ヤンデレは世界を救う ─ホロライブ・オルタナティブ外伝─ 作:らっくぅ
思えば僕は現実から逃避する際に何かにハマる傾向があるようです。ブルーアーカイブ然りTS然り
というわけで今回もよろしくお願いします
そうして無事に依頼を達成し、受け取った報酬で生活必需品をあらかた買い終えた時だった。
「これでしばらくは持ちますね!」
「ああ。依頼を受けるのは数日おきにしよう。あとは極力あの部屋から出ないようにして…」
とりあえずQOLは後回し。今はこの生活に慣れることから始めよう。
そう考えながら、潜伏先の廃墟群へ足を踏み入れ──
「待って」
「、?」
スメラギが先へ進もうとするるしあを手で制止する。
慌ててるしあは足を止め、じっと待つ。
「……あ、あの…?」
「何か様子がおかしい…。
廃墟には居場所を失くした者達が集まっている。彼らは基本的に相互不干渉だが呼吸音や衣擦れなどの環境音は聞こえてくるはずだ。
しかし今。
この場所は不気味なほどに静まり返っていた。いや、それどころか。
「るしあ、できるだけ広い所に行こう。嫌な予感がする、もしかしたら奴が──ッ!!!?」
刹那。
まるでゲームのすり抜けバグのように。すぐ横の壁から襲撃者は現れた。
ガガギギギギッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
瞬時に“力”を纏った腕で迫るドリルを防いでいなければ、今頃スメラギの頭はその中身を盛大にぶちまけていただろう。
「カド、モニ…ッ!!!!」
『ポイント302にて対象を確認。来援を乞う。』
「チッッッ!!!!」
スメラギは強引にドリルを弾くと、もう片方の手をカドモニの眼前へと向け、
ギシャッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
『──ッ!!!』
“力”を拡散させる。しかしその寸前でカドモニは腕のドリルを射出し、その勢いで致死圏外へ退避すると、すぐに体勢を立て直し再びスメラギへ襲いかかる。
「ッROOM!」
ボウッとスメラギの手のひらから半透明な紫の球体が生まれる。
「freeze!!!!」
ピンポン玉ほどの小さな球体がスメラギに肉薄するカドモニに向けて投げられた。より正確には、彼の頭部へ。
直後。
『──,,!@&/#××!?』
ガクンッ! とカドモニの動きが突然止まり、スメラギの目の前で物言わぬ鉄の像と化した。
「電脳部分の時間を奪った……だが、これでこの手はもう使えないな。早く別の世界へ行こう」
「──っは、はい!」
突然の出来事に呆然としていたるしあだったが、スメラギに声をかけられ、我に帰る。と同時に、まさにスメラギを刺し殺そうとしていたカドモニの固まった姿を見て、喉がひゅっと鳴る。
「、……」
「大丈夫? 怪我はないか?」
「わ、私は大丈夫…」
「…良かった。じゃあ、先に入ってくれ」
『1648号機は?』
『不明。破壊されたことは確かだが、ボディが存在しない。どこかに隠蔽された可能性。』
『ターゲットも逃げたか。』
『肯定。“力”の痕跡を検知。並行世界へ渡った後と推測する。』
『──了解。警戒レベルを1に引き下げ、引き続き巡回を続ける。後はそちらに任せる。』