ソラを駆ける衛士   作:タリズマン

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前話から少し遅れました!
まぁ、不定期ってしてるし許してください。
今回の話では戦闘シーンがありますが私としては不出来なものです。
しかし、書き直しても良いものが浮かばず戦闘描写の難しさを実感しました。
不出来な部分は多いと思いますが少しでも楽しんでいただければ幸いです!


第四話

降下を開始した。最初の段階では生身のまま高高度から降下する。高度一万からの降下。

降下したことはあるとはいえあくまでもそれは戦術機での話であって生身での降下は初めてだ。

 

「ぬぅ...」

 

寒さと風に顔を顰めさせながらも降下は続く。

どこまでも落ち続けるのではないかという錯覚に襲われながらも高度計を確認する。大丈夫とは言われたが万が一傍受される危険性を考えてギリギリまで無線封鎖を行うことにしている。

高度1000..........500...400...300...今っ!

高度200で瞬時にISを展開し逆噴射をかけ勢いを殺す。

完全な奇襲に成功したらしく、付近にいた警備兵が逆噴射の影響で吹き飛ばされた。他の目につく限りの兵士は混乱で右往左往していた。それを尻目に逆噴射用のパーツをパージした。

どうやら逆噴射に関しては不知火に付いている推進機構では推力が足りないらしく、後付けの外装パーツを付けていたのだ。

オレは付近の格納庫の扉をテキトーに吹き飛ばし、中に機体がいた場合スクランブルで出れないようにしつつ地下への入り口を探した。これであろうという予想はされていたが一応の可能性を考慮して、他の扉を破壊した面もある。

見つけた....

 

「こちらハウンドドッグ、無線封鎖解除。目標を発見した。これより侵入する。」

偽装搬入口を見つけた。ここからどんな敵がいるかわからん。警戒しなければ…

 

 

「状況報告‼︎」

 

どうなっている⁉︎

いつも通り何もなく終わるはずだった。この夜勤当直も午前2時に差し掛かり眠気覚ましにコーヒーを淹れたところだった。

国籍不明機による奇襲攻撃を受け、格納庫区画は壊滅的な被害を被った。

あそこにはアメリカから購入したパーツによる実験機も多数あったというのに!

 

「格納庫区画の被害は甚大で、詳しい損害状況は分かりません。敵機は現在、我々には機密とされている地下ブロックへと向かっていきました。」

 

「地下だと⁉︎それでは我々は手出しできんではないか!」

 

地下は防衛の指揮を任されている我々にすら情報は開示されていない機密ブロックであり、我々、地上部隊の進入はたとえどんな状況であろうと禁じられている。

少なくとも管区軍司令部へ上げる必要があるな。

 

その頃、地下の研究所は地上よりも激しい混乱に陥っていた。

 

「どうなっている⁉︎なぜ敵がこの研究所へとまっすぐ向かってくるのだ‼︎」

 

隠蔽は完璧のはずだった。にも関わらず敵は最初から知っていたかのように侵入してきた。何重にも張り巡らされたトラップ地帯も突破して真っ直ぐ研究所の中核へと侵入してきたのだ。

 

「あり得ない...」

「このままでは我らは破滅だ」

「何とかして奴を抹殺せねば!」

 

この後の自分の運命を考え絶望する者、なんとかして敵の抹殺を考える者...様々だ。

助かるための策は何か無いのか....

 

『落ち着きたまえ』

 

穏やかな声が司令所に響いた。

 

「所長!」

 

所長はこの場にはいない。上への報告だかで研究所にはいないのだが、どうやら状況を知り連絡をくれたようだ。

 

「せっかく来てくれたんだ。もてなしてあげよう。」

 

「もてなし...ですか?」

 

「そうだ、おあつらえ向きのやつがあるだろ。確か...被験体174番だったかな...」

「しかしアレは実戦に投入できるほどのものでは...」

 

「失敗だって科学だよ。敵の迎撃もできてデータの取得もできる。一石二鳥では無いか」

 

そう言うと周りの研究者たちもハッとし、やがてその顔に醜いを笑みを浮かばせたのだった。

 

 

出てきたドローンを撃ち落としながら前進する。三層に来てから敵の数が増えた気はするが、今のところ予定通りに進行している。だが妙に嫌な予感がする。よく戦場で感じた首の辺りがチリチリする感覚。悪い事が起きる前兆だ。

 

「あぁクッソ...嫌な予感がする。」

 

思わずそう呟いた。

 

「スキャンした感じだとこの先は少し広い空間になってるみたいだから注意してね」

「了解」

 

束からの情報を聞きつつ前進する。子供たちが捕らえられてるのなら早く助け出さなければ"処分"される可能性が高い。

急がなくては....!

 

やがて束に言われた通り広い空間へと出た。

 

「演出場か...?」

 

そこは演習場のような空間で広くそして天井も高かった。

 

「ISの稼働試験でもする場所なのか?」

 

周りを見渡していると

 

「正面からISの反応アリ!注意して!」

 

束からの警告で意識が切り替わった。

前方の扉から出てきたのは一機のIS。警戒していると通信が入った。

 

「聞こえるかね。侵入者くん。私はこの研究所の所長をやっている。そうだな...ノーバディとでも言っておこうか。」

 

ノーバディ...名無し、か

 

「ふざけてるのか」

 

イラつきながら返す。

 

「ふざけては無いとも、大真面目さ」

 

「余計タチが悪い。そんでノーバディさんは私めになんの御用で?」

 

嫌な感じがする。コイツの嫌な感じはどこかで感じた事がある。どこだ...?

 

「なに...少しおもてなしをするだけさ」

 

もてなし....?

 

「ここにいるのは被験体174番、我々の産み出した最高傑作だ。存分に楽しんでくれたまえ」

 

!まさか実験体として扱われた子が搭乗しているのか。

 

「キサマァ‼︎」

 

思わず怒声が出た。はらわたが煮え繰り返る様な怒りが満ちてくる。

 

「そんなに喜んでくれて何よりだよ。じっくりと楽しんでくれたまえ...」

 

‼︎

奴のふざけた話が終わった直後、発砲された。意識をやつに持っていった分、奇襲を受けた形になってしまった。

 

『かーくん‼︎』

 

「クソっ!」

 

なんとかギリギリで回避したが、バランスを崩してしまった。そこに接近して切り掛かってくる。なんとか腕部の短刀を出し防ぎつつ長刀を抜き何とか凌ぐ。

 

「おいっ!やめろッ!君たちを助けに来たんだッ‼︎」

 

「....」

 

相手からの返事はなく、仕方なくサブアームを使い突撃砲を発砲する。サブアームなんてものを予想していなかったらしく、何発か被弾したようだ。慌てて飛び退き射撃戦に移行した。

オレは短刀をしまい手に突撃砲を持ち射撃する。サブアームで牽制しつつ手に持つ突撃砲を狙って撃った。

 

「意識を持てッ!お前は機械じゃなくて人間だろう!返事をしろッ‼︎」

 

そう叫ぶと相手は少し硬直した。

 

「................」

 

しかし返事はなかった。

 

「クソッ!意識が操られてるのか⁉︎」

 

機体を高く飛ばして、上から打ち下ろす形にしたいが相手はそれを許してはくれない。互いに決め手が欠けるままに射撃戦を続けた。何発か相手のライフルに命中し一丁破壊できた。しかし、運悪く腕部に被弾し射撃プログラムが正常に作動しなくなり精密射撃が難しくなってしまった。しかも左腕の短刀の機構も壊れてしまったようだ。

 

「クソがッ....」

 

現状、打開策がない。乗せられてる被験者の子はなんとか助け出したいが、精密射撃ができない異常彼女を傷つけずに機体を破壊し助けるのは無理だ。しかも対人戦が不慣れな以上、近接戦になると加減も難しい。

どうすれば....!?

頭の中で考えがまとまらずにいると、

 

「..........て」

 

今、声が.....

「.......殺...して」

 

⁉︎まさか....

「私を....殺....して」

 

「バカなッ!さっき言っただろう‼︎君たちを助けに来たとッ‼︎助けに来た奴を殺すバカがどこにいるッ‼︎」

 

オレは、オレたちは助けに来たんだ!見捨てるわけにはいかない‼︎

しかし、涙を流しながら彼女は訴える。

 

「これ以上....誰も...傷付け...たくない....です...。だから....!」

 

「ふざけんなッ!言っただろう!助けに来たって!それにこれはオレのエゴで始めた事なんだ!お前がなにを言おうが勝手を通させてもらう!」

 

そもそも彼女たちを救う事は少なからずオレのエゴだ。エゴの為に何も知らないであろう軍人を殺した。ならば、エゴを最後まで突き通さねば彼らへの不義理というものであろう。

その為には彼女を止める必要がある。考えろ、考えろ!どうすればいい!

 

『かーくん!』

 

「どうした束⁉︎」

 

『最初の時、彼女に意識があったと思う!?』

 

「途中から返事をし始めたし...無かったんじゃ?...うおっ!」

 

質問の意図がいまいち分からず訝しみながら答えた。

その間にも相手からの射撃は止まらず運悪く相手の持っていたライフルの一撃がサブアームに被弾してサブアームによる弾幕射撃ができなくなってしまった。

 

『機体に彼女を操っているものが取り付けてあるんだよ!あの子は突撃砲による被弾と手に持っていたライフルを破壊されてから意識が戻ってるんだ。その時にダメージを受けた箇所は頭部だ!解析したら頭部のヘッドセットは常時なにか電波を受信してるんだ!だからヘッドセットを破壊するんだ!』

 

「了解ッ!」

 

頭を覆う様に着けているあのヘッドセットを破壊すればいいのか...。

だが、精密射撃もできない今ピンポイントでヘッドセット破壊することなど...。

 

「くっ」

 

精密射撃どころか弾幕射撃もままならない今、ジリ貧な状態になっている。まずはこの状態を打開しないと。

そうだ!

ある装備のことを思い出し、一つ作戦を思いついた。

 

「確か.....あった!」

 

おもむろに筒状のものを取り出した。

対人戦闘経験が乏しいせいで忘れてたが、フラッシュバンを持っていたのだ。

 

「束バックアップ頼む!」

 

そう言うと理解したらしくフラッシュバンを投げつけた瞬間、視覚情報と外部の聴覚情報を切ってくれた。

炸裂したのを束に教えてもらい視覚を戻し、相手がダメージを受けてるのを確認すると長刀を引き抜き一気に接近した。

 

「チェストぉぉぉぉおおお!」

 

気合を入れて雄叫びをあげ敵の手に持つライフルを破壊した。なんとか視界を回復させた相手が飛び退いたが長刀を勢いよく投げつけた。

たまらず体勢を崩した相手の胸元を狙い、左腕を叩き込もうとする。しかし、武器破壊時のダメージの少ない左腕でなんとか防がれてしまった。

 

「だろーよ!」

 

予想通り、後はダメージを受けておらずしっかり短刀の出せる右腕で相手の頭部それも横に向かって一撃を叩き込む!

 

バギィッ‼︎

 

ヘッドセットを破壊した!

少し頬を切ってしまったらしく傷がついてしまったが何とかヘッドセットは破壊できた。

一旦距離をとり突撃砲を向けながら声をかけた。

 

「はぁ...はぁ....大丈夫か。返事....できるか?」

 

少し息を切らしながら尋ねると

 

「体が...自由に....動く...。ホントに...助けて...くれた....。」

 

「どうやら大丈夫みたいだな。頬は大丈夫か?」

 

手で触れ傷を確かめ

「痛っ....大丈夫です。痛いことには慣れてますから。」

 

そうはにかみながら言った。そう言われて複雑な気分になっていると

 

『ハロハロ〜。そっちの回線に繋いでみたけど聞こえるかな〜。』

 

「はわっ!...聞こえます....」

 

急に入った束からの無線に驚き変な声をあげたのが恥ずかしかったのか頬を赤くしながら俯いた。

取り敢えず見なかったふりをして辺りを見渡し警戒しておく。

 

『よかった。聞こえてるんだね。私は大・天・災たる束さんだよ〜。ま、急がないといけないから詳しく説明するのは後だけど、私たちに協力してほしいんだ。君への洗脳は止まったみたいだしね』

 

「協力...ですか...。この人は危険を冒してまで私を助けてくれましたし....わかりました。私たちを助ける為なのでしょ?手伝わないわけにはいきません」

 

なにも聞いていないのに即答するとは.....。

 

「私は何をすれば?」

 

『取り敢えず、覚えてる限りでいいからこの研究所を案内して』

 

それに彼女は力強く首肯し、先導してくれることとなった。

 

 

あっ、名前聞いてない....。

 

 

まさか苦戦したとはいえ助けてしまうとは...。彼が殺して助けるべき相手を殺したことに絶望する表情が見れるのではと期待したのだが。まぁいい。

それにしても、やはり電波式ではダメなようだ。

思った通り"アレ"の方が有効なようだな。研究を進めなければ。

 

「オレの勝手を通す、か.....ふっ。」

 

彼の放ったセリフを思い出し、つい笑ってしまった。

彼女というよりかは私にとって重要だったのはあの装置だ。あの装置の有効性を確かめたかった。

あそこにいる子供は報酬として彼らにくれてやろう。間も無く到着する米軍部隊をどうにかできれば....だがね。

そんなことを考えつつ再びワイングラスを傾けた。

 




いかがだったでしょうか。
今回の話ではファクターとなるノーバディを出しました。彼が最後に言った"アレ"とは何なのでしょうね(すっとぼけ)
取り敢えず無事に保護できてよかったですね。

リュウ1680さん 誤字報告ありがとうございます。
やっぱり所々に誤字があると思いますので見つけたら報告していただけると幸いです。
あと感想をいただけるモチベーションも上がりますし私が喜びますのでいただけると嬉しいです。(露骨な感想稼ぎ)

今後の展開

  • さっさと原作にいけや!
  • 2つとも研究所潰すとこもやって
  • 片方だけでいいよ
  • そんなことより日常パート
  • 展開は好きにしな結果だけ見たい
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