誰だ?」
自己紹介なんてする暇なかったので名前どころか所属さえもハッキリしてない男が混ざっているのだから気になるのだろう。
というか最初に気付けよ。
「はっ。僭越ながら自己紹介をさせていただきます。アメリカ軍長距離戦略打撃群所属のレーダ士官であります。カズキ・センドウ少尉です。」
「ではなぜアメリカ軍人がこんな所にいる。」
「先ほども申し上げた通り交流と情報交換のためであります。」
「では何を手に入れたのか言ってみろ。」
「はっ。」
くだらん言い訳を言うのなら最後まで言わせてやろうとクラリッサは続きを促したがすぐに後悔した。
並べられていくのは上官への愚痴やどうすれば機嫌が取れるのかという情報や、雑に機体を扱うパイロット(IS乗りも含む)に関する文句や具体的にどういう所が損耗してることが多いかなど出るわ出るわ。
半永久的に喋り続けるんじゃないかって思うほど出てきた。
かつ、かなり身に覚えのある話まで出てきて先に白旗を上げたのはクラリッサだった。
「待て、わかった。もういい。」
「ね。整備兵から得られる情報だってバカにゃできないんです。大尉ももう少し整備兵と語らってみては。具体的には....。」
元衛士としてそしてISのパイロットとしてアドバイスをしてやりチラリと目線をテーブルに向ける。
「.......。」
「まぁ、ほら騙されたと思ってまずは一つ。」
「.....しょうがない。」
「よっしゃ!ほら、大尉殿も参加されるんだから準備して。」
「「「「りょ、了解!」」」」
渋ってはいたが最終的には承諾したので手を叩き整備兵連中に指示を出す。
慌てて動き出し準備を済ませたのを確認してクラリッサを座らせる。
「ルールは分かりますね?」
「ああ。」
「それじゃ、ゲームを始めましょう。」
ニヤリと笑ったオレの顔を見て目の前のハルフォーフ大尉以外は引いていた。
中には十字を切ってる奴もいた。
「(ああ、手加減無しでむしり取る時の顔だ...。)」
「(哀れ...ハルフォーフ大尉...。)」
解せぬ。
♢
「そうはならないだろっ!さっきからフルハウスばかりだしおって!」
「イカサマしてるとでも?オレって運がいいから勘違いされやすいんですよねぇ。」
「貴様ぁ!」
ハルフォーフ大尉は先ほどからオレがフルハウスしか出していないことに激昂しておられる。
周りを見ると整備兵どもはみんなハルフォーフ大尉側についており大尉の背後からオレに文句を垂れていた。
「こんなのイカサマしかあり得んだろっ!」
「そうだそうだ!というか腕前もわからん相手に大人気がなさすぎるだろっ!」
「ハルフォーフ大尉、安心なさってください。みんなアナタの味方でヤツの敵です。」
大尉の背後で叫びながらオレを悪魔でも見ているかのような扱いにオレは講義する。
「おい、オレは鬼畜生かなんかか?」
「「「それ以外に何かあるので?」」」
あっさり抗議は棄却された。
時計を見ればかれこれ1時間は続けており段々と腹も減ってくる頃だ。
「もう一回だ!次で貴様のイカサマを見極めてやる!」
「この辺で終わりましょうや。いい時間ですぜ。」
「くっ...。」
時計を確認しオレの言ってることを認識すると歯噛みした。
どんだけ悔しいんだよ。
「また、明日しましょう。それならいいでしょ。」
「明日だからな。絶対だぞ!」
「そりゃもちろんです。ハルフォーフ大尉。」
オレが明日のポーカーを快諾するとハルフォーフ大尉は「言質は取ったからな!」と言うと出ていった。
その日は良くもまぁペラペラと嘘半分にあんなことが言えたなと"言い訳"に関して褒められ整備兵どもにもみくちゃにされた。
しかもあの真面目で知られるハルフォーフ大尉をポーカーに引き摺り込むなんてとも言われた。
が、彼らは知らない。
これから毎日のようにクラリッサが来て、真面目だと思ってたメッキがどんどん剥がれていくことを。
そしてカズキによって泣かされポンコツと化すクラリッサの世話をしなければならなくなることを。
哀れ、ドイツ兵。
哀れ、クラリッサ。
というわけでカズキのアメリカでの日常と、黒兎隊のクラリッサとの出会いを書きました。
正直、クラリッサに関してここで書くのは少し悩んだのですが、「後々出す予定はあるし早目だけどヨシッ!」っていうガバガバ理論で書くことが決定しました。
次は何人記念で出せばいいですかね。
500?それとも100人ずつ?
まぁ、それはおいおい考えるとして最新の第三十一話も書き上げ次第更新します。
早ければ土曜か日曜になると思いますのでもう少しお待ちください。
今後の展開
-
さっさと原作にいけや!
-
2つとも研究所潰すとこもやって
-
片方だけでいいよ
-
そんなことより日常パート
-
展開は好きにしな結果だけ見たい