鳥人族(超人族)の行く! IS開発? オリジナル版 作:プリズ魔X
「宇宙人……?」
「……地球人?」
スターシップに黒煙が舞い、火花が散る中、天災と宇宙人は出会った。
喋り慣れているチョウゾ語では勿論通じないので、ヤングバードは昔趣味で作った全言語対応翻訳機を起動して話し始める。
『えー、これでよろしいでしょうか?……私の名はヤングバード……貴女達の言う通り、宇宙人ですね。その中でも鳥人族と呼ばれる種族です』
「おじさん、ほんとうに宇宙人なの!?」
凛々しい感じの少女の問いに、一礼をしながら肯定するヤングバード。
ウサ耳を付けている少女はその間に、大破しているスターシップを見つめていた。
『はい。……あの、もし良ければ私のスターシップの修理を手伝っていただけると嬉しいのですが……』
「……条件がある。私の開発している物の手伝いをしてくれるなら、それでいいよ」
ややぶっきらぼうに条件を提示するウサ耳少女に、ヤングバードは少し考えた後に、力になれるのなら是非とも。
と言って互いの条件を呑むことになった。
「これが貴女の研究しているマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトス……ですか」
パワードスーツを纏ってスターシップの残骸を瞬く間に片付け、周辺の機器に残った証拠を消したヤングバードは、ウサ耳少女こと
凛々しい感じの少女は彼女の妹で、篠ノ之
そして、彼女の開発している宇宙空間での活動を想定しているマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトスの設計図をヤングバードはまじまじと見ていた。
「これが私の夢……インフィニット・ストラトス」
何処か元気の無い束に違和感を覚えたヤングバードは、何故そんな状態なのか聞いてみる。
「あの……何処か体調が優れないのでしょうか? 先程から元気が無いように見えるのですが……」
束が暗い顔をしながらポツポツと話し始める。
「……この子を学会で発表したの」
「……もうですか? 基礎理論は完成しているとはいえ、設計図だけですが……」
「うん……それでね、こんなの実現できるわけが無い。所詮空想の産物だって言われたの」
「……」
ヤングバードはとても苦々しい表情で束を見た。今となっては色褪せた記憶だったが、前世では自分もそのような事を体験した。
周りに否定される。存在するのにそんなものはありえないと周囲は拒む。
それをされると……人は気が狂いそうになる。
「……信じます」
「……え?」
「私は信じます。この、インフィニット・ストラトスは実現できるものだと。技術がどうこうじゃない。貴女なら実現できると、私は……信じます」
ヤングバードの心からの言葉に固まる束。
次第に目元から涙が溢れ出し、ヤングバードに抱きついて泣き喚き始める。
その涙は、喜びからのものだった。
ヤングバードはただ優しく束を抱きしめる。
「……」
天才は天才故に孤独であった。
友はいたが、歩む道が違っていた。
道を歩かない時は孤独ではなかったが、道を歩く時は暗闇に包まれながら孤独に進まねばならなかった。
やっと見つけた灯火は目の前で消え去り、再び絶望した。
……だが、光は彼女を見捨てなかった。
「……ひとつ、人生の先輩の独り言です。世の中を変える切っ掛けを与えるのは天才ですが、世の中を最後に変えるのは……結局は沢山の凡人なんです。貴女にとっては皮肉ですよね。天才を否定した人達が、天才が決めた道へ世の中を決めてしまうのですから……」
「ですが、天才にもたった一つの力があります。それは、世界が進む道を決める力です。一人の天才が世界を破滅にも、繁栄にも導く事ができる……っと、1000歳の若造が話すのはここまでにしておきましょう。とにかく、今はゆっくり休んでください……」
独りだった天才は泣き疲れて眠りこけ、ヤングバードは彼女の部屋にあった布団にそっと寝かせ、インフィニット・ストラトスの解析を始めた……