ソラを駆ける衛士   作:タリズマン

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実習生として船に乗りつつ過ごす日々ですが、燃料代が高かったりコロナ対策なりで面倒な日々を過ごしております。
世間は参議院選挙ですがみんな行ったかな?
せっかく民主主義国家に産まれたのだから行って票を入れようじゃないか!

まぁ、そんなことは置いといて第二話どーぞ。


第二話

束に拾われて一月が経とうとしている。

オレの怪我はせいぜい肋骨のヒビと額を切った程度だったらしく、束の私生活のダメさにほとほと呆れ返りながらリバビリをしつつ部屋を掃除し料理を作る毎日を過ごしていた。

それにしてもやはり軍人であり料理なんてする機会ほとんどなかったオレに劣るって相当だろ...。

京塚のおばちゃんのメシがふと恋しくなりつつも今の生活に慣れ始めてきた。

 

「ふぅ...」

 

いつも通りのランニングメニュー(ランニングマシーン)を済ませシャワーでも浴びようかと歩き出した。すると目の前の扉が急に開いて束が飛び込んできた。

 

「ハロハロ〜!かーくんに嬉しいお知らせだよ〜‼︎」

 

...はぁ、かーくんってなんだよ。オレはもう20だぞ。相変わらず呼ばれ慣れないあだ名で呼ばれ辟易しつつもお知らせとやらについて訊ねた。

 

「なんだ?その嬉しいお知らせってのは」

 

彼女はニヤッと笑いながら

「修理できたよ。かーくんの愛機」

 

 

 

そこに佇む機体の名は日本帝国から供与された戦術機「94式戦術歩行戦闘機 不知火」。

日本帝国初の国産機であり帝国軍の主力として配備されているもので基本性能も高く完成度が高い機体に仕上がっている。何より日本人の好む近接格闘を意識した設計がなされ、近接格闘性能は世界でもトップクラスを誇るだろう。あのクソ忌々しいアメリカのF-22には劣るが....

この機体で最後まで戦い抜いてきた。

 

 

ただ、おかしいのだ。オレの知ってるものに比べると遥かに小さくなっている。

 

「束、このスケールダウンした不知火はなんだ?」

「そんなの、かーくんの不知火に決まってるじゃんか」

 

聞けば不知火はISとかいう束の開発したものになっていたらしい。証拠として桜花作戦を含めた作戦中の通信記録が残っていだということを聞いた。

 

「なんで戦術機がISに...?」

「そりゃあ束さんが改造を施したからね☆」

 

呆然としながら尋ねると悪びれもなくそんな事をのたまう天災(バカ)がいた。

 

「おまっ、は?、いやお前、は?」

 

ふざけた事を宣ったことに対する苛立ちと困惑が溢れ考えがまとまらなくなってしまった。

 

「だって戦術機ってそもそも対BETA戦を考慮した機動的な遊撃戦力でしかなくて、戦闘機や戦車と戦ったら厳しいんでしょ。そんなもので重武装してる連中に突撃しろなんて流石にねえ....」

 

........感情的には納得しかねるが理解はできる。確かに戦術機とは対BETA戦専用の機体と言えるものであり、戦車や砲兵との砲撃戦には不利であるし、戦闘機との格闘戦なんて考えたくもない。

 

「納得しがたいが理解した。まぁ、これの大元は少なくともオレが乗ってた不知火なんだな?」

「そーだよ。これはかーくんの不知火をあくまでも改造したものだからね」

 

はぁ.........

 

「了解した。習熟のためにも早速動かしたいんだがいいか?」

「もちろん!デコイとか模擬弾とかいっぱい出して慣らし運転と行こうよ!」

 

.............え?

 

 

 

「あああああああああああああああ‼︎‼︎」

「ほらほら、しっかり動かないと被弾しちゃうよー」

 

どうやらあのバカには慣らし運転という言葉の意味がわからんらしい...

今現在オレは凄まじい数のミサイルを避けたり撃墜したりして必死に回避運動をしている。

先程、束が言った通り戦術機とは対BETA戦用に作られたいわば立つ航空機なのだ。当然そのパイロットたる衛士は基本的に対人戦闘のスペックはそんなに高くなく、ミサイルの回避訓練なんて経験は無い。第一に戦術機同士の戦闘時に使用する兵装は長刀や短刀などの近接装備と突撃砲である。加えてISとやらの動かし方なんてよくわかってない。それ故の慣らし運転のハズだったのだが....

 

「それじゃ、追加行ってみよう⭐︎」

「ぎゃあああああああああああああああああ!」

 

必死になって足掻いてたおかげか、空中での機動戦闘はそこそこ上達しているのが腹立たしい限りである。

 

 

 

「死ぬかと思った....」

 

あの地獄のような慣らし運転(爆)を終えたオレはヘトヘトになっていた。

 

「まぁ、上手く動かせるようになったからいいじゃん」

 

こいつ.....ぬけぬけと.....

 

「ところで興奮と困惑が先に来てて忘れてたんだが...」

「どったの?」

 

「なんで女にしか動かせないISを男であるオレが動かせるんだ?」

そうおかしいのだ。事前の説明ではISとやらは女にしか動かせず、そのせいで一部では女尊男卑の動きがあるなんて話を束から聞いていたのにも関わらず、男であるオレが動かせてる。全くもって意味がわからん。

 

「それはね................私にもわからんのだ‼︎」

「..........は?」

 

なんで製作者がわからんのだ。

いかん思いの外ドスの効いた声が出てしまった。ちょっと気まずそうにチラチラ見てきてるし。

すると束は気まずそうに言った。

 

「えっとね、実は、私が改造したことは間違いないんだけどね、あの不知火はISになった状態でかーくんが持ってたんだ。それを私が改造してあの形まで持っていったんだ。」

 

えっと...つまり...

 

「つまり、お前が見た時には既にISで武装やら推力機構やらをお前が改造したってことか?」

「そういうこと」

 

.......ナルホド...わからんな

 

「状況は意味不明でも取り敢えずかーくんは空を自由に飛ぶための翼を得れたってわけだよ」

「そうか....そうだな」

 

空を自由に飛ぶ、その響きだけで満足できる。光線級によって空を奪われたオレ達人類、それも衛士は空を飛べる翼を持ちながら高く飛び上がることは出来なかったのだ。その空を翔けれるそう考えただけでワクワクが止まらない。

 

「そういえば束は、お前はなんのためにISを作ったんだ?」

 

気になっていたことだ。コイツは何を思って女しか乗れないという欠陥兵器を生み出してしまったのか、ということだ。

 

「IS、あえてインフィニット・ストラトスと言うけど、これは元々宇宙進出のためのパワードスーツでぶっちゃけ自分が宇宙に行きたいから作ったんだ...。」

 

そういう束は暗く悲しげな顔をしていた。

 

「私はインフィニット・ストラトスを兵器と認識したくは無い。これは宇宙服として作ったんだ。そして完成した私は何も考えず学会で発表しちゃったんだ。そしたらあのジジイどもは私の夢を笑った。馬鹿にした。夢物語だと言った。それがどうしようもなく許せなくて....白騎士事件を起こしたんだ」

 

怒りを見せたがやはりその顔にはどこか後悔が滲んでいた。

 

「私はね、かーくん。空を飛びたかっただけなんだ。でも、やっぱり許せなかった。それで世界中にハッキングを仕掛け世界各地からミサイルが日本に向かうようにした。そして開発した白騎士を使って...」

 

「迎撃してみせるデモンストレーションをした....か?」

 

「そう。やってみせたんだ。これでアイツらも笑ってられないだろうってね。でも状況は悪化していったんだ。」

 

それはそうだろう。

たった1人の少女が腹いせにハッキングを仕掛けミサイルを日本に飛ばしてみせた。それだけで異常な状況だ。それだけでは無くそのミサイルを単機で迎撃してしまえるほどのものを生み出してしまった。何も知らない人間から見ればとんでも無い兵器を生み出してしまった少女。それが束だろう。そんな人間をほっとくはずが無いし、高性能な兵器をみすみす見逃すわけがない。

 

「重要人物の保護のためってことで家族は離散。私はISのコアを作り続ける事になったんだ。それに嫌気がさして467個のコアを作って逃げ出したんだ。」

 

なるほどね...。束は短絡的にことを拡大させてしまったことを悔いているのだろう。そして何より自分の生み出した空への翼をただの兵器と認識された事に嫌気が差したのだろう。そういえば...

 

「いつぞや言っていたクソッタレの研究所を叩き潰そうっていうのは何か関係があるのか?」

 

すると彼女はさらに顔を暗くした。

 

「....ISは前説明した通り適性が必要だし、男は乗れない。でも兵器としてそれは欠陥でしょ。それを補うためにどうしようとしてるか、かーくんわかる?」

 

コアの解析とかモンキーモデルの制作か?

いや、コアの解析程度じゃそこまで悲しむことはないだろう。非人道的なものだとするならば...まさか....!?

 

「人体改造...いや、まさかデザインベイビー....!?」

「ぴんぽーん、正解だよ。そう人工的に搭乗者を生み出す計画があるんだ。」

 

ISに適合するかわからないなら最初から適合する素体を生み出し、ISのパイロットにする。確かに合理的かもしれない。だが合理的なだけだ。それに人工的に人を産み出すんだ、全てが成功するはずが無い...。

 

「間接的に私が産み出してしまったあの子達を救って、これ以上産み出されないようにしたいんだよ。私が片付けないといけない事をかーくんに手伝わせるのは正直言って気が進まない...。なんて言ったって私の責任なんだからね...」

 

だが、結局はそれを産み出し実行していることがいけない。ISという存在に罪はない。確かに原因を作ってしまったのかもしれない。でも...

 

「そうだな、恩を返すって言って手伝うつもりだったけど、やめるよ。」

 

そう言うと彼女は残念そうな顔をして今までに聞いたことが無いような弱った声で「そっか...」と呟いた。

 

「だから改めて言わせて欲しい。」

 

「オレにも手伝わせてくれ。」

 

「え?」

 

これは恩だとかじゃない。人として、人を守らんと命をかけたものとして、命を一方的に踏み躙る行為をオレは許せない。だから、 

 

「恩義などでは無く、知ったからにはやらなければないと思ったからこそ、オレにも手伝わせて欲しい。」

 

未だに飲み込めていないのかキョトンしている彼女に続けて言う。

 

「すまないが恩を返すのはしばらく後になりそうだ。」

 

そう笑いながら言うと彼女は目に涙を蓄え、ボロボロと泣き出してしまった。 

 

「ゔん、ありがとう、ありがとう....」

 

泣きながら言う彼女にしばらく本気で泣いている女性を前にしたことのないオレはただ慌てることしかできなかった。

 

「いや、ほら、オレがやりたいからやるのであって、その、ほら、あの、泣くなよ...」

 

そう慌てふためくオレを見て泣きながら彼女は笑い出してしまった。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
うーん、やっぱり構想はあっても文字に起こすのがマジで大変ですね。
所々変なとこがあるでしょうけどそこは素人なんで勘弁してください、なんでもしますから。

ちなみに今回登場した機体、「94式戦術歩行戦闘機 不知火」ですが実は原作のマブラヴオルタにおいて国連軍横浜基地所属部隊で運用してるのは香月副司令直属の一部隊にしか配備されていません。これを本作では同じ横浜基地所属の第1001大隊にも配備しました。これに関しては表の部隊として新潟沿岸の防衛戦や間引き等に参加したために帝国軍側から提供されたという設定です。
本音を言えば不知火がカッコいいから出しました。いいじゃん不知火カッコいいじゃん。まぁ、一番好きなのはやっぱり武御雷なんですけどね。

今後の展開

  • さっさと原作にいけや!
  • 2つとも研究所潰すとこもやって
  • 片方だけでいいよ
  • そんなことより日常パート
  • 展開は好きにしな結果だけ見たい
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