ソラを駆ける衛士   作:タリズマン

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初投稿です。
前から構想はありましたが見切り発車で書いてしまいました。
安定して投稿は私が船に乗ってることもあり不可能ですが生暖かく見守っていただけると幸いです。


第一章 始動
プロローグ


空を見た。

空はどこまでも広く青い。あの空を自由に飛べたらどれだけいいだろうか。

だが我々人類が空を失って久しく、一見自由に見えるこの空はクソッタレのBETAどもによって奪われている。

空を飛べば光線級に叩き落とされ即死するだろう。

それなのに憎たらしいほどに美しい。

そんな空を最後に飛ぼうと思っている。

 

 

なぜならこれからオレ達は死ぬのだから...

 

 

「あともう少しだ!A-01がッ、オレたち人類の希望が降りてくるッ!それまで何としてもSW115を死守せよ!」

 

中隊長の叫びが聞こえる。この桜花作戦は人類が総力を結集して戦っている。ここで我々がしくじれば人類は敗北するだろう。

まだ死ねない、死んじゃいいけない。

死んでいった戦友に、死なせてしまった人たちに報いることができていない。

 

「クソッタレ、数が多すぎるッ!このままでは保たないぞッ」

 

誰かが悲鳴をあげる。BETAの本拠地であるが故に無限にいるのではないかと錯覚するぐらいのBETAがいる。共に戦っていたはずの米軍部隊がまばらにしか見当たらない。相当数が喰われたのだろう。

 

「レオニード!後ろだッ‼︎」

 

「なっ⁉︎うわぁぁぁああ‼︎」

 

他の衛士が要塞(フォート)級の触手を受けた。

即死だろう。

あちらこちらで死んでいく。乱戦状態に入ってから精鋭達が数に負けて段々と数を減らしている。

 

「A-04がレーザー照射を受けているぞ!」

 

一人の衛士が叫んだ。

その声は悲鳴に近かった。

人類の希望、そして俺たちが戦う意味。

それが光線(レーザー)級の攻撃を受けているのだから当然だろう

しかし、そんな絶望的な中、己の頭はやけに冷静だった。

 

「意見具申!ここから方位060距離4000に光線級集団がいます。そこへの光線級吶喊(レーザーヤークト)を進言します!」

 

眼前にいる戦車(タンク)級を蹴散らしながら進言する。

単純な話でレーザーの根元に奴らがいるのだ。

 

「ネガティブ!それまでにどれだけのBETAがいると思ってやがる⁉」

 

即座に中隊員から進言が否定される。

しかし正しい意見ではある。

言うは易く行うは難しという通り、半ば半壊し周辺で孤立している米軍を引き込みようやく中隊としての定員がそろうといった有様、それも一中隊のみでの光線級吶喊など無茶ぶりもいいところだろう。

 

「いいだろう…。総員傾注!わが中隊はこれより光線級吶喊を行う。これを成功させなければ犬死になるだろう。だが!死ぬためにこんなところに来た我々がこの期に及んでしり込みしてどうする。ついてこれん奴はここに置いていく。残っているミサイルを包囲060に全弾発射、その後噴射跳躍(ブーストジャンプ)突撃(デストロイヤー)級を躱し光線級を殲滅する。」

 

腹をくくった中隊長から命令が下る。

そして死にたがりの大馬鹿どもから返事が響く。

 

死人を出しながら前に進み、光線級を殺す。

中隊長は跳躍ユニットが破損していたのか、最初の噴射跳躍で高度調整に失敗して突撃級に引っ掛かりバランスを崩しそのまま撃墜された。

中隊長が死んでも戦い続け、目に入った下等生物どもを殺しつくしていった。

 

ひたすらがむしゃらに戦い続けた。そしてようやくその時が来た。

 

「A-04の降下を確認!ようやっとくるぞぉ!」

 

副長が声を上げた。中隊長も喰われ多くの戦友が死んだ。だがようやく来てくれた。

空には幾百もの光線がほとばしる。

無線には歓喜とも悲鳴とも取れる声が響いた。

 

 

「こちらA-04!後は任せろッ!」

 

若い男の声が聞こえた。その声が聞こえた時オレは気づいたら叫んでいた。

 

「あとは任せたぞッ!A-04‼︎」

 

返事はなかったがきっと伝わっただろう。

 

「中隊総員ッ!最後の命令を下す!最後まで足掻きもがき、1分でも1秒でも時間を稼いで死ねッ!全ては未来を生きる同胞の為にッ!人類のためにッ!そして...ここまで戦った全ての者に報いるためにッ!戦い抜けぇええ‼︎」

 

そうだ我々の任務は死ぬまで敵を誘引することなのだ。

 

戦え

 

戦い抜け

 

生き抜け

 

そしてその果てに死ぬのだ。

 

報いて死ぬ、己の罪を清算するために。

 

戦うんだ。

 

傍らで戦う己の最後の戦友に叫ぶ。

 

「06、ついて来いよ!」

 

「誰に物言ってやがる!地獄の果てまで一緒だろ兄弟!」

 

その返事に満足げに笑みを浮かべると、機体を前に進ませる。

手始めに眼前の要撃級を切り伏せ先へと進む。

 

 

自分たちは罪人だ。

人を、故郷をまもらんと戦い何も守れず、なにも為せなかった。

 

死んでいく戦友たちを見送り、後を託されたにもかかわらず心が折れ死を願い戦場に身を投げた。

明日を求め戦う者たちの隣でひたすらに死を求める。

明日をあきらめ過去に固執する愚か者。

 

それが俺たち“死にたがりの死に損ない”。

 

死という終わりに救いを求める恥知らず。

 

託して逝った戦友たちから見れば、度し難い裏切り者だろう。

 

決死の任務がちょうどいいクズどもだ。

 

そんな思いの元戦い続けたが限界がやってきた。

 

仲間はほとんど死んだ...。

エレメントを組んでいたシェンフーは気づいた時にはいなくなっていた。

俺が動揺するのを防ぐために通信を切ったうえで死んだのか、悲鳴を上げる前に死んだのか、はたまた集中しすぎて全く気が付かなったのかそれはもはや知るすべはない。

弾も尽きた...。

あるのは自爆用のS-11と長刀、そして腕内にしまわれている短刀のみ。

長刀は戦いの中で歯が欠け使い物にはならない。

短刀はあっても小型種に対してならいざ知らず、中型種の相手は苦しい。

 

「ここまでか...」

 

青い空...

限界を悟った俺は不意に空を見上げた。

そうだせめて最後は空で死のう。

そう思い行動に移そうとした。

しかし、現実はあまりにも残酷だった。

 

ガリガリッ

 

外板が削られる音がした。

それは多くの衛士が聞く音。

その音は絶望と後にやってくる苦しみを想起させる。

 

「戦車級だとッ⁉︎ならせめて跳躍してッ...⁉︎」

 

だがよりにもよって戦車級が削っていたのは跳躍ユニットだったのだ。機内に警報が鳴り響く。

 

「ふざけるなッ!ここまで来て...こんな所まで死に損なって...生き残って...空を自由に飛ぶことすら許してくれないのかよッ...」

 

心からの叫びだった。でも叫んでも何も変わらなかった。

網膜投影によって映し出される空は残酷なほどにどこまでも青く透き通っていた。

気が付くと他のBETAまでもがやってきた。

もう詰んでいた。

 

戦車級に喰われて死ぬぐらいなら、空を飛べないなら...せめてコイツらを巻き添いにして死んでやるッ!

 

俺はSDSと刻まれたスイッチに拳を叩きつけた。

この世界の戦いが終わることがなくとも己の戦争がようやく終わることに、死んでいった戦友たちに報いることができる。

それらの安堵とともに衝撃を感じ、意識は暗転した。

 

 

 

 

 

こうして人知れずまた1人の衛士が逝った。

 

その後、桜花作戦は成功を収め人類はオリジナルハイブの攻略に成功。人類は延命に成功した。この戦いや今までの戦いの中で世界中には名も知られぬまま死んでいった兵士がいる。彼らの願いが叶えられることがあるのか…それはわからない。

だが彼らの犠牲は決して無駄ではなく、多くの人々の命を救ったことは間違いないだろう。せめて彼らの願いが少しでも叶えられるように祈るばかりだ…

だが、とある衛士の…いや、多くの人々の願いは叶えられることとなる。

この物語は人々の祈りを、叫びを聞いた一人の男が歩む物語である。

 




どうでしたでしょうか。
前書きで書いた通り見切り発車でノリと勢いで書きだしてしまいました。
どっかの提督と私の友人曰く「伊達や酔狂」で始めてしまいました。
前からマブラヴと何らかのクロスオーバーの構想があり、地獄を見てきた人間が平和な世界で困惑しつつも生きて、その中で起こる事件で地獄を見てきたが故の思考や狂気を見せ平和な世界で生きてきた人々を困惑させるということをやってみたかったんですよ。
今後とも不定期更新になるでしょうが失踪しないように書いていきますのでどうぞよろしくお願いします。

今後の展開

  • さっさと原作にいけや!
  • 2つとも研究所潰すとこもやって
  • 片方だけでいいよ
  • そんなことより日常パート
  • 展開は好きにしな結果だけ見たい
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