Twitter垢作ったはいいけど未だフォロワー2人という悲しみ.....。
見てくれてもええんやで(チラッ
いつも通り6時前ごろに目覚める。
いつも通り起きようとすると何か違和感があった。
不思議な膨らみがあった。
「ん?」
不思議に思い布団を捲るとクロエが眠っていた。
ああ、そうか。
学園に来て初めての夜ぐらい一緒眠りたいと言われ楯無に「羨ましい....。」と羨望の眼差しを向けられながらも許可が出たので一緒に寝たのだった。
多分、簪とクロエを重ねたのだろう。
寝る前までかなり可愛がられていたしクロエもだいぶ楯無に懐いたようだ。
「うぅん.....お父様....? 」
「悪い、起こしちゃったか?」
オレが布団を捲ったせいで目が覚めてしまったようだ。
クロエは目を擦りながら体を起こす。
そんなクロエの頭をひと撫でしてやる。
「久々にコーヒー淹れてやろうか?」
「お父様のコーヒー、久しぶりに飲みたいです。」
「よし、じゃあ顔洗って寝癖を直してきな。」
パタパタとクロエが洗面所に行くのを見送ってからハンドミルを取り出し豆を入れる。
そしてケトルに水を入れスイッチを入れる。
楯無はまだ寝息を立てているため豆を削る音で起こさないように一旦外に出て豆を挽く。
無心で豆を挽いていると奥の部屋である相川が運動着姿で歩いて来た。
「あれ?センドウくん何してるの?」
「コーヒー豆挽いてんのさ。楯無がまだ寝てるからな。」
「なるほどね。でも更識先輩が寝てるのにわざわざ手挽きで豆挽いてるんだね。」
不思議そう尋ねてくる相川になんで説明すればいいのか迷っていると扉が内側から開いた。
「お父様、その...寝癖が直らないので、お父様に...あ。」
恥ずかしそうに櫛を片手に中からクロエが顔を覗かせていた。
話してる途中で相川の存在に気がついたようで固まってしまった。
可愛いがタイミングは最悪だ。
「おとっ..むぐぅ⁉︎ 」
「しーっ!」
相川が驚きの声をあげかけたが慌てて口を塞ぐ。
「説明するから大きな声は出すなよ。」
わざわざ起こさないために部屋から出てるのに大きな声を出されたら本末転倒だ。
そう考えオレは相川に顔を近づけて静かに声をあげないような伝える。
相川は首をコクコクと首を振って理解したことを伝えてくる。
何か焦ってるように感じたが取り敢えず口を抑えていた手を離す。
「.....説明、してもらうよ。」
♢
「まぁ、単刀直入に言えば養子だよ。」
オレはせっかくだから相川の分もコーヒーを淹れて席に着き話を始めた。
ちなみにコーヒーを淹れてる間にクロエは相川に髪をといてもらっていた。
相川はセミショートなのだが髪の長い妹がいるらしくて偶にといてやってるから慣れてるそうだ。
実際、かなり慣れた手つきで解いていた。
閑話休題
「養子....? 」
「そ、養子。オレのアメリカで住んでた家は孤児院経営しててな。軍人のオレが後継人になった方が色々と便利なのさ。」
「.....なるほどね。あんまり、深く聞かない方が良いよね?」
恐る恐ると言った感じで聞いてくる。
「まぁ、そうだな。.....とはいえ孤児がどうこうってのは気にしてないから、クロエと仲良くしてやってくれ。」
そう言い隣に座っているクロエの頭を撫でる。
人前だからか恥ずかしそうにしているが撫でてはいてもらいたいらしく拒否はしない。
「ふふっ、本当に仲の良い親子なんだね。なんだか妬けてきちゃう。」
相川はいつも通りの人の良い笑みを浮かべてクロエを見る。
しっかり見られたことが恥ずかしかったのか慌てたようにクロエが声を上げた。
「そ、それより!お父様の淹れたコーヒーを是非飲んでみて下さい。ウチに来る人はみんな絶賛してるんです!」
そんな様子が微笑ましく相川は軽く笑う。
「クロエちゃんがそこまで言うなら、期待しても良いんだね?」
「もちろん。」
今度は挑発的な笑みでオレを見てきたため、オレも同じく口角を上げて笑みで返す。
相川はコーヒーカップを持ち上げ一口飲む。
「!美味しい.....。」
「そうでしょう!」
相川のリアクションに何故かクロエが自慢げに胸を張る。
そんなクロエにオレも相川も笑みが溢れてしまう。
さすがは大統領と艦隊司令、天災、これらをまとめて微笑ませただけはある。
そんな感じで朝はとても平穏でそして気持ちの良い朝だった。
♢
楯無は前日の仕事でヘトヘトだったらしく朝食が出来るまで出てこなかった。
混乱を避けるために部屋で朝食を取ることにしていたが危うく寝坊しかけた楯無がいたので丁度良かった。
クロエは出勤する千冬に預け書類の確認をしてもらうため別で登校した。
そして、転入生の噂ですっかり持ちきりなっている教室でオレは相川と話していた。
「じゃあ、クロエちゃんは別になっちゃうんだ。」
「ああ。本人としては不満みたいだが1組に色々と集まりすぎてるしいい加減限界みたいだ。ま、2組には鈴がいるから困ったら頼るように伝えてある。」
フランスとドイツの圧力で転入生二人が1組に入るのにもう一人追加で入る転入生まで1組に行けば流石に言い訳がつかないほどの偏りが生じてしまう。
まぁ、専用機持ちの割合で言えば既に偏りが生じているのだが。
というか1年生の専用機待ちの人数が多すぎるのだが。
閑話休題
兎にも角にもそういう訳で残念ながらクロエは2組に行くことになった。
少し心配ではあるが周りに知り合いがいない学校というものはクロエにとっても良い経験になるだろう。
クロエに思いを馳せてると、ふーんと納得したように聞いていた相川が何か思いついたように声をあげた。
「あっ、ねぇ。」
「ん?」
「凰さんに頼るように伝えたって言ってたけど肝心の凰さんには話通してるの?」
「............あっ。」
忘れてた。
急いで伝えねばと端末を取り出したものの扉が開く音が聞こえ特徴的な緑の髪と巨大な胸部装甲を揺らしながら麻耶が入ってきた。
「皆さん席についてください。SHRを始めますよ〜。」
相川はオレに同情の視線を送りつつも肩を叩いて席に戻っていった。
机の下でこっそりメールを打つことも考えたがバレれば千冬に出席簿で殴られる上みっともないことこの上ない。
オレは渋々端末をしまうしかなかった。
麻耶が出欠の確認を終える。
普段なら一言二言話して終わりなのだが、少し吃りながら話し始めた。
「え、えーと...。今日はこのクラスに二人、転入生を紹介したいとと思います。」
その声色から感じられるのは動揺と疲労だろうか。
そういえば鈴にクロエのことを伝え忘れていたことで頭がいっぱいになっていてあまり気にしてなかったが全体的に疲れているように感じる。
恐らくは転入生二人に関する書類だの準備だのでバタバタしていたのだろう。
千冬はいつも通りを装って腕を組んで壁に寄りかかり様子を見ているがやはりどこか疲れてるように感じる。
.....今度、酒でも奢ろう。
そんなことを考えていると麻耶の入ってきてくださいという声で二人入ってきた。
片方は昨日見た銀髪をたなびかせたボーデヴィッヒ少佐、同級生だしボーデヴィッヒさんの方が良いだろうか。
そしてもう一人は金髪の子で長い髪を後ろで纏めている。
男?いや、どう見ても女だろ。
内心ではそうツッコんでいるが書類上は男だった。
まぁ、限りなく女に近い男だって世の中にはいるだろうと無理やり納得したが厄ネタの香りしかしない。
ヤンに視線を投げると、やはりヤンも目をパチクリさせて困惑していた。
詳しく調べるなりした方が良さそうだな。
取り敢えず自分の中で金髪は要注意人物として思考を一旦シャットした。
麻耶は取り敢えず二人に自己紹介を促すと始めに一歩前に出たのは金髪だった。
「はじめまして。シャルル・デュノアです。出身はフランスで、一応4人目の男性IS操縦者になります。...異性ですから迷惑をかけるかも知れませんがよろしくお願いします。」
美しい金髪に長いまつ毛、中性的な顔つき、そしてトドメの可愛らしい笑顔。
まさしく天使、もしくは儚いプリンスとでも言えるのではないだろうか。
それはこれらのわかりやすい条件が揃うと我がクラスで発生するのはただ一つ。
「「「「「きゃぁーーーーーっ!!!」」」」」
そうこの音響爆弾のごとき悲鳴だ。
オレとヤンはそれを察し耳を塞いでおいたが一夏はやりそびれていたらしくモロで受け大ダメージを食らっていた。
「4人目の男子よっ!」「儚げで守ってあげたくなる系や!」「ああ、1組で本当によかった.....。」
などなど女子の騒めきは止まることはない。
やはり年頃の女子として男、それもイケメンが増えるのはかなり嬉しいのだろう。
「皆さん!静かに!...それではボーデヴィッヒさんお願いします。」
麻耶が女子を宥め静かにさせる。
そうすれば自ずと彼女に視線が集まるが彼女は何も喋らない。
麻耶は困ったようにオロオロとしていたが、千冬がため息を溢しボーデヴィッヒに声をかける。
「......おい、ボーデヴィッヒ。自己紹介をしろ。」
「はいっ、教官!」
千冬が自己紹介を促すと今度は打って変わって大きなハリのある声、まさに軍人の出す声で返事をした。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
ボーデヴィッヒは本当に名前だけ言うと再び沈黙した。
「い、以上ですか?」
「以上だ。」
麻耶が恐る恐るといった感じで終わりか確認すると短く答えた。
クラスは全体的に困惑に包まれていた。
無理もないだろう。
側から見ればどんな転入生かとワクワクしていたらコミュ症がやってきたようなものなのだから。
それも超がつく厄介さを感じる奴がだ。
そんな姿を見てオレは思わず深くため息を吐く。
この人ホントに大丈夫なのだろうか....?
そんなことを考えてあるとボーデヴィッヒはおもむろに一夏の方に近づいて行く。
目にはかつて何度も見た怪しげな光を灯しながら。
オレは嫌な予感がしてそちらへ向かう。
「貴様がっ....!」
そう言うとボーデヴィッヒは右手を握りしめて振りかぶった。
その行為に何をしようとしているのか察した一夏は腕で受け止めようとした。
「貴様っ!」
しかしその腕はオレがなんとか間に合い掴んで止める。
ヘイトはオレに向き憎しみの籠った目を向けられる。
「急に殴りかかるなんて軍人以前の問題ですぜ。ボーデヴィッヒ"さん"や。」
オレがここは軍じゃねえから対等だと言う意味を込め"少佐"ではなく"さん"をつけて呼ぶ。
オレの言いたいことを察したのか舌打ちをしながら腕を振り払う。
オレを忌々しげにひと睨みすると視線を再び一夏に戻す。
「貴様がっ!あの人の弟だなどと認めるものかっ!」
そう言い放ったあとオレに目を向け何か言おうと口を開いた時、千冬の声が響く。
「自己紹介は以上だ!デュノアとボーデヴィッヒは事前に指定されてる席に座れ」
千冬の声には従うらしくボーデヴィッヒは静かに自分の席に行った。
オレはそれを見て麻耶と千冬に軽く会釈をして自分の席に戻った。
まだ少し騒つくクラスの中でオレは天井を仰いでボソッと呟いた。
「絶対厄ネタじゃねえか.....。」
これから起こるであろう様々な事件を想像して無性にタバコが吸いたくなった。
♢
そして時を同じくして2組。
隣の1組の歓声(悲鳴)を聞きながら「なになに?」とつられて騒がしくなってきているが遅刻魔の担任は未だに来ていない。
どーせカズキが言ってた転入生なのだろうなと他人事のように考えていると担任のエマ・パターソンが入ってきた。
「センセー遅〜い!」
「ごめんごめん!色々バタバタしててね。」
生徒の抗議の声に謝る先生は2組の朝の風物詩だ。
だが"色々バタバタしてて"というのがつくのは少なくとも転入してきて初だった。
「今日はビッグニュース持ってきたからね!まずは隣の1組に転入生が来ました〜!しかも2人!片方は男!」
「「「「「ええ⁉︎ 」」」」」
先生の持ってきたビッグニュースにクラスから驚愕の声が上がる。
さっきの歓声はそういうことかと納得した。
でも"まず"ってことはもう一つあるってこと?
「センセーまずってことはもう1つぐらいニュースがあるってこと?」
私の他にも疑問に思った子がいたらしく声を上げた。
すると先生は「Exactly!」とその生徒を指差しながら言った。
みんなから期待の声が上がり先生に視線が集まる。
「それでもう一つのBig newsは!Come on!」
先生はニュースの内容を言わずに誰かに来るように促した。
つまりは転入生か?
みんなの視線がドアは集まるとそこからは儚げな銀髪の少女が入ってきた。
思わず息を飲む。
それほどまでに美しいと思えてしまう少女は教卓の前まで移動してこちらを向く。
「それでは自己紹介をどうぞ!」
先生が自己紹介を促すと彼女は口を開いた。
「皆さま、はじめまして。アメリカから来ましたクロエ・センドウと申します。諸事情あって学校に通ったことがあまり無いためご迷惑をおかけするかも知れませんが、よろしくお願い致します。」
少女の丁寧な言葉遣いにみんなが感心すると同時に引っ掛かった。
今この子はセンドウと言わなかったか?
「何かクロエちゃんに「質問っ!」...oh...。」
先生が何か言おうとしたが遮られ若干落ち込んでるが今はそんなことはどうでもいい!
「なんでしょう?」
「センドウさんでいいんだよね?」
「はいクロエ・センドウです。」
「ひょっとして1組のセンドウくんの家族?」
この質問に対して彼女は微笑みながら答える。
「そうですよ。私はお父様の娘です。」
ピシッ
教室には衝撃が走り静寂に包まれる。
「む、娘?」
「はい、娘です。」
「おいくつ?」
「15です。」
えっ?
アイツって確か21だったはず....。
どう足掻いても計算が合わない。
クラスは大混乱に陥った。
「えっ?えっ?親子ってことはセンドウくんって40代なの?」
「そんな訳ないでしょ!」
「じゃあこの子は?」
「えっと、それは.....連れ子?」
「結婚してたの?」
「えっ?えっ?」
「わァ......ァ....。」
「泣いちゃった!」
ご覧の有り様である。
なんでこと考えてる私も現実逃避してるだけで激しく混乱していた。
しかしエマ先生はそんな有様を無視してクロエに
「じゃあ凰さんの隣が席だから。」
とコチラを指差していた。
えつ?隣?
さらに混乱しているとコチラへ歩いてきた。
「凰さん?でよろしいでしょうか?よろしくお願いします。」
「えっ?あ、ああ。アタシのことは鈴でいいわよ。よろしくね。」
「はい、鈴さん。私のこともクロエで構いませんよ。」
「そ、そう?じゃあよろしくねクロエ!」
もう知らんと半ばヤケクソでクロエと挨拶を交わす。
後で必ずカズキに問い詰めてやると心の中で決心しつつ、取り敢えずこの混乱をどうするか悩み出すのだった。
なお、クロエは鈴の内心などつゆ知らず
(鈴さんとは初めてのお友達になれるかも知れません!お父様!)
とかなり呑気なことを考えていた。
一応付け加えると実はカズキから親子と明かすのは構わないが養子であることをしっかり言わないと大変なことになるからと忠告を受けていたのだが、学校という環境などに興奮しており完全に失念していたのであった。
そして全ての皺寄せがカズキに来るのだが、今のカズキは目の前の厄ネタに頭を抱えておりこんな事になってるとは考えてすらおらず、知らぬうちに後に起こる事件が一つ増えてしまっているのだった。
哀れ、カズキ。
てな訳でクロエまさかの痛恨のミス!
仕方ないっすよね。初めての学校、初めての日本、初めての沢山いる同世代など初めてづくしで興奮してますからね。
じゃあなし。
それと金銀コンビの転入は銀の方の千冬さんへのクソデカ感情を垣間見るワンシーンですね。
金の方も厄ネタの香りがするのに銀は明らかな厄ネタというカズキの胃へのダメージがエグいことになってますがこれからさらに胃痛は加速していきます。