双子の妹がキャンプにハマりました   作:トロホルモン

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第8話

 

 なでしこと一緒に倉庫でテントを探した日の午後。

 

 鍋の材料と車中泊の為の布団を持って姉ちゃんの車に乗り、リンがソロでキャンプしている富士山の麓キャンプ場に向かっていた。

 

「まさか、やまとに友達が出来るなんてね」

「驚きだよね〜」

 

 姉ちゃんが車を運転しながらそう呟くと、助手席に座っているなでしこが同意していた。

 この話は転校した初日の夜からずっとしている。父と母は驚愕して、今日の晩御飯が赤飯になった。姉ちゃんは驚いて鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして珍しい表情をしていた。綾乃に友達が二人も出来たとメールを送ると、直ぐに綾乃から電話が掛かってきて長々と話をした。

 

「もうその話はいいだろ」

「ダメだよ。お兄ちゃんにアヤちゃん以外に友達が出来る事は、各務原家にとっては大ニュースなんだから仕方ないよ!」

「そう言う事よ、諦めなさい」

 

 俺は話を止める事を諦めて、窓の外を眺める事にした。

 こっちにはランニングで来てなかったな。富士山に近くに行くから富士山がよく見えるな。窓の外から綺麗な富士山が見えていた。麓キャンプ場まではまだかかりそうだけど。

 

 

 

 ⬜︎

 

 車に乗って数時間、無事に麓キャンプ場に着いた。

 

「受付そこじゃない?」

「うん、行ってくる」

 

 なでしこは車から降りて駆け足で建物の中に入って行って、俺と姉ちゃんは車に乗って残った。

 

「そう言えば、なでしこって財布持ってきたのか?」

「たぶん、持ってきてないわよ。どうして財布が必要なの?」

「それは……」

 

 俺が姉ちゃんに説明しようとしたら、助手席の扉が開いてなでしこが車に戻ってきた。

 

「お姉ちゃん、お金かかるんだって」

「……なるほど、そう言う事ね」

「そう言う事。俺、財布持ってきたから払ってくるよ」

「ありがとうお兄ちゃん」

「後で返して貰うからな」

「も、もちろんだよ!」

 

 そう言ってから俺は車から降りて一人で受付に向かい、なでしこと姉ちゃんと俺の分のお金を払った。車中泊なのに意外にお金が掛かったな。

 車に戻ってお金を3人分払った事を伝えてから、後ろの席に置いてあった鍋の品と土鍋とガスコンロをなでしこと分けて持ち、志摩を探しはじめた。

 

 

「なんだこのトラとライオンの像は?」

「お口が全開だね」

 

 入口を歩いて直ぐの所に2匹の動物の像が置いてあった。何の意味をもってこの像を置いてあるんだ。魔除けとか?

 

「お兄ちゃん、早く行こ!」

「分かった」

 

 いつの間にか、なでしこは先に進んでいた。俺はなでしこを追いかけるようにまた歩き出した。

 

 

 志摩を探して数十分。麓キャンプ場にある池や水場やトイレなどを回ったが、志摩は全然見つからなかった。そんな時に俺はふと思い出した。

 

「志摩ならテントの近くに居るだろ。椅子に座って本でも読んでいるだろ」

「あっ、そうか」

 

 そう言って俺達は芝生のある場所まで向かった。

 芝生に着くとテントがいくつか建てられていて、他にはキャンピングカーなども停まっていた。人は居るには居るけど、俺の思っていたよりもキャンプしている人は少ない。冬キャンプはマイナーな趣味なのかな?

 

 

「あの人達も高校生かな?」

「たぶんそうだろ」

 

 少し離れた所で高校生2人が楽しそうに焚き火台を使ってキャンプご飯を作っていた。この匂いは……カレーかな?しかも、本格的なスパイスを作ったカレーだ。

 

「これで完成、空さん特性の我羅流カレーだ」

「流石だぞ空!カレーのスパイスの相性をバッチリと分かっているんだな!」

「流石に小学生の時から何年もカレーを作っていたら相性とか分かるからな。そんな事よりカレーだカレー。飯盒炊爨に行っている優里ちゃん達を呼んできてくれ」

「分かった〜」

 

 すると褐色肌の男子が立ち上がって水場のある方に走って行った。

 あぁ、カレーの匂いを嗅いでいたら腹が減ってきたな。

 

「お腹空いたねお兄ちゃん、早くリンちゃんの所に行こ!」

「そうだな」

 

 そう言ってまた俺達は志摩を探しに歩き出した。

 早く志摩の所に行って鍋を作りにいこう。

 

 

 ⬜︎

 

 

 芝生を少し歩くと志摩っぽい奴を見つけた。俺達が居る距離から少し離れているから志摩かどうか分からない。

 

「あれって志摩か?」

「あぁ〜リンちゃんだぁ!!」

「なでしこが言うからには、あれは志摩なんだな」

「お〜い、リンちゃ〜ん!!」

 

 そう言ってなでしこは志摩の居るテントに向かって走り出した。

 なでしこは志摩を呼びながら駆け寄って居るが、志摩は気がついていない様子。寝ているのかアイツ?

 

「だから、分かったってー!」

「やっぱりリンちゃんだ!」

「うぉ!?」

「志摩だったな」

「なっ、えっ、なんでこんな所に2人が!?」

「斉藤さんから教えてもらったんだ」

「またアイツか」

 

 志摩はそう言ってため息一つ吐いた。

 それにしてもちゃんとしたテントを持ってるな志摩は。確か、祖父からお古を貰ったとか言ってたな。野外活動サークルが持っていたテントよりもしっかりとしてるし、お古にしてはまだ新しく見える。テントだからあまり使わないから新しく見えるだけなのかな?

 

「もしかして、もう晩御飯食べちゃった?」

「えっと、まだだけど」

「なら丁度よかった。それじゃあ志摩」

「今からお鍋やろ!」

「えっ、鍋?」

「うん、餃子鍋!」

「材料は全部こっち持ちだから気にするな。なでしこ、シート引いてくれ」

「わかったー」

 

 なでしこにシートを引かせてから、俺は荷物を置いた。ガスコンロを取り出して土鍋をガスコンロの上に置いてから、スープを土鍋の中に入れた。

 家を出る前に、なでしこと一緒に鍋の準備をして置いた。野菜を洗ってから切り、それを綺麗なビニール袋に入れた。鍋のスープを作って冷ましてからペットボトルに入れた。これなら荷物を嵩張る事はなく、楽々と運べた。

 

「何か手伝おうか?」

「いいよ。志摩はまったりとしときな」

「でも」

「大丈夫。材料は家で切ってきたから、土鍋にぶち込んで煮ればいいだけだもん!」

「すげぇ不安」

「俺がなでしこを監督しとくから」

「なら任せた」

 

 なでしこは材料を全部入れてから、土鍋に蓋をして閉じて火をつけた。

 あとは出来上がるのを待つだけだ。

 

「どうして今日来たの?」

「志摩にお礼がしたいっと言って今日来たんだ」

「お礼?」

「カレーめんの!」

 

 なでしこはそう言うと、志摩は驚いた顔をした。

 まさか、カレーめんのおかえしの為に今日ここまで来て、鍋を振る舞ってくれるとは思わなかっただろうな。メインはおかえしだろうけど、キャンプを一度して見たかったのは少しはあるだろうな。

 

 

 

「出来るまでは鍋を覗いてはダメですよ」

「なでしこの恩返し」

「覗いたらお前は鶴にでもなるのか」

 

 俺となでしこと志摩は、鍋が出来るのを待った。

 





 リアルで事故に巻き込まれて怪我をしました。その時にポケットに入っていた携帯も壊れて休憩時間に書けなくなり、家に帰ってからしか書けなくなりました。しばらくの間は投稿ペースが更に遅くなります。

 【追加】突然オリキャラを登場したさせました。なので、タグにオリキャラを追加しました。
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