ソラを駆ける衛士   作:タリズマン

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第三話どーぞ!


第三話

オレが束の涙に慌てふためく様を笑われて恥ずかしい思いをしてから少し時間を置き、今後の行動について話し合う事になった。

 

「さて、束さんが発見したその極秘研究所のある場所はドイツの南東部にあるキームゼー湖と、スウェーデン中央部のヘリエダーレン、ロシアのイルクーツクにあるチェルスキー、メキシコのアメリカ国境部からほど近いエヒード・カルメン・セルダン近郊の四カ所。この内やるとしたらどこから?」

 

ふむ...

 

「おそらく、メキシコにある研究所にはアメリカも関与しているだろう。アメリカ国境からそれほど離れておらず、緊急時にはアメリカ軍も出動する手筈になってるんだろうさ。だからこそ、一番最初にここを叩く。」

 

「どうして?」

 

「簡単さ。一番めんどくさそうなところを真っ先に叩く。特に米軍絡みなのがめんどくさい。」

 

米軍は腐っても世界最強の軍事力を誇る超大国だ。そんな連中が本気で警戒してから襲っては面倒だ。だから一番油断しているであろう最初に叩き潰す。

 

「なるほどねー。うんうん、そうだね面倒なタスクは先に終わらせようか。」

 

次に選ぶとしたら....

 

「その次はドイツだな。ドイツはEUやNATOにおいて中心的な立場にいる国だ。ここを潰して研究所情報を公開する。」

 

「アメリカのは公開しないの?」

 

平等に潰すなら全て公開したほうがいいだろう。だが、

 

「アメリカの情報を公開するのは危険すぎる。アメリカに対しては裏からこれは警告であるとリークした方がいい。奴らを本気にさせては面倒だし、何よりリスクがデカすぎる。政府へのリーク程度なら内輪でキッチリ処理するだろうし、そのあとNATO主要国のドイツがそんな目に遭えば自分達も一歩間違えればそうなると理解できるだろうしな。」

 

「なるほどね」

 

アメリカは最大の民主主義国家であり、時として民衆による運動で政権が倒れるといったことは起こってきたし、政府機関が好き勝手やってそれが漏れれば高官の首だけで済めばいいが場合によっては、組織ごと潰されかねない。それを理解してるからこそ連中は引き際をしっかり弁えている。

 

「それにアメリカに関しては利用したり恩を売りつけたほうがいい。なんなら今回の一件をバラさない代わりに他の研究所の制圧とか、せめて情報提供ぐらい要求してやったっていいだろう。あとは餌だな。」 

 

「餌?」

 

束は訝しみながら聞いてきた。

 

「国ってのは自国の国益が最大になるように動くもんさ。つまり、アメリカ合衆国にとって有利な状況にしてやるのさ。例えば、正義の国家たるアメリカの諜報機関によってドイツやロシアで行われている非人道的な研究が暴かれた。そして同じく情報を掴んでいたISの生みの親たる篠ノ之博士と共に研究所に囚われていた子供たちを解放した、とかね。」

 

「でもそれじゃ、アメリカで研究を行ってた連中が得をするんじゃないのかな」

 

確かにその懸念は間違い無いだろう。だが

 

「だからこそ真っ先に叩き潰して明確な証拠を手に入れる。それでもってアメリカ内部のクソどもを一掃させる。」

 

さっきも言った通りアメリカは引き際を弁えてる国だ。加えて政権にとっての一大スキャンダルとなりかねないことなら、さっさと切り捨てるだろうしな。

 

「つまりはアメリカを逃さないためって理由も含めてメキシコにある研究所を真っ先に潰す。そんでもって、ドイツの研究所を潰してアメリカへの最大の脅しとするわけね。オーケー、理解したよ。」 

 

「理解が早くて助かる。だがメキシコの研究所を攻略する為の前提条件はまだ揃ってない。」

 

そう重要な前提条件が揃ってないのだ。

 

「え?なになに?」

 

簡単なことさ。とても簡単な、ね。

それは....

 

 

 

「オレのIS操縦に関する技量がまだ未熟なことだ‼︎」

 

「えぇ...そんなこと胸張って言わないでよ...」

 

胸を張って言ってのけたオレに対し呆れる束。しかしこれは重大な問題だ。

戦術機の操縦ならいざ知らずISの操縦技術はまだ未熟なのだ。加えて対人戦闘に関しても専門の訓練を受けた人間に比べては劣るだろう。

 

「つまりだ。搭乗回数も少ない機体で、かつ乗り手の対人戦闘経験も少ない状況では作戦の成功は万に一つもないでしょってこと。」

 

「確かに...色々あって勢いで進めちゃったからね....」

 

少し顔を赤くしながらそう呟いた。

泣き顔を見られたのを思い出はして羞恥が湧いてきたのだろう。

 

「「..........................」」

 

なんかよく分からない気まずさを取り払う為咳払いを軽くした上で言う。

 

「ま、まぁ取り敢えずオレは技量を高める為の訓練が必要ってわけだ。」

 

束もハッとして、

 

「そ、そうだね。取り敢えず準備期間が必要だよね。」

 

「そうだ、だからオレが訓練してる間にできるだけ多くの情報を集めてくれ。例えば研究所の構造とか緊急時に集まってきそうな戦力のピックアップとか、その辺りを頼む」

 

戦いにおいて重要なのは情報だからな。不足の事態はあるだろうが、その時に手元にある情報の量で取れる選択肢の数は大きく変わり、それが生き死にに大きく関わることなるのだから。

 

そこからはひたすら訓練の日々だ。束お手製のシミュレーターによる対人戦闘訓練に実機によるシミュレーション。それ以外にも機体の整備方法に機体特性の把握、攻撃目標の構造把握できうる限りのことは全て積み重ねていった。幸い機体構造は元の不知火と似ている点も多く、構造の把握にそこまでの時間はかからなかった。

 

目標であるメキシコの研究所はメキシコ軍の施設となっているらしく、「特殊航空機研究所」というISに関する研究施設となっている。地上の施設にはメキシコ軍の装甲車を有する大隊が駐屯しており、滑走路とヘリポートも併設されているような規模の大きな基地となっている。

目標としている極秘研究施設は地下にあり、地下四層の構造となっている。我々は高高度から侵入し低高度でISを展開し奇襲攻撃をかける。侵入するための出入り口は格納庫に偽装された物資の搬出口があるのでそこから侵入する。低軌道からの降下なら桜花作戦の時に既にやっているので習熟にそれほど時間はかからなかった。だがしっかりと体に叩き込むため訓練自体は2ヶ月にも及びようやく準備が整った。

 

束の保有する移動式研究所、「吾輩は猫である」を使いメキシコ上空を飛んでいる。束の用意してくれた装備の最終チェックを行い今までの訓練を思い出す。体が鈍っていたから基礎的な体力錬成に筋力トレーニングを徹底的に行い、基地の構造図から作られたシュミレーターで突入訓練。ミサイルの回避訓練に新装備の習熟訓練...。

できる限りのことは全部やった。僚機がいないからミスをしても援護はないがやるしかない。

 

「間も無く作戦空域に到着するよ〜」

 

束から連絡が来た。

 

「了解。作戦通りやることやってくるよ」

 

「....無事に戻ってきてね」

 

なんだか束のテンションが低いと落ち着かない。ハイテンションな感じになれてしまったからかな。

 

「誰にもの言ってんだよ。こちとら元エースパイロットだぞ。」

 

そうだ、オレは今までいろんな激戦を生き抜いてきた。今さら怖気付く必要はどこにもない。必ず生きて帰る。

 

「束こそ後方支援ミスするなよ」

 

笑いながら言ってやる。 

 

「この大・天・災の束さんがそんなミスをするわけないじゃないか‼︎」

 

束も笑いながらそう返す。その言葉を聞き、なにも問題ないことを確認して

 

「ハウンドドッグ、出撃する!」

 

再び戦場へと向かう。

 




いかがだったでしょうか。
研究所の位置関係はぶっちゃけテキトーですが実在する場所です。
まぁ、だからどーしたという話ではありますが設定に過ぎないと流していただけると幸いです。
次回はようやく戦闘が始まります。

今後の展開

  • さっさと原作にいけや!
  • 2つとも研究所潰すとこもやって
  • 片方だけでいいよ
  • そんなことより日常パート
  • 展開は好きにしな結果だけ見たい
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