ヤンデレは世界を救う ─ホロライブ・オルタナティブ外伝─ 作:らっくぅ
とは言ってもモチベーションが維持できるかどうか分からない(←おい)ので、長めに取って半年くらいで終わらせるんだろうなと予測してます。
少女は独り、森の中を彷徨っていた。
ここに用はない。行く当ても特にない。
ただ、誰かに分かって欲しかったから。
だからこそ、彼との出会いは全ての始まりであったのだろう。
*
ネクロマンサーという、死に最も縁深い種族でありながら。
あるいはだからこそ、1600年もの間生きられたのかもしれない。
しかしそれ故に、人からは気味悪がられ、忌み嫌われた。少女はじきに、自分が他者と相容れぬ存在である事を知った。
少女は他者とのつながりを絶った。そこにあるのは自分の求める平穏ではなかったから。
最初のうちはそれで良かった。他人の目を気にせずに生きる事が、何より快適であった。食料や衣服などの生活必需品を求めて定期的に町へ行かねばならなかったが、ひっそりと暮らしていれば何の問題もなかった。少女は平穏な生活を手に入れたのだ。
しかし、間もなくして少女はそれが空虚なものであると知った。彼女は1人でいることの虚しさを痛感した。理解者が欲しかった。自分の境遇を認め、自分という存在を受け入れてくれる理解者が。
そのような人物は、しかし現れることはなかった。人間はもちろん、魔族すら、少女を恐れたからだ。
老いないから、だけではない。ネクロマンサーという種族自体、今では殆ど確認されておらず、その存在は一種の伝説と化していた。もっともそれは、必ずしも良いものばかりではなかったのだが。
少女はいつしか、穏やかな生活を捨て、各地を放浪するようになった。どこかに自分を理解してくれる人がいるかもしれない。そんな叶わぬ幻想を抱きながら。
しかし少女は諦めなかった。それこそが、それだけが彼女の生への渇望だったから。
*
そんな時、だ。
目の前に突如、巨大な魔物が現れたのは。
「ぇ…」
おそらく何かしらの擬態能力を有しており、少女が近づいて来るのをずっと待っていたのだろう。
そんな冷静な思考を、しかし彼女は巡らせることができなかった。
少女──るしあは小さく掠れた声を出す。
魔物はこちらを捉え、捕食者特有の鋭い眼光をこちらに向けている。
いくら常識とはかけ離れた寿命を持っているとしても、その膨大な魔力を十全に扱えるかどうかは別の話だ。
るしあは戦闘に慣れていなかった。だから、強力な魔物を発見した時は見つからないように隠れるか逃げるかする事しかできなかった。
だというのに。
真っ白になった頭に、1つの思考が浮かんできた。
(これ死んだな…)
るしあは死を悟るが、しかし「彼」はそれを許さなかった。
「…っ⁉︎」
ズッッッッッガァァァァッッッッッッ!!!!!!!!!! と。
*
関わるつもりは無かった。
だが、身体が勝手に動いた。そうしなければきっと、自分が自分でなくなるような気がしたから。
スメラギは滅びの力を腕に纏わせると、腕を薙ぎ払い、滅紫の斬撃を魔物へ放つ。
「グガァァァァァァァァァァァ!!!!!????!!?」
目の前の少女に完全に気を取られていたのか、背後から迫ってきた攻撃をモロに喰らう。
突如現れた襲撃者に身体を向け、攻撃態勢に入ろうとするが、
「グ……!!? グルルルルルル……!!!」
スメラギの『力』に気づくと、途端に恐怖心を露わにし、威嚇をしながらそのままどこかは去っていった。
(…)
こんな事をした所で、スメラギにとっては何の意味も無かったし、何の感情も湧いてこなかった。彼にとって些事であり、寄り道以上のものではなかった。
「あっ……」
スメラギは立ち尽くす少女に一瞥もくれる事もなく、その場を立ち去る。
*
「ま、待って…!」
るしあは思わず青年を呼び止める。
突然現れ、たった一撃で魔物を撃退したあの青年。明らかに普通ではない。
その強さではない。
何より彼の表情と、彼の纏う雰囲気が、およそまともな人間とは思えなかった。
しかし、安易に踏み込むのも躊躇われた。普通じゃないのは自分だって同じだから。
でも、この出会いをここで終わらせたくもなかった。
だから。
「あ、あの…助けてくれてありがとうございました…!」
「…」
「それで…あの…どうしてこんな所に? るしあが言うのも何だけど、ここは人の来る所じゃないし…」
「…そんなの、君には関係ない。俺はいかなきゃいけないんだ。君に構ってる暇なんかない」
青年はそう言うと、再び歩き出す。まるで誰とも関わりたくない、という風に、顔を背けすげなくあしらう。
「ちょっ…待って欲しいのです! あなたは一体…」
瞬間。
「か……はっ……!!??」
アイデア思い浮かばんです。たすけて