鳥人族(超人族)の行く! IS開発? オリジナル版   作:プリズ魔X

2 / 2
邂逅

「宇宙人……?」

 

「……地球人?」

 

スターシップに黒煙が舞い、火花が散る中、天災と宇宙人は出会った。

喋り慣れているチョウゾ語では勿論通じないので、ヤングバードは昔趣味で作った全言語対応翻訳機を起動して話し始める。

 

『えー、これでよろしいでしょうか?……私の名はヤングバード……貴女達の言う通り、宇宙人ですね。その中でも鳥人族と呼ばれる種族です』

 

「おじさん、ほんとうに宇宙人なの!?」

 

凛々しい感じの少女の問いに、一礼をしながら肯定するヤングバード。

ウサ耳を付けている少女はその間に、大破しているスターシップを見つめていた。

 

『はい。……あの、もし良ければ私のスターシップの修理を手伝っていただけると嬉しいのですが……』

 

「……条件がある。私の開発している物の手伝いをしてくれるなら、それでいいよ」

 

ややぶっきらぼうに条件を提示するウサ耳少女に、ヤングバードは少し考えた後に、力になれるのなら是非とも。

と言って互いの条件を呑むことになった。

 

 

 

 


 

「これが貴女の研究しているマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトス……ですか」

 

パワードスーツを纏ってスターシップの残骸を瞬く間に片付け、周辺の機器に残った証拠を消したヤングバードは、ウサ耳少女こと篠ノ之(しののの) (たばね)の家に招かれた。

凛々しい感じの少女は彼女の妹で、篠ノ之 (ほうき)と言うそうだ。

そして、彼女の開発している宇宙空間での活動を想定しているマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトスの設計図をヤングバードはまじまじと見ていた。

 

「これが私の夢……インフィニット・ストラトス」

 

何処か元気の無い束に違和感を覚えたヤングバードは、何故そんな状態なのか聞いてみる。

 

「あの……何処か体調が優れないのでしょうか? 先程から元気が無いように見えるのですが……」

 

束が暗い顔をしながらポツポツと話し始める。

 

「……この子を学会で発表したの」

 

「……もうですか? 基礎理論は完成しているとはいえ、設計図だけですが……」

 

「うん……それでね、こんなの実現できるわけが無い。所詮空想の産物だって言われたの」

 

「……」

 

 ヤングバードはとても苦々しい表情で束を見た。今となっては色褪せた記憶だったが、前世では自分もそのような事を体験した。

周りに否定される。存在するのにそんなものはありえないと周囲は拒む。

それをされると……人は気が狂いそうになる。

 

「……信じます」

 

「……え?」

 

「私は信じます。この、インフィニット・ストラトスは実現できるものだと。技術がどうこうじゃない。貴女なら実現できると、私は……信じます」

 

ヤングバードの心からの言葉に固まる束。

次第に目元から涙が溢れ出し、ヤングバードに抱きついて泣き喚き始める。

その涙は、喜びからのものだった。

ヤングバードはただ優しく束を抱きしめる。

 

「……」

 

天才は天才故に孤独であった。

友はいたが、歩む道が違っていた。

道を歩かない時は孤独ではなかったが、道を歩く時は暗闇に包まれながら孤独に進まねばならなかった。

やっと見つけた灯火は目の前で消え去り、再び絶望した。

……だが、光は彼女を見捨てなかった。

 

「……ひとつ、人生の先輩の独り言です。世の中を変える切っ掛けを与えるのは天才ですが、世の中を最後に変えるのは……結局は沢山の凡人なんです。貴女にとっては皮肉ですよね。天才を否定した人達が、天才が決めた道へ世の中を決めてしまうのですから……」

 

「ですが、天才にもたった一つの力があります。それは、世界が進む道を決める力です。一人の天才が世界を破滅にも、繁栄にも導く事ができる……っと、1000歳の若造が話すのはここまでにしておきましょう。とにかく、今はゆっくり休んでください……」

 

独りだった天才は泣き疲れて眠りこけ、ヤングバードは彼女の部屋にあった布団にそっと寝かせ、インフィニット・ストラトスの解析を始めた……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。