4月10日 (日)
昨日、蓮が周回している事が判明した。
そのお陰で少し動きやすくなる。
何も知らない状態より、ある程度というかほぼ全部知っている人が近くにいるのは安心出来る。
10時
今日は初めて秀尽へ向かう。
保護者、惣治郎と共に。
私立秀尽学園
それは都内の蒼山一丁目にある、特に運動部に力を入れているごく普通の進学校である。
その中でもバレー部は教師が元オリンピック選手であり、その手腕で全国レベルまで力をつけたとか。
これから、1年間、怪盗として学生としてココに通う事になる。
そして、最初の標的…も。
「おい、何やってんだ。黄昏てる暇はねぇぞ」
「すいません、つい」
『ごめんなさい』
「・・・一応警告しとくがな、学校では大人しくしておけ。どれだけお前らが真面目でも人の印象ってのは事柄で大きく変わる。お前らの場合『前科』がそうだ。クソみてぇな話だが、事実そうなんだよ人間ってのは。集団でいるなら尚更だ」
「・・・はい」
『…了解』
「言いたかねぇが迷惑はゴメンだ。俺の為にも、そしてお前の為にも・・・そこんとこ頼むぞ」
「はい」
『ええ』
これからの事を思うと迷惑しか、かけないのだがなぁ…。
今をやり過ごすしかない。
行くぞ、と言い惣治郎は校舎内に進んでいく。
私は、ゲームで見た通りの作りをしているので新鮮を覚えている。
蓮は…何回もループしてるから飽きてきてそうだけど…。
たどり着いた先は校長室。
真正面に、黄色のスーツを着ただるま体型の男の禿げた先生。
その横には、黄色と白のポーターシャツを着た、『節制』のコープを持つ川上貞代。
そして、その横にはもう1人、ゲームでも見た事ないスラッとしている180cmはありそうな男性がいた。
3人の視線は私達を迷惑がっているのがよく分かる。
最初だけだ。
我慢。
惣治郎が必要な書類を書き終えた後、校長が話す。
「改めて伝えるが問題を起こしたら即!退学処分だ。正直君のような人間を受け入れるか迷ったんだがまぁ、色々と都合があってね・・・」
そう言ってからジロリとダルマのような顔を顰めて私達を睨むように見るが、逆に私達も校長を睨んでいるので2人からの圧に驚いていた。
「ともかく!地元じゃ色々やれたんだろうがここでは大人しくしてもらうぞ!肝に銘じておけ!」
ふっ、引っ込むなら最初からやるなよ。
「そしてこちらが担任の川上先生と、七森誠先生だ」
「川上貞代です。これ、君達の学生証」
「七森誠だよ、これからヨロシクね?」
そう言って校長の机に置かれたのは蓮と流星の写真が貼り付けられた正真正銘秀尽の学生証だった。
七森誠、双子になった影響かな。
双子がいると、別々のクラスに分けられるというのを聞いた事がある。
問題児だからといって一緒のクラスにはしなかったかぁ…。
坂本と同じクラスならいいのだが。
その他、責任とかの問題に移り、今日やるべきことは終わったので惣治郎の車で帰宅する。
*****
帰り道
「完全に厄介もんだな。まぁこればっかりは仕方ねぇ、これから真面目にやってりゃ少しはマシになるだろうよ。精進しろよ」
「気をつけます」
『はーい』
「おう、んじゃあ帰るぞ」
「承知」
『運転、お願いしますね』
「言われなくとも」
そんなやり取りをしながら帰路についたのだが、車は事故によって発生した渋滞に完全にハマっていた。
「最悪だな」
「最悪ですね」
進んだとしても数mで止まってしまう、都内の渋滞。
時間がかかりすぎる…。
首都だから仕方ないか。
車のラジオをいじって局を合わせ音量を上げる惣治郎。
そこからは丁度事故の影響についてのニュースが流れていた。
〘・・・繰り返しお伝えします。地下鉄ホームで起きた脱線事故の影響で周辺ダイヤに大幅な遅れが・・・〙
「事故ねぇ、最近多いな。そういや先月も大事故があったっけな。15歳の子が亡くなったとかよ・・・親御さんさぞかし・・・」
〘これに伴い、渋谷駅周辺に交通規制が敷かれ渋滞に拍車が・・・〙
「勘弁してくれよ・・・」
『今の間に電話番号交換しときます?』
「あぁ、そうだな」
ズボンのポッケにあったらしいスマホを取り出し、電話番号を見せてくる。
「これだ、よろしく」
受け取り、自分のスマホに惣治郎の番号を入力する。
『ええ』
互いの番号を記録させ、スマホを返す。
********
「はぁ・・・やっと帰ってこれたな。今日は店どうすっか・・・まぁいい、それよりもコレ、渡しとくぞ」
長い渋滞を乗り越え、ルブランへと帰宅出来た頃、もう開店するような時間でも無くなってしまい惣治郎が愚痴っていた。
だが、そんな彼からある物が蓮達に手渡された。
「日記帳だ、付けとけよ。保護観察期間の報告は俺がするんだからな」
日記帳。
ゲームではセーブするのに役立ってたなぁ。
する場所を間違えたら、元に戻れないが。
一日の終わりに書くか。
怪盗の事は伏せ、学生メインで。
そこで、惣治郎のスマホが鳴る。
このタイミングは双葉ちゃんからだったよなぁ。
双葉ちゃんとの会話を終え、惣治郎は自宅に帰るとのこと。
※※※※
2階
『明日初パレスだな』
「ああ」
『私のペルソナなんだろうな。凄く気になる』
「わからないけど、便利そうなペルソナが出てきそう」
『へぇ?それは楽しみだ。明日、坂本や杏ちゃん、クズ教師とはどう接する?』
「坂本、高巻に関しては仲良くする。クズ教師は、反抗的で」
『了解した』
それ以外にも認識の確認をし合ってから就寝した。