私、雨宮 流星《あまみや すばる》は転生者だ。
気づいた時は5歳になっていた。
激しい頭痛に見舞われ、前世の記憶が蘇ってきた。
その内容はこの世界が『ペルソナ5』の世界だという事に。
その事実を知った時、歓喜と同時に絶望もした。
なぜなら、杏ちゃんが居るからだ。
あの子を嫁にしたい。
絶望した理由は名前が雨宮という事。
それは獅童との因縁を指す。
ただのモブにはなれないということだろう。
偽イゴールとの出会いも。
なんとかなるように体力付けるか。
*****
その11年後。
16歳となった私たちは、双子の兄雨宮 蓮《あまみや れん》と地元を離れ、東京に来ていた。
単なる観光目的では無く、《保護観察処分》として東京の学校、《秀尽学園高校》に1年間通う事となった。
《保護観察処分》になった理由は、原作と一緒。
冤罪での前科者となり、東京まで上京してきたのだ。
2016年 4月 8日 (金)
これから1年間お世話になる《佐倉 惣治郎》 が経営している《純喫茶 ルブラン》を目指す為『四軒茶屋駅』に来ていた。
『お兄、今日からココがオレたちの住むところだね』
「ああ、って一人称ソレで行くのか?」
『うん、舐められたくないからね』
私は戸籍上、女としてなっているが、今現在どこをどう見ても男にしか見えない格好をしている。
「…行こうか」
『え、わかるの』
「なんとなくだ」
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なんとなく蓮の動くままに着いて行ったら路地裏にある『純喫茶ルブラン』にたどり着いた。
銭湯と乾燥機を真向かいにして。
試験茶屋駅周辺には、閉店した映画館やスーパー、病院、バッティングセンター、銭湯、乾燥機などがある。
原作通りの位置にそれぞれ施設がある。
なんと、素晴らしい事だろう。
聖地巡礼だ。
『行こう、兄貴』
「ああ」
兄貴が『ルブラン』の扉を開ける。
開くと、カウンター席6席、テーブル席が4席のこじんまりとしたレトロ感溢れる内装となっている。
「いらっしゃい」
「佐倉惣治郎か?」
「な……、ああ、今日からお世話になる雨宮達だっけ。どんな悪ガキかと思えば、お前達が…ねぇ」
ピンクのシャツを着て、髭を生やしている佐倉さん。
まんま、ゲームの姿だ。
「双子の男女と聞いていたが…女子はどちらだ?」
『俺の方だ。これからよろしく佐倉さん』
片手を上げ、笑顔で答える。
「一緒の部屋で大丈夫か?」
『ああ、大丈夫。慣れてるから』
「そうか、ついてこい」
そう言って佐倉さんは2階へ案内してくれた。
佐倉さん、無愛想だが、根は優しいのは知っている。
怪盗団となっていた蓮達を知っていながらも匿っていたんだから。
お前たちの部屋だ、と案内された部屋は物置部屋化していたようで荷物が沢山ある。
片付けたら広くなりそうだ。
「何が言いだそうだな?」
「広い部屋だな」
『物がいっぱいだな』
「後は自分達で片付けるんだな。店閉めたら俺は引き上げる。夜は2人になるが悪さするなよ?騒いだら放り出すからな」
「――さてと、事情はあらかた聞いている。確か、『男に言い寄られてる女を助けたら男が怪我して訴えられた』…だっけ?大人相手に余計な事をするからだよ…。そんで、『前科者』となったお前達は地元の高校を退学処分。裁判所の指導で、転校、転居の指示。両親もそれを、承諾っと。……余計な事は言うんじゃねぇぞ?客商売してるんだ、こっちは」
「ここ1年は大人しくしてる事だな、そうすりゃ観察も解ける」
「観察…」
『1年か』
「…『保護観察』期間だろ、だから1年の期間だ。ヘマしたら少年院送りだぞ?」
若干のあきれ声。
「明後日、『シュージン』に向かうからな。明日は自由に探検しにいってきな」
『分かった。……あ、冷蔵庫達って使っていいの?』
「良いよ、自分達で買ったものなら」
『ありがと』
じゃあの、と言い佐倉さんは下に戻る。
『とりあえず、綺麗にするか。床とかするから机とか大きい物使えれるようにしてくれない?』
「うん」
ようやく、ここまで来た。
スタートラインにたてた。
いや、まだ、パレスに行ってないからまだか。
《雨宮流星》というイレギュラーがいる為、世界がどう転ぶか分からない。
ただ、1つ言えるのは、平和を滅ぼす奴らは消えろ。
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3時間後。
18時
部屋が綺麗になり、潜入道具を作る為の作業台、コープ関係の人から貰った物を飾る棚が増えた。
早く『ブラウン管テレビ』GETしたいな。
ゲームは息抜きに必要だからな。
『夜ご飯にするか。何食べたい?』
「簡単なもの」
『…お弁当でも良いのか?』
「ああ」
『じゃ、スーパー行くか』
ゲームでは最初夜間の外出はダメだったはず。
生きる為に食は必要なので、四軒茶屋駅周辺であれば外出オケだ、そうだ。
スーパーに行き各自お弁当を選び、買う。
『明日、この町の診療所に行こうと思う』
「?」
なんで?という顔をする蓮。
『怪我とか風邪引いた時の顔見知りになりたいから』
まぁ、早くコープ進めて『貼る大気功』が欲しいからという理由だけど。
あれは毎ターンSPが8回復するチートアイテムだったが、リアルではどこまでの性能だろうか…。
お弁当を食べ終わり、軽く作業台を整理する。
ソレで、キーピッキングとか作れるようになる。
寝よう。
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ふと目を覚ましたら、牢屋の中にいた。
足には足枷、所々に鎖が置かれている。
…ベルベットルーム。
初見のフリしなくては。
「ようこそ、わたくしのベルベットルームへ」
と、鼻の長い老人が言う。
「気づいたようだな、囚人達」
「現実のあなたは睡眠中。これは夢としての体験に過ぎません」
「主の御前だ、姿勢を正せ!」
双子の看守が順番に言う。
原作通りに会話が進む。
ただし、トリックスターが2人いるのは少々誤算だった模様。
更生にはあまり影響が出ないから問題無しとされた。
また詳しく話があるそうなので、双子の看守と老人の名前を知った所で夢から覚めた。